松田の爆弾事件後の話になります。
今回は忍務ではないので、名前は闇影のままです。
ある日の探偵事務所にて
闇影「今日は何して過ごそうか?」
スピカ「そうですね〜。こんなに気持ち良く晴れ渡っている日は、事務所でのんびりしませんか?」
トゥバーン「俺は賛成だ。」
フォロス「私も良いと思います。」
闇影がコスモビースト達にどう過ごすか聞くと、スピカがどこにも出かけずに、事務所でのんびりしようと提案するとそれにフォロスとトゥバーンも賛同した。
闇影「それじゃ、今日は……」
〜♪〜♪〜♪
ゆっくりするか。と言おうとした時、闇影の携帯電話から着信音が鳴り、闇影は携帯電話を取り出す。
闇影「雪泉からか。もしもし、久しぶりだな雪泉。どうした?」
雪泉『お久しぶりですお兄様。実は、おじい様の容体が良くなくて……』
闇影「そうか。じいさんも、もう結構な年だしな。よし、それじゃ一度そっちに戻るよ。」
雪泉『よろしいのですか?』
雪泉からの連絡で、黒影の容体が思わしくないないらしく、それを聞いた闇影は一度戻る事にした。
闇影「構わない。依頼はしばらく無いしな。」
雪泉『ありがとうございます。』
同日の夜・とある埠頭にて
男「ハアッ…ハアッ…ハアッ…。」
三十代くらいの男は息を切らして時折後ろを振り返りながら、走っていた。何かから逃げるように……。
男「こ…ここまで逃げれば……何とか…。」
???「何とかの後は、何かしら?」
男「ひっ!?」
男が一安心していると、その背後から若い女性の声が聞こえた。その声を聞いた男は驚き、慌てて離れて振り返る。
そこにいたのは忍び装束に身を包んだ、黒髪のロングヘアーの女性だった。
???「逃げ切れると思ってたの?甘いわね〜。」
男「たっ、頼む!!見逃してくれ!!何でもするから!!」
???「へぇ〜、何でもね〜?本当に?」
男「あっ、ああ。本当だ!!」
目の前にいる女性に恐怖しながら、男は『何でもするから、見逃してほしい』と頼む。それを聞いた女性はニヤリと笑う。
???「貴方さ、見た感じかなり腕っぷしが強そうだよね?」
男「ああ、学生の頃は…空手の都大会で第3位までいったからな……。鍛練も欠かして…ない。」
女性が男の体格を見てそう言うと、男は空手の有段者だったようでそれを聞いた女性はまたしてもニヤリと笑うと、とんでもない事を言い出した。
???「じゃあさ、ご自慢の拳で私を一発殴ってくれない?」
男「は?」
???「貴方の拳で私が満足すれば、貴方を殺した事にして逃がしてあげるわよ。どう?」
男「ほっ、本当にそれで逃がしてくれるのか?」
???「私が満足すればね。」
男「分かった。じゃあ、行くぞ!!デイアァァッ!!」
―ズドンッ!
なんと、自分を殴れと言ってきたのだ。しかも自分を殴って満足すれば、逃がしてやるという破格の条件を付けて……。
それを聞いた男はギュッと拳を握り込み、女性の腹をめがけて正拳突きを繰り出した。
男「どうだ!!」
???「ハァ〜。都大会第3位っていうから、ちょっと期待したけどやっぱりダメか〜。」
男「バカな!?かなりの力を込めたんだぞ!?」
???「それじゃ、私が言った通りにさせてもらうわね。」
男の正拳突きをまともに受けたはずなのに、女性は全くダメージを受けていなかった。そして逃がす条件を満たせなかったので、女性は男に近づいてくる。
男「ひっ!?待っ、待ってくれ!!もう一度……もう一度チャンスを!!」
???「ダ〜メ❤」
―トスッ。
男「グッ!?アッ…アアァァァッ!!」
―ドサッ!
???「はい、終了〜。さてと、後は『あそこ』に行かないとね。」
女性が近づいてくると男は恐怖し、「もう一度、チャンスを」と言うが女性はそれを却下し、男の胸元に軽く手を当てる。
すると、男は突如苦しみだしたかと思うと、バタッと倒れてその後は動かなくなり、それを見届けた女性は次の目的地へ向かう為にその場を去って行った
―数日後、月閃女学館
黒影「ゴホッ!ゴホッ!」
雪泉「おじい様、大丈夫ですか?」
黒影「大丈夫だ。それより、闇影はもうすぐ来るんだったな?」
雪泉「はい。後、30分ほどですね。」
黒影「しかし、あの闇影が探偵か…。意外だな。」
雪泉「そうですか?私はお兄様にピッタリだと思いますよ。」
月閃女学館の黒影専用の部屋で、部屋の主である黒影と孫娘の雪泉は闇影が来るのを、今か今かと待っていた。
しかし、ただ待っているのも暇なので、2人は闇影がやっている表の顔の事を題材にしてお喋りしていた。
しかし……
―ズドォォォンッ!!
黒影「むっ!?」
雪泉「何事ですか!?」
叢「大変です、黒影様!!雪泉!!この月閃に何者かが攻めてきました!!」
雪泉「何ですって!?」
黒影「賊は何人だ?」
叢「応戦している者達の話によると、賊は1人のようです。」
遠くの方で爆発音が響き、黒影と雪泉は何事かと驚く。すると爆発音が響いてすぐに、叢が部屋に入ってきて月閃が襲撃されていると報告する。
黒影「賊の姿は?」
叢「黒髪のロングヘアーの女性だとしか……。」
黒影「っ!?」
雪泉「おじい様、どうしました?」
黒影「まさか、あやつが……(小声)。雪泉、叢。他の3人と共に賊を迎え討つのだ。」
雪泉・叢「えっ?」
黒影「考えてる暇はない。早く行くのだ。」
雪泉・叢「はっ、はい!!」
叢から賊の姿を聞いた黒影は驚き、一切の質問を受け付けずに、雪泉と叢に他の3人の選抜メンバーと共に迎え討つように命令する。
―30分後
黒影「………。」
まだ遠くで戦闘音が聞こえる中、黒影は寝巻からいつもの黒い着物に着替えて部屋前の庭にある岩に座っていた。するとそこへ……
雪泉「おじい様!?お体の調子が良くないのに、外に出るなんて何を考えてるんですか!?」
黒影「すまん、外の様子が気になってな。しかし、辺りは未だに殺気に満ちている。賊はまだ捕らえられていないようだな?」
雪泉「はい。襲撃者は予想以上に強く、忍学生は壊滅状態で私達選抜メンバーでも苦戦を強いられています。もしかしたら、襲撃者の狙いはおじい様ではないかと思い、叢さん達に断りを入れて私は戻ってきました。」
黒影「そうか。」
襲撃者の迎撃に向かったはずの雪泉が戻ってきて、外に出ている黒影を叱責する。それに対して黒影は謝罪するが、辺りが殺気に満ちている事にまだ襲撃者は捕らえられていない事を悟る。
その事に雪泉は事細かく黒影に説明し、もし狙いが黒影ならば護衛が必要と思い、戻ってきた事を伝える。
雪泉「しかし、賊はなぜ月閃を?おじい様を狙うのも目的の1つかもしれませんが、やはり、真の狙いはコスモ幻獣拳の巻物でしょうか?」
黒影「…かもしれんな。」
雪泉「でしたら、なんとしても死守しなければなりませんね。」
―キィィィンッ。
雪泉は黒影に襲撃者がなぜ月閃に攻撃を仕掛けたのかを問う。彼女は自分なりの考えとして、コスモ幻獣拳の巻物が狙いでは?と進言すると、黒影も肯定した。
それを聞いた雪泉は、右手のひらに氷の結晶を出して絶対に死守すると意気込む。すると……
雪泉「フッ!!」
黒影「フンッ!!」
―ズドンッ!!
雪泉「グハッ!?」
氷の結晶を出した雪泉は、それをゆっくり握り込んでいき、自分の右手に氷の気を纏う。
そして、その状態の右手を後ろを向いて座っている黒影の背中に向かって突き出したが、黒影は体を半回転させて攻撃を回避すると同時に、素早く自分も右手に気を纏わせ、そのまま雪泉の腹部に命中させた。
黒影「気づいておらぬとでも思ったか?お前はいったい何者だ?」
雪泉?「グッ……フッ…ハハハハハ!!!この時を待っていたのよ!!!」
―ガシッ!!
黒影「ぬっ!?」
雪泉?「オォォォォッ!!」
―キィィィンッ!
黒影「むっ!?やはり、貴様だったか!!」
雪泉が偽者だと気づいていた黒影は、相手に何者かと問いただす。すると、偽者の雪泉は本物とは似ても似つかない邪悪な笑みを浮かべながら、腹部に命中している黒影の右腕をしっかりと掴む。
その後、彼女は忍術を解くと雪泉の姿から数日前に夜の埠頭で男を殺害した黒髪の女性に変わる。それを見た黒影は驚愕するが……
???「気を纏って、威力を軽減させたはずのにこの威力……。さすがは、伝説の忍の友にしてライバルね。だからこそ、私に相応しい!!いただくわよ、あんたの力の全て!!アァァァァッ!!」
―ギュオォォォッ!!
黒影「グッ!?グオォォォォッ!!」
???「ハアッ!!」
黒影「グハッ!!」
―ドサッ!!
―ヒュウゥゥゥン。
???「遂に手に入れたわよ!!最強のコスモ幻獣拳――『剛力破牛拳』を!!」
女性はそんな事は意に介さず、すでに構築していた陣を展開して黒影に宿るコスモ幻獣拳――『剛力破牛拳』を奪った。そこに雪泉達、選抜メンバーと闇影が駆けつけた。
雪泉「おじい様!!」
闇影「じいさん!!」
黒影「雪泉…闇影…。」
闇影「じいさんから剛力破牛拳の力を感じない?まさか……。」
雪泉「っ!!よくもおじい様を!!絶対に許しません!!」
???「フン。私の分身体に手こずっていた負け犬の遠吠えなんて、耳に入らないわね。」
闇影「テメェ……(怒)」
黒影「待て闇影。あいつが使った陣は……お前が卒業試験の時に使った物に…似ていた。」
闇影「あの時の?どういう事だ?」
???「実はあの時、私もいたのよ。観客が多かったし、あんた達は試験に集中していたから気づかなったでしょうけど。」
黒影「くっ…。」
???「その時に相手の技を吸収して、自分の物にする陣を見てね。『これは使える!』と思ったわ。それから数年、あんたの力を奪う為に色々と改良を加えて遂に今日、見事に剛力破牛拳を私の物にしたってわけ!!アハハハハ!!」
???が剛力破牛拳を得た方法はなんと、闇影の卒業試験時に使った陣を改良した物だった。
叢「外道が……。」
美野里「お兄ちゃんの技を使っておじいちゃんの力を奪うなんて!!」
夜桜「絶対に許せない!!」
四季「覚悟は出来てる?」
???「覚悟も何も、私の目的は『剛力破牛拳』。その目的が達せられた今、この場にいつまでもいる理由は無いわ。」
雪泉以外の選抜メンバーが???に向けて殺気を放つが、彼女は涼しい顔でそれを受け流す。すると、何かを思い出したかのようにポンッと手を叩く。
???「あっ、そうそう。書物庫の奥の隠し部屋にあった、この禁断のコスモ幻獣拳の巻物もらうわね。」
全員「なっ!?」
???「にしても、この禁断のコスモ幻獣拳の巻物はなかなか良い闇の気を放ってるわね〜。どんな子か、楽しみだわ。」
黒影「か…返すのだ。いくらお前でも、その禁断のコスモ幻獣拳を扱えるわけがない。」
???「は?私を、あの頃と同じだと思われるのは心外ね〜。私はあんたが拾った時よりも、強くなってるのよ。」
闇影「じいさんが拾った?お前もじいさんの養子だったのか?」
???「おっと、余計な事を言っちゃったわね。それじゃ、ジジイがうるさいし、さっさとこの禁断のコスモ幻獣拳のコスモビーストと契約しますか。」
黒影の言葉を聞いた???は彼の方を向き、顔をしかめながら、聞き逃がせない単語を口にした。それを聞いた闇影はどういう事か、聞き出そうとするが???はすぐに話を中断し、なんと今この場で禁断のコスモ幻獣拳のコスモビーストと契約すると言い出したのだ。
黒影「よっ、よせ!!」
???「禁断のコスモ幻獣拳よ!!私に力を!!」
黒影の言葉を無視して、???は禁断のコスモ幻獣拳の巻物を放り投げ、手をかざす。すると、巻物から赤黒いオーラが吹き出して???を包み込む。
そして、赤黒いオーラが収まると……
???「ア〜ハッハッハ!!」
???の背後に禁断のコスモ幻獣拳――『
黒影「ま、まさか禁断のコスモ幻獣拳を……。」
闇影「自分の物にしやがったのか……。」
???「
『土遁魔蠍拳』を会得した???に、黒影と闇影は驚き、全ての目的を達した???の足下に転位陣が構築される。
???「あっ、そうそう。私以外の人間が『剛力破牛拳』が使えないように、巻物はもらっていくから。」
闇影「そうはさせるか!!火炎赤龍弾!!」
―バシュン!!
この場から去る直前に、???は『剛力破牛拳』の巻物を持っている事を告げ、月閃から去ろうとしたが、闇影が火炎赤龍拳の技の1つ――火炎赤龍弾を撃ってきた。
???「おっと。へぇ~、貴方もコスモ幻獣拳の使い手なんだ?良いね。貴方なら、私の冷めきった心を昂ぶらせてくれるかもね。」
闇影「何をゴチャゴチャと!!」
???「フッ!コスモ幻獣拳奥義、剛力破牛拳!!」
―ズドォォォンッ!!
闇影「グワッ!!」
攻撃を避けた???は闇影が放った技を見て、嬉しそうな笑みを浮かべる。
それを見た闇影は激昂し、???に向かっていくが、???は黒影から奪ったばかりのコスモ幻獣拳を放って闇影をふっ飛ばした。
???「慌てないで。貴方とはまた会えそうな気がするから、その時に戦ってあげる。それじゃあね〜。」
―ビュンッ!
そう言って???は転位陣を展開し、その場から去って行った。
闇影「クソッ!!」
という事で、設定の中にあるオリキャラの???は月閃の関係者でした。(追記しておきます。)
闇影が本気のコスモ幻獣拳を使えるようにする為に???に作りました。
名前はもうしばらくお待ち下さい。