キタサン「待ってよ!!、おねーちゃん!!」
???「おいで、キタサン」
キタサンブラックの眼前には不思議な光景が広がっていた、小さな自分とその前を走る少し大きい少女、小さい自分ははっきりと顔まで見えるのに対し前を走る少女は顔に影が差し良く見えない、しかし周りを見れば光を遮るような物は何もない
キタサン(ああ、これは夢だ)
キタサンブラックはその光景の不思議さに直ぐ様納得する
キタサン「おねーちゃんはや~い!!」
???「フフ、キタサンもね」
そうしている間にも小さい自分と少女の話しは進んでいく
キタサン「おねーちゃん!!、またあのおうたうたって~!!」
???「え~、また?」
キタサン「お願い、良いでしょう?」
???「仕方無いな、キタサンは、じゃあいくよ」
ピピピ ピピピ ピピピ!!
キタサン「う~ん」
気が付くと見慣れた自分の部屋のベッドで寝ており目を擦りながら体を起こし時計を見る
キタサン「……………………うわぁ!!!!、寝坊だ~!!!!、ダイヤちゃん何で起こしてくれなかったの~!!」
ダイヤ「私は何回も起こしたよ?」
バタバタと準備を進めながら文句を言うキタサンブラックにサトノダイヤモンドは涼しい顔でそう言う
キタサン「良し!!、いってきま~…………」
そこまで言いふと先程の夢が気になった
キタサン「ねぇダイヤちゃん」
ダイヤ「ん?」
キタサン「昔、私と良く遊んでたウマ娘とかいた?」
ダイヤ「え?、う~ん、キタちゃん皆と仲良くなってたから分かんないよ」
キタサン「そっか、それなら良いんだ、ごめんね、いってきま~す!!」
レース当日 距離2000m 天候晴れ 出走者12人
スピカのメンバーは室外席の一番前でレースの開始を待っていた
キタサン「おお~、凄い人ですね」
テイオー「そうだね~、あんまり大きいレースじゃないのに結構集まってるね」
沖野「恐らくこの後のメインレースを見に来てるんだろう、取り敢えず俺達はストレンジャーの応援に集中だ」
マックイーン「あ!!、出てきましたわ!!」
マックイーンが指を指し全員がそちらを見ると体操服に身を包んだストレンジャーが出てくる
沖野「お!、出てきたか、ストレンジャー!!、こっちだこっち!!」
沖野はストレンジャーを見つけると大きく手を振る、ストレンジャーもそれに気付きスピカのメンバーに向けて小さく手を振る、その目付きはレース前とは思えない程優しく穏やかな物だった
沖野「あいつ、大丈夫か?」
スカーレット「前からそうでしょ、レース前なのにおっとりしてると言うか穏やかと言うか」
ウォッカ「でも逆に言えばそれだけ余裕があるって事だよな、本当、大物だよな~」
キタサン「えっと、そうなんてすか?」
テイオー「うん、ストレンジャーはレース前はずっとあんな感じだよ」
ゴルシ「よっしゃ~!!、行け~、ストレンジャー!!」
スペ「ストレンジャーさ~ん!!、頑張って下さ~い!!」
キタサン「って!!、ゲート前で早速絡まれてますよ!?」
キタサンが叫びながら指差す先ではストレンジャーと話す見知らぬウマ娘がいた
スズカ「ああ、またなのね」
キタサン「また!?」
沖野「ストレンジャーが視覚以外の感覚が無いことは俺達と理事長、後は生徒会位しか知らない、レース前でピリピリムードだし、多分話し掛けたのに無視されたって怒ってるんだろうな」
ストレンジャー サイド
ストレンジャーは周りが慌ただしく準備をしているのを他所にボーッと空を眺めていた
???「ねぇ、貴女」
出走者の内の1人がストレンジャーに声を掛けるがストレンジャーは視界に入っていない為反応出来ない
???「ねぇってば!!」
突然視点が揺らぎ周りを見ると目の前に1人のウマ娘が立っていた
ストレンジャー「……?、何をそんなに怒ってるんですか?」
???「!!、この!!、……もういい!!」
ウマ娘は怒りながらその場を去った
ストレンジャー「…………何を怒ってたんだろう?」
周りで様子を見ていた他の出場者は「マジかこいつ」と言った様な表情で見ていたがストレンジャーは視ていなかった為周りの事等知るよしもない、こうして若干のギスギスを抱えつつも遂に皆ゲートに入った