更新、間隔あいちゃった……
それはそうと、明日はガッチャード最終回ですね。はやくない?(毎年)
【 SWORD VENT 】
「うおおおお!!!」
「バカが、真っ直ぐに突っ込んでくるか!」
【 ADVENT 】
ドラグセイバーを片手に突っ込む龍騎に対し、王蛇は本来の契約モンスターであるベノスネーカーを召喚。人間なんて容易く丸呑みできるほどの紫の巨大蛇が『シャアァァ!!』と唸りながら行く手を阻むが、その背後からヌッと紅い影が立ち上がる。
「ドラグレッダー!」
『グオオオッ!!!』
『!?』
「何!?」
龍騎の契約モンスター、ドラグレッダー…本来ならカードを使わなければ進んで戦いに参じることはないミラーモンスターだが、主の声に応じてベノスネーカーに噛みつき捻じ伏せてみせた。
絡み合い、激しく戦う竜と蛇…その頭上を飛び越え、ドラグセイバーをぶん投げてリネとフレミネに群がる蜻蛉どもを撃破。さらに新たなカードをドラグバイザーに装填する龍騎。
【 GUARD VENT 】
「はああっ!」
召喚したドラグシールドを片手にモンスターの戦いの余波に怯む王蛇へ体当たり。勢いと体重、全てをかけた全力の一撃に彼女の『がっ!?』と息が洩れるのが聞こえ…同時に腰にひっさげていた紅いライドウォッチが衝撃で外れカラカラと龍騎の足元に。
「…? なんだこれ?」
【 ギーツ・ブーストマークII!! 】
「うおっ!?」
王蛇を弾きとばした龍騎はそれを拾いあげた拍子に誤ってスイッチを押しこれを起動…すると、バイクのマフラーのようなエフェクトが現れ炎を噴かす。
「かえせぇ!!」
「!」
よくわからないが、血相をかえて王蛇が取り返しにかかるあたり大事な物なのだろう。振るわれたゾンビブレイカーを反射的にカウンターで回し蹴りを繰り出すと、想定外にまで威力が跳ね上がりこれを粉砕。王蛇は大きくふっ飛ばされる。
――決着をつけるなら今ッ!
「これで終わりだ!」
【 FINAL VENT 】
ドラグバイザーに必殺のカードを装填し『ハァァァァァ…』と腰を落として姿勢を低く構える龍騎。その周囲をドラグレッダーが舞う。
一方の王蛇も受け身をとってベノサーベルを投げ捨てると、ベノバイザーにカードを装填。
「…ハーハハハハ!!」
【 FINAL VENT 】
再度、戦いのもたらす興奮に笑う主の元へ召喚されるベノスネーカー。そして、王蛇が腕を拡げ走り出すと、彼女の後ろを追従する。
「はああっ!」
「シャアァッ…!!」
互いに必殺の一撃を放つべく、龍騎はドラグレッダーと共に地を蹴り天を舞い、王蛇は蜻蛉返りの跳躍をして大口を開けるベノスネーカーが放射する毒液の潮流に乗る。
「たああっ!!!」
「ハアッ!!」
直後、ぶつかりあう互いのライダーキック。ドラグレッダーの炎を纏うドラゴンライダーキックとベノスネーカーの毒を従えるベノクラッシュ。必殺技同士の激突は凄まじく、大波のような火の粉と毒気が混じった熱波が一帯に拡がり周囲の者たちは思わず顔を手で覆い、空に舞うハイドラグーンの軍団も散り散りに…
爆風が荒れ狂う勝負の行く末は……
★ ★ ★ ★ ★ ★
「シン? シン!!!」
木霊するナヴィアの叫び。立ち込める土煙のおかげで周囲は確認し辛い…… ミラーモンスターたちの気配は消えているが、龍騎はいったいどうなってしまったのか…
すると、僅かに晴れた先に人影が見えた。
「…」
「シン! 無事……」
駆け寄ろうとするが、その足を止める。
龍騎はまだ立っていはいるが……王蛇もまだ健在。両者、酷いダメージを負っている様子からして相打ちになったのだろう。互いに睨みあうくらいが精一杯で、もうこれ以上は戦えない様子。
そんな中、口を開いたのは王蛇。
「おい、龍騎のガキ… お前は名前はなんていう?」
「…シン。弁護士だ。あと、ガキじゃない!」
ムキになって応える龍騎に対し、王蛇は『そうか…』と呟くと生き残りのハイドラグーンを呼び寄せその身体に掴まる。
逃げるつもりか…!すぐさま追いかけたいのは山々だが、この場にいる人間に追うチカラは無い。
「…弁護士、嫌いな人種だ。まあ良い、そのウォッチは預けてやる…ソイツを取りに来た時にお前をブチ殺してやるよ。」
「ま、待て!」
そして、ハイドラグーンは主を乗せて飛び去っていく。
残された龍騎は『弁護士は人種じゃなくて職業だろ…』とボヤいて変身を解除。いや、そこ気にするところか?……と思うナヴィアだったが、露わになったシンの姿に血相を変える。
「ちょっと、アンタ…血が!?」
「ん〜?」
頭から爪先まで血みどろ。無理もない、元より怪我した身体で暴れたのだから傷口は塞がるどころか、より拡がって血を垂れ流し続けるのは当然。
当の本人は……
「あー、これくらい平気平気!慣れてるか……ら…?」
「シン!?」
大丈夫…なわけもなく、強がりすらろくに出来ず地面に倒れ込む。ナヴィアが抱きかかえるも応答はなく、肌もみるみる白くなりはじめていた。
「シン! シン!? しっかりしてよ! ねえ、返事して……!」
★ ★ ★ ★ ★ ★
それから、暫くして……
「いたたた……」
シンが目を覚ましたのはメロピデ要塞の医務室。
出血があまりに酷く、すぐにでも治療が必要と担ぎこまれたのはシグウィンの本拠地であるこの場所…まあ、ドンパチやっていたのが頭上の入口だったこと考えれば、最寄りな上に設備も整っているので文句は無いだろう。――勿論、ここが陽の光が届かない海底監獄ということに目を瞑ればだが…
「よりにもよってかよ……」
「文句言わないの! クロリンデさんがすぐに輸血してくれなかったら本当に危なかったんだよ!」
やっぱり、納得いかないシン。シグウィンにも窘められるも、不満げな態度をとる彼のところにリオセスリがやってくる…
「お? 存外、元気そうだな。クロリンデの言うようにそう簡単にくたばるタマじゃねえって話は本当みたいだなぁ?」
そして、『ほれ、彼女から伝言だ。』と紙の切れ端を渡す。
これを受け止ったシンは内容を目に通すと……
――『いい加減、死にかけるのも大概にしろ。』
「…はい、すみません。」
書かれた1文だけでピキッと呆れながら見下ろす彼女の顔がビジョンとして浮かび上がり、本人に伝わるわけなくとも思わず謝ってしまう。実際、クロリンデに命を助けられたのもこれで幾度目かになるのも事実…流石に次は見放されそうである。
そんなシンに『ああ、そうそう…』とまたもリオセスリ。
「お前さんがカードを忘れた件、取りあえず厳重注意だそうだ。今は逃げた脱獄囚の追跡で手一杯だからな。
あと、届けてくれた妹さんも励ましてやったほうがいい。何かは知らんがこっぴどく兄妹喧嘩したらしいぞ?」
「え?」
アドベントカードの件…リネにバレてしまったのか。いずれとは思っていたが…
ということは今頃、手厳しく叱られて部屋の隅っこで縮こまっているリネットの姿は想像するのは容易。きっと愛すべき妹は自責の念に耐えかねて泣いているだろう。
…うん、ゆっくり寝ている場合じゃない。
「俺、行かないと!」
「おいよせ!? 傷がまた開く……」
「だーめ!今日中は絶対安静だからね!」
その時、ブスッと腕に刺されたシグウィンの注射器。ピストンが注入するのは鎮静剤…流石にいくら元・ファデュイだろうが耐えられるわけもなく、あっという間に意識を失いベッドへ崩れるように逆戻り。
思わず、『そそっかしい奴…』と溜息をつくリオセスリ。
「やれやれ、クロリンデのヤツは何がそんなに気に入ってるんだか…」
「『幼馴染』らしいよ? なんでも、その縁で彼を仮面ライダーに推薦したのはクロリンデさんとキタオカ法律事務所の喜多岡先生って話だし。」
「…ほお? 最強の決闘代理人にフォンテーヌ最高の悪徳弁護士とは意外な組み合わせだな。」
まあ、そんな数奇な運命な組み合わせに巡りあわなければ仮面ライダーになんてならないか。
さて………病室もまた静かになったことだし、リオセスリは踵をかえす。片付けることはまだ山程ある…
(――改めて、色々調べなくちゃな。仮面ライダーとやら……どうにもきな臭い。)
ヨシノの脱獄はやはり不自然。間違いなく仮面ライダーが関わる以上、行き着く先は水神であるフリーナだろう。今のところ、あの凶悪犯と水神を繋ぐ不確かながら巨大な線はどのように伸びているかは検討もつかないが、明らかにしなくてはフォンテーヌに厄災の火種は燻るまま。
(悪の根を絶つのも、罪状を叩きつけるのも、番犬の仕事ではないが… 秩序の根幹が揺るぎかねない事態になった以上、手をうたなくてはな。)
正義もしっかりした土台が無くては公平など保てるわけもない。
亀裂が走った秩序… 自分も脱獄を許してしまったからには責任の一端はある。
「はぁ、休む暇なしか……」
メロピデ要塞に響く溜息… 仕事と気苦労はつくづく増えるばかりだ。
次回、フォンテーヌ龍騎編は一区切り(予定)