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接続障害大変でしたね。自分も今回の話を執筆中に騒動となり半分が消えてだいぶ萎えてしまいました。
あと、今回の話なんですがオリジナルフォームっぽいものが出てきます。はい。
ケルベロスの弾丸が押し寄せ、装甲を砕かれる衝撃と肉を貫かれる痛みで意識が揺らぐ……
甘雨の悲鳴が聞こえるがもう何も言ってるかわからない。
奮い立とうする気持ちと反対に視界が混濁する……
「うっ……ぐぅ…」
倒れるわけには…… 倒れる…わけ………に…は………
やがて、世界が暗くなり足からチカラが抜けて………
胡桃に必ず帰ってくる… 伝えたいことがあると言ったのに…
「あ゛、ァァ゛ァ゛…………」
『――― 許 さ ぬ 。』
「…!」
意識が潰えかけたその時、眼前に輝く岩元素の光。
小さな身体で精一杯の障壁を張り、弾丸を耐える仙霊…ジャックンがそこに。しかし、その奮闘も軋むピシピシという音が長く持たないことを告げている。
「――ジャックン!?」
『許さぬぞ…吾との『契約』を反故にして死ぬことなんぞ、断じて許さんぞォ!!!』
瞬間、ゴォォ!!とより強く輝く岩元素の光。もはや、爆発と言っても良いようなエネルギーの潮流は刹那、『竜』の姿をしていたのを凝光は見た。甘雨は潮流の躍動に仙霊がかつて轟かせた雄々しき咆哮を耳にした。
命の大きな波動は璃月港全体に波及するに収まらず、山々にまで流れていき…ある者は懐かしさに目を細め、ある者はかつて討ったはずの強大な敵の気配に警戒を露わにする。
―――そして、
★ ★ ★ ★ ★ ★
「ぐあっ!? ……!? !?」
弾き飛ばされまたしても地面に転がったG4。装着者である王子の意識が戻り、頭を抱えながら周囲を確認すると辺り一面が岩元素の光に照らされ…周囲の人間たちも畏れと敬いがごちゃ混ぜになったような表情をしている。
何があった? AIは停止している…この吹き荒れる金色の嵐は一体……
「……岩王帝君…?」
「なにっ…」
凝光がふと口にした言葉にすぐさま身構える。確かにこの元素の激流はいくら神の目を獲た人間だろうと可能なものではない…確かに神たる存在なら出来なくもないだろうが、いくらなんでもこのタイミングで現れてくれなくとも!
降臨の剣を握り、光の源へ身構えた……
―――来る… 来る! 誰かがこちらに勢いよく走ってくる…!
眩い光を背に走る彼こそが岩王帝君……………否ッ!!
「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉォォ!!!!!」
「あ、アギトだと!?」
確かにそれは絶望に沈め光を奪ったはずの敵。
確かにそれは機械の鎧で足掻いていた哀れな愚者。
しかし、彼は自らにかけられた影を振り祓い、力強く復活を果たした英雄…仮面ライダーアギト。
溢れていた岩元素エネルギーを吸収し、既に頭部の双角クロスホーンを展開した全力状態で突撃してくる姿にG4は驚愕せざるを得なかった。
「ハアッ!」
その隙がアギトに先攻を譲る。アギトがオルタリングの右側のスイッチを叩きフレイムセイバーを召喚、斬りかかる寸前でG4はやっと我に返り降臨の剣で防ぐものの…反応の遅れが響いたのかパワー負けし、ズルズルズルズル!と押し出されていく。
(――な、何故だ!? 以前の奴にこんなチカラは…)
「はあッッ!!」
「ぐうう!?」
ついには横薙ぎの一閃を胸に黒い装甲受け火花が散る。
戦いの流れは完全にアギト……今迄の雪辱を晴らすかのように猛烈に攻めたて容赦などしない。
一方、驚愕していたのはG4だけではなかった。
「ホシノさんが……アギト? え? え??」
甘雨もまたそのうちのひとり。まさか、彼がG3−Xで来た時に戦えるだけでもまあ仰天ものだったのに、アギトだったなんて露とも知らず……
ただ、彼女の上司である凝光は滝のように汗を滲ませながらも不敵な笑みをしていた。―――まるで、既に全てを知っていたように。
――ガンッ!!
「かはっ!?」
各々が思いが錯綜する中、戦いは進む。
アギトに追い詰められていくG4。よろめき片膝をついた彼は降臨の剣をより強く握り、刃に星のひかりと深淵の闇を纏わせる。己の精神の底に潜む忌むべき記憶を呼び起こすこの技…それこそ、ホシノをアギトに変身が出来なくなるまで追い込んだものだが…
「深淵に沈め…」
「!」
させるか!すかさず、オルタリングからストームハルバードを召喚し薙ぎ払われる。同じ手を何度も喰らいはしない。
開く間合い……そして、アギトは両手の武器を手により強く意識を集中させる。
「――ハァァァァ………」
「?」
突如として彼の周囲に竜巻が如くゴオオッ…と吹き荒れる岩・炎・風の元素……。オルタリングがより強く輝きを放ち、英雄をかつて失った姿…いや、それよりも高みへと変身させていく。
フレイムフォームの赤い右腕にストームフォームの左腕……しかし、それぞれ山吹色の炎元素の紋様と翠色の風元素の紋様が施されており、胸も岩元素の紋様がうっすらと浮かび上がる。加え、開いたクロスホーンからは体内を巡りきらない余剰の元素エネルギーが揺らめきながら溢れ、さながら怒れる竜の双角が如し。
「フンッ!!」
――権現するは三位一体。才ある神の目を持つ者でも届かない神秘の領域
―――仮面ライダーアギト トリニティフォームSpecⅡ
テイワットという異界に適応し、進化した光。
「なんだと…!?」
死神の仮面の下…王子は目を疑う。複数の元素の使用は確かに不可能ではないが、それは人の身で行えば命を削るほどの代償を支払う羽目になるはず。そんな芸当を3つの元素で…しかも同時なんて各国を統べる魔神とて不可能だろう。
「貴様、何者だ…」
「俺はアギト……仮面ライダーアギト!!」
そんな神にすら至る奇蹟が地を蹴り、迫る!
咄嗟に身構えるG4だが、眼前で残像を残してゆらりと左側に回りこまれ…実に一瞬、ガラ空きの頭に振り上げあられたフレイムセイバーの影がかかるや強烈な炎迸る兜割りが炸裂。地面に叩きつけられると今度はストームハルバードを突き立てられ、力任せにガガガガガ!と地面を粉砕しながら引きずりまわされてしまう。
「うおおおォォォォ!!!!」
「ぐぅぅうぅ!?!?」
G4の装着者もライダーシステムとしても限界は近い。ボロ雑巾のようになるまで引回しは続き、抵抗する余力が無くなったところで勢いのまま空中に放り投げられる。
トドメだ。アギトは『ふぅぅぅ…』と息を吐きながら腰を落とし、足許にグランドフォーム時より遥かに大きいアギトのライダークレストを浮かび上がらせ、溢れ出る岩元素はズン…!ズン…!と沈下を引き起こす。そして、元素エネルギーを両足へ収束させると全力で空を目指し飛び上がった。
「はッ!」
舞い上がる璃月の夜空、空中で身動きがとれないG4すら追い抜いて高く…高く… より高く…!
「ハアアアアッッ!!!」
「! まずい!?」
敵を捉えれる高度に達し、突き出される両足には虹色の光。繰り出される両足のライダーキックは絶望と恐怖に惑う璃月の夜を切り裂くように空を駆け…
悪夢からやってきた死神の鎧をぶち抜いたのであった。
トリニティSpecⅡについて。
名前の由来は某・運命ガ●ダムより。オリジナルのトリニティとは基礎スペックは同じであくまでテイワットの『元素反応』という原神世界の摂理に適応して進化した。厳密には上位互換というよりマイナーチェンジ版の形態。
……元々はオリジナルのトリニティを出すつもりだったけど、アギトと原神では風の色が違うのが気になりまして、ホシノが気持ちを新たにするという意味も込めて出しました。
さて、次回で正義編も最後になります。
フォンテーヌ龍騎編か申鶴登場あたりがアンケート見た限り選ばれそうかな? 次回もお楽しみに!