Episode FULL・BLAST 久遠の歌姫   作:ホシボシ

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はじめの文に注意書きがありますので、一度確認の方をお願いします。
もしも注意書きで合わないなと思ったらバックの方をお願いします。
長々とした注意書きで申し訳ありませんが、気分良く読んでもらう為ですので、どうかご了承ください。
Episode DECADEを既に読んでいると言う方に関しては本編とほぼ同じ注意書きですので、特には気にしないでください。

はい、とまあ予告通り今回から特別番外編の始まりです。
ライダーの劇場版の様にパラレルを含みつつ、本編での出来事でもあると言う形になっています。
あらすじが意味不明だったり、説明無しにパラレル部分が出てきたりと、ややこしい部分もあるかもしれませんが、こちらが要するに82話目となっています。

さて長々とすいません。
どんな作品でも受け止めてやると言う方がいればスクロールをお願いします。
この作品が皆さんの暇つぶしになれば幸いです。
ではどうぞ。


本編
プロローグ


【予告】

 

 

『わたし』を構成するのは記憶か存在か――?

 

 

少年Aはある日、自分に関する全ての記憶を事故で失ってしまう。

物の名前や礼儀作法などの知識は失っていないが、目の前に現われる親しい人の名前などは全て分からなくなってしまう。

 

 

『おれは誰なんだ?』

 

 

苦悩するA。

しかし彼を支えるヒロインのCを中心とし、友人たちの支えもあって彼は新しい自分を受け入れていく事ができる。

だがその時、彼の心に宿る疑問。

 

 

『俺はAではなく、Bと言う人間ではないか!』

 

 

誰しもがAを望む中で少年Bは自らの存在を疑問視する事に。

記憶がゼロなのだから新しく目覚めた自我は自分ではなくある種他人とも言えるだろう。

果たして彼はAなのか、それともBなのか。彼が出す答えとは――!?

 

 

映画、『僕が生まれ変わった日』。○月×日公開予定!

 

 

 

 

【注意】

 

 

薄暗い部屋に一人の男が立っていた。

予告の時間は苦痛な物か? 観客は一秒でも早く映画を見たいのだからな。

まあだが付き合え、メインを引き立たせる前菜を自分達は忘れてはいけない。

 

 

「お前もそうは思わないか?」

 

 

シルクハットが目立ち、顔にはフィルムが。

随分とジェントルと言う印象を植え付けられるが?

そうしている内に彼は挨拶を。

 

 

「俺の名前はシネマ。それ以外の何者でもない」

 

 

上映中は携帯の電源は切らないと駄目だなァ。

ああ、あと無断で撮影したりコピーしたりするのも禁止だ。

 

 

「あとはそうだな――、まあコレを見てくれ」

 

 

シネマの背後にあったスクリーンに注意書きが羅列される。

 

 

………

 

 

(1)

 

 

この小説は同サイトで掲載している『仮面ライダーEpisode DECADE』の派生作品となっています。

なるべく初めて見る方にも問題ないように大まかな説明は入れ様とは思いますが、やはり限界があり、前述のタイトルを見ていないと意味不明な点があります。

 

 

(2)

 

 

この小説は、ディケイドをメインとした主に仮面ライダーシリーズのクロスオーバー二次創作となってます。

しかし多くのオリジナルキャラクターや、原作と同名の物(者)でも設定が大きく異なる場合があります。

例として主要キャラクターに一部原作キャラと同名のキャラがいますが、基本的にパラレル。ほぼオリジナルと考えて頂ければ幸いです。

 

(例・小野寺ユウスケ等

 

 

(3)

 

 

基本的にライダーに変身するキャラクターはほぼ全員オリジナルとなっています。

一部演者さんをイメージさせる用語等が出てくるかもしれませんが、実在の人物とは何の関係もありません。

気をつけますが、オリジナルやパラレル故に読者さんの原作イメージを壊してしまう可能性があります。

 

 

(4)

 

 

多重クロスとある様に、タグに記載した以外に他のアニメやゲーム作品からのキャラクターも割と登場します。

ネタバレ防止の為にタグには記載していませんが、詳しくはキャラが出た時か別のあとがき等に記載する予定です。

 

 

(5)

 

 

恋愛要素。

および他作品の公式でないカップリング描写があります。

カップリングの場合、作者の趣味が強くなる場合があります。(例・良太郎×ハナ。レン×リン等々)

 

 

………

 

 

「とまあこんな所か。どこかで見た様な物を長々と悪かったな」

 

 

ああ、あとそうそう。

くれぐれも周りの客に迷惑を掛けるなんて事もしちゃいけない。

 

 

「ポップコーンの準備はいいか? 長丁場になるぜコイツは」

 

 

今から始まるのは可哀想で可哀想な絶望の悲劇の物語だ。

救いなんて無い、いや――……救われる事はあるのかもしれないが、少なくとも俺には無理だと思うね。

深い絶望、そこに至るまでの悲しみ、そしてその先には何があると思う?

おっと、そうしている間に時間が来てしまった。

 

 

「……最後に」

 

 

お前はどう思う? いやいや、予告の話だよ。

Aと言う人間は記憶を全て失う事で自分はBと言う新しい人間なのではないかと思ってしまった訳だ。

当然だな、自分をAだと認識している全ての人間をA自身が分からないのだから。

たとえばそう、Aはホラー映画が嫌いだとしよう。だが記憶を無くしたAはホラー映画を面白いと感じたら?

それはもうAではないと思うのが普通だろう?

 

 

「だがこれは個人の話だ」

 

 

もしもそれが――

 

 

「世界だったら、どうなるのかねぇ?」

 

 

世界中の人間が再構成されたとすれば。

そう、だったらそれは同じ世界と言えるのか?

 

 

「……おっと! 上映前のカウントダウンが始まってしまった」

 

 

スクリーンに映し出される数字。

 

 

『3』

 

『2』

 

『1』

 

「さあ、チケットは切られた! 上映開始だ!!」

 

 

ノイズが。

世界は、そして砂嵐で覆われた。

 

 

 

 

 

【本編】

 

 

 

 

 

 

ノイズ。

雨が降っていた、大降りの雨が。

曇天の空から大きな音を立てて降り注ぐそれは打たれる者の体温を容赦なく奪う。

それだけじゃない、周りの景色は曇天によって暗く染まり、水溜りに打ち付けられていく雨粒は雑音を倍増させるだけでなく、雨の匂いを辺りに拡散させていく。

 

 

「………」

 

 

男は木の下にいた。

バララ、バララ、バララララ、葉に当たる雨の音しか男の耳には入ってこない。

どれだけ耳を澄ませても、もうその音しか聞こえない。

彼女の声は、聞こえない。

 

 

「………」

 

 

男は先ほどからもうずっと無言で立ち尽くしていた。

灰色の空は益々雨の勢いを強めていく、それでも男は動かない。

木の下だというのに葉の隙間を抜けて雨は次々と不意注いで彼の体を濡らしていく。

しかしそれでも彼は動かなかった。目の前にいる、大切な彼女を見つめるだけだ。

 

 

「―――」

 

 

彼女もまた無言だった。

男は大きく、深く、静かに息を吸う。

口で、鼻で、すると雨の匂いに混じって彼女の優しい香りが――?

いや、血の臭いが鼻をつく。

 

 

「………」

 

 

少年はそこでゆっくりと動き始めた。

まるでエネルギーの切れたロボットの様に不動だった彼は、座り込んでいる彼女の前に膝をつけ、そして優しく彼女の頬に手を触れた。

すると眼を閉じる彼女の頬を伝い、微かな温かさを感じた気がする。それは一瞬の話ではあったが。

何も――、恋愛感情があった訳ではない。それだけの時間があれば? いや、彼女と自分達の間にあったのは絶対的な友情だったと確信している。

ただ一つ言えるのは、自分にとって彼女は大切な人だったと言う事だけだ。

特別長い時間を過ごしたわけでもないが、おそらく今の状況が皮肉にも彼女の存在を何よりも高く昇華させているのだろう。

 

 

「……すまない」

 

 

もう、手に感じる体温など存在していない。はじめから無かったのか、それともこの雨が奪ったのか。

 

 

「悪かった――ッ」

 

 

謝罪を、罪を覚えなければ壊れる。

赦してほしいのか? 誰に? もうその罪に塗れて彼女は壊れたのに。

 

 

「ごめんッッ!!」

 

 

男は少女の頬から手を離す。

名残惜しそうに頬から離れた手は、一瞬また彼女を求めるように動いたが、なにより男の心がそれを制した。

もう意味など無い。そうだろ? 彼女は――……死んだのから。

 

 

「俺を……許してくれ――ッ」

 

 

救えなかった。守れなかった。わかるんだ、きっと彼も同じ思いを抱くのかと。

だから祈る。どうかキミは、俺の様な思いを抱かないでくれ。

その先には、悲しみしか無いのだから。

 

 

「………」

 

 

男は崩れる様に膝をつく。

灰色の景色が、周りの色彩すら奪ってしまうのではないかと錯覚してしまう。

雨は、雲は――

 

 

闇は晴れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『♪』

 

 

空に大きく輝く星が一つあった。

その星からは色々なメロディが聞こえる。いろいろな景色が見える。

その光は眩しくて、暖かくて、けれども少し寂しくて。だからだろうか? 星は、他の星の光を求めた。

 

 

『世界の移動が始まるな。皆、気を引き締めていこう』

 

 

隣には文字に包まれた小さな星が。

その輝きは破壊。

 

 

『今日は平和に終わると良いけど――っ』

 

 

向かいには眩しい光を放つ星が。

その輝きは未来。

 

 

『粒子の研究は進んでんのか?』

 

『結構難しいみたいだよ』

 

 

その斜めには光の粒子に包まれた星が。

その輝きは友情。

 

 

『うおおおおおおお! ブヒィイイイイイイイイイイ!!』

 

 

ほら、また一つ鈍くも熱い光を放つ星が。

その輝きは可能性。

 

 

『やっばい! 遅刻だ! 遅刻だ! 遅刻しちゃうぅぅうう!!』

 

 

様々な色の光が交差する、ずいぶんとカラフルな星が。

その輝きは希望。

 

 

『お?』

 

 

元気に、そう太陽の光を受けたひまわりの様な星が。

その輝きは自由。

 

 

「………」

 

 

一つの大きな星の周りに、六つの星が引き寄せられる様にして集っていく。

可能性の引力、繋がりの引力、それはありえたかも知れない一つのエピソードへと収束していくのだ。

世界の観測者である観劇の魔女、フェザリーヌはそれを見上げて手に持っていた紅茶をテーブルに置く。

そして少しだけ沈黙し、頬に手をついてため息を一つ。流し目をしながら俯く彼女は、何とも憂いを象徴した美しさがあると言う物だ。

 

 

「――……ナルタキ、面倒な事が起こるぞ」

 

 

いや少し違うな。訂正しようと魔女は笑う。

そう、やはり彼女はニヤリと笑って星を見ていた。

 

 

「非常に厄介で最悪、かつ面倒な事が起ころうとしている」

 

『何ッ?』

 

 

魔女からコンタクトを取られたナルタキは、緊張した面持ちで反応を示した。

それは当然だ、今まで魔女からこんな事を言われた事は無い。

余程の事なのか? 一瞬いつもの様に馬鹿にしているか、からかっている物かとも思ったが、意外や意外で魔女自身がそれを否定してきた。

 

 

「いいか? コレは冗談ではないぞ」

 

 

下手をすれば――、魔女はそう言いながら星の軌道を確認していく。

そしてテーブルの上に置いてあった今まで創り上げてきた(セカイ)を見て、もう一度ため息を。

 

 

「下手をすれば、全てが終わる」

 

『――……!!』

 

 

まったく、面倒な事が起こったものだ。

魔女は、けれどもこみ上げる笑みを抑えるのに必死な様子であった。

今まで必死に積み上げてきた積み木を壊すのも、それはそれで面白い。

が、しかし。やはりその楽しさは一瞬、刹那的な快楽を覚えるために今までの労力を白紙に戻されるのは魔女としても不本意なもの。

だから対処を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大人になると言うのは悲しいね」

 

 

上位世界の図書館。魔女がいた部屋とは別の部屋、そこには四人と一匹の生命が。

紫のライトがかもし出す幻想的な部屋、壁は全て本棚でできており、天井には無数の星がプラネタリウムの様に広がっている。

それは世界の銀河、ありとあらゆる可能性を持った世界の宇宙。

 

 

「言葉は時を与えられる事で、その意味を大きく変動させ、不確かな常識を真実へと変える」

 

「人間は成長すればどんな聖人だって濁っていくものですよ」

 

 

そう言って一匹の猫が笑った。

彼の名はシャルル、正真正銘の猫であるが、ごらんの通り言葉はペラペラである。

服もしっかり着ており、今日は明治時代のファッション、中折れハットと文豪が好みそうなゆったりとしたマントを羽織ってキセルを咥えている。

他には中世ヨーロッパの服装だったりそれはバラバラだ、ただ昔は後者のみだった為、反動か『和』を象徴させる様な服を今は特に好むらしい。

何よりの特徴と言えば長靴を履いている事だろうか? 彼の存在は非常に面白いもので、多くの人間は猫が喋るなどと言う常識を振りかざすだろうが、また同時に多くの人間が猫は喋るものだと相反する常識を振りかざす。

 

つまり、世界が変われば――、パラレルワールドが導く可能性は無限大と言う訳だ。

猫が人間の言葉を喋らないと言う事を証明するには世界中から全ての猫を集めて喋らない事を確認しなければならない。

しかし彼がいる限り、猫は人の言葉を喋るかもしれない事が約束される。

まあ今はそこは置いておこう、とにかくこの部屋には彼を含めて五人の少年少女が円形状に椅子を並べている。

 

 

「穢れの無い宝石を、徐々に濁していくなんて――、やはり人は愚かだ」

 

 

ナインと言う少年は言葉を続けていく。白い髪に、白い肌、そして真っ赤な目で星を見つめている。

濁っている、彼はそう言ってヤレヤレと首を振った。それが人間としての成長なのだから何ともまあ悲しい生き物ではないか。

 

 

「いきなり何の話だい?」

 

「ウフ! ゼノンがカッコいいって話かしらー!?」

 

 

一人それぞれ一つずつ椅子が与えられている状況であるが、中に一つだけ空席があった。

それはその筈、その椅子を与えられた少女は、隣に座ってた少年の膝に座っているのだから。

青のハットに同じく黒とダークブルーのジレ付きシャツ、そしてスーツを着た少年ゼノン。

そんな彼の膝に座っているのはフリフリがふんだんにあしらわれたゴスロリドレス、ふんわりとした赤い髪の上にはミニベレーを被ったフルーラと言う少女である。

二人は今日も今日とて朝から今の今までイチャイチャとわき目も降らず、内容も構わずただひたすらに愛を語り合うのだから迷惑な物だ。

いやいや、当人同士は楽しいのだからそれはいい事かもしれないが。

 

 

「成長の話さ」

 

 

どうやら他の三人は慣れているのか、特に二人の態度を気にする事も無く会話を続けた。

 

 

「分かるぜぇ、ナイン。たとえばヒーローとかなぁ」

 

 

真っ黒な髪に真っ黒な服、けれども肌は驚くべき程に白く、目は真っ赤。

そんな少年ディエスは星を見上げながら意味深にニヤリと笑った。唐突に持ち出して来たその単語には意味があるのだろうか。

ココにいるゼノン、フルーラ、ディエス、ナイン、シャルル、彼らは『眼』と言う名の役割を持った魔女の駒、魔女の家具、魔女の友人。

忙しい時は忙しいが、暇な時は死ぬほど暇である。今日もそんな暇をつぶす会話を?

それにしてはナインの星を見る目がギラギラとしている様な気もするが。

 

 

「そう、ヒーロー……ヒーローはいる」

 

 

大人になれば、いやと言うよりもきっと彼らの話を聞いている時点で人は大きくなりすぎた。

純粋に、ただひたすらに純粋だった人はきっと本当の意味でナインとディエスの意味を理解してくれる。

いや理解せずとも、むしろ理解できないからこそ彼らの望む答えを口にしてくれる筈だ。

 

 

「大人になった奴らは、あの話は役者の演技が良かっただの、この話は脚本がグダってただのとよぅ」

 

 

ディエスは星の一つを見ながら笑う。

 

 

「フフ、それが賢くなると言う事ですよ」

 

 

シャルルはそう言うがディエスは悲しいねぇとケラケラ笑った。

テレビと言う箱庭に映る光景が、何かもが真実と信じて疑わなかった時が誰しにも少しはあったろう。

記憶を辿り、過去の自分を馬鹿だったなと羨ましく笑える時代が存在していたのだろう? もしもその記憶があるのなら、それはとても羨ましい事だとディエスは言った。

先ほどは否定したが、その成長は決して間違っていない、成長してまだそれが本物だと信じる方がどうかしてる。ただ、それはやはり人の心が時代と共に濁っていく証拠。

もう一度知ってしまえば忘れる事はできない、戻る事はできない道だ。一体何人の大人が過去の自分に胸を張る事ができるのだろうか?

 

だから、そう。

時々羨ましくはならないか? 穢れの無い心と言うものが。

大人になるにつれて捨てなければならない物だ。どれだけ大切にしていても、いつかは無くしたと気づいてしまう。

それが普通なんだと思えてしまう世界は、当然かもしれないが少し寂しいもの。でもそれを捨てなければ世界がうまく回らないのだから仕方ない。

自分が困っている時に都合よく助けに来てくれるスーパーヒーローなどいるものか、己の世界を影ながらにして守っている戦士達などいるものか。

そんな風に大半の大人は知ってしまう、気づいてしまう、あきらめてしまう。

だからそれは記憶で良い。その記憶があれば人は、それを懐かしむ事ができる。

 

 

「その目で見ていた光は、疑いようの無い真実だった」

 

「その箱庭に移る世界が、紛れも無い真実だった」

 

 

そんな世界(きおく)が、あるといいね。ナインは中央に光る星を見て笑みを浮べていた。

 

 

『ごきげんよう、私の眼達』

 

「「「「「………」」」」」

 

 

その時、部屋に響く飼い主――、ああいや友人の声。

 

 

「「「「「ごきげんよう、フェザリーヌ」」」」」

 

 

それぞれは、それぞれのトーンで親愛なる友人へ挨拶を。

彼女がコンタクトを取ってきたと言う事は、おそらくは仕事の時間だろう。

するとすぐに魔女の声が男の物へと変わる。ナルタキ、簡単に言えば彼らの仕事仲間でありオーナーとでも言えばいいか。早速彼から『眼』達に告げられる事の状況。

 

 

「―――……成る程」

 

 

話を聞いたゼノンは天井に広がる宇宙を見て確かにと頷く。

そう、そうだな、それは随分とまた――

 

 

「面倒な事になりそうだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

大きな月が輝く夜の世界。

見渡す限りの草原は一陣の風を受けて静かに揺らめいている。

何の音も無い、虫の声も鳥の声も、全てが夜の闇の中で眠っている様だ。

強いて言うのなら、まさに風に揺らめく草の音だけだろうか。そしてその草の上に座っている男の静かな呼吸音。

 

 

「――……」

 

「ギギギ」

 

 

その時何かがこすれあう様な音が、鳴き声がして男はゆっくりと目を開ける。

この和服に身を包んだ長髪の男、剣丸(つるぎまる)は自分の下へやって来る存在をしかと目に焼き付けた。

 

 

「外れか」

 

 

いつもはニコニコとした気の抜けた雰囲気をかもし出す彼。

しかし今のその眼はとてもではないが同一人物とは思えない。

ありったけにして純粋なる殺意、獲物を求める獣の目だ。

 

 

「彷徨える魂よ、せめて道に迷う事無く眠るがいい」

 

「ギギギ!?」

 

 

彼はそのまま目の前にやってきたカミキリインベスを静かに睨みつけたまま手を前にかざした。

するとどうだ、まるで彼の手の先に無数の蛍が集る様にして光が密集していくではないか。

そして光が弾けると剣丸の手にバックルが出現する。その名は"戦極ドライバー"、彼はそれを迷う事無く腰へと装備した。

まるで最初から装備の方法を知っていたかの様に。そして彼は懐からオレンジの果実を取り出すとそれを強く握り締める。

普通なら潰れてしまうオレンジ、しかしどれだけ剣丸が力を込めようともオレンジは形を崩さない。当然だ、それは果実の姿をした――

 

 

「我が魂、捧げてやる」

 

 

だから武神の力を寄越せ。

剣丸が手を旋回させて振り上げる。すると再び光が発生してオレンジの形が変わった。

それは果実と言うにはあまりにも無機質、まるで錠前の様な形。剣丸はそれを振り下ろすようにベルトへとセットする。

よく見れば戦極ドライバー横にあったスペースに、なにやら武者の横顔が描かれていた。

 

 

『ロック・オン!!』

 

 

変化はそれだけではない。

セットと同時に空が文字通り割れ、そこから巨大なオレンジの果実が飛来してきた。

ちなみに空にできた亀裂には、まるでジッパーの様なもので縁取られている。

さらにオレンジも普通のオレンジではない、何か鎧の様な物を連想させる作りだ。

その鎧オレンジは剣丸の頭上で停止、さらにどこからともなくホラ貝の音が吹き荒れる。まるでこれより戦が始まるぞと場を盛り上げんばかりに。

いや、それは電子音。剣丸はそのまま戦極ドライバーにあった小刀を振り下ろした。

 

 

「変身」『ソイヤ!』

 

 

セットされたオレンジの錠前が展開し、同時に空にあった鎧オレンジの球体が剣丸の頭上に落下する。

このままならばオレンジは剣丸の頭に直撃する事になるが、焦りの様子が無い事からコレは予定通りなのだろうと言う事が分かる。

そして、ズポンと音を立ててオレンジ色の球体はなんと剣丸の顔を覆った、そしてすぐに展開して文字通り本当の鎧となっていくではないか!

さらに果実が装備された時点で剣丸の体が着物からバトルスーツの様な物へと変わっていた。そして皮がむける様にして鎧が展開し終わると、ありったけの果汁が辺りに飛び散る。

 

 

『オレンジアームズ!』『花道・オン・ステージ!!』

 

「ギギギッ!」

 

 

現れたのは新たなる新世代16番目、鎧武(がいむ)

 

 

「キキキキッッ!」

 

 

カミキリインベスは鎧武の姿を発見すると勢い良く地面を蹴る。

関わりがあるのか、鎧武は大橙丸と言うオレンジの切り身を模した刀を構えて走ってくるインベスを待った。

 

 

「フッ!」

 

「キキキッ!」

 

 

居合い切りとでも言えばいいか、インベスは鎧武に触れる事無く地面へ倒れる。

走ってきたインベスの勢いを利用してすり抜ける様に切った鎧武、肉を切る様な音とインベスの体から散る火花がミスマッチさを引き立てる。

さらに鎧武は腰についているもう一本の刀、無双セイバーを取り外して二刀流となった。刀を頭上で交差し、その後振り下ろす様に構える鎧武。

威嚇と、これが彼を現すポーズ。

 

 

「ギィイ!!」

 

 

カミキリインベスも負けてはいない。

彼は自分の長い二本の触角を鞭の様に振り回して鎧武を引き裂こうと走り出した。

しかし鎧武もまた逃げる事無く足を進める。巨大な月をバックにオレンジと銀の剣閃がカミキリインベスの触手乱舞を容赦なく切り伏せていく!

 

 

「御免!」

 

「キキキキ!!」

 

 

鎧武は十字切りにてカミキリインベスの体に大きな傷を作った。

まだだ、彼は無双セイバーに備えられているバレットスライドを引いた。

すると無双セイバーに光が点り、そのまま鎧武は引き金を引く。

 

そう、鎧武の刀が一つである無双セイバーは銃と刀を融合したデザイン。

バレットスライドを操作する事で刀でありながらエネルギー弾を放つ事ができるのだ。

鎧武者を模した姿とはややミスマッチではあるが、それは遠距離にも対応できる機能として効果を振るう。

四連射されるエネルギーを受け後退し怯み、動きを止めたインベス。

その隙に鎧武は大橙丸の持ち手と無双セイバーの持ち手を連結、これぞナギナタモードと呼ばれる形態であった。

続けざまに鎧武はベルトにあるオレンジロックシードと呼ばれるアイテムを取り外すと無双セイバーに装填する。

 

 

『ロックオン!』

 

 

光を放つロックシード。

 

 

『イチ!』『ジュウ!』『ヒャク!』『セン!』

 

 

オレンジの光が武器に宿る。武器を構えなおす鎧武、チャキッと言う音が静寂の夜には良く響く。

鎧武が刀を振るうと光る斬撃が射出されてカミキリインベスに命中した。

するとオレンジを模したエネルギーボールが展開、インベスを燃えるオレンジエネルギーの中に封じ込め動きを完全に停止させる。

同時に走り出す鎧武、これで終わりだと彼が放つ雰囲気が語っていた。

 

 

「セイッハァアアアアアアアアアアアアア!!」『オレンジチャージ!!』

 

「ギギギギイィィィイイ!」

 

 

ナギナタの一閃。

上半身と下半身が分かれたと思えば、オレンジの輪切りを散らして爆発するインベス。

鎧武は爆発の中でゆっくりと武器を取り外してドライバーへセットしなおす。するとこの静寂を切り裂く声が。

 

 

「剣丸、大丈夫か!?」

 

「おお、(つるぎ)殿。問題は無いでござるよ」

 

 

心配した表情で鎧武の元へ走ってくる劒。

どうやら鎧武に怪我が無い事を知ると、彼は良かったと笑みを浮べる。しかし本当に不思議なものだ、劒は周りを少し見渡す。

他世界などと言う物があるなんて少し前まで考えもしなかったし、パラレルワールドなんて全部迷信、作り話だと信じて疑わなかった。

なのに今自分はしっかりと自分の世界じゃない場所に立って、息をして、草の臭いを感じている。巨大な月をこの目で見ている。

 

 

「もういいだろ? 帰ろう」

 

「そうでござ――」

 

 

そこで言葉を止める鎧武。

彼は変身を解除するために手にかけていたロックシードから手を離す。

それが意味する事は一つ、鎧武は劒に背を向けると無双セイバーに手を掛けながら静かに言う。

 

 

「劒殿、下がっているでござる……!」

 

「な――ッッ」

 

 

その時、劒もまた音を感じた。

雑音の無い静かな夜だ、その音はただの人間である彼にもよく聞こえるもの。

それに向こうはわざと音を立てているのではと思うほど、存在感を放った音だったという事もある。

足音。剣丸の様に音を殺す歩き方ではなく、ドスドスと言えばいいか。

とにかく一歩一歩大地をしっかりと踏みしめる様なハッキリとした音だった。

誰か来る? そしてこんな場所にやってくるとしたら同じ穴の狢。劒はゴクリと喉を鳴らすと、鎧武の背中を見つめながら一歩一歩と後ろへ下がる。

 

 

「………」

 

 

無言で立ち尽くす鎧武。

するとその影は次第に姿を見せ――

 

 

「ッ!」

 

 

やはりともう少し後ろへ下がった劒。

鎧武の前にやってきたのは、明らかに彼と同じ種類の存在だった。

明らかに劒の知っている常識とは外れた力を、姿を、鎧を纏った者。

しかし一つ明らかに違うのは向こうは鎧武の持つドライバー、つまり戦極ドライバーでは無い。

ロックシードの様な物が装備されているのは同じだが、ベルトの形状や色彩は全く異なるもので、ロックシード自体も何か鎧武のソレとは違う印象を受けた。

 

 

(ゲネシスか……)

 

 

歩いてきた鎧は鎧武の前に立ち、その動きを止める。

 

 

「何奴」

 

 

ピリピリとした空気に思わず汗を流す劒。

全く、とんでもない事が自分の知らない所で起こっていた物だとつくづく実感させられる。

鎧武も、その前に立つ鎧も焦りは見られないが、内心はいつ動くかを探っているのだろうか?

 

 

「フハハ、急くな急くな。何もワシはお前と戦いに来た訳ではない」

 

「……?」

 

「先ほどの戦いを見ていただけだ。変わる前からな」

 

 

久しいな剣丸。そう言う彼、どうやら鎧武とは知り合いらしい。

鎧武は記憶辿っているのか、少し沈黙を続けた後にハッとした様子で少しだけ顔を動かした。

しかしまたもしばしの沈黙、色々と思う所があるのだろう。劒にはよく分からない事だが、なんとなくそうなのではないと思ってしまうのだ。

 

 

「――ッ、雷電か」

 

「今はデュークだ」

 

 

青色の身体と黄色の鎧、そしてベルト中央にあるのはレモンの果実。

 

 

「ワシも魂を感じてな。しかし結果は雑魚インベスよ」

 

「意外でござる。お主も、禁断の果実を求めたとは――」

 

「何、ちょいとした暇つぶしよ!」

 

 

今はまだ。しかしいずれは戦う事になるだろうと彼は言う。

何ならば今やっても良かったが、何も祭りの前にはしゃぐ事は無い。疲れてしまっては本番を楽しめないと言う物だ。

 

 

「祭り、でござるか?」

 

「ああ、お前は感じぬか?」

 

 

世界が異常な脈動を放っている。世界が異常な振動を起こしている。

それはもう普通と言う物が分からなくなった自分達ですら、まだ普通ではないとハッキリ言い切れる物ではないかと。

なるほど、言われてみれば確かにと鎧武はうなずく。

 

 

「禁断の果実が絡んでいると?」

 

「一概は言えぬ。確証もまた。何せワシらもまだ道を明確には示されてない」

 

 

まして見つけても……。

デュークは鎧武を睨む? いや、二人の表情は仮面があるせいで全く分からない。

 

 

「だが多くの魂がそこには集るだろう。禁断の果実が無くともな」

 

「拙者も、お主も……でござるか」

 

「そうだ」

 

 

魂が集れば、そこには必ずして強者がいる者。

デュークはそれを見極め、見届けたいと願った。

それは彼の信念の為、願いのため、自らの魂を具現させたが理由だ。

 

 

「何かとてつもない異変が起きようとしておる。食われぬ様に気をつけろ」

 

「……ああ。忠告、感謝するでござる」

 

 

デュークが頷くと彼の背後に灰色のオーロラが。

彼は無言で背を向けるとそこを通り抜けて消えていく。

無言の鎧武、彼は変身を解除すると剣丸に戻って同じく踵を返した。

 

 

「では劒殿、帰るでござる」

 

「あ、ああ」

 

 

しかし大丈夫なのだろうか、劒もデュークとの話は聞いていた。

何かとてつもない異変が起きるとか。それを話すと剣丸はまたニカっと緊張感の無い笑みを浮べていた。

 

 

「心配ないでござるよ。何か起きても劒殿は――」

 

「いや、俺も行かせてくれ」

 

「………」

 

「迷惑を掛ける。でも――」

 

 

フッと笑う剣丸。

心得た、彼は少し嬉しそうに笑うとオーロラを出現させて劒の背中を軽く叩くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Episode 『???』

 

ところ変わって晴天の空。雲ひとつ無い青に、同じく一面に広がる青の海。

吹き抜ける風は何ともいえない心地よさがあり、今日は経験しうる朝の中で一番清清しい物かもしれない。

少年は深呼吸を数回繰り返しながら、適当に覚えているラジオ体操の各パートを少し繰り返していた。

 

 

「うぅぅうん」

 

 

少年は大きく伸びを行った。

茶色い髪色で精悍な顔立ちの少年だ、その表情には常に強さと優しさがくっきりと出ている様にも感じる。

彼は朝の日差しをたっぷり浴びれる、晒しのデッキにて体操を繰り返していた。

 

 

「おはよう明日乃くん、早いね」

 

「ああ、おはよう琴美さん」

 

 

少年、明日乃に話しかけたのは同じ施設にて暮らしている神宮寺(じんぐうじ)琴美(ことみ)と言う少女だ。

淡い茶色の髪のショートヘア、彼女は明日乃にペットボトルに入った水を差し出してニッコリと微笑む。

彼女もまた見るからに優しそうな雰囲気だ、明日乃はお礼を言って水を口に含む事に。

 

 

「今日はお休みなんだから、ゆっくりしてればいいのに……」

 

「あはは、こういう日だからかな。早く起きちゃうんです」

 

 

それに俺、休みの日ほど寝坊できない損な性格なんです。

明日乃がそう言うとプッと吹き出す琴美。それは馬鹿にしていると言う笑いではなく、共感の意味を含んだものだった。

 

 

「えへへ、私もなんだ。損だよね」

 

「だと思った。だからココにいるんですよね俺達」

 

「うん、皆まだ夢の中だもん」

 

 

今日は休日、皆が起きてくるのは大体としても9~10時頃。

なのに二人が話している今は6時半と来た。もちろん二人としても眠りたいと言う思いはあるが、それに反して体が応えてくれない。

 

 

「まあでも早起きは三文の得って言うしね」

 

「そうですね、真面目なのはいい事です!」

 

 

ニカッと笑う明日乃に釣られる様にして琴美もニンマリと笑った。

生真面目コンビとして仲が良くなった二人、自分でももう少し柔軟に生きた方が良いとは思うのだが、体に行動が染み付いてしまっているのだから仕方ない。

ご丁寧に二人とももう制服に着替えているし。だいたい休日は私服と言うのがお決まりなのだが――……。

 

 

「こっちの方が落ち着くもんね」

 

「あはは、確かにですね」

 

 

でもと、少し頬を染める琴美。

 

 

「この制服ちょっとスカート短い気がするんだよね」

 

「そうですか? 普通だと思うけど」

 

「私もっと長いのしか普段穿かないからなぁ」

 

 

それに、と彼女はモジモジ。

 

 

「?」

 

「む、胸もキツイし」

 

「ああ、それは琴美さんの胸が大きいか……」

 

 

汗を浮べて首を振る明日乃。失言だった、彼は苦笑いを浮べながら立ち上がる。

幸い聞こえてなかったか、スルーしてくれたのか、特に今の言葉にリアクションする事もなく琴美は話題を変えてくる。

 

 

「明日乃君は、これからどうする予定?」

 

「ちょっとエスポワールで、辺りを見回ってきます」

 

 

エスポワール。

希望と言う意味を持つ言葉だが、琴美にとっては違う意味に聞こえる用語である。

 

 

「え? でも今日は大丈夫な日でしょ?」

 

 

決して変な意味ではない。文字通りな意味であるのだ。

要するに今日は安全が約束されている日、と言えばいいか。とにかく危惧している事態が起きない日であるのだ。

しかし彼はパトロールを行うと言う。その理由は? 彼女が聞くと、明日乃はまた優しい笑みを浮べた。

 

 

「念の為ですよ」

 

「はぁ、明日乃くんは私より損な性格だね」

 

 

まあだがこう言うのは気になるなら、とことんやった方が彼としても納得できるだろう。

琴美は分かったと笑うと、止める事も無かった。それにパトロールと言っても一時間程度の物だ。

流石に明日乃もそこらへんで戻ってくると言っているし。

 

 

「じゃあ帰ったら朝ご飯にしようね。私カレー作って待ってる。明日乃くん好きでしょ? カレー」

 

「もちろん! 本当にいいんですか!?」

 

「うん。早起きのご褒美ご褒美!」

 

 

それを聞くと嬉しそうに笑いながら明日乃は何か携帯の様な機械を操作していく。

何かカプセルの様なものをソコにつけ、機械についている引き金を引くと――

 

 

『REALIZE』

 

「よし、と」

 

「うーん、いつ見ても、何度見ても凄いねコレ」

 

 

激しい光が迸り、二人の前には立派な戦闘機が一つ空に浮かんでいる。

さらに明日乃はそこへ手をかざすと、粒子となって一瞬で戦闘機に吸い込まれていった。

そして彼が再び姿を実体化させれば、そこはもうコックピットの中である。

 

 

「じゃあ、行って来ます」

 

「行ってらっしゃい」

 

 

口パクでその事を告げると、すぐにその戦闘機・エスポワールは少し変わった起動音と共に飛び立っていくのだった。

真っ青な青空に向かって。そう、真っ青な穢れの無い空へ――。

 

 

 

そして――

 

 

 

真っ黒な闇。無限に広がる黒の中を軽快な足音を立てて歩く者が。

そしてそのすぐ後からは規則正しい、一ミリのズレもない機械的な足音が追従する。

そして最後には存在感を知らしめる様にしっかりとした足音が。彼らは闇の中を迷うことも無く歩き、そして一つの部屋にたどり着いた。

 

 

「これはこれは、どうぞお座りください」

 

 

闇を抜けた先にあった部屋、そこにたどり着いた男たちの容姿は黒。

そして出迎えるのは白、真っ白なスーツを着た男達だった。しかしココにもまた序列や立場を感じさせる構図の並びが。

要するに白の衣装を纏った組織と、黒の衣装を纏った組織、二つの組織の会合が今と言う事なのだろう。

それぞれ代表同士が見るからに豪華なソファに座り込み、その部下達は背後にて一列に並ぶ。

 

 

「本当に申し訳ない、本来はコチラから向かうべきなのでしょうが」

 

「まあ構わんさ。我々とて君達の組織には大変世話になった」

 

 

その言葉を聞くとフフンと唸り、笑みを浮べる白。

気に入ってもらえたなら光栄だと胸を張った。そして同じ様な事を告げる白、黒い組織には色々と技術を分け与えてもらったようだ。

双方は双方にとって有益な条件を捧げ、かつ結果を確かに残している。どうやらお互いにとってお互いの組織は非常に良好な関係を結べると同時に、必要な技術を備えている様。

まあ尤も、だからこそこうして会合の席が設けられている訳だが。

 

 

「早速本題に入らせていただきますが、私達としては是非ソチラと正式な提携を結びたいのですが――……」

 

「そうだな、我々もソチラとは良い関係を築けると思っている」

 

 

にこやかに笑みを浮べる両代表。

しかしすぐに含みのある、言い方を変えれば仮面のような笑みに表情を変えた。

協力関係を結びたいという話だとは言え、双方を信じていない様な、そんな様子をヒシヒシと感じた。

もちろんそれは両陣営も嫌と言う程感じている事である。

 

 

「嫌な空気を感じるねぇ」

 

「あはは、お互い様ですよ」

 

 

あくまでも笑みを浮べながら会話を続ける二人。感じる殺気は許してほしいと白は言う。

なにせ内容が内容の話であり、さらに言えば双方の組織は凄まじく強大だ、双方を見下している面もどこかにはあるのだろう。

現に今すぐ殺し合いに発展できる環境が、状況が、武器がある。

 

 

「新しい物はできましたかね?」

 

「ええ、おかげさまで。そちらの細胞が作り出す反応のサンプルが随分と役に立ちました」

 

 

白の代表はニコニコと少し腰を低くはしている。しかしお互いはお互いの戦力をある程度は知っている。

そして油断ならぬ存在であると言う事も双方十分に分かっているのだ。油断すれば危険であると言うのは、白黒どちらの視点でも言える事。

 

 

「本当に感謝してます。おかげで随分と安定した状態になっている」

 

「ほう、是非見てみたい物だね。新作とやらを」

 

 

黒の組織の部下達はサングラスをしているために分からないが、代表であるこの男は先ほどから一度も瞬きをしていない。

それが不気味さを引き立たせ、そして白の組織はそんな彼らに怯む事無く笑みを浮べ続けている。それもまた不気味であった。

 

 

「構いませんよ。ちょっとキミ、アレをすぐに用意して」

 

 

白組織の代表の男が合図を出すと、すぐにケースの中に入れられたアイテムが。

代表の男はそれを受け取ると、黒の組織に見せびらかす形でそれをさらす。

それはメモリ、そう派手な装飾のついたUSBメモリと言えばいいか。

 

 

「コチラが以前紹介したT2を超える可能性、A to Z」

 

 

その一つを司る『U』だと、男は説明しながらボタンをタッチする。

 

 

(((((ユートピア!!)))))

 

「……! ほう、ほうほう!」

 

 

白の代表が光に包まれたかと思うと、新しく姿を見せたのは神々しい光に包まれた異形であった。

その記憶は理想郷、禍々しくも全てを導く美しさがそこにはあった。美が生み出す恐怖、それは実に神秘的な物を感じる。

ユートピアドーパントを前にして改めて黒の組織は白の組織の力を言う物を感じていた。とは言えユートピアとて慢心はできない物がある。

それは彼が変身を行ったときから目をギラギラと光らせている者が、黒の組織にはいたからだ。代表の後ろにて並ぶ位の低いだろう者達をかき分けて前に出た異形が。

 

 

「………」

 

 

無言ではあるが、その殺気は抑えれてはいない。

その容姿は人型ではあるが普通の人間とは言いがたく、二本の角が生えた竜の骸骨がごとき頭部、さらに両肩にも縦に半分に切った様な竜の骸骨が付いている。

全体的にドクロをイメージさせると言えばいいか、黒と白の体色、二つに分かれた尻尾を持った異形。そこから放たれる力の波動はユートピアですら恐怖を感じるものだ。

とは言え、この空気では話が進まない、ユートピアは変身を解除すると人間の姿に戻る。

 

 

「やはり協力には信頼が大切だ。そうは思いませんか?」

 

「確かに。これは失礼した。下がれX、無礼が過ぎるぞ」

 

 

黒の代表者が諭す様に手を出すと、竜の骸骨――モンスターXは無言で一歩後ろへ下がる。

とにかくお互いがけん制しあうのも無理は無い状況、だがいつまでもこうしている訳にもいくまいて。

 

 

「我々だけに限った話でもありませんしね」

 

「その通りだ。では信頼を結ぼうではないか」

 

「ええ、頼みますよ。我々からは裏切りませんので」

 

「ふ、言った物だ」

 

 

軽い笑み浮べる白の代表者、怪しげに笑う黒の代表者、取りあえずはお互いを信頼してみるか。

そんな雰囲気が見える様だ、とはいえやはりお互いが作用しあう力を求めているのは紛れも無い事実。

元々協力する気が無いのなら会合も開かれない。

 

 

「そうだ、くれぐれもこの事は内密にお願いしますよ」

 

「もちろん、我々としてもお願いしたい」

 

「ええ、ではお困りの事がありましたら私――、アズ・ジュンに連絡をお願いします統制官さま」

 

 

立ち上がる両者、どうやら話は纏まったらしい。

二人は握手を交わし、お互いの組織が正式な契約を結んだことを一同に知らしめる。

巻き起こる拍手、この今の瞬間を以って――

 

 

「私達財団と――」

 

 

白の組織、財団。

 

 

「我らX星人は手を結び――」

 

 

黒の組織、X星人。

 

 

「「財団Xとして新たなる歴史を創り上げる!!」」

 

 

その瞬間爆発的に音量を上げる拍手、しばらくして統制官とやらがそれを制した。

どうやら財団とは既に定期的に会合を繰り返しており、既に共同の計画もプランは進められていた様だ。

それが今正式に一つの計画として本格化するのだが、やはりその前に色々あるのである。

 

 

「今回は我らの計画を見学していただければなと」

 

「それは助かる。プロジェクト『G』はもう少し時間を置きたい」

 

 

どうやら今回はX星人達は介入を避けるらしい。

しかしせっかくだ、何もしないと言うのは申し訳ないしつまらない物がある。

ここは一つお近づきの印に彼らの計画を手助けするのが筋と言うものだろう。

 

 

「そう言って頂けると助かります。私達もアレをどうするのか迷っていたので」

 

 

明確な確証は無いが、おそらくデータを見るとこの地域がどうのこうのと話を進めていく両者。

どうやら財団側は何かのデータを取り、それを利用したい様だが、そのアシストのみX星人が手を貸すと言う事なのだろう。

状況を確認、場所を把握、そして全てのタイミングが彼らの狙い通りにやってくる。

ここを狙わぬ手は無いか、ならばとX星人代表の統制官はテンション高く自慢の武器の名を叫ぶ。

 

 

「起動せよッ!」

 

 

晴天の空に出現する灰色のオーロラ、その向こうで赤い眼がギロリと光る。

そしてチュィィィンと激しく刃を回転させる独特な金属の高音が空を翔る。

手を広げ黒いコートを翻す統制官、彼はモニタに映るターゲットを指し示し、その名を叫ぶ。

 

 

「ガイッガアアアアアアアアアンッッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キシィイイイイイイイイイイイイイイイ!!」

 

「!?」

 

 

晴天の空を切り裂く様に現れたのは、ダークなメタリックブルー色のレザーで覆われたスマートな蟷螂の化け物。

いや、蟷螂と言うには少しおかしいか。どちらかと言えばその頭部は鳥の様にも思える。鋭利な(くちばし)の左右には同じくカギ爪の様な牙が備えられていた。

赤い皮膜を持った翼とジェット噴射の様な装置で空中を飛行しており、両手には鋭い鎌が備えられている。

間接部や各レザー部、特に尻尾に刺々しい装飾がこれでもかと施されており、機械的な印象も相まって全身凶器のイメージを受けた。

目は赤いゴーグルの様な単眼、最もな特徴は腹部に埋め込まれる様にして装備されている巨大なノコギリだ。

おそらくこれが回転した音が先ほどの金属音だったのではないかとも思われる。

 

 

「キシィイイイイ!!」

 

 

やや高めの、まさに金属音の様な声を上げて海に着地するのはサイボーグ怪獣・ガイガン。

巨大な体の為に着水の際、凄まじい水しぶきを上げる。サイボーグとは言え海水も問題ないのか、何食わぬと言った様子でガイガンは周りの景色を確認した。

 

 

「な、なんだアレ!?」

 

 

そしてそれを確認していたのは明日乃。

ガイガンは彼の世界に、彼の目の前に姿を見せたのだ。それは偶然? いやそれとも――……。

とにかく何も知らない明日乃にとって突然現れた巨大なガイガンは全く意味の分からない物だった。

エスポワールの操縦も忘れる程に彼は呆気に取られ、真っ青な海に着水する彼をただただ目を丸くして見ているだけ。

 

 

「――……ッ!」

 

 

しかし再びガイガンの声が耳に飛び込んできて、彼は冷静さを取り戻す。

突如目の前に現れた巨大怪獣、それは異様な光景ではあるが、彼にとっては混乱に呑まれないだけの経験と記憶、そして現実がある。

 

 

「レドル! アレは一体!?」

 

『ああ、確認した』

 

 

サブモニタに映し出されるのは、明日乃のナビゲーターである男だった。

と言っても彼もまた一般的な人の容姿ではない。彼はスタンデル星人、地球の者ではないのだから。

まあしかしココは今は気にする所ではない。とにかく彼は明日乃のサポーターであり、彼の知らない事を知っている。

すぐに明日乃はレドルに今の状況がどうなっているのかを問うた。

 

 

「予定日が崩れたんですか!?」

 

『いや、そんな事は無い――……』

 

 

どうやらガイガンの出現はレドルにとってもイレギュラーだった様だ。

彼はすぐにガイガンの分析を始めるが、その時と同じくしてガイガンも明日乃の存在に気がついた。

敵か味方か、戸惑う明日乃。少なくともガイガンが怪獣である事は一目見ただけで分かる。

しかし一体アレが何なのかが分からない以上、下手に手出しもしにくい。

 

 

「ッ!?」

 

 

しかし分かる事がある。

それはガイガンの目が輝き始めた事、それはつまり――!

 

 

「クッ!!」

 

「ギイィィィイイィイィ!!」

 

 

拡散光線ギガリューム・クラスターがガイガンの目から発射される。

血の様な赤い光の光線は途中からショットガンの様に散弾して広範囲にてエスポワールを狙う。

幸いにも光線が放たれる前から高度を上昇させ回避を行っていた明日乃、だが広範囲の弾丸はエスポワールを掠めていた。

 

 

「うぐっ!」

 

 

衝撃に苦痛の声を漏らす明日乃、そこでレドルの声が。

 

 

『明日乃、あれは侵略怪獣ではない』

 

「そんな……っ! でも、どっちみち仲良くってのは難しそうですね!」

 

 

ガイガンは既に二発目のチャージに入っていた。

明日乃はそれを止めるべくハンドルに備えられているボタンを押す。

するとエスポワールからビームが放たれ、ガイガンの目に着弾した。

 

 

「キシィイッ!」

 

 

火花を散らしてチャージを中断するガイガン、しかしすぐに体勢を立て直すと今度は翼を広げて飛翔した。

己の元々持つ飛行能力に加え、ジェット装置を取り付けているのが、青い炎を噴射して一直線にエスポワールへと向かう。

構えるのは両手の鎌、ブラッディトリガー。

 

 

『まずい!』

 

「大丈夫! これでも結構練習したんですよ!」

 

 

機体を回転させながら真横へ移動する明日乃。

おかげで突進を回避でき、さらに振ってきた鎌をも器用に交わして見せた。

これで反撃のチャンスを作れたか、明日乃は再び機体をガイガンの方に向けて攻撃の準備を――

 

 

「って! え!?」

 

 

しかしココで異変に気づく。なんと機体にチェーンが巻きつけられているではないか!

そしてそのチェーンの先にはガイガンの鎌。そう、ブラッディトリガーには刃の横にチェーンを発射する装置が備え付けられている。

ガイガンは鎌を振るった際に、チェーンを発射しており、しっかりとエスポワールの期待に巻きつけていたのだ。

 

 

「やられた!」

 

 

明日乃はすぐにハンドルレバーを動かすがガイガンがそれを制する。

なんて知能の高い怪獣なんだ、まさか二段構えとは。確かに回避時に衝撃を感じたが、それがまさか鎖を巻かれていたとは思わなかった。

一度避けたと言う安心感が明日乃の注意力を散漫させていたからと言うのもあるが、ガイガンの攻撃に全く気づかなかったのは痛い。

 

 

「キシィィィィ」

 

 

明日乃を睨むガイガンがニヤリと笑った様な気がした。

そのまま彼はブラッディトリガーを振り回し、連動させているエスポワールをぐるぐると振り回していった。

叫ぶ明日乃、衝撃と回転で平衡感覚がグチャグチャになりコックピットの中の状況、周りの景色すらまともに確認する事ができない。

もしもこの状態で投げられれば水面に直撃は必須、仮に投げられなくても自分の動きは封じられているのだから光線を放たれればアウトだ。

絶体絶命か、レドルが心配の声を上げるが――

 

 

「大丈夫――ッ!」

 

 

苦しそうに笑う明日乃、彼は激しく揺れるコックピットの中でしっかりとガイガンの姿を見る。

もっとも大きくブレる今の現状では、その姿もはげしく視界の中を飛び回るが。

 

 

「フ――ッ」

 

 

その時、明日乃は左腕の肘を曲げて握り締めた拳が上を向くように構えた。

すると凄まじい光が迸り、彼の左腕に赤いブレスレットの様な物が装備される。

少し派手で豪華な装飾品が施されたそれ、中央には丸い宝石が埋め込まれていた。

そこへ右手をかざす明日乃、そのままはじく様に宝石をスライドさせる様に手を動かした。

すると埋め込まれていた宝石、クリスタルサークルは激しく回転を行う。

摩擦熱で火が出る様に、クリスタルサークルが激しく回転すれば、連動する様に光がブレスレットから放たれる。

明日乃(あすの)ミライは、そのまま光に満ちた左腕を突き出し――

 

 

「メェビウゥゥゥゥゥゥゥゥゥスッッ!!」

 

「!」

 

 

驚いたのはガイガン、彼はエスポワールから放たれるおびただしい光の奔流に耐えられず目を逸らした。

何だ? ガイガンは混乱したように手を状況を確認する。光が放たれたかと思うと、エスポワールに巻きつけていた鎖が解けたのだ。

どうなっているのか、チェーンを引き戻すと同時に光が晴れたのでガイガンは周りを見る。しかし何も無い、エスポワールは消え――

 

 

「タァアッ!!」

 

「!」

 

 

突如上空から閃光の様に現れた光が。

人型のソレは飛び蹴りをガイガンに命中させると海へと着水する。

同じく蹴られたガイガンもバランスを失って墜落するように海へ。双方激しい水しぶきをあげて戦いの舞台を空から海へと移した。

しかし明日乃は一体どこにいったのか、その答えはこの着水を決めた光にあった。

 

 

「キシィィィイイイア!!」

 

「ヘアアッッ!!」

 

 

立ち上がるガイガン、対峙するのは光の巨人と言うのが相応しい。

そして徐々にその光が晴れていき姿が露になる。銀色の体に赤、青紫のライン。そして頭部の階層部には金色の色彩が。

 

 

「キシシシシ」

 

 

笑うように肩を震わせるガイガン。

挑発を行っている様な素振り、どうやら彼は明日乃が普通の人間では無い事を知っていたようだ。

彼の名はメビウス――

 

 

ウルトラマンメビウス・スペランツァー。

 

 

「フッ!」

 

「キィィイ!!」

 

 

右腕は肘を少し曲げ、拳は握り締めて掲げるように上へ。

左腕は伸ばして、拳は開き前へ突き出すように。メビウスは自身の構えを取ると様子を伺う様にしてガイガンを睨む。

対してブラッディトリガーを擦り合わせて火花を散らすガイガン、そして一瞬決めポーズの様な物を取ると、彼は海底を蹴って宙へ飛んだ!

 

 

「ッ! クッ!」

 

 

同じく海底を蹴って飛び上がるメビウス。

水があると動きが鈍ると判断したか、しかしメビウスも翼は無いが空を飛ぶ事はできる。

まして浮遊もだ、これで飛び掛るガイガンを迎え撃つ事も――

 

 

「ギギィッ!!」

 

「ウアッ!!」

 

 

しかし飛び上がったメビウスを追撃するようにして放たれたのはギガリュームクラスター。

どうやらチャージ時間を短くする事もできた様だ、その場合威力と範囲が弱くなるが、メビウスを怯ませるには十分だった。

よろけて勢いを失うメビウスに、ガイガンは突進を直撃させた。

 

 

「グッ!」

 

 

再び海へ落ちるメビウス。突進が当たったと同時にガイガンは鎌でメビウスを切りつけていた。

またも二段構え、やはり侮れない相手だ、メビウスは空中で旋回するガイガンをしっかりと睨む。

どうやら再び自分に突進を仕掛けるつもりらしい。そうはさせるか、メビウスは自分の右手を変身時に使用したメビウスブレスへかざす。

すると右手に付与される光、彼はそのまま光に満ちた右手を突き出す!

 

 

「フッ! タァッ!!」

 

「!?」

 

 

メビウスの手から光刃が放たれた。

一見すれば武器など持っていないメビウスから飛び道具が放たれる事は予想できなかったか。

それに弾のスピードもあった為にガイガンは真っ向からその光刃、メビュームスラッシュを受ける。

先ほどの真似だ、メビウスは怯んで勢い無くしたガイガンへ回し蹴りをくらわせた。

水面を二度程度切ってその後大きなしぶきと共に沈んでいくガイガン、追撃にとメビウスは空を飛んで彼の元へと。

 

 

「ッ!」

 

 

しかしその時だ、空気が振動して時空が歪んだ様な感覚に陥ったのは。

何だコレは? ガイガンが何かをしたのか、メビウスは焦りを覚えて周りを確認。

すると空間が捻じ曲がったように揺らめき、少し離れたところにブラックホールの如く闇のトンネルが現れた。

 

 

(あれは一体……ッ!?)

 

 

ガイガンが現れた際に出現した灰色のオーロラと似たような物を感じる。

しかしそれよりももっと嫌な感じがそこからは感じられた。

空間の歪みと共に現れたのだ、あまり良い物ではないのは確定だろうが?

 

 

『――……けて』

 

「……ッ?」

 

『たすけ――て……ウル――ラ――』

 

(助けて?)

 

 

声が聞こえた……気がする。

だがそこでハッとメビウスは視線を海に戻した。

空間の歪みに気を取られてしまったが、ガイガンはどこへ!? しかし身を屈めているのか、着水した場所にはガイガンの姿も影も無い。

どこへいった、メビウスはすぐに辺りを確認して大きな影が無いかを探すが、なにぶん波が荒く影も隠れてしまうのではないかと言う心配が――

 

 

「ウアァッ!!」

 

 

その時衝撃と共に両腕に巻きつくチェーン。

しまった、メビウスが顔を後ろに向けると水面を突き破って伸びているチェーンが。

そしてすぐにガイガンが飛び出してくる。空間の歪みに気を取られている隙に彼は海中を移動してメビウスの背後に回りこんだと言う訳だ。

もちろん彼もすぐにチェーンを振り払おうと思ったが、ガイガンは妨害にギガリュームクラスターを発射。

彼を怯ませるだけでなく、その瞬間にガイガンは鎌を大きく振って――

 

 

メビウスを、空間の歪みに放り込んだ。

 

 

「!? う、ウアアアアアアアア!!」

 

「ギギギギギ!」

 

 

歪みのトンネルは巨大なメビウスよりは小さかったが、何のことも無くメビウスを吸い込むと再び空間を震わせて消滅した。

残されたガイガンは笑う様にしぐさを取ると、空中に浮かび上がる。

 

 

『上出来だガイガン、戻れ』

 

「キシィィィイイア!」

 

 

X星人の声と共に出現するオーロラ。

ガイガンは決めポーズをとるとすぐにオーロラに突っ込んでいくのだった。

その一部始終を確認し拍手を送るアズジュン、彼は素晴らしい力だとガイガンを褒めた。

 

 

「では我々が協力するのはココまでだ。後は頑張ってくれたまえ」

 

「ええ、ありがとうございます」

 

 

ニヤリと笑うアズ。

 

 

「おかげで、いいデータが取れそうだ」

 

 

ねえ、そう思いませんか?

彼は目を細めて背後にあったモニターを見る。

何も映っていないと思われたソレは、彼の言葉に反応する様にして映像を映し出す。

 

モニタの中には一つの影が。

しかしそれは二本の脚で立ち、手を持ち、目があると人の形をしているが、人とは言いがたい姿だった。

体は黒と銀のカラーリングで構成されており、手は少し大きく、目は釣りあがり青色。そして口はオレンジと黄色の中間色であるといえよう。

 

 

「確かに。お互いにとって素晴らしいデータが取れそうですね」

 

 

期待しています。そう言って、その悪質宇宙人は静かに微笑むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

美しい青空が広がる夏のある朝。

清清しい世界に慌しい声を上げて走っている少女達が。

ピーピー騒ぐ光景は微笑ましいやら騒がしいやら。

 

 

「もー誰よ! 深夜二時までDVD見ようって言ったのは!」

 

 

金髪プラス碧眼の少女が叫ぶ。

頭には動物の耳に見える程大きな白いリボンが。

前髪は4つの白いピンで分けており、ショートの髪型がよく似合っていた。彼女の名前は(リン)

 

 

「お主じゃよッッ!!」

 

 

彼女の背中に飛び乗るのは同じ女子寮に住んでいる園田友里。

ツインテールをブンブン揺らしながらリンにしがみ付いている。

昨日は彼女が借りてきたDVDを一気に見ようとリンが提案して夜更かし、結局寝坊してしまった。

 

 

「待ってくださいよぉ。リンちゃん友里ぢゃぁん……!」

 

 

後ろから気の抜けた声が聞こえてくる。

仕方ない、リンと友里は焦る気持ちを抑えて立ち止まった。

後ろの方では呼吸を荒げながら同じ寮の光夏美がフラフラと走ってくる。

もはや歩いていると言った方が正しいかもしれない、ロングへアの黒髪が全く風になびいていないのだ。

最近は帽子やフードにハマっているらしいが、学校にかぶっていくと怒られるので校門前で帽子を取る毎日が。世知辛いね。

 

 

「おっそいぞー! 夏ミカン、早くしないと遅刻しちゃうよ遅刻!」

 

 

リンの好物はミカンである。夏美の終わりの文字とかけているのだろう。

 

 

「誰のせいですか、誰の! あと私は夏ミカンじゃなくて夏美です!」

 

 

夏美の言葉に舌を出して目を反らすリン、今こんな状況になっているのは間違いなくリンのせい。

彼女が昨日の夜に両隣の部屋である二人を半ば強引に引き込んだおかげで寝坊はするし意味不明な夢までみるし、夏美としては散々な話だった。

 

 

「夢? どんな!?」

 

 

リンは興味心が強い娘だ。

 

 

「私が蝙蝠のお化けに変身しちゃう夢ですよー! カブーッ!!」

 

「わわわ! ど、ドラキュラー!!」

 

 

キャッキャキャッキャと笑い合う三人、今から走れば何とか間に合いそうだ。

三人は頷くと少し足を速めて道を進んでいく。少し時間が経ち、周りには登校途中の学生がチラホラ見えてくる。

よかった間に合った、三人は安堵の笑みを漏らすと速めていたスピードを元に戻す。

 

 

「お! 見てみぃリンさん。アンタのダーリンがおりましたでよ!」

 

「そ、そんなんじゃないもん! からかわないでよ!!」

 

「ぐひひひ!! 照れちゃって照れちゃって!!」

 

 

友里が指差した先にはリンと雰囲気が似た少年が歩いていた。

友人だろう小野寺ユウスケと楽しそうに話しながら歩いている彼、どうやらコチラには気づいていないらしい。

彼の名は(レン)、鈴の従兄弟だった。

 

 

「従姉弟同士とは萌えますなぁ! キスはしたのかい君たちは!!」

 

「し、してない!!」

 

 

友里はよくこのネタで友里をからかうものだ。

鈴も鈴で少しぼやけた否定しかしない為にダラダラとネタが続いていく。

それは口では否定しつつ内心まんざらでも無いからだろう。夏美も仲のいい従兄弟は一人いるが歳が少し離れているし、他に熱をあげている人がいるため気持ちは分からなかった。

 

 

「お! わったるくーん!! おはようございます!!」

 

「ああ、おはよう姉さん」

 

 

丁度いい、従兄弟が後ろからやってきた。聖亘、彼は高等部の自分とは違い中等部に通っている。隣には他の中等部の友人も。

 

 

「おはようございます夏美先輩」

 

 

天美アキラ、亘の友人だ。

軽い会話を済ませると亘たちは先に歩いていった。

同時にざわつき始める周りの生徒、間違いない! これは――ッ! と、夏美達はキョロキョロと。

 

 

「き、きなすったぞビューティコンビが!!」

 

「おおお! 後光が差しておる!」

 

 

友里がリンがわなわなと震えて歩いてきた三人を見る。

ビューティコンビ、誰がつけたか知らないが意味はド直球、そのまんま名前の通りである。

夏美達が通っている学校でトップクラスの美人二人、そんな彼女達は周りの視線を気にする事無く仲良く談笑しながら歩いていた。

 

 

「巡音先輩、咲夜先輩! 綺麗ですよねー」

 

 

顔良し、スタイル良し、性格よし(たぶん)!

超人美人がいたものだとつくづく思い知らされる。ああ、二人が通った後にはすごいいい匂いがする。

 

 

「恩恵を受けねば!」

 

「受けねば!!」

 

 

パタパタと二人のオーラをかき集める様にして胸へ寄せるリンと友里。

二人とも胸のサイズが残念な事を気にしているんだろう。巡音と咲夜はバインバインだから。

 

 

「さてと、じゃあそろそろ教室いこっか」

 

 

一同はハイテンションのまま校門へ、どうやら完全に間に合ったようだ。

そして玄関には見知った後姿があった。緑色のツインテールが綺麗に揺れている。

 

 

「おお未来ちゃん!」

 

「あ、夏美ちゃん。おはよう」

 

 

綺麗な声だった、夏美の親友である彼女は笑顔を浮かべて朝の挨拶を行う。

同じ寮に住んでいる未来。彼女は本当に歌がうまい、将来は是非歌手になって欲しいものである。

等と考えている内に夏美はいつの間にか教室についていた。今日も朝から守輪椿、条戸真志、犬養拓真、新意鏡治がテレビやゲームの話題で盛り上がっている。

夏美は隣の席である空野薫に手を振ると他愛も無い話し合いを開始した。

 

 

「ZZZZZZZ」

 

「あ、神威ちゃんはお疲れですか?」

 

「うん、昨日遅くまでゲームしててさぁ」

 

 

夏美の後ろでは神威と言う少女が寝ていた。

黄緑色の髪が美しい、彼女の兄は紫色の髪をしていてコレまた美しいのだ。

最初のチャイムが鳴る。すると同時にやってきたのは茶髪の少女、手にタンブラーのジュースを抱えてストローを咥えている。

 

 

「あっぶねー、ギリセーフ?」

 

「超絶アウトです!」

 

 

白鳥美歩、同じ寮だが遅刻の常習犯。

性格はいいのだが日々の生活態度はよろしくない分損をしていると言えよう。

今日も今日とてコンビニに寄って遅刻してしまった。

 

 

「でも今日はまだ早い方ね」

 

「うん、途中で姉御にあってね」

 

 

姉御とはこの学校の教師の一人だ。

酒をこよなく愛する女で、これまた生活態度が生徒の反面教師になるくらい荒い。

現に美歩を送ってきたという事は彼女も遅刻である。

 

 

「教師が堂々と遅刻するとは由々しき事態ね」

 

「あはは……」

 

 

そもそもこの学校は中々個性的な教師勢が多い。

神威の兄は教師だが着物で授業。他にも青いマフラーをして授業中にアイスをかじっている教師。

先ほど美穂を送っていった女教師は授業中に飲酒。お前らいい加減にしろレベルってなモンである。

 

 

「やあ、おはよう皆」

 

 

そんなカオスな教師陣の中でも夏美達の担任である小野寺翼は真面目な人だった。

穏やかな性格で生徒達からの人気も高い。彼の言葉でやっと一日が始まる気がする。

夏美はふいに周りのクラスメイト達を見た。個性的だが本当に楽しいクラスだ、いつか卒業して別れる日が来るのだろうが――

その時までは、楽しくおかしくはしゃいでいたい。

 

 

 

翌日。

 

 

 

言葉は唐突だった。

それはあまりにも簡単に告げられた為に夏美は事実を理解する事ができなかったのだ。

昨日、自分は何を思ったっけ? たしかいつか別れる日までは自分達はずっと友達でいれたらいいなって。

そしてその後だって、会えない日はあれど友情は続いていくものだと彼女は信じていた。

信じて、いたのに――

 

 

「―――ッッ!!」

 

 

美歩は認められなかったのか机を叩いて立ち上がる。

他のメンバーだって彼女と同じ気持ちだったろうが、放心していて動く事ができなかった。美歩は涙をうかべつつも強く翼を睨む。

 

 

「冗談キツイよ先生ッッ!!」

 

「美歩ちゃん……気持ちは、分かるけど――ッッ!」

 

「アイツが死んだって嘘に決まってんだろッッ!!」

 

 

シ ン ダ ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あれ……?)

 

 

ノイズがした。酷い耳鳴り、ぼんやりと夏美は窓の外を見る。

どうして今日は空が紫なんだろう? どうして教室の床が赤い液体で染まっているんだろう?

夏美はぼんやりと、何も考えずに目に映るものだけを見ていた。

 

 

『トリガー!』『マキシマムドライブ!!』

 

 

誰かの作った、まるで演劇みたいな笑い声がした。

すると空に黄色と青の球体が見えて次々に校舎に命中していくのが見える。

それらは学校を破壊し、多くの生徒の命を奪ったはずだ。現に今も外に投げ出される多くの人間が見えた。皆地面に叩き付けられ、動かなくなる。

 

 

「……ぁ」

 

 

夏美はぼんやりと教室に視線を戻す。

あれだけいた皆が血塗れで倒れていた、今朝も笑い合いながら登校してきた友里。

いつも元気にはしゃいでいる彼女だが、今はもうピクリとも動かない。隣では同じく美歩や薫が倒れている。

少し離れた所では鏡治が他の皆を守る様に沈黙していた。しかし鏡治も含めて血に塗れている事には変わりない。

彼等は、きっともう――

 

 

「………」

 

 

目の前がぼんやりしていく。

ああ、そうか、もう自分も終わりなんだな。

夏美は全身の力が抜けていくのを感じ、そのまま血に溢れた床に倒れる。

向かい側の屋上には一瞬人間じゃない何かが見えた気がするが――?

 

 

「―――」

 

 

眠くなってきた。

夏美にはもう苦しみなど無い、このまま目を閉じればきっと自分は死ぬんだろうが、苦しみや恐怖は無かった。

ただ気になる事はある。どうしてこうなってしまったのか、それに外では悲鳴が聞こえていた。何が起こっているんだろう?

本当なら、昨日も今日も明日も、皆と楽しく笑い合えていた筈なのに。

 

 

『まもなく全ての命が消え去るわ!』

 

「外はもう駄目だろう。放っておいても終わりさ」

 

 

すると同時に教室の外から声が聞こえてきた。

複数? 夏美は最後の力を振り絞ってその正体を確かめに動いた。

立ち上がる力は無い、足は変な方向に曲がっているし、感覚も薄い。だから彼女は地面を這って、扉から少しだけ顔を出して姿を見ようと。

 

 

「――ッ?」

 

 

最初に見えたのは体の半分で色が違うおかしな者だった。人とは言えないが、人の形をしている。

 

 

「教師達は全滅だ。残っているのは俺が片付けておいた」

 

 

赤いカブトムシ?

 

 

「学校はどうします? 僕が破壊しましょうか?」

 

 

鬼だ、確証は無い。

でもあの恐ろしい姿はきっと鬼。

 

 

「いや、いい。ご苦労だったなお前等」

 

 

新たに一人の男が教室に入ってくる。

もう視力が悪くなっていた為にぼんやりとしか姿が見えなかったが、まるで悪魔の様だった。

マゼンダ色の装甲が血に染まっている。全てを壊してきたんだろう、彼を見ると他の異形達は一礼を行う。

どうやら彼がボスらしい。じゃあ、この凄惨な状況も彼等が?

 

 

「どう……して――ッ?」

 

「………」

 

 

言葉を放ったから自分は見つかった、当然の事だ。

ボスらしき男は夏美の方を振り返るとその存在を確認する。

同時に夏美も気づく事があった、ボスらしき男の肩に黒い光を放つ球体があった。良く見れば鳥、だろうか?

 

 

「……生きていたか」

 

 

彼は肩に止まっていた黒い鳥と会話を行っている。

何を話しているんだろう? うまく聞き取れない、夏美はどんどん自分が弱っていくのを感じる。

だが不思議と痛みは無かった、血を流し過ぎたんだろうか?

そして気がつけば、彼が自分の前に剣を持って立っている。

 

 

「なんで……こんな――事を…?」

 

 

弱々しく呟く夏美、消え入りそうな声だったが彼はしっかりと答える。

 

 

「お前が知る必要は無い」

 

 

尤も、それは彼女が望む答えではないが。

 

 

「あなた……だ…れ?」

 

「俺? 俺は――」

 

 

男は緑色の複眼に彼女を映し、手に持っていた剣を強く握り締めて振り上げた。

夏美はそれをぼんやりと見ているだけしかできない。ただハッキリと耳には彼の言葉が鮮明に聞こえてきて――

 

 

「俺は、この世界を壊す……破壊者だ」

 

「―――ッッ!」

 

 

夏美の目から涙があふれた。

そこで彼女は――

 

 

「なんで……つ――」

 

 

破壊者の剣が自分を貫く音が聞こえた。

ノイズ。そこで彼女の意識はブラックアウト。

いつまでも、何も知らずに歌っていれば良かったのに。

尤も、それができないから皆壊れてしまったんだけど。

 

 

「―――」

 

 

心臓を貫かれて夏美は息絶える。

彼女は目を開けたまま死んでおり、一変の光も無い濁った瞳は一瞬だけ揺らめく陽炎を映した。

 

 




はい、と言う事でプロローグは終わりです。お疲れ様でした。
登場人物が多いので、早めに人物紹介を更新するかもしれません。
あとはもう一度くらい本編で紹介的な物を入れるかも。

本編(Episode DECADE)を見てないと言う人がいればと言うことで少し説明をさせていただきますが、注意書きにもあった通りフェザリーヌは『原作・うみねこのなく頃に』からのキャラクターです。
この作品ではレギュラーキャラとして使わせて頂いてます。


そして今回からウルトラマンの登場でございます。
変身者はリイマジ(オリジナル)と言う形ですが、詳しくは後の話で。
メビウスについても今はカラーリングが若干違うと考えていてください。


あとすいません。
これ前サイトから仮面ライダーとボーカロイドのクロスみたく予告してましたが嘘入ってました。
誰得と思いつつディケイドの嘘予告をあえてやってみたと言えばそうなんですが……。
色々あって掲載が今になってしまった為、言うに言えない状況が続きまして。

まあとにかく実際はボーカロイド&仮面ライダーの二作品に加えて五作品が絡んできます。
要するに7作品の多重クロスですね。仮面ライダーとウルトラマンだけリイマジで、後は原作通りの登場人物が出てきます。

ゴジラの要素も出てきましたが、今回ゴジラは関係ありません。
一応この特別編もパラレルとはいいつつ本編に繋がる部分は多々出てくるかなとは思ってます。
ゴジラの件に関しては本編の方でいずれできればなと。


ウルトラマン等メインで関わってくる原作はタグに記載できればいいんですが、まあ一応サプライズの意味もありますし、取り合えず先入観無しで見てもらいたいと思うので記載する時はお話が半分程度まで進んだ時、もしくは連載が終わった時と考えてます。

関わってくる原作は割と序盤で全て明らかになるとは思いますが、たとえば今原作名を全部書いても、まだその作品のキャラの出番が無かったりするので。
あとはソレ目当てで初めて来る人にとってはちょっとこの作品自体も不親切な作りになっているのでね。

もちろんあとがきには元ネタの事はちゃんと書いて行こうとは思います。
ただとりあえず今はEpisode DECADEの続きを見に来てくれた人に向けての作品と言う事で、タグにはウルトラマン等は記載しないつもりです。
まあ今回に注意書きに他作品のキャラが出るとは書いたんで、しばらくはそれだけで通そうかなと思ってます。


とにかく参戦作品のチョイス、あとはお話自体が作者の趣味が濃く出てカオスな事になるかもしれませんが、練習の意味を込めた実験作品なので、そこは肩の力を抜いて見てもらえれば幸いです……w
あとはそうですね、もし参戦する作品の中で知らない物があれば、もしくは懐かしいと思う物があれば、原作かもしくはそのシリーズにまた触れてもらえれば幸いです。


はい、ではそんな感じですかね。いきなり長々と申し訳ありません。
まあ今回から、またグダグダと続いていきますが気長にお付き合い頂ければなと!
ではでは。
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