原神✕仮面 〜アギト、『契約』の地にて〜   作:ジュンチェ

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ね、眠いのだ。

お気に入り・高評価ありがとうございますなのだ…

あと感想とかもくれると嬉しかったりするのだ……

あとあと新しくアンケートもやってるのだ…

眠い。


正義 Ⅶ

 

 

 璃月港全域で異変は更に拡がっていた。

 

「―――何が起こっている?」

 

 異質な気配を察知し港で残っていたショウ……彼の槍も本来あるべき風元素のチカラが大きく弱まっていた。ヒルチャール如きに遅れはとらないが、まるで身体が深海に沈められていくような圧迫感を覚える。

 

(…アビスの術か? いや、この感覚はアギトの……)

 

 脳裏に過るふたりのアギトと戦った記憶。まさか、アビス教団へ下ったアギトがいるとでもいうのか? 

 何にせよ、何かしら術なのは確か。ならば、何処かに術者なりカラクリがあるはず……

 

 

 そんな奮戦する彼を物影から窺う人影。

 

 

「あれが須晶さんが言ってた仙人か。まだ暫く足留めさせてもらうぜ。」

 

 合掌し強く念じる屈強な男。すると、よりショウを強い圧迫が襲いかかり、より風元素が弱まり苦戦を強いられる。

 そのチカラは元素に由来しない…そして、テイワットには存在しない『超能力』と呼ばれるモノ。今、それを扱う『超能力者』たちは璃月港のあちこちに散らばり暗躍をしていた。

 

 テイワットの実力者は総じて神の目を持つ……逆を言えば、元素力を封じてしまえば彼・彼女らのステータスは大幅に下がってしまう。人によってはヒルチャールの相手すらままならなくなるだろう。故に超能力者たちは元素力を封じに出たのである。

 

「これだけやれば、謎めく岩王帝君とやらも顔を出すだろうな。さて、どんな顔なのかねえ…この世界の神は?」

 

 男は微笑む……人間に慕われる神なんて自分がいた世界では想像もつかなかったのだから。

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

「さあ、はやく!」

 

 槍を携える香菱に先導されホシノたちが目指すのは北国銀行。ファデュイの根城であるあそこなら戦闘員もそれなりにいるはず。普段なら関わりあいになるのは御免被るのだが、非常事態に選り好みなんてしていられない。

 

 異形が蔓延る阿鼻叫喚の様相を駆け抜け、やっとの思いで辿り着いたは北国銀行………だが…

 

「うわ、こっち来たの失敗かな。」

  

 思わず呟く胡桃。助けを求めようとした北国銀行はファデュイとより多くの怪人たちが入り乱れる激戦区となり、かえって危険地帯と化していた。しかも、元素力が不全となっているのはファデュイも同じらしく、タルタリヤをはじめとする戦闘員たちも異形の攻勢に圧されている有様。

 北国銀行の周囲に椅子や机やらを積み上げたバリケードが出来てはいる様子から非戦闘員は中に避難しているのだろう。ただこの戦いを掻い潜り入るのは厳しそうだ。

 

(俺がアギトに変身できれば…!)

 

 己が不甲斐ない…拳を強く握るホシノ。その手を胡桃が掴む。

 

「はやく逃げるよ!」

 

 

 

『逃スモノカ!』

 

 ホシノの腕を引き逃げようとしたが、その先に立ちはだかるのはクイーン・アントロード。握る矛を無力な獲物たちに向け、ギチギチと嘲笑う彼女はホシノを真っ直ぐと睨みつけている。

 

『…生カスヨウニ云ワレテイタガ、貴様ニハ恨ミガアル。此処デ死ネ!』

 

 クイーン、御自らその手で処断しなくては気がすまない。相手がチカラを出せない今なら簡単に矛で叩き斬れ……

 

 ――ゴッ!!

 

『グエッ!?』

 

 その時、奢った女王が突如として生えてきた岩柱に弾きとばされた。そのまま働きアリたちを下敷きにして地面に叩きつけられると呻きを洩らす…

 この攻撃…胡桃は知っている!

 

「鍾離先生!」

 

「胡堂主!ホシノ! こっちだ!」

 

 北国銀行につづく橋渡しの通路…そこに棺を担ぐ鍾離はいた。階段まわりにはどういうわけか敵がおらず、ここがチャンスと一行は駆け上がって北国銀行に雪崩れこむ。アントロードとヒルチャールが後を追ってきたが、鍾離が蹴りとばすと雪だるま式に階段をころげ落ち、その隙に正面口の扉を締め障壁の術をかけた。

 

「ふぅ、少しは時間は稼げるだろう。」

 

「鍾離先生、何処いってたの!?」

 

「すまない、胡堂主。友人のところへ大事なものを取りに行っていたのでな。」

 

 雇い主の憤慨を軽く流し、ドンッ!と棺を置く…こんな状況で後生大事に背負っているなんて何が入っているのだろう。取り敢えず『誰か』が眠っている重さと扱いではなさそうだが…

 

 そのままカチカチと金具を取り外し、蓋を開けると……その中にはホシノに見覚えがあるものが納められていた。

 

「これ……どうしてこの世界に?」

 

「その様子、君なら使い方がわかるようだな?」

 

 ホシノと同じくテイワットに存在しないホシノの世界からの漂着物…そして、これならば『元素力に由来しない装備』からこそこの状況を打開しうる切り札となりうるだろう。真っ当に動くかは運次第だが、今はこれに賭けるしかない。

 

「先生、皆…俺が戦います。だから、これを装着するのを手伝って下さい。」

 

「ちょっと、ホシノくん正気!?」

 

 無論、助かったのにわざわざ死地へ飛び出すなんて制止しようとする胡桃。しかし、ホシノは退かない。もう彼はアイデンティティが崩壊し嘆き苦しむ若者ではなく、その心に正義の意志を取り戻したのだから。

 

「大丈夫、『警視庁驚異のメカニズム』なら負けません。―――絶対に。」

 

 

 

  ―――さあ、反撃だ。

 

 

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