問題児3人、ただし最強   作:狐大総統

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今回の話も夜蛾先生は出てきません。
彼は、日車と甚爾のスカイウォークを見て、寝込んでます。


『猿』

side甚爾

 

入学して1ヶ月ほど経ったある日、俺達三人に任務が与えられた。

内容は北海道と阿蘇山にいるという特級呪霊2体の討伐。

指名してきたのは、どうやら禪院家絡みらしく、完全にただの嫌がらせだった。

別に特級呪霊なんざ、パパッと祓えるので問題はない。

とはいえ、いかんせん遠過ぎだ。

 

真逆の任務地を与えんじゃねーよと甚爾が車内でイラだっていると、髙羽に声をかけられた。

 

「禪院、御三家ってどんな感じなんだ?」

「あぁ?なんだ、急に」

「いや、さっき補助監督の人に御三家の人間がどうのって説明を受けたけど、よく分かんなかったんだよな」

 

だから、ちゃんと理解しとかなくちゃと思ってと続ける髙羽。

 

コイツはこういう変に真面目なところがある。

甚爾は当初、髙羽が意外と真面目であることに驚いていた。

 

なぜなら、顔合わせのときに自身の自己紹介終わった瞬間、髙羽は「禪院、集合ー!」と宣ったのだ。

これで髙羽が真面目と思う方がどうかしてる。

ちなみに、日車の自己紹介時は「ヒロミちゃん…!」と発言し、ガベルでしばかれていた。

甚爾もその際に加勢したのだが、髙羽がノーダメージだったことに心底驚いた記憶がある。

 

「別に覚えなくてもいいとは思うが…。呪術界の歴史あるデケー家ってだけだぞ。ついでに言えば、腐った蜜柑しかいないクソみたいな家ってとこか」

 

甚爾は実家にいるのはカスみたいな奴らばっかだったなと改めて思った。

 

「ミカンは腐る前に食べないと勿体無くない?」

「…いや、そういうことじゃねーんだが」

 

「あ、術師は強くてすげー奴等ばっかってのは覚えてるぜ!」

 

髙羽は自信満々に言うが、実家に強いやつがいたかを思い出そうとするが、特にピンとくるものはいない。

 

「…禪院家だけでいえば、言うほど強くはねぇな。やろうと思えば、数時間もあれば俺だけで壊滅させられる」

 

そう言いながら、髙羽と日車を見る。

そのとき、コイツらと一緒なら御三家を同時に全部潰して、新しく御三家を作るくらいできるんじゃないか?という思考が甚爾の頭の中に一瞬よぎった。

 

だが、ある1人のガキを思い出し、五条家は少しキツいかもなと考えを改める。

そう考えていると、ちょうどソイツの名前が日車の口から出てきた。

 

「御三家といえば、特に有名なのは五条悟と聞いたことがあるな。たしか、六眼と無下限の抱き合わせだったか」

 

「リクガン?ムカゲン?」

 

「無下限は五条家の相伝術式だ。無限級数を操れるらしいが、六眼という特殊な目が無ければ扱うことは難しい術式と聞く」

 

「ああ!無限級数か!すげーな!」

 

 

日車から説明を受けた髙羽は、すぐに理解することができたようだ。

無限級数については、以前夜蛾が急遽胃痛で休んだ際、日車が臨時講師を行ったときに教えていた。

 

日車の授業内容は充分高額な報酬を貰えるレベルであり、高専1年に数IIIまで分かりやすく理解させられる人間はそういないだろう。

呪術だけじゃなく、学問まで天才なのかよと甚爾が内心舌を巻いていたのは秘密だ。

 

 

「彼が誕生したことで、世界の均衡が変わり、呪霊が年々力を増しているとまで言われているが…、この点については甚だ疑問だな。現代はバブル崩壊によって不景気の真っ只中だ。負の感情が増えただけ、呪霊が力を増していても不思議ではないだろう」

 

 

そう言って、日車はため息を吐く。

日車が述べた考えについては、甚爾も同意できる点はあった。

 

もし、あのガキが産まれたことで、均衡が変わったのであれば、目の前の2人が産まれた時点で均衡が崩れていなければおかしいだろう。

なんせ、どっちも呪術界では類を見ない天才とジョーカーだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…俺みたいな呪術も使えねぇ猿とは違ってな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「禪院は五条悟を見たことはあるのか?」

 

俺が思考の海に沈んでいると、日車が声をかけてきた。

どうやら、話はまだ終わっていなかったらしい。

 

「あー、まぁ、あるにはあるな」

 

「どうだった、どうだった!?」

 

俺が日車に答えると、髙羽が身を乗り出して聞いてくる。

コイツのせいで、狭い車内が更に狭くなったため、無理矢理押し戻す。

 

「別に、ただのいけすかねぇガキだったぜ。呪術の才でいえば、俺みたいな猿と違って確実に恵まれてるだろうな」

 

術式と六眼はもちろん、勘の良さにおいてもアイツは優れていた。

 

前に、五条家に生まれた六眼のガキを面白半分で見に行ったことがある。

そんとき、アイツは呪術的に透明人間である俺に気付いていた。

後にも先にも背後に立った俺が気取られたのはこの時だけ…のハズだった。

日車寛見と髙羽史彦に出会うまでは。

 

髙羽の背後に立ったとき、髙羽は俺に気づいてないフリをしていたが、流石にそのことを気付くことができない俺ではない。

後で聞いてみると、本人曰くドッキリにはいつでも最高のリアクションをとれるようにしてるからな!というワケの分からない回答が返ってきた。

 

日車の場合は気配で察せると言っており、実際に俺が背後から近づいたときはすぐに気付いて、こっちを向いてくる。

まあ、コイツの場合は六眼のガキと同じく勘が良いのだろう。

 

この色んな意味でイカれてる2人がいるから、俺自身はあまり五条悟に興味が沸かなかった。

 

そんなことを考えていると、俺の発言で髙羽の中に引っかかる点があったようで、思わずとばかりに俺の発言を繰り返した。

 

 

 

 

「猿?」

「禪院家ではな、『呪術師にあらずんば人にあらず』って言葉があんだよ。その言葉に従えば、俺は人ではなくただの猿なんだと」

「…禪院の口元の古傷、懲罰によるものか?」

「ああ、昔な。呪具無しで、呪霊だらけの部屋に叩きこまれたもんだから、祓えなくてな」 

 

笑えるだろ?と俺が続けると、髙羽は顔を歪ませていた。

大方、笑えねぇとか思ってんだろうな。

ウケる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の発言で車内が静かになり、空気が完全に冷え込んだかと思えば日車が口を開いた。

 

「…ああ、笑えるな」

 

ん?日車はこういうの笑えるタイプだったのか。

てっきりクソ真面目な日車センセーには、わかんねーネタだと思ってたぜ。

 

「そんな禪院家が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     禪院全員呪術が使えなくなったら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     」




この世代のifスレみたいなのを感想欄で知ったので参考にしてみました。
今後も参考にしたネタは出るかもです。

感想、高評価ありがとうございます。
返信はあんましてないですけど見てます。
超嬉しいです。
感想がたくさん来ると、次の話を書くモチベに繋がります。
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