原神✕仮面 〜アギト、『契約』の地にて〜   作:ジュンチェ

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 お久しぶりです。
 最新話になります、どうぞ〜


迫る怪刃ッ!! Ⅷ

 

 

『――無想の一太刀に比べれば、大したことはありませんな。』

 

 

 阿修羅……鬼神の名を冠すミラージュシリーズ見参。

 その姿はウェザードーパントたちだけではなく、ホシノや胡桃…そして、アギトそのものをはじめて見る万葉も驚かずにはいられなかった。

 

 

「アレは…いったい……」

 

 

 無法者の長が怪物に変貌したと思ったら、今度は福郎まで!?

 稲妻にも『妖怪』と呼称される者たちがいるが、彼彼女らとも違う…ガイアメモリだのなんだのとワケの分からない話をしていたが、関係があるのか? 混乱する万葉を置き去りに、 アシュラは敵目がけ駆けるッ!

 

 

『参る。』

 

『くッ!?このバケモノがぁ!!』

 

 

 迫ること疾風が如く。焦るウェザードーパントは引き続いて爆撃のような雹を降らせるが、アシュラは自らに当たる全てを妖刀で弾きかえす。

 

 

『うおっ!?』

 

 

 戻ってきた氷塊は放った本人を襲う。思わず怯み、庇った姿勢になった瞬間…視界が切れる。そして、『クソが!』悪態をつきながら前に向き直ると…

 

 

『目を逸らすとは余裕がある。』

 

『!?!?』

 

 

 既にアシュラは眼前。肉迫、からの突き出される刃を反射的に掴む……一見、追い詰められているようだが、ウェザードーパントはまだ余裕を見せる。

 

 

『ハッ、コイツは驚きだ。お前もドーパントだったのかよ! だがな、メモリを持っているのは俺だけじゃねぇ。さっきの店の中にも、まだ仲間が残ってるんだぜ?』

 

『…』

 

 

 人質か。ドーパントの利点はメモリの品質さえ拘なければ、使用者を基本的に選ばない故に、数は揃えやすいこと。福郎の傘下の者たちを抑えておくために、手下を残してきたのは抜け目がない…

 

 と、本来なら唸るところだが…

 

 

『それがどうした?』

 

『――は!?』

 

『俺達はアギト。ガイアメモリなる小道具に縋るしかない有象無象に遅れをとるわけがあるまい。』

 

 

 

 なんだと?

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

「はやく! とり逃すな!!」

 

 

 同時刻、璃月の繁華街。行秋は古華の門弟を引き連れ、街を走っていた。

 先日からずっと自分や商会の名を騙り、悪行を働く下郎があろうことか会食中の往生堂の人間に手を出したという。胡桃もそうだが、天権の愛人であるホシノの身に何かがあれば一大事だ。飛雲商会と古華派の看板に泥どころか糞つけて振り回すような横暴、赦してはならない。

 

 

「あちらで… え!?」

 

 

 不意に変な声を出す門弟のひとり。眼前まで会食の場であった店まで迫ったところまで来た……扉は吹き飛び凄惨なことになっているが、何やら中が騒がしい。入り乱れる人影…既に誰かが戦っている!?

 

 その時、中から人影が飛び出してきた。

 

 

『ぐああぁあああ!?』

 

 

 転がり出てくるは頭に骸骨が這う単純なデザインをした怪人、マスカレイドドーパント。ドーパントの中では最下層…俗にいう戦闘員ポジションなのだが、それでも生身の人間よりは強い。しかし、転がり出た奴はあちこちが斬り裂かれまあ酷い有様。

 

 行秋たちが困惑していると、店の中から刀を持った人影が現れた…

 

 

『ああ、本物の飛雲商会の方々ですね。ようこそお越しくださいました。』

 

 

 思わず、目を見開く。ホシノが変身した姿とは随所が違い灰色ではあるが、間違いなく…

 

 

「アギト……侍のアギト!?」

 

 

 刀を持つ彼は『アギト・ミラージュカタナ』。いや、彼だけではない、店の中にも同様の姿をした者たちがドーパントと戦っているではないか!

 

 

「あ、貴方たちは…」

 

『『運送会社アギト』…そのしがない一員です。ああ、こちらの下郎の方々は煮るなり焼くなり好きにしてください。飛雲商会と行秋さんの名前を騙って悪事を働いていた取るに足らないカスですから。では!』

 

 

 運送会社アギト? ――疑問に答えることなく、ミラージュカタナは残る店内のドーパントをかたつけに戻っていく。

 唖然とするばかりだったが、すぐに我にかえった行秋は門下生たちに指示を出す。

 

 

「こちらも加勢を!賊を逃がすな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

『な、何ぃ…!?』

 

『詰めが甘かったですな…ッ!』

 

 

 そして、アシュラは力任せにウェザーの握る手から刃を力任せに引き抜いた。

 一瞬で刃先が指を掻き、ズタズタにする。裂かれた掌からは鮮血が飛び散り、汚い悲鳴をあげながらウェザーは不様に墜落。一呼吸置いて、その近くにアシュラがシュタッと舞い降りる。

 

 

『アァ゛!?ァ゛ァ゛!? 痛ェェェ!?!?』

 

『…』

 

 なんとなんと…神に届くやもしれぬチカラも、刀一本にこの始末……天候を操れるなら、『天災』に匹敵する技をも可能にするだろうに。

 落胆、呆れ…まあ、別に心躍る戦いなんてそもそも期待はしていなかったが。

 

 

『ウゥ゛ッッ……許さねぇ、許さねえ許さねえ!! おい、テメェらなにボサッとしてる!? 助けやがれ!!』

 

 

 そして、激痛と怒りで半狂乱になりながら仲間に助けを求める……なんと情けない。

 頭目の憤怒に手下たちは慌てながら、ガイアメモリを取り出し変身をはじめる。その間際も庇う素振りも、怒る素振りも無いことから小奴ら団結力すら皆無ときた。

 

 

【【【 バイオレンス!! 】】】

 

 【【【【【 マスカレイド!! 】】】】】

 

 

『時間を稼げ! 良いな!?』

 

 

 ふむ…寄せ集めながら結構な数だ。雑兵のマスカレイドドーパント以外にも、暴力の権化というような肥大化した醜悪な筋肉の怪人・バイオレンスドーパントまで複数いる。これは骨が折れるかもしれない。

 

 仕方ないか…アシュラは後方のホシノへ視線を視線を向けた。

 

 

『ホシノ殿、申し訳ないが助太刀をお願い致す。』

 

「え? あっ、はい!!」

 

 

 急な振りに戸惑いながらも、ホシノはオルタリングを発現させ意識を集中する。人間が見たことがない怪人になったこといい、福郎のアギトのこといい、頭で消化しきれないことばかりだが…今はッ!!

 

 

 

「――変身ッ!!」

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

「ほ、ホシノ殿!?」

 

「ハハ、事情は後で! ――いきますよ!」

 

 またしても驚く万葉を横に、ホシノは轟音と光と共に仮面ライダーアギト・トリニティフォームSpecⅡへと変身を遂げた。部外者にアギトであることを知られるのは良くないのだが、今は気にしていられない。

 迫りくるバイオレンスにマスカレイドの集団。 アギトは右足に岩元素エネルギーを集中させ、大地を踏みつけた!

 

 

「ハァァ…ハァ!!!」

 

 

 同時に地面から大波のように突き出す琥珀色の岩元素の結晶。硬質で鋭利な先端部がマスカレイド軍団を弾きとばすが、バイオレンスドーパントたちは強靭な肉体と力任せで粉砕し、強引に迫るッ!

 

 

『潰れろッ!!』

 

「!」

 

 

 振り下ろされる暴力の鉄球ッ! それを寸前で、フレイムセイバーで斬り上げ両断、更に風元素を纏うストームハルバードで薙ぎ払うことで拡散反応を起こして退かせた。

 元素反応込みで綺麗に決まったカウンター…流石にこれにはバイオレンスドーパントも呻く。

 

 

『お、おの……れぇ!?』 

 

「!?」

 

 

 その時、隙だらけの肉体に風の斬撃が走った。

 素早い斬撃は風元素由来のそれ…崩れ落ちる巨体の背後には刀を振り抜いた万葉の姿。

 

 

『な、バカな…!?』

 

「どのような強靭な肉体や鎧でも、必ず脆いところはある。そこを狙っただけのこと…」

 

『なん…だ……と… かはっ!?』

 

 

 そして、カチンと刃を収めると共にバイオレンスドーパントの変身は解かれて元の荒れくれ者の姿に。ガイアメモリも排出され、パリンと音をたてて粉々になったのだった。

 

 

 さて、一方…

 

 

 

『流石、『星のアギト』…と言ったところですな。』

 

 

 アシュラはバッサバッサとマスカレイドドーパントたちを斬り伏せながら、アギトの戦いぶりに舌を巻く。かつて、最強のアギトと呼ばれただけはある。されど、彼の本来の強さはあんなものではない…もっと、もっと、圧倒的で文字通りに神に至るほどの……

 

 

『この野郎ッッ!!』

 

『むん!』

 

 

 後方から飛びかかるマスカレイドを振り向きざまに一太刀。

 おっといけない。戰場で余所見の上に物思いに耽るなど。

 

 

『さて、あの頭目は何処だ?』

 

 

 群がるマスカレイド軍団に注意を向けているうちにウェザードーパントを見失った……あの性格からして、逃げるとは考えにくい。あの手合いは恥をかかされた相手をそうやすやすと諦めるタイプではない筈…ならば……

 

 

 

 ――ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

 

『?』

 

 

 む? なんだ、この音は?

 

 

 

『はははは!!!!テメェら、これで終わりだぜ!!』

 

 

 振り向いたその先、唸りをあげる竜巻ッ!

 天へと伸びるそれの中心にウェザードーパントは座して高らかに笑う!手下のマスカレイドドーパントたちすら巻き込み立ち昇るは大自然の巨大ミキサー!! 

 

 

「うそ!?仲間ごと!?」

 

 

 アギトに何とかしがみつく胡桃すら呆れと驚愕を覚えるこれに呑まれれば、身体はバラバラだろう。そんなだいそれた大技を前にしてアシュラは妖刀を構えなおし、集中を高める。

 お見せしよう…神如き業には神に届く技を。

 

 

『フッ…!』

 

 

 全身の血が沸き立ち、クラッシャーがカシャンッと開いて鋭い牙が並ぶ口が露わになる。同時に、背中からベキベキと音をたててもう一対の腕が展開され両手に刀を握った。

 『アギト・ミラージュアシュラ 鬼陣態』…三刀流の姿はまさに鬼神が如し。身体からは揺らめく怨念のように赤黒いアギトのライダークレストが浮かび上がって、三振りの刃へ吸収されていく。

 

 

「むんッ!」

 

 

 そして、アシュラは地を蹴り竜巻へと飛びかかった!

 見据えるは暴風の渦の中心で安全だと慢心する敵。妖刀を振り上げ、一気に一太刀。続けて、乱舞するように風の障壁を三刀流で斬り裂き間合いを詰め、ウェザードーパントを再び肉迫。

 

 

『――なっ!?』

 

『覚悟。』

 

 

 もう次はない。問答無用に妖刀の刀身がウェザードーパントの腹にズブリと喰らいつき一気に深く斬り裂いた!

 

 

『ぐ…ぁあああああァァァァ!?!?』

 

 

 数秒後、汚い断末魔と共に大爆発。

 これが、戦いの勝敗を告げる。

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

「福郎さん!」

 

『ホシノ殿、お怪我は無いようですな。』

 

 

 お互いに変身を解除し、合流するホシノと福郎。多勢を相手にしながらも、生身の胡桃と万葉が無事なことを含めて文句なしの大勝利だ。翔一のアギトもさることながら、福郎の『阿修羅』の名に恥じぬ実力故もあるだろう。

 

 

「こんなに強かったなんて、凄いなぁ。」

 

「いえいえ、ホシノ殿の『全盛期』に比べればワシなど足許にも及びませぬ。」

 

 

 

「んん?――全盛期??」

 

 

 福郎の謙遜の言葉…何気ない単語が胡桃のセンサーにひっかかる。

 すると、彼はきょとんとした表情で疑問符を浮かべる少女に視線を向けた。

 

 

「ご存知なかったのですかな? ホシノ殿は我々アギトの中では『最強』と謳われ、『星のアギト』という異名で通っていたのですぞ?」

 

「ホシノくんが?へぇ〜〜? 『星のアギト』ねぇ??」

 

「ちょ、ちょっと!?もうフーちゃんも福郎さんも止めて下さいって!? 俺はただの人間で一般アギトなんですから!」

 

 

 一般アギトって、もうそれ普通の人間って言えるのか…まあ、聞くのは野暮か。とりあえず、居候をイジり倒せる新しいネタを手に入れたことで胡桃はニシシと笑みを浮かべていた…

 

 そんな様子を遠目に眺めていたのは万葉。

 

 

(アギト……風の噂で聞いた黄金夜叉とはホシノ殿のことであったのか。 では、福郎殿のアレは? 似てはいたが、あの禍々しい姿は……)

 

 

 気になる。気にはなる…が……

 

 

(――いや、深入りすべきではないだろう。こちらも今は他人のことに首を突っ込む余裕などない。)

 

「う…が……」

 

 

 ん? 視線を逸らすと這いつくばって呻く人影。ボロ雑巾のようにズタズタにされた有様だが、確かにウェザードーパントに変身していたエセ秋の無法者だった。

 もう行秋を気取るための服は台無しな上に、カツラも使っていたガイアメモリの破片と一緒にゴミ同然に転がっている。そして、怪人に変身してもあまりに深過ぎた刀傷は止めどなく血を垂れ流し続けているではないか。このままでは死ぬ。

 

 

「(ええい、悪人とはいえ…)おい、大丈夫か?」

 

 

 やらかしたことは重罪に問われるだろうが、命を軽視は出来ない。いずれ、千岩軍が来るにしてもせめて応急処置くらいは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――斬ッ

 

 

 

「――は?」

 

 

 次の瞬間、無法者の首が跳ねた。   

 実に一瞬、妖刀が煌めき素早い剣先が首を断ちトドメを刺したのだ。

 

 

「衆生のためだ。死ね。」

 

 

 福郎の顔が血に濡れる。先まで共に勝利を味わっていたはずのホシノと胡桃ですら言葉を失い…万葉は目を見開く。

 

 

 血溜まりの中、月光を背に………『鬼』が立つ。

 

 

 

 

 






 アギト―超能力戦争―を観てきました。

 (※ここからあくまで、個人的な感想です。)
 ネタバレ抜きでフワッと語ると見たかったものを観れた一方で、満足出来たかと言われるとまたそれも違う、良い部分も悪い部分も何か強く目立ってしまうみたいな感想でした。やっぱり、思い出補正のせいもあるのかな…
 あと、漫画版のクウガを追っているファンに対してもサプライズ要素があったりして、良くも悪くもアギトファン向けな映画です。




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