原神✕仮面 〜アギト、『契約』の地にて〜   作:ジュンチェ

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ボンボン!(エイプリルフール企画投下!)

ボンボン!(よければ、感想お待ちしてます!)


※注意!異世界転生要素アリ。



エイプリルフール2026
原神✕仮面 ―クウガ、『戦争』の地にて― ①


 

 

 500年前……

 

 炎神の国ナタは今まさに異次元より来たりし災禍の化身アビスの軍勢に呑み込まれようとしていた。

 ここまで戦況が悪化した原因はアビスへと寝返った裏切り者『グロンギ』と呼ばれる存在。アビスの闇に魅入られた者たちが異形となり、かつての仲間たちへと牙を剥いたのだ。奴等の超常のチカラは神の目すら持つ者さえもまともに対抗出来ず、各部族は陥落寸前…ついには炎神マーヴィカの元へまで侵攻を許してしまう。

 

 

『イケエ!イケエ! 炎神ノ首ヲ獲レ!!』

 

 

 ついに眼前まで迫る魔物の群。残る部族の戦士たちも力尽き、その亡骸を踏みにじりながら大挙として押し寄せ…

 

 

「させるか!」

 

『グエッ!?』

 

 

 否ッ 抗う者はひとり! 金色の剣でアビスの魔術師を貫き、続けざまにヒルチャール暴徒たちを薙ぎはらう! 紫に金の装飾が入った甲冑のような装甲を纏う戦士がまさに絶望からの防波堤となっていたのだ!

 下賤なる魔性の大波に立ちはだかるは『仮面ライダークウガ ライジングタイタンフォーム』…金色の双角と紫に光る眼は尚も怯まず、剣を振るいアビスの魔物やグロンギたちを次々と斬り伏せる。

 

 尚も止めぬ人の抵抗……それを崖の上から見下ろす赤毛の狼のようなグロンギの姿があった。鋭い緑の眼光と金色の装飾はグロンギやアビスの魔物たちの長の証、名は『ン・ガミオ・ゼタ』…彼は風前の灯のようなクウガの戦いに笑みを浮かべる。

 

 

『フハハハ!実に…実に長く待ちわびたことか。忌々しき炎神との戦いもついに終止符が打たれる時が来た!かつて不毛な熱砂に追放された我等の怨みもようやく晴らされよう!この大地と地脈は間もなく我等、アビスとその眷属たるグロンギの物…跪くが良い!!』

 

 

 歓喜。ついに野望の成就が目の前まできた!行く手を幾度となく阻んできたあの厄介な炎神も今はいない…クウガひとり如き、我等の闇で一呑みにしてしまおう。

 

 

『…■■、■■■■■!(今だ、奴を吹き飛ばしてしまえ!)』

 

 

 ガミオが異形の言葉で指示を出すとユムカ竜型の魔物が爆発物を長い舌で次々と投擲。クウガを目掛けていったそれは次々と着弾し、あっという間に爆煙が一帯を包む。ドォン!ドォン!と激しい爆撃が続き、『うわぁぁ!?』と悲鳴と共に孤軍奮闘する戦士の姿は消えてしまった。

 

 

『終わりだな、クウガ。』

 

「―――舐めるな!」

 

 

 否、尚も戦士は倒れず。クウガはライジングタイタンフォームから青と金の軽装的な『ライジングドラゴンフォーム』へと変身し、爆煙を切り抜けて跳び上がると主を失い地面に突き刺さっていた槍を引き抜く。すると、槍はボロボロの様子から一気に金色の両刃が輝くライジングドラゴンロッドへと変化した。

 

 

「どうしたバケモノ共! そんなもんじゃ俺は倒れんぞ!!」

 

 

 新たな武器を構えなおし、果敢に魔物へと突っ込んでいく孤独な戦士。

 

 闇夜に瞬く雷光のような彼に続く味方はいない。

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

「――マーヴィカ様はまだお目覚めにならないか! このままでは!」

 

 

 人類最後の砦となった闘技場内…その空き室にて炎神マーヴィカは眠りにつき眼を開かずにいる。度重なる敵軍の大挙して押し寄せる攻勢や強敵との戦いに消耗が限界を超え、ついに倒れた彼女。看病にあたるナタの人々は彼女には休息が必要なのは理解するが、その間にもクウガは確実に追い詰められていくのだ。今、彼を救えるのは炎神である彼女しかない。

 

 

「マーヴィカ様、マーヴィカ様!どうか、どうか…はやくお目覚めになってください! このままでは……」

 

「ええい、クソ!俺が行く!! ナタの戦士としてこれ以上の死に場所はねぇぜ!!」

 

「バカおっしゃい! そんな身体で行ったところで犬死によ!?」

 

「ナタはもうおしまいなのか……」

 

 

 縋る声、怒号、諦め……様々な声が入り乱れる。

 それでも尚、国を護るべき神の意識今だ深い深い暗闇から覚めることはない。

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

『フフフフ……既に貴様らの頼みの綱の炎神は既にダグバとの戦いで使い物にならん。後少しで民の心は完全に折れる。』

 

 

 勝利の確信に笑むガミオ。自分たちグロンギももうひとりの最高位たる『ン』を失うことにはなったものの、一番厄介な炎神を無力化することが出来たのだから結果オーライだろう。士気は下がり、指揮系統も混乱… さあ、あと一息だ。

 

 されど、諦めないクウガ。クワガタ型の大型ガジェットのゴウラムにぶら下がり緑の射手『ライジングペガサスフォーム』へと変身し、空中からの狙撃で地上を狙う。ライジングペガサスボウガンから放つ一発一発の雷矢が巨体を持つアビスの魔物を穿ち、雑魚を蹴散らし、ついにはガミオを捉え……

 

 

『――そして、貴様の死が最後の一押しになるのだ!』

 

「!?」

 

 

 バシュッと放たれた雷矢はガミオを貫くどころか片手で容易く受け止められ、次の瞬間には『むんっ!』と投げかえされてしまい…あろうことかゴウラムに直撃。飛行手段を失ったクウガは魔物たちがひしめく大地へと真っ逆さまに落ちていく。

 

 

「ぐああっ… くっ、ピューッ♪」 

 

 

 まだだ!落下しながらもクウガが口笛を吹くと彼方から魔物の群れをぶち抜いて1頭のライノ竜が4足を轟かせ現れる。そして、主のクッションにでもなろうというのか落下地点に凄まじい勢いで向かってきた。

 すると、攻撃でバラバラになったゴウラムがライノ竜に纏われ雄々しき双角輝く獣戦車となったその背に飛び乗るクウガ。

 

 

「はっ! いくぞ!」

 

『グオォォォ!!』

 

 

 騎乗するためバランスに秀た赤と金の『ライジングマイティフォーム』へと変身し一直線にガミオの元を目掛けて力強く魔物に汚された大地を駆ける!駆けるッ! 如何なる魔物や怪人であろうと立ちはだかる全てを粉砕する双角を止めることはかなわず、ついにガミオの立つ崖下まで到達。

 

 

「ガミオ!!」

 

『ほう? 良かろう!』

 

 

 ここまで来た勇猛さは誉めてやろう。自らに向けて突っ込んでくるゴウラムライノ竜の直線上にあえて降り立つガミオ…受けてたつということか。

 

 

「いっけえぇぇぇ!!! ―――なにぃッ!?」

 

『!?』

 

 

 直後、ガッ!!と渾身の一撃たる双角は魔王の片手で容易く受け止められていた。命運をかけた全力の必殺技ですら奴の前ではあどけない赤子が張り手の真似事をしたくらいに意味を為さなかったのである。

 そして、魔王に組み敷かれた勇者はどうなるか……それはガミオのエネルギーを込め蹴り上げた足が無慈悲に示す。ライノ竜は悲鳴すらあげる暇無くゴウラムごと粉砕され、余波でクウガの胸は抉られ鮮血が舞う。

 

 

「――ぐはっ」

 

『…さて、夜神の加護すら無く、よく頑張ったが終わりの時だ。我が直々に葬ってくれよう。』

 

 

 地面に叩きつけられ、更にナタの竜を模した魔物に群がれるクウガ。弱って白く変色したボディに穢れた爪や牙が突き立てられ、赤い血が流れていく。

 ああ、実に痛快じゃないか。満身創痍の宿敵にガミオは愉しげに拳を握り……

 

 

「まだ、だ…! うおぉぉぉお!!!」

 

『むッ!?』

 

 

 否、まだ戦士は倒れてはいない!

 腹のアークルに輝くアマダムが黒く染まる。すると、ゴゴゴゴ…とドス黒いオーラを放ちながらクウガはその姿を『凄まじき戦士』へと変えていく。組み付いていた魔物たちは塵へと霧散し、ガミオの全身も発火する現象に見舞われる。

 そして、クウガは鋭く刺々しい漆黒と金の形態…究極の名を冠する『アルティメットフォーム』へと変身したのだった。

 

 

「―――ハァ、ハァ…許せ、マーヴィカ!」

 

『おお、その姿は…!』

 

 

 口角を吊り上げるガミオ。今、我に挑む戦士は確かに匹敵するやもしれぬ域まで辿り着いたことへの感服……などではなく、嘲笑。

 

 

『ハハハ…堕ちてきたな、我等と同じところまで!』

 

「黙れぇ!!」

 

 

 まだ理性を残す黒い眼に怒りが迸る。

 今までとは全てを凌駕するパワーでガミオに拳を突き出すクウガ。一撃、二撃、砲撃が如きパンチが繰り出され流石にガミオも苦悶の声を洩らす。ついに届きはじめた…それでも、魔王の表情は崩れない。苛立つクウガは更に苛烈に攻めたてる。

 

 

「アビスに身も心も売り払ったナタの戦士の恥曝しめ!!俺はこんな闇に呑まれやしない!!!」

 

『いくら吠えたところで、お前もアビスの闇に手をつけたのだ!あとどれくらい正気を保っていられるかなァ?』

 

「――ぐッ!?」

 

 

 凄まじき戦士のチカラ…無論、ガミオが口にしたように代償が無いわけではなかった。

 赤く、黒く、揺らぐ視界。頭の中で深淵からの怨嗟の声が狂いそうになるほど反響し、全身を破裂させんばかりのエネルギーが暴れ回る。持ってあと数分か…これ以上は自分も『向こう側』へ堕ちてしまう。自分を魂から災厄の使徒へ書き換えようとするアビスのエネルギーがもたらす苦痛に呻きながらも、英雄は止まらない。

 

 

「俺は…アビスになんか堕ちるもんか!!!」

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 

「―――!」

 

 

 戦いに呼応するように、覚醒する意識。ベッドから飛び起きたマーヴィカは全身の痛みに顔を歪めた。周囲から『マーヴィカさま!』と歓喜の声があがるが、すぐに頭の中にある記憶がそんなものに応える暇はないと告げる。

 

 

「状況は…どうなっている?」

 

「はっ!今、クウガがひとりでグロンギの首魁とその軍団をひとりで相手をしております! しかし、もう…」

 

 

 俯く伝達師に彼女は察する。自分は眠り過ぎたようだ…

 

 

「私も出る!」

 

 

 今一度、炎を燃やせ。傷んだ身体に鞭打ち、窓を破壊して飛び出したマーヴィカ。

 勢いのまま、高台に登り戦況を見る。豊かだったナタの大地はグロンギと魔物で溢れかえり、押し寄せる敵の大波のど真ん中で黒く染まったクウガとガミオが死闘を繰り広げている。

 

 

「黒いクウガ…まさか!」

 

 

 戦いの前、彼は言っていた……黒いクウガは最後の切り札。

 これを使えば、自分にその先は無いと…

 

 

 

「『うおぉぉぉおォォ!!!!!』」

 

 

 ぶつかりあう両者の拳。荒れ狂う衝撃波を出しながら拮抗すること数秒…亀裂が走ったのはクウガ握り拳。骨、肉、神経をズタズタにされる激痛は戦いの興奮を持ってしても誤魔化しきれず、『うぐ!?』と声を洩らす。

 

 勝った……ガミオは確信する。

 

 

『貴様の負けだ、クウガァ!』

 

「―――それは…どうかな?」

 

 

 なにッ!? 微かに見た余裕に勘づくいた時には遅かった。

 頭上で円陣を組んでいたのは神妙な面持ちの各部族の族長たち。燃素と元素力を織り交ぜながら、形成するのは巨大な術式……待て…これは!?

 

 

『ぬぅ!? 己が身を犠牲にしてでも我を封印するつもりか!!?』

 

 

 気がついた時にはもう遅い。

 全てを終わらせる大柱が形成され、勢いよく降ってくる。辛うじて片手で受け止めるも、クウガと封印に圧されてガミオは姿勢を崩そうとしていた。

 

 あと一歩だ。あと一歩でナタは逆転の勝利を掴める。たったひとりの英雄を犠牲にして………

 

 

「やめるのだ、族長たち! 今、私が行く!!」

 

 

 マーヴィカは僅かに残る体力を振り絞り、地を跳んだ。『ナタの戦士は仲間を見捨てない』、その矜持は今まさに人柱になろうとしている彼とて例外ではない。

 されど、族長たちは苦渋の顔を浮かべて『お許し下さい、マーヴィカさま、英雄クウガ…』と最後の一押しの呪文を唱え、合掌した。

 

 

「やめろぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

『ぐああぁあああああァ!?!? おのれ、おのれぇ!!』

 

 

 響くマーヴィカの悲鳴と魔王の断末魔、そして…

 

 

 

 

「―――あばよ、ダチ公。」

 

 

 英雄は最後にサムズアップをし、ナタの地に満ちたアビスもろとも柱の下敷きとなった。

 

 その際の衝撃波はマーヴィカですら立つのがやっとの荒れ狂う暴風で、実に数秒間。木々が折れ、地面が捲れ、それとは逆に魔物たちが爆心地に吸い込まれていく。

 

 数秒後…… 残ったものは何も無い。

 削れきった大地に、マーヴィカはただ立ち尽くすしかなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

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