原神✕仮面 〜アギト、『契約』の地にて〜   作:ジュンチェ

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 お久しぶりです。

 お気づきの方はいらっしゃると思いますが、麻薬料理人編を削除致しました。理由は公式からエスコフィエというフォンテーヌで料理人というキャラが登場し、それなら無理くりエミリエに料理大会させるのも何か違うんじゃないか…それに、璃月が舞台ならやっぱり璃月のキャラをある程度は中心に回すべくと考え決断しました。

 今後も他国キャラは出ることはあるとは思いますが、もう少し慎重にやっていきたいと考えています。では長文失礼致しました。




激闘、璃月編
盟友 Ⅰ


 

 迎仙儀式とは

 

 年に一度、岩王帝君を璃月の地に招いてその年を占い天啓を頂く一大イベント…この国の人間とっては重要な意味合いを持つ神事である。盛大に盛り上がる祭りでもある故に例年、『前夜祭』も行われるのだが…

 

「それにしても、良かったですな甘雨姉さま。今年も前夜祭は執り行われるようで。」

 

「ええ、天おじ。神罰殺人の影響も危惧していましたが、私も楽しみです。」

 

 とある料亭で会食していたのは甘雨と天おじ。表通りに面さない知る人ぞ知るこの店は決して装飾に凝っていたり、客でごった返したりしているわけでもないもの静かな店。それ故に七星などの一部の人間は他愛もない話をする時はここを利用する。ここなら、企みのある人間や商機の臭いを勘繰る者も早々寄り付かないので気持ちを落ち着けられると彼女らの評判だ。

 

「やはり、凝光様は璃月に刃を向ける邪悪に決して屈さないという意思を内外に示すおつもりなのでしょうな。先の襲撃で少なくない被害が出ましたが、あのアギトがいれば盤石。アビス教団も怪人どもも恐れるに足らず!

 ……とは思ってなさそうですな甘雨姉さま。」

 

「…」

 

 折角の会食の場だが、甘雨の顔はあまり明るくはない。

 先日襲来したアビス教団とアンノウン軍団の襲撃で璃月港は過小評価は出来ない被害を受けた。自分たち七星やそれに連なる者は守護を担う役目ながら元素力を封じられろくに抗うことすら出来なかったのである。

 

(私たちは今、璃月を守るには彼に頼らなくてはいけない…でも……)

 

 そして、ついに明るみへと出たアギトの正体。

 自分の身近にいて、璃月とは縁もゆかりも無い流れ者でお節介な彼。何か事情があることは助けた甘雨自身も勘づき、刻晴やファデュイだって察知していたのにどうして踏み込めなかったのか。なにより…

 

 

(出来ることならホシノさんにはもう戦ってほしくはない… )

 

 

 過る記憶…… かつて海に漂い水死体と誤認するほど衰弱していた彼を引き揚げたのは自分だ。それから往生堂の生活を経て立ち直るまでも見届けてきたのは、決して自らが担うべき役割を背負わせるためではない。

 

 そんな思い詰める顔をする甘雨を見兼ねてた『ふむ…』と一息ついて話題を変えることにした天おじ。

 

 

「………そういえば、甘雨姉さま。迎仙儀式の前夜祭で催される歌劇についてご存知ですかな?」

 

「…え? いえ……ここ最近は璃月港の建て直しにかかりきりでしたから。」

 

「今回はなんでも凝光さまが雲翰社(うんかんしゃ)の雲菫殿に直々に頼まれたとか。」

 

 

 凝光さまが? 自分は何も聞いてな………  

 

 

「―――演目は璃月の民もよく慣れ親しんだ『麒麟仙女』。老若男女、果てはテイワット中にも有名な………」

 

 

 

 

 ―― は い ?

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

「―――甘雨姉さまの活躍を描いた物語か。」

 

 

 璃月港の外れにある竹林…

 

 

 風がサラサラと吹き抜け、チラシを片手に眺める彼女の美しい銀髪も陽光を浴びて煌めきを放つ。雪のように白い肌に抜群のプロポーションを持つ長身は健全な男の目を奪うものだが………その足元で踏みつけられる呻く宝盗団の山を見れば瞬く間に誰しも腰を抜かすだろう。

 この光景はまさしく『常人ならざる者』の証左である。

 

 

「璃月港に近づくのは師匠や甘雨姉さまにも避けるようには言いつけられている……いるのだが………」

 

 

 修業の一環として俗世に近づくことは避けるべきと口酸っぱく言われ、姉弟子からは迂闊に港に入ろうものなら混乱を招きかねないから必ず一報いれるようにとも言いつけられている。多分、入れて貰えないだろうけど…… 

 

 

「……」

 

 

 ―――考えること、実に十数秒…

 

 

 彼女は今まで下敷きにしていた宝盗団のひとりを片足を掴んで持ち上げるとドスをきかせて問い詰める。

 

 

「おいお前、璃月港はどっちだ?」

 

「ひっ、ひい!? あ、あっちだと思います!」

 

 

 そうか…なら後はもう用はない。ポイッと投げ捨てると目的の場所に向けて歩き出す。ただこの時は指し示された方向が璃月港どころか海から全くの逆方向なんて知る由もない彼女であった。

 

 そして、これが思わぬ不幸と出会いをもたらすことになるのだ。

 





 …今回からは申鶴編! それと甘雨お姉さまの恥ずかしい話!

 今回のでっちあげ設定の麒麟仙女は内容としては甘雨のキャラストーリーで語られた彼女の過去がベースとなった物語。割とテイワット中に知れ渡っている馴染み深い御伽噺……広まる原因になったのはやっぱり緑の鶴仙人と…?

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