原神✕仮面 〜アギト、『契約』の地にて〜   作:ジュンチェ

25 / 58

 ありがとう、お気に入り120件突破!

 というわけで最新話投下です。


 次章アンケート、申鶴登場が多いみたいですね。あと意外にフォンテーヌ龍騎編も票が入っててびっくり。


正義 Ⅹ

 

「甘雨!」

 

 凝光が叫ぶ。しかし、彼女は自らの秘書に手を差し伸べられない。

 

 今、彼女は岩元素の障壁を展開し非戦闘員をはじめとした部下たちを護っているため動けないからだ。無論、元素力無効化はまだ顕在かつヒルチャールやアビスの魔術師からの攻撃も絶え間なく続いており、気合で元素力を捻り出すその額からは苦渋の汗が滲む。元より戦闘員ではない凝光、そう長くはもたないだろう。

 

「岩神モラクスも非情なものだ。自らを愛する民が苦しもうが姿を見せる素振りすらない。――璃月の民は神に恵まれなかったか。」

 

 G4は追い詰められる彼女たちに無感情な哀れみを向ける。傲慢に加害者でありながら、他人事が如く言葉を紡ぐ。

 それ等は甘雨にとって主君と民にとって怒り狂うに値する最大限の侮辱に均しいが、首を締め上げられる状態では為せることはない。

 

 絶対的な有利……そう驕る黒いライダーの背後にバチッと紫の電撃が走る。

 

「ハァッ!」

 

 死角に瞬間移動してきた刻晴。首を一撃で跳ねにかかるが迫った刃は振り向きすらされず、片手で受け止められ敵を討つことは叶わない。

 

「ッッ!?」

 

「璃月七星も地に堕ちたものだな。」

 

 そして、G4は甘雨と刻晴を凝光に目掛け放り出し…更に新しいギガントを召喚し肩に担ぐ。

 

「これで無駄に長い璃月の歴史も終わりだ。」

 

 対艦ミサイルなんて耐えられるわけもない。当たれば皆、消し灰だろう……

 無慈悲にその引き金は引かれ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――バキッ!!

 

 

「!?!?」

 

 不意をつく横からのストレート。ギガントの重量で身動きが制限されたG4に青い鉄拳がのめり込む。

 

「…ぐッ!?」

 

『『『yaaa!?』』』

 

 

 頭蓋を揺さぶる衝撃、揺れる視界、崩れるバランス…そこに間髪入れずに蹴りを入れられた拍子にギガントはあらぬ方向へ発射され、近くのヒルチャール軍団に命中…爆発四散させてしまう。

 ゴロゴロと地面に転がったG4が睨み見上げた先…そこに立つのはG3-X。

 

 

 本来、人類を守護すべく産まれ…そして、道を違えたGの系譜。

 

 そのふたつがテイワットの地で再び相対する。

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 ――ま、間に合った…

 

 肩を上下させて荒い息を整えつつ、安堵するG3-X。

 さて、それは良いとして……問題は目の前の敵。G4はホシノの纏うG3-Xの発展型として本来は開発されていた代物で紆余曲折ありで歪な理念と形で完成したそれは当然ながらこちらよりスペックが上だ。真っ向から挑めばどうなるか…アギトであるホシノですらどうなるかわからない。

 

「………拾った命を…むざむざ捨てに来るか。」

 

「!」

 

 こっちの正体に気がついている?

 纏うチカラが違えど、ホシノの存在を見透かしながら立ち上がるG4…その威圧感はただの人間が出せるものじゃない。ギガントから降臨の剣へ武器を持ち代え、生き残っていた魔物たちもワラワラとその傍らに集い始めていく。

 多勢に無勢、発展型と現行モデル…流石に分が悪い。さあ、どうする?

 

「――ホシノさん?」

 

 そんな時、後ろから呼びかける声。

 甘雨が驚いた顔をして此方を見ていた……いや、なんでわかったの?

 

「か、甘雨さん? あ、ええっと……」

 

「やっぱり。一体、その鎧は…」

 

「大丈夫です! 俺が全部護りますから!」

 

 説明している暇は無い!折りたたんでいたケルベロスを展開し構えなおし敵に相対する……前を遮る形で甘雨が立つ。

 

「甘雨さん!?」

 

「下がってください! 民を守るべきは私たちの役割です!事情はどうあれ貴方は避難を!!」

 

「いや、ここは俺が…!」

 

 自分が!いいや自分が! そんなやり取りをしている場合ではないのだが…

 お互いに譲らない中、ついにしびれを切らしたのは凝光。

 

「ホシノくん!」

 

「は、ははいぃ!?」

 

「―――戦えるのね?」

 

 端的に突き出した質問。それに対し、少し戸惑いながらもすぐに強く頷くG3-X……ならば、もう言い合う余地なく選択肢はひとつ。

 

「なら…天権、凝光の名において貴方と『契約』を結びます。我等、七星と共に璃月に災禍を齎す脅威を討ち祓いなさい!」

 

 契約……即ち、それは共闘。思いもよらない判断に甘雨も『凝光様!?』と正気を疑うように目を見開き、刻晴も何処の馬の骨とも知れぬ輩…ましてや、自分が捕縛しようとした相手と手を取り合うなどたまったものではない。

 

 だが、当のG3-X…ホシノは迷うことなく戦う戦乙女たちと共に並び立つ。それは背中で騙る了承の意。

 『契約』が口約束とはいえ、成ってしまった以上は甘雨と刻晴も口出しは出来ない。

 

「――ホシノさん………」

 

 それでも心配そうな甘雨…それはホシノの身を案じてか、それとも一般人を戦わせてしまうおのれの不甲斐なさからか?

 不安に曇る可能の顔にG3-Xは仮面の下で笑みを浮かべて『尊敬する先輩』のようにサムズアップ。

 

「大丈夫ですよ、だって俺は……」

 

 ――――アギトじゃなくなったとしても

 

 

 

「仮面ライダーですから!」

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。