原神✕仮面 〜アギト、『契約』の地にて〜   作:ジュンチェ

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盟友 Ⅲ

 

 

 ―― 再 生 怪 人 は 弱 い。

 

 

 仮面ライダーのお約束とされる展開なのだが、偉大なる1号ライダー曰く『あくまで一度倒したノウハウがあるからこそ、適切に戦える』とのこと。初見と2周目のゲームプレイでは攻略スピードが違うのと同じで、相手の強さは変わらないが結果的に第三者から敵が弱く見えるだけに過ぎない。

 

 無論、アギトとて一度倒した相手に遅れをとるなど…

 

 

 

「うおっ!? うおあぉぉぉ!!?」

 

 

 否、かなりの苦戦を強いられていた。クロウロードが羽ばたき巻き起こす暴風に立つことすらままならず、フレイムフォームに変身したはいいものの…フレイムカリバーは現状のところ地面に突き立てる杖代わりにしかならない。誰だ、再生怪人は弱いとか言った奴は!?

 

 

(…こんな能力は無かったハズ!?)

 

 

 アギトがかつて相対した時、クロウロードは飛翔能力を活かした突進による頭突きが主な攻撃手段で奴の翼に荒れ狂う風を起こすことなんて出来なかった。故に接近してきたところをカウンター狙いのフレイムカリバーによる一閃で撃破できたわけだが…今回はその戦法は通じない。

 ジリジリと消耗を強いられるこの戦況………それを物影から窺う男がひとり。

 

 

「さあ、どうする星野ォ? いくらチカラが戻ったとてお前のアギトには飛び道具が無いからなァ。」

 

 

 ヒルチャールの仮面をした壮年の男…須晶。面唇をつり上げ行く末を観戦していた。まあ、こんな程度のヤツにやられるようなタマじゃな……

 

 

「――む?」

 

 

 …なんだ? 急に不自然なまで冷たい空気がヒュゥゥ…と頬を通り過ぎる。

 突然に冬が来た刺すような感触は『氷元素』によるものだろうか。待て、この場に使える人間はいないはず…成程、『来客』だな?

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 ガッ!!と蹴りを入れられ地面に転がるアギト。

 暴風で姿勢を保つことが困難な以上、まともに反撃すらままならない。『ぐあっ』と情けなく不様に這いつくばる様にいい気味だとクロウロードはほくそ笑ん……

 

 

『…!』

 

 

 急にガクッとバランスが崩れる。なんだ?と羽先を見ればスッパリと斬られているではないか!

 

 

『…ッッ!!』

 

「くっ…」

 

 

 打って変わり歯ぎしりをし、またも空へ舞い上がる黒い翼。あの程度は何ともないと暴風を再び巻き起こす。

 恐らく、この暴風は『風元素』を含んでいる。神の目も持たず、元素生物でもないアンノウンがどうして扱えるかは謎だが…テイワットに適応した怪人がここまで脅威なんだとは。加え、やはり空を飛び回るクロウロードは相性が悪過ぎるのだ。―――どうする?

 

 

『今度コソ死ネ、アギトォ!』

 

「うぅぅぅ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――うるさい。」

 

 

 

 

 

 その時、クロウロードの顔面めがけ横から蹴りが入った。

 あまりにもキレイに決まった一発に『グエッ』と呻きを上げながら錐揉みして墓石に叩きつけられ、アギトの眼前に人影が立つ。

 

 

「妖魔か何かは知らんが、ここが岩王帝君から璃月を預かりし仙人の膝元と知っての狼藉か?」

 

「…!」

 

 

 すらりと美しい銀髪の女性…鋭い槍を構えながらも浮き世離れした美しさにアギトは息を呑む。璃月に美女は多くも、冷たく研ぎ澄まされた彼女ような人間は見たことがない。

 

 

『オ、オノレ!!』

 

「フンッ!」

 

 

 女性は容赦なくクロウロードへ襲いかかった。翼を使う暇すら与えず、容赦なく氷元素を帯びた斬撃を流れるように繰り出し異形の身体から体温もろとも自由を奪う。霜帯びる羽根、凍りつく傷口…このままではいくらロード怪人だとしても間もなく粉砕されてしまいかねない!

 不利を悟るや、逃げるべく不様にかじかむ翼を拡げ飛び上が…

 

 

『…グッ! …ヌゥ!?』

 

「…」

 

 

 逃がすものか。10メートルはある高さに一気に舞い上がったにも関わらず、クロウロードの片脚に跳躍のみで手をかけた女性。その瞬発力をもたらす身体は最早、アギトとも肩を並べられる領域で冷酷な瞳が槍で貫くべき敵を映す。

 離せと暴れるもチカラは緩まず、氷元素が唸りをあげる槍を一突き……

 

 

 ――ザクッ!!

 

「!」

 

 ……することはなかった。突如、鉤爪のような先端をした『触手』が現れ、掴まれていたクロウロードの脚を切断。飛ぶ術無き彼女は『あ…』と重力に引かれるまま落ちていき、クロウロードは此処ぞとばかりに死力を振り絞り空の彼方へ逃げていく。

 気がついたアギトは林の方向を見るが、既に『触手』の主は何処かへ立ち去った後だった。

 

 

(今のは……)

 

 

 あの『触手』は見覚えがある。だとしたら……

 

 いや、今はそんなことより立ち去ろう。今は幾人かは知るところになったとはいえアギトの正体は不用意に晒さないに限る。通りすがりの強すぎる美人に感謝しつつスーッと忍び足。

 

 

(一旦、胡桃ちゃんと鍾離先生に合流しないと……)

 

 

 

 

「―――何処へ行く『妖魔』?」

 

 

 ヒュッ!? 零度すらぶち抜くようなドスのきいた声色に恐る恐る振り向く……うわっ、めちゃくちゃ睨んでるぅ!? 

 あー、これあれですね。会話の選択肢ミスると今度はこっちがボコボコにされるヤツ。

 

 

「あ、あの妖魔ってもしかしなくても…俺? 俺は妖魔じゃなくてアギト……」

 

「アギト? ああ、降魔大聖が言っていた……」

 

 

 アギトを知ってる? なら、助かっ…

 

 

 

 

 

「……最近出てきた新手の『妖魔』か。」

 

 

 

 

 ――― ど う し て (※選択肢ミス)

 

 うん、駄目なパターンです。鬼のようにおっかない顔をした彼女が槍を振りかざしこちらへ迫ってくる!? ああ、待って待って待って!?!?

 

 

「お願いだから、話を聞いて! ねっ!? ねええ本当にお願いだからァ!!!」

 

 

 





★プロフィール
→仮面ライダーの特徴について(ホシノの個人的な見解)Ⅰ

ホシノ「仮面ライダーあるある『はひふへほ』! 

 『は』…話を聞かない、聞いてくれない。
 『ひ』…必要なことを言わない。
 『ふ』…普通に話さない。
 『へ』…変な人が多い。
 『ほ』…殆どがワケあり 

 ……こんなところかなぁ。」 

胡桃「割と君にもブーメランだよねぇ。」
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