Fate/DisspectOrder   作:一般デーモンコマンド

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続きです。


龍魂珠Encountキャスター

「ガッ――ア――...」

 

 

 黒いサーヴァントが崩壊していく。どうやら、こちらの勝利らしい。

 

 

 

「はっ、はぁ、勝てた、勝てたん、ですよね...?」

 

 

 

「うん!すごかったよ、マシュ!」

 

 

 

「あ、りがとうございます、マスター」

 

 

 

 

全員に安堵の空気が流れる。が、しかし。

 

 

 

 

「クククッ―――ミツケ、タゾ―――」

 

 

 

「おいっ!まだいるぞ!」

 

 

 

 更にもう1体の黒いサーヴァントが現れる。それに龍魂珠が叫ぶ。マシュが戦闘態勢を取るも、かなり疲弊している。龍魂珠が仕方なくディスタスを召喚しようとした時...

 

 

 

「“灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)”!」

 

 

 

 

「ガァァァッ――――!?」

 

 

 

 

 黒いサーヴァントが一瞬にして焼き尽くされる。その炎の根源を見ると、そこには1人の男が立っていた。

 

 

 

「やぁ、俺の出番があってよかったよかった。これで安心して売り込めるってわけだ」

 

 

 

 全員の視線がそちらに飛ぶ。そこには、身長に並ぶほどの長さの杖を携えたフードの男が立っていた。

 

 

 

「サーヴァントっ!?」

 

 

 

 所長が男からすぐさま身を遠ざけ、マシュが疲労も構わず前に出る。

 

 

 

龍魂珠は、警戒しながらも男に問う。

 

 

 

「何者だ、貴様」

 

 

 

「おう、見ての通りキャスターのサーヴァントだ。今この街を燃やしている聖杯戦争の参加者ってワケだな。まあ聖杯戦争の参加者と言っても、オレ以外はさっきお前たちが倒したアサシンみたいな、ロクでもないモンに差し替えられちまってるんだがな」

 

 

 

 そう言って杖を軽く振り回す男。龍魂珠はまた面倒くさいことが起きそうだと思った。

 

 

 

 

『……こちらでも彼の霊基を確認した。彼は確かにキャスターのクラスで現界しているサーヴァントのようだ。先程のアサシンらしきサーヴァントの崩壊した霊基と比較しても、恐らく正常と言っていいだろうと思う』

 

 

 

 聞こえてくる声に片目を瞑り、杖を肩にかけるキャスターのサーヴァント。その視線が空中に投影されている通信画面に向いた。

 

 

 

「何だ。どういう魔術か知らんが、こっちを覗いてる奴もいるみたいだな。こっちの霊基を外から確認とは仕事が早いな。そういうのは嫌いじゃないぜ」

 

 

 

『それはどうも。確認しますが、貴方はこの街で起きた聖杯戦争のサーヴァントであり、唯一の生存者なのですね?』

 

 

 

「負けていない、という意味ならな。オレたちの聖杯戦争はいつの間にか違うものにすり替わっていた」

 

 

 

 

「経緯はオレにも分からねぇ。言えるのは、街は一晩にして炎に包まれ、残ったのはサーヴァントだけだったってことだ」

 

 

 

「そんな中、真っ先に聖杯戦争を再開したのはセイバーのヤツだ。奴さん、水を得た魚のように暴れ出してよ。セイバーの手でアーチャー、ランサー、ライダー、バーサーカー、アサシンが倒された」

 

 

 

それを聞いて、所長が呟く。

 

 

 

「七騎のサーヴァントによるサバイバル。それがこの街で起きた聖杯戦争のルール、だったわね」

 

 

 

 

「キャスターさんはその中で勝ち残った...いや、生き残ったサーヴァントというワケですね」

 

 

キャスターは頷いて、話を続けた。

 

 

 

「あぁ。そしてセイバーに倒されたサーヴァントはさっきの2人よろしく、真っ黒い泥に汚染された。で、連中はボウフラみてえに湧いてきた怪物どもと一緒に何かを探し出し始めやがった」

 

 

その何かに龍魂珠は反応した。

 

 

 

「何か、というのは何だ」

 

 

 

 

「それはオレの口からはなんとも。ただ、面倒なことにそれにはオレも含まれているらしいってことだ。オレを仕留めねぇ限り、聖杯戦争は終わらないからな。...というか、お前こそ何なんだ、丸いの」

 

 

「あー、それについては面倒くさいから後から説明するわ」

 

 

 と言われながら、龍魂珠はあるものをバレないように体内に取り込み、考えていた。

 

 

(使えぬな。まぁいい、こいつ等の話はどうでもいいのだ。今は、手に入れたコレをどうするか考えねば...)

 

 

 

そんな事を考えている龍魂珠を他所に、話は続く。

 

 

 

 

『つまり、貴方がセイバーを倒せば...』

 

 

 

 

「おう、この街の聖杯戦争は終わるだろうよ。この状況が良くなるかは知らねぇが」

 

 

 

 

 

 そこまで話して、一息つくキャスター。そんなキャスターに、所長はイヤミのように言った。

 

 

 

「なんだ、結局自分の為じゃないの」

 

 

 

「まぁな。だが、呑み込んで貰うしかねぇな。ほら、来たぞ!」

 

 

 キャスターが叫ぶ。すると、例の怪物達が現れた。

 

 

 

「――――!!」

 

 

 

 

 

「ひぃっ!」

 

 

 

 

「こいつらは無尽蔵に湧いてくる。つまり、味方は大いに越したことはねぇってことだ!ほら、行くぞ!」

 

 

 キャスターが走る。それに続くようにマシュも走る。

 

 

 

「龍魂珠、君も協力して」

 

 

 

立香が龍魂珠に言う。それに対し、龍魂珠は...

 

 

 

 

「断る。今我は忙しいのだ。それに、奴らだけで十分だろう」

 

 

 

「それは、そうかもだけど...」

 

 

 

 立香は言いどもる。そんな立香に、所長が怒鳴る。 

 

 

 

「そんなヤツに構ってないで、早くマシュ達に指示出しなさいよ!わたしの方に来てるんだから!」

 

 

 

 立香は龍魂珠の方を何回か見たあと、マシュ達に指示を出し始めた。それを後目に、ディスペクターを新たに作るため、龍魂珠は意識を外の世界へと接続させ始めるのだった。

 

 

 

 

           ◇

 

 

 

 

 龍魂珠の前に、白い世界が広がる。意識を集中させると、何かが沢山浮いているのが分かった。

 

 

 

 

 

 浮いているのは...カードだ。カードには、クリーチャーの姿。超獣世界のクリーチャー達が、カードの中に描かれている。

 

 

 

 

 この空間は、龍魂珠にのみ干渉できる空間。ここで龍魂珠はディスペクターを生み出していた。

 

 

 

 龍魂珠は、全滅したディスペクターを改めて作り出そうとしていた。しかし、一つ問題があった。

 

 

 

 

「時間が...あまり無いな。奴らの言うセイバー...あの黒い人間モドキですらディスタスでは苦戦していたのだ。セイバーとやらの相手はディスペクターではないと無理そうだ」

 

 

 

 

「だが、どうする?奴らのスピードでは直ぐにセイバーとやらのところに辿り着く。恐らく一体作れれば良いところだ。かといって、聖魔連結王のような強力なディスペクターは時間がかかりすぎる」

 

 

 

 

 龍魂珠は考える。あの黒いサーヴァントから僅かに回収した断片はまだ使えない。かといって強力なディスペクターを作る時間もない。

 

 

 

「仕方ない。これで今は何とかするしかない」

 

 

 

 龍魂珠は浮かぶカードから2枚を引き寄せ、描かれているクリーチャーを具現化させる。そして、ジッパーでその2体を無理矢理合体させ始めた。

 

 

 

「光輪の精霊ピカリエ、冥府の覇者ガジラビュートよ!再び『連結』し、我に従え!」

 

 

 

 合体が終わる。そこに居たのは、2体が半分ずつ合体した歴史の冒涜獣(ディスペクター)。その名を冥光連結ピカガジラ。

 

 

 

「成功だな。クククッ!この調子でディスペクターを増やしていくとするか!先ずはセイバーとやらを倒してからだが!」

 

 

 

龍魂珠の笑い声が、白い空間に響き渡るのだった。

 

 




ディスペクターを作るのには時間がかかるという設定。

ディスペクターを作るシーンは完全に想像なのであしからず。
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