原神✕仮面 〜アギト、『契約』の地にて〜   作:ジュンチェ

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どもです。

最近、鍾離先生をやっと弊ワットにお迎えできました。なんか、待機してる時にめちゃくちゃ喋りますね先生…

ここ最近、滞りがちですが、時系列とかひとまず深く考えずに各話を執筆したり色々描いたりしてるのでストック他調整ができ次第、更新していきます。では、『迫る怪刃ッ!!』編どうぞ!



迫る怪刃ッ!! Ⅰ

 

 

 片手剣… 両手剣… 長柄武器… 

 

 

 ううむ、実に良い。遥々、海を越えて稲妻まで来た甲斐があった。

 和服のように改造した璃月の服を纏う中年の男はある屋敷の蔵に入らせてもらっていたところ。若干、人離れしたデカい目玉で眺める骨董品といったコレクション類は蔵の持ち主である旦那のものとのこと。

 といっても、彼にとって重要なのは誰の描いたか知らぬ掛け軸やまあそこそこ値打ちがありそうな壺なんかより、よっぽど武器類に限る。

 

 

「おぅ、おぅ、なんとっ。なんとっ。」

 

 

 脂くさい厳つい顎の無精髭を撫でるその顔は、まるで宝物を見つめる少年のよう。

 一方、後ろの小綺麗な着物姿をした夫人の顔は曇天のように暗い。

 

 

「あ、あの…」

 

「ん!ああ、すまなかった。主人の趣味が中々良くてな、つい見惚れてしまった。それで…『例の刀』とやらは?」

 

 

 いけない、いけない。本題を疎かにしては、流石に北斗船長に怒られてしまう。

 『此方です…』と夫人に案内されたのは蔵の奥。すると、男は先程と比べ物にならない程にギョロギョロとした目を見開く。

 

 

「おおぅ、コレが…」

 

「はい。主人が最後に買った品で、いったい、何処から仕入れていきたのか。これが来てから我が家は不幸なことばかりで…」

 

 

 曰く、『妖刀』。この立派な蔵で一際、強く妖しく存在感を放ちながら台座に鎮座するコイツはコレクションの列に加わるなり度々、家に不幸をもたらしてきたとか。

 なんでも本業の商売に不渡りが起こり、それからポルターガイストやドッペルゲンガーをはじめとした怪奇現象に、幻聴…果ては大黒柱である旦那までぶっ倒れて病に伏せている始末。ついに耐えかねた嫁…つまり、こちらの夫人は弱りきって尚も手放したくないという旦那を無視し、他の趣味の品と共々売りにだしたのだ。

 

 しかし、事情は事情なれどひっかかることがひとつ。

 

 

「そこまでの曰くつき…なら、いっそ海にでも捨てて良かったのではないか?」

 

「…」

 

「ああ、すまん。愚問であったか。」

 

 

 夫人の苦虫を噛み潰したような顔と怯えを含んだ震えが何があったかを物語る…

 そう簡単に『曰く憑き』の品を手放せるわけもない。恐らく、口にすらしたくない悲劇があったのだろう。

 

 

「成る程、成る程。ならば、買い手もつかず苦労したであろう。」

 

「うっ…」

 

 

 泣き崩れかける夫人、やはり相当の心労があったのは明らか。

 

 

(――と言っても、刀が悪いわけではないだろうがな。)

 

 

 この『妖刀』、曰く憑きらしく『憑き物』を呼び込んでいる…

 夫人や恐らく、屋敷の使用人などはそういった類いを感知出来ぬが故に、這い回る黒い気配は蔵の中で我が物顔を出来ているというわけだ。

 

 

「…(生気を吸うタイプの怨霊か。エネルギーを溜めて具現化するまであと少し…そこまでしてこの刀が欲しいか。)」

 

 

 ―――ならば、

 

 

「では、こちらの刀…改めさせて貰うぞ。」

 

 

 男は無造作に刀に手を伸ばす。――その時、

 

 

『 ソ レ ニ 触 ワ ル ナ ァ ! ! 』

 

 

 憎悪を吐き散らしながら、這い回る憑き物は形を為した。

 辛うじて、肉が腐ったおぞましい落ち武者のような実体で長槍武器を握り、鋭く赤い眼光で男の背後に迫…

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――とろい。」

 

 

 

 次の瞬間、煌めいた一太刀が怨霊を叩き斬っていた。

 正面から両断された怨念は霧散し、男は抜いた『妖刀』をサッとはらう…まあ、血なんぞ着く筈もないのだがどうにもこれは習慣故に仕方ない。

 気を取り直して、刀を改め…

 

 

「さてさて。おお、なんとっ!」

 

 

 思わず驚嘆してしまった。稲妻の太刀は日本刀のソレにこそ外見は似ているが、あくまで似ているだけで別物だ。だが、目利きとして通じるところはあるので、この艶やかに紫光を浴びる白刃はまさに『名刀』と騙るに恥じることはない。

 刀ではなかったら、男を知らぬ美女の柔肌のように頬ずりしていたかもしれないところ…………ううむ、この感想は我ながら気持ち悪いな!

 

 

「奥方、これは立派な刀…ワシも故郷でもこれほどのものに出逢うことは無かった。言い値で買わせて貰おう。」

  

「…」

 

「む? 腰が抜けてしまっておるな?」

 

 

 ううむ…まいったな。

 チャキン、と妖刀の刃を鞘に戻して、ヘナヘナと尻餅をつく夫人の顔を覗き込むが放心状態でろくに話せる状態ではない。全く、肝っ玉が小さい…

 

 ま、良いだろう。

 

 

「では、本格的に査定に入らせて貰いますぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 それから男はパチパチと算盤を弾きながら、手帳とにらめっこをしながら暫く…

 

 気がつけば2時間程で、全ての見積もり作業が終わっていた。間もなく、ガラガラと荷車が屋敷にやって来て、次々と屈強な男衆が蔵の中の物を運び出していき始める。ようやく、仕事に区切りがつきそうだ。

 

 

「査定結果は気持ちだけながら色をつけておきましたぞ。あと奥方、必要は無いとは思うが…念の為、お祓いをしてもらったほうが良いだろう。あと骨も折れるだろうが、掃除も入念に。」

 

「ああ、なんと御礼を言えば宜しいか!地獄に仏とはこのこと!これで、暫くは安心して暮らせます!」

 

「それは何より。では、ワシはこれで!」

 

 

 そして、男は屋敷を後にする。

 ふむ、『地獄に仏』か…よく言ったものだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

「――こりゃ、旦那は死んでしまうかもしれんの。」

 

 

 ボソッと青空の帰路に呟く独り言。

 ご機嫌につく稲妻城が見下ろす城下町の帰路…と、見知った右眼に眼帯をした女が仁王立ちして待っている。

 

 

「おお、北斗船長!迎えとは痛み入る…」

 

「福郎さん、今回は自分に任せてみてくれと言っていたが…随分な『アコギ』なことをするじゃねえか。」

 

 

 眉間に皺を寄せる彼女に対して、悪びれることもなく男…『福郎』はニタリと微笑む。

 

 

「ふむ、アコギとはまた…稲妻の法に触れるような真似はしておりませんぞ?」

 

「璃月だったら、千岩軍に睨まれるぞ。なーにが、色をつけただ!買い取った金額は二束三文も良いところだろ?」

 

「それは、あの奥方にとっては、二束三文のガラクタでしかなかったというところですな。

 いやあ、命あってなんぼと言いましても、男の浪漫はいつだって女房から白い目で見られるのは、いつの時代も何処であろうとも変わらず。―――ううむ、なんとも世知辛い世知辛い。」

 

 

 要約、自分は悪くない。

 この男、福郎なんてめでたそうな名前の割に、福でもなければ仏でもない…やること為すことむしろ、疫病神か悪魔の類いだ。

 一応、人手不足という事情がある故にこの男を雇った北斗だが、この悪びれることを知らない態度には流石に顔をしかめる。コイツには良心ってものが無いのか?

 

 

「…とりあえず、もう決まった取引に口を出す気はない。だが、璃月での展覧会が終わったらアンタには船を降りてもらう。アンタを抱えてると、利益よりリスクがデカすぎる。」

 

「おや、それはつまりクビ。なんとなんと…」

 

 

 解雇を言い渡されるも、飄々とした態度。

 特に執着する様子もなく、『世話になりましたな。』と告げるや辺りの景色をふむ、と溜息をつきながら見回す。

 

 

「なら、暫く稲妻には戻ってこれないか。随分とこの地では荒稼ぎさせてもらった。おかげさまで当面はうちの大所帯も持つ。」

 

 

 また来よう。名残惜しく、果たしたかった未練はまだあるが、それは次回に。

 そろそろ、璃月に戻らなくては大事な家族が干上がってしまうかもしれないし、文字通りに暴れすぎた故に奉行所からも睨まれかけている…一時離れるには頃合いか。

 

 

「さらば、稲妻! 次来る時は…雷神の首、今度こそ!」

 

 

 なんてこと大声で言いやがる!?北斗は真っ青になるが、福郎なりに愛しいこの国への感謝だ。

 

 

 

 

 

 

 そんな様子を木の陰から窺う傘を被る男に気がついていたが、福郎はあえて触れることはしなかった。

 

 





 僕自身、原神はじめたのは後発側なんですが…魔女会とか顔出しし始めてるのにいよいよメインストーリーが終盤に差し掛かりつつあるのを感じますね…

 とりあえず、はやくドットーレをブチのめさせてください。(憤怒)

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