Fate/DisspectOrder 作:一般デーモンコマンド
「――ろ」
「...」
「起きろ!」
「はっ!?」
龍魂珠の目が覚める。が、そこはいつもの白い空間だった。
そして、目の前にいたのは...
「ようやく目を覚ましたか」
「おはよ〜」
「ようやく...?そんなに時間はたってないはずじゃがのう」
「細かいことなぞどうでもいいのだ!ガハハハ!」
「...うるさい」
「五龍神...!?何故貴様らがこの空間に...!?」
五龍神。それは、超獣世界の祖と言える究極の龍達。かつて滅んだ彼等を龍魂珠は超獣王来烈伝のエネルギーを使って蘇生し、VolzeosBalamordを作り出したのだ。
「お前が我々をディスペクターの素材にしてくれたおかげで、我々は擬似的とはいえ蘇ることができた。勿論力も取り戻したに決まっている」
炎龍神ヴォルジャアクがそう答える。
それに、海龍神クリスドが続く。
「で、君、僕達の身体を操ってたでしょ?だからそれで繋がりができたんだろーね。簡単に干渉できちゃった!」
「何ぃ...?」
龍魂珠は五龍神を睨む。そんな龍魂珠を気にすることなく、今度は地龍神バラフィオルが言う。
「あまり時間もないのでな、雑談はここまでじゃ。さて、何故我らがお主に干渉したかというとな、お主の今の現状を伝えるためじゃ」
「現状だと?どういうことだ」
「うむ、それはじゃな...」
バラフィオルが説明しようとした時、天龍神アークゼオスが割り込む。
「ここからはこの儂が説明してやろう!耳の穴かっぽじってよぉく聞け!」
「いいから早く言え」
「中々に生意気な!ますます気に入った!
さて、まずお前はどういう訳かこの時空へと転移してしまった。恐らく超次元の穴が大量に空いたこと、禁断竜王の顕現によって世界の裏側と繋がったことが原因かもしれない。とにかくそこら辺は吾輩達にも分からん」
「なるほどな。とにかく我は異世界とやらに来てしまったと」
「そういうことだ。では次だが」
アークゼオスは黒龍神モルナルクを見てため息をついた。
「貴様、さっきから喋ってなかろう。全員で説明すると決めたのだから、貴様も喋れ」
「...どうでもいい」
モルナルクはぼそっと言った。
「これだから闇の陰鬱は困る」
アークゼオスはモルナルクにぐちぐちと説教をし始めた。
「...時間がないと言っておきながら勝手なことだな?」
「すまんな、アークゼオスはこういうヤツなのだ。...話の続きだが、次に伝えることはお前の力についてだ」
「我の力だと?」
「あぁ。お前は先の戦いで力のほとんどを失っている」
「...そんなこと、言われなくても分かっている。ディスタスなら複数体出せるが、ディスペクターとなると今は一体しか出せん」
「うむ。だが、気づいてないことがまだある」
「何だと?」
「それは実際にやってもらった方が早いだろう。連結のディスペクターを作ってみるがいい」
そう言われ、龍魂珠は適当に、連結のディスペクターを作り出す。
「黒器連結ザマローバよ、再び顕現せよ!」
ザマローバが作り出される。それを見て、ヴォルジャアクは続けた。
「では、混成のディスペクターは作れるか?」
「そんなの当然...!?作れん!?なぜだ!?」
龍魂珠がクリーチャーを混成させようとすると、途中で突然混成がキャンセルされる。
接続、電融、縫合も試したがすべて失敗した。
「どういう、ことなのだ...!」
「それもお前の力が失われたことでおこったのだ。力を少しでもセーブしようと、無意識のうちに身体が止めている」
「ぬぅ...これでは...」
新世界の創造ができない。そう龍魂珠が思った時、ヴォルジャアクが言った。
「力を取り戻したいか?」
「...戻せるのか?」
「うむ。そのためにはあのカルデアとかいう人間達と協力しなければならん」
「何故だ?」
「特異点だ。あれは大量のエネルギーで構成されているようでな。そのエネルギーを取り込めば元の力を取り戻すどころかそれ以上の力を手に入れることができるだろう」
特異点。オルガマリーとかいう人間が説明していたアレが力を取り戻すカギらしい。
「本当に取り戻せるのか?」
「五龍神の我がいうのだ。間違い無い」
ヴォルジャアクが言い切る裏でバラフィオルとクリスドはヒソヒソ話す。
「あれ、我が気づいたことなのに自分の手柄にしておるぞ。本当に自分勝手なやつじゃ」
「まぁ、何でも良いんじゃない〜?」
そんな中、龍魂珠は五龍神達に逆に尋ねた。
「何故貴様らは我の力を取り戻す方法を教えた?貴様らにとって我は力を利用し、超獣世界を目茶苦茶にした張本人だぞ?」
その問に、ヴォルジャアクが答える。
「我はお前が気に入った。それだけだ」
バラフィオルも続く。
「我を擬似的とはいえ蘇えらしてくれたしの」
他の五龍神も答える。
「僕達を利用しようとするその傲慢さってのが気に入ったしね」
「新世界を創造するというその壮大な目標が気に入った!」
「俺様も...まぁ、面白いヤツだと思うし」
「変なヤツらだ。まぁいい」
その時だった。龍魂珠の身体が光となり始めたのだ。
「時間か」
「おい、これは...」
「目覚めようとしているだけだ、分かるだろう?」
「あぁ...それより、貴様達はずっとここに居るのか?」
龍魂珠の問いに、クリスドが答える。
「いや、僕達は一時的にこの時空へと干渉しているだけだから。次来るときはもうここには居ないと思うよ」
「ま、向こうから見てるからさ、どうしてもってことがあったら、呼んでくれたら多分また干渉するよ」
「そうか...ふん。まぁ、呼ぶことはないだろうがな」
そう言って龍魂珠の身体はそこから消えた。残ったのは五龍神だけ。その時、モルナルクが呟いた。
「そういえば...あいつが持ってたこの世界のアレは?」
「霊基、というやつのことか?まぁ、なんとかなるだろう」
◇
龍魂珠は目覚める。そこは、何処かの部屋のようだった。
「あ、起きた」
立香が言う。どうやら抱えられているらしい。
「離せ、人...」
「立香」
「...立香、さっさと離せ」
「はい」
開放される龍魂珠。
「おはよう、龍魂珠さん」
「呼び捨てで構わん。何の話をしていた?」
目の前にいたロマニに状況を聞く。
ロマニ曰く。特異点はアレ一つではなく、まだ七つあるということ。
それを全て正すのが今のカルデアの使命だと。
「成る程な。...いいだろう!我もそれに協力してやろう!」
「本当に?」
「あぁ。共に未来を取り戻そうではないか」
そう言う龍魂珠にロマニは少し違和感を感じつつも言った。
「まぁ、協力者は多い方がいいからね。じゃ、改めて。僕達の目的は人類史の保護、そして奪還。探索対象は各年代と、聖遺物、聖杯」
「戦うべき相手は歴史そのものだ。キミたちの前にたちはだかるのは多くの英霊、伝説になる。それは挑戦であると同時に、過去に弓を引く冒涜だ。我々は人類を守るために、これまで積み上げてきた人類史そのものに立ち向かうのだから。
けれど生き残るにはそれしかない。いや、未来を取り戻すにはこれしかない。たとえどのような結末が待っていようとも、だ」
「以上の決意をもって、作戦名はファーストオーダーから改める。これはカルデア最後にして原初の使命。人理守護指定・
魔術世界における最高位の使命を以て、我々は未来を取り戻す!」
...こうして、龍魂珠の新たな冒涜の戦いが始まるのだった。
――2004年:特異点F 炎上汚染都市 冬木――
――定礎復元――
五龍神の一人称はアニメから。口調はオリジナルです。