前回、甘雨を七星のメンバーとがっつり間違ってました。正確には秘書官でした…ご指摘、ありがとうございます。
高評価・感想感謝です。自分まだ原神はじめて月日がそんな経ってないですが、がっつりハマってフォンテーヌまでクリアしました。因みに選んだ主人公は蛍ちゃんです。可愛いですよね、蛍ちゃん。
ところで、ピックアップ逃したら1年後ってマジなんです?
これまでのあらすじ
とあるテイワットとは別の並行世界でふたりのアギトが決着をつけようとしていた。
それから暫く、璃月では超常現象で神の目を持つ人間を殺害する『神罰殺人』が問題になっていた。調査にあたる璃月七星・凝光の秘書官である甘雨の前に現れたのは怪人と戦う謎めく戦士、仮面ライダーアギト。その正体は往生堂に居着いた居候の『星野ショウイチ』である。
★ ★ ★ ★ ★ ★
往生堂は璃月において由緒正しき、代々と続く葬儀屋。
七十七代目当主・胡桃が取り仕切るこの店は期待の大型新人・鍾離とどういうわけか居付いちゃった根無し草の変人ホシノ…あと真面目な故に割りをくう本当に平凡な新人のおかげで商売繁盛…
……なんてするはずもなく
……万年、閑古鳥が鳴く往生堂に嵐が直撃していた。
「うへぇ。」
往生堂のテーブルにて、胡桃は白眼を剥いて仰け反っていた。
無理もない、机上の書類の山を見れば誰だって逃げ出したくもなる…ましてや、仕事の依頼ですらない苦情の山ともなれば。さっさと炎元素で燃やして火鉢の灰にしてやりたいところだが、残念ながらそれは不可能。
この場にはあの璃月で売れっ子法律家である煙緋もいるのだから。
「さ、ちゃんと目を通すんだ。私も法律家として旧知の仲である君を法廷の場に立たせるのは気が進まないからね。」
「煙緋先生、本気ぃ?『往生堂が料理屋に鞍替えする』とか何食ったらそんな発想でてくるのか理解不能なんだけど。確かに葬儀に食事は欠かせないよ? でもさぁ…」
「私も本来なら取るに足らない些事だとは思うが、如何せん疑いの目が多い。だからこそ誠心誠意の対応をしなければ余計なトラブルの元だ。さ、しっかり書面に目を通そう。」
「全部ぅ?」
「勿論だとも。」
無慈悲。世迷い言にも程がある羅列が記された書類をげんなりしながら一枚を渋々手にとる胡桃。意訳すると『届け出なしで料理屋は出せるわけないよなぁ?』とか『何かオタクが珍妙な料理を作っているらしいけど俺等の縄張りでいい度胸だなオイ?』とか……主に此等は居候のホシノが何処で覚えたかわからない奇怪な料理を作りまくるせいだ。別におかしな材料は使わないし、美味しいのだけども……それが原因でおかしな噂が広まって、璃月の料理人たちの反感をかってしまったらしい。
あと『往生堂の店主の営業がしつこい』や『往生堂の謎めく新人がファデュイの執行官から接待を受けてる』などなどなどなどなどなどなど…
(うん、見なかったことにしよう!)
胡桃は指先に炎元素で火を……つける前にガシッと笑顔で煙緋に止められる。どうやら、どう足掻いても逃げられないようだ。
★ ★ ★ ★ ★ ★
……で、その頃。噂の火種になった本人であるホシノは
「ハイ、取り置きしてた清心の茶葉。」
「ありがと七七ちゃん。よし、これで今日のお使いは完了!」
白朮の薬屋・不卜廬を訪れていた。玉京内へ至る道中にある璃月最大の薬屋は勿論、往生堂も御用達である。胡桃に買い出しを頼まれたホシノは片手サイズの紙袋を店番の七七から受け取り、『胡桃ちゃんがヨロシクだって!』と伝言をして代金のモラを支払いその場を後にした。
去り際、基本的に感情の起伏が少ない七七が何となくしかめっ面をしていた気がするが…まあそこは本人たちの問題なので首は突っ込まないでおこう。
『アレはあれで奇怪なものだな。』
「ジャックンも人のこと言える?」
懐から声がする。すぽんとという音と共にその声の主である仙霊ジャックンが飛び出してホシノの頭に乗った。やはり、普通の生き物と違うせいか重さは感じないがしっかりと存在は感じられる……これが元素というやつか。最も、神の目を持たないホシノがそれを知る術は無い。
『まあもう既に璃月に馴染んでいるものをとやかくいうこともないか。』
「馴染むといえば…俺達も璃月に来てからだいぶ経ちましたよね。」
ホシノは流者だ。璃月の…という意味だけではなく、このテイワットにおいて元々彼は存在していた人間ではない。異界からの来訪者だ。
かつて、『自分と袂を分かつことになった人間』との最後の戦いにて、アギトとして限界を超え極限の力を放った彼は絞りカスのような有り様に成り果てた。そんな有り様で並行世界の狭間で次元の狭間とでも言うべき星の海に投げ出され…そのあとテイワットに漂着。そして、璃月の海に放り込まれてしまったのである。
(海に落ちた記憶はあるけど、目覚めた時は璃月の白朮先生の不卜盧だったっけ。その時、何処からともなく現れたジャックンと璃月に迫る厄災を祓うと『契約』してこの世界の言葉が解るようになった。
それから、たまたま海辺の見回りにきていた甘雨さんに助けてもらったことを教えてもらって、鍾離先生の紹介で往生堂に拾われて……)
だから、ホシノは甘雨や往生堂の謎だらけの大型新人・鍾離にはこのテイワットで最も感謝し信頼している。勿論、雇い主で衣食住を提供してくれた胡桃も…
ただ、往生堂の居候した流れに関しては鍾離が『人事の仕事を一度やってみたかった』という無茶苦茶な理由で店主である胡桃に無断で決めたことである。当時、彼女は身勝手な行いに流石に憤慨したものの、既に手続きを役所と済ませてきてしまったために強引な形で事後承諾になってしまった。
流者の根無し草の自分が何の琴線に触れたのやら……
『しかし、貴様が来た世界……神が人を見放した世界か。我にはとても想像出来ん。お前たちの世界の人間はなにをしでかしたのだ?』
「…」
ふとしたジャックンからの質問。その途端、ホシノは凍りつき…目を逸らせなかった記憶が鮮明にまた揺らめく。それは彼の世界の『神』の言葉…
―――私が手を下さなくても、人は間もなく滅ぶでしょう。喜ぶが良い、アギトよ…お前が望んだ『人が神に届く世界』は訪れた。
「……………取り敢えず、往生堂に帰りましょうか。」
詳しく話したくはない。逃げるように帰路に早足で歩く…それでも過去は拭えずにいる。
これは自分の問題、自分が背負って解決しなくてならないのだから。
★ ★ ★ ★ ★ ★
璃月は貿易のみならず、テイワット大陸において有数の鉱脈が存在する。流石、岩神が治める国といったところか。
故に鉱石の採掘・加工をはじめとした商業も発展しており、それを支える鉱夫たちも大事な人的資源である。今日も今日とてむさ苦しい現場で岩盤目掛けて男たちが汗水たらしてツルハシを振るう。
「おら、納期は明日だ! もう一踏ん張りだ、気張れよオマエら!」
「「「押忍っ!」」」
リーダーの掛け声に呼応してガツガツと掘り進める鉱夫たち。
……だったのだが。
「ん?」
ガスッと変な手応えを感じたひとりの鉱夫が手を止める。砂の混じった柔らかい層でも当たったのか? にしては、奇妙な脆さを感じる……
「なんだ?」
ツルハシで掘るのをやめ、手でほじってみる。すると、パラパラと崩れはじめ……
「え?」
鉱夫は硬直した。崩れた穴の先にあったのは鉱石でも砂でもない…この場に存在しないはずのものが埋もれていた。
そう、真っ白く血の気の失せた『人間の顔』が。
「う、うわああああああ!?!?」
鉱夫は発狂して逃げ出した。そのあとにカランと輝きを失った『神の目』が落ちる……すなわち、新しい神罰殺人がはじまったことに他ならなかった。
★ ★ ★ ★ ★ ★
「……よりにもよってか。」
刻晴は頭を抱えた。新たな神罰殺人の一報にいてもたってもいられず、包帯ぐるぐる巻きの痛む体に鞭打って、医師と部下の制止も振り払いベッドから這い出してきたものの…事態は遥かに深刻な方向になっていた。
現場には既に『招かねざる客』がうろちょろしている。仮面をつけ黒尽くめの彼・彼女らはすらりとしたモデルのような青年に率いられ、現場検証中の千岩軍とも揉めている様子もチラホラ。面倒だが、立ち退きをしてもらわなくては…
「ファデュイがこんなところで、越権行為よ。さっさと失せなさい。」
「おや? これはこれは七星・玉衡様。お怪我をなされてお休みしていると聞き及んでおりましたが?」
すぐにリーダー格の青年…タルタリヤに退去を告げるが、話を逸らしたわざとらしい世辞で従う意志はないと示す。完全に舐めてかかっている。
「もう一度警告するわ。捜査に参加をしたいなら、それ相応の許可を正式に取ることね。でも、私としては正式な報告書がそちらに行くことを待つのをお勧めするわよ?」
「いいや、そうはいかない。今回の神罰殺人の犠牲者はファデュイの人間だ。執行官として俺は捜査する責任が本国から課せられている。」
そう、事態をより面倒にしているのは彼等、氷の国・スネージナヤの組織『ファデュイ』…黒い噂が絶えないことで有名だ。そして、今回の犠牲者はその構成員だったのである。璃月側にとっては最悪の組み合わせ…ならばこそ、刻晴とて弱気になってはいられない。
「なら、その捜査に参加する責任とやらを正式に帯びてから手続きを踏むことね。どんな事情であれ、アンタたちに好き放題する権利なんてないの。」
「おや、そんな態度は関心しないな。仮にも公務と訪れた『客人』が命を落としてるんだ…誠意のある対応を七星にはお願いしたいな? 今回の件は外交問題になるのは避けられないと思うし? 賢明な判断を望むよ。」
何が客人だクソッタレ。外交が諜報活動や暗躍という意味合いのお前達が何を抜け抜けと……
一方のタルタリヤも不遜な態度を崩さない。
「「…」」
両者、睨みあい一触即発。千岩軍、ファデュイ…どちらの部下も万一の時に備え互いに武器を……
「た、大変です公子様ァァァ〜!?!?」
「…っ」
誰だこんな時に間抜けな声で走ってくるのは?
空気読めよとひぃひぃと走ってくる部下に溜め息をつくタルタリヤ。折角、面白くなってきたところなのに。緊急事態じゃなかったら半殺しは待ったなしだぞ。
「何事? 今、俺見てのとおり忙しいんだけど…」
「き… き……」
「き?」
「――北国銀行前で怪人が暴れています!!」
「…」
…………緊急事態だ。
★ホシノのプロフィール
・ファデュイについて
→ああ、俺ああいう人達苦手かも。その…物事を裏から操る系の人達に割と散々な目にあわされたからなぁ。タルタリヤさんはそんな悪いかんじはしないけど。
・七星について
→個性的な人達が多いよね。天おじとは話したことがあるけど、気さくなお爺さんだったね。他は凝光さんに『あんまり甘雨をいじめないでね』って言われたりとか。いじめてはないよね俺?
★凝光のプロフィール
・ホシノについて
→ああ、彼については把握しているわ。よく料理を持って甘雨を追いかけまわしてるけど…そう、彼はやっぱり知らないのね。それとなく注意はしているのだけれど、どうもニュアンスを汲み取れないのよね彼。
★甘雨のプロフィール
・ホシノについて
→本当にやめてください、料理を持って追いかけくるの!毎度毎度、我慢するの大変なんですから! アナタの料理は太るんです!