練習開始、それと同時にスピカの面々は伝えられた練習メニューをこなしていく、そんな中ただ一人ストレンジャーだけは何もせずボーっと皆の練習風景を見ながらウーマンボウニンジン味を食べていた
キタサン「あの、テイオーさん、あの人は練習は」
不思議に思ったキタサンブラックは近くにいたトウカイテイオーに声を掛ける
テイオー「ああ、ストレンジャーは練習しないよ、と言うか厳密には出来ないだけど」
キタサン「え?練習が出来ない?」
テイオー「うん、ほら、ストレンジャーは視覚以外の感覚が無いからね、練習の限度が分からないんだよ、他にも怪我しても痛みが無いから気付けないし、やっても軽くとか短時間とかでしか出来ないんだ」
キタサン「そうなんですか、じゃあレースとかも」
テイオー「うん、出遅れは当たり前、まぁ脚質が差しだから何とかなってるって感じかな、まぁどんなレースも不利であることに変わりは無いよ、戦績は3戦2勝、重すぎるハンディキャップ背負ってそれだから凄いよね」
キタサンブラックは練習をこなしながら頭の中では常にストレンジャーの事が離れなかった
ストレンジャー サイド
突然だが私は転生者だ、名前はストレンジャー、とある理由で視覚以外の感覚が無い以外は至って普通のウマ娘だ、今はチームの皆の練習を見ながらウーマンボウを食べている、味覚を失った私が唯一記憶の中で鮮明に覚えている味だ、食感も舌触りも分からないけどこの味、これだけは覚えている
沖野「ストレンジャー、許可が出たぞ、ただし、1時間だけであれも無しだからな」
ストレンジャー「うん、分かった」
沖野がストレンジャーの視界の前に立ちなるべくゆっくりそう言う、ストレンジャーもそれに同意しゆっくりと動きだす
ウォッカ「お、ストレンジャー先輩今日は練習するみたいだぞ」
スカーレット「本当だ、珍しいわね」
マックイーン「あまりご無理をなさらないと良いのですが」
ゴルシ「大丈夫だろ、それよりほら、お前の番だぞ」
テイオー「あ、キタちゃん良かったね、ストレンジャー走るみたいだよ」
キタサン「はい、でも、大丈夫何ですか?」
テイオー「う~ん、トレーナーが許可出したみたいだし多分大丈夫だよ」
皆がストレンジャーの走りに注目するなかストレンジャーは軽くストレッチを行い走る準備をする
芝の上に立ち1度深呼吸をすると走り出す
キタサン「…………え?」
キタサンブラックは驚いた、その踏み込みは力強く早く鋭く、手をしっかりと振り猫背だった背中は前傾姿勢に代わり全てを置き去りにする、先程までのんびりとしていたストレンジャーは居らずそこには走ることを追求するたった1人のウマ娘が居るだけだった