Fate/DisspectOrder   作:一般デーモンコマンド

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龍魂珠ENCOUNTパイレーツ

 

 

「雑魚どもが...」

 

 

 

 レイシフトし、とある海賊の船に降り立った龍魂珠とカルデア一行。海賊たちから話を聞き、海賊たちが目指していた島へと龍魂珠たちは向かった。

 

 

 

 そして、海賊たちが目指していた島にたどり着いたところまでは良かったものの、やはりそこにいた海賊たちに襲われてしまっていた。

 

 

 

 が、混成の力を取り戻し、絶賛モチベーションバク上がり中の龍魂珠の手によって、海賊たちは一瞬にしてのされてしまったのだった。

 

 

 

 

 周りに二体の(・・・)ディスペクターを侍らせ、うげぇ...と呻く海賊たちを龍魂珠は威圧的に見下していた。

 

 

 

「龍魂珠、ちょっとやり過ぎ」

 

 

「襲いかかってきたのは奴らだ。いわゆる、正当防衛、というヤツだ。それに殺していないだけ、だいぶ加減している」

 

 

「...」

 

 

 すると、そのやり取りを見ていたマシュへとロマニが声を掛ける。

 

 

 

「どうされました、ドクター?」

 

 

『いやちょっと、龍魂珠についてね。...彼、前のローマで力を取り戻したって言ってただろう?それ以降、どうも様子が変わったような気がするんだ』

 

 

「それは...はい、わたしも少し感じています。ローマまでの龍魂珠さんは、なにかこう...丸かった、というか。あ、見た目の話ではないですよ!?」

 

 

『あはは、わかってるわかってる。...でもまぁ、丸い性格がトゲトゲしくなった、か』

 

 

 ロマニは少し考えるような声を出すと、いつもの調子で言った。

 

 

 

『もしかしたら、アレが龍魂珠の元々の性格かもしれないね』

 

 

「龍魂珠さんの、元々の性格、ですか?」

 

 

『うん。力を失ったときに、元々の性格というか感情というか...そういうのも、一緒に失ってしまった、ていうのはなんだかあり得そうじゃない?』

 

 

「そう言われたら、そう...なような気がしないでもないです」

 

 

『まぁ憶測にすぎないけどね。っと、どうやら海賊の皆さんが起きたみたいだよ』

 

 

 そうロマニに言われて周りを見れば、倒れていた海賊たちが頭だったり身体だったりを擦りながら起き上がっていくのが視界に入った。

 

 

 

 

『さてそれじゃあ...話を聞いてみようか』

 

 

 

         

 

 

 

 海賊たちの話を聞き、龍魂珠たちが向かった先には、一人の女海賊が居た。

 

 

 

その名はドレイク。フランシス・ドレイク。

 

 

 

 世界一周を生きたまま成し遂げ、人類史のその名を残した大航海者にして、商人として母国イギリスに富をもたらし、当時の最強国家スペインを打ち破るほどの力を与えた大英雄。

 

 

 スペインを陥落せしめ、太陽を落とした存在としてスペイン人から恐れられたエル・ドラゴ。

 

 

 まさしく伝説的存在と言っても過言ではない彼女は、仲間の海賊と共に黄金の杯(・・・・)を手に持ってラム酒を大量に飲み漁っていた。

 

 

 

「いや聖杯じゃねぇか!?」

 

 

「龍魂珠さん!?驚くのもわかりますが、口調がいつもと変わりすぎです!」

 

 

 

そんな小さなやり取りから始まり。

 

 

 

星見屋(カルデア)ぁ? この海の星図でも描けたのかい?そういう商売しにきたってんなら、買ってもいいけどねぇ。...いや、やっぱりなしだ」

 

 

 

「今の声は、完全にアタシが気に食わないタイプの声だ。弱気で根性もない悲観主義者(ペシミスト)。そのクセ本人は善性、みたいなチキンの匂い。海に出たら船の重しになるタイプさ」

 

 

『ねぇなんでボク唐突にディスられたの?』

 

 

 

ロマニの心にダメージを与え。

 

 

 

「そこで姐さんが!荒れ狂う波を操るそいつに引けを取らない大立ち回り!見事そいつをうち倒したのさ!!」

 

 

『さらっと神霊相手にしてる...』

 

 

(惜しいな...海の神とか言うほどのヤツ、そこそこのディスペクターにできると思ったが...もう倒されているなら無理か)

 

 

 

ドレイクの活躍に驚嘆し。

 

 

 

「じゃあ、あの聖杯は関係ないってこと?」

 

 

『うん。おそらくだが、あの聖杯は元々あったもので、レフ・ライノールによって送られた聖杯に反応して、先程のポセイドン事件を引き起こしただけだと思う』

 

 

「なんだい、あんたらこれを探しに来てたのかい?」

 

 

「いえ、正確にはドレイクさんが持っているものとは別のモノです。なので、それはドレイクさんが持っていただいたままで大丈夫です」

 

 

「そうかい?」

 

 

「いや、それはそれとして危険だからそれは我が貰っておこムグッ!?」

 

 

(だめだよ、龍魂珠)

 

 

(は、離せ立香!聖杯が目の前にあるのだぞー!?)

 

 

 

 聖杯を手に入れようとする龍魂珠が止められたり。

 

 

 

 

『君の手にするその黄金の杯、聖杯。それは世界をも望み通りに書き換える力の塊だ。君が使っている酒や食事を出す力なんて、その力のほんの僅かな部分でしかない。だからこそ訊きたい。君は、君が元々いた世界の海を望んでいるだろうか?』

 

 

 そう大仰な話をされたドレイクが、手にある黄金の杯を眇めつつ答える。

 

 

「もちろん」

 

 

『だとしたら、君がそれを許せないというのなら、やるべきことは一つなんじゃないかな?』

 

 

「まぁ、そうだね。よーくわかったよ。

ところでアンタ誰?」

 

 

『おっと、申し遅れたね。私はレオナルド・ダ・ヴィンチ。君が生まれる二十年ほど前に死んだ、世紀の天才だったりするのさ。よろしくね、時代を先に進めた偉人同士仲良くしようじゃ...』

 

 

「あっそ、知らない名前だね」

 

 

『...なん――だと――』

 

 

 

 ディスられていたロマニをニヤニヤと笑っていたら思わぬ流れ弾を受け、ダ・ヴィンチが自尊心にダメージを受けたり。

 

 

 

 出会ってから数時間で様々なことがあったが...なんとかドレイクとの同盟関係をカルデアは結ぶことに成功したのだった。

 

 

 

そして、その次の日。

 

 

 

「さぁ――いくよ、ヤロウども!」

 

 

「「「「アイアイサー!!」」」」

 

 

(聖杯...そしてどこかにあるかもしれない我の力...必ず手に入れる!)

 

 

 

 

 龍魂珠たちはドレイクの所有する船、黄金の鹿号(ゴールデン・ハインド)に乗り、次なる島へと出発するのであった。

 

 

 

           ◇

 

 

「で。結局そのまま出航したわけだが...ソイツ、一体なんなんだい?」

 

 

 ドレイクが指差す先には、マストに自身が出したジッパーを巻き付け、さながら拘束されているような見た目で考え事をしている龍魂珠の姿があった。

 

 

「生き物だとは思えないし...もしかしてアレかい?昨日の聖杯やらの仲間みたいなヤツ?」

 

 

「うーん。聖杯の仲間ではない...かな。生き物だよ、アレでも」

 

 

 考え事をしていて気づいていないのか、なにも言わない龍魂珠を見ながら立香はドレイクにそう答えた。

 

 

 

「ふぅん?いや、アレでも生き物なんだね。身体から金属の紐を出せるからてっきりそういうものかと思ったよ。世界は広いねぇ」

 

 

「龍魂珠さんは、他にも沢山の力があるんですよ。見せてもらえるか、龍魂珠さんに聞いてみましょうか?」

 

 

 マシュの提案に、ドレイクは豪快に笑って答えた。

 

 

 

「ははは!そりゃあいいや!船旅の余興にちょうどいいねぇ!!」

 

 

(龍魂珠はその提案を断るような気がするけどね...)

 

 

 と、内心立香が思ったその時、ロマニがその場の全員に伝わる声で言った。

 

 

 

『立香ちゃん、マシュ、龍魂珠。...カルデアの計器に僅かだが反応が観測されたよ』

 

 

「なんの反応だ」

 

 

 その龍魂珠の言葉に、ロマニは極めて冷静な声で答えた。

 

 

 

『観測された反応は...サーヴァントのものだ』

 




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