ストレンジャー「あの~」
ライスシャワーとそのトレーナーの前に現れたストレンジャーは2人に声をかける
男トレーナー「何だお前は、邪魔しないでくれ」
ストレンジャー「いえ、そう言うつもりはありません、ただ、それ以上は彼女は耐えられないと思いまして」
男トレーナー「何?」
ストレンジャー「昨日彼女と会った時、彼女の全身から痛みが視えました、気になって調べてみたら、貴方が虐待的トレーニングを強いているのを知りまして」
男トレーナー「虐待だなんて、人聞きの悪い、大体何だ、痛みが見えるって、俺達はお前みたいな訳分からない奴と話している暇は無いんだ、お前達スピカみたいに遊んでいる余裕が無いんだよ!!、分かったら帰ってくれ」
トレーナーの男はそう言うとストレンジャーから離れた
男トレーナー「トレーニング続けるぞ、さっさと動け!!」
その怒号にライスシャワーはビクリッと反応し2人で去ろうとする、ストレンジャーはその時
ストレンジャー「おや、おかしいですね」
ストレンジャーがそう言うと2人はストレンジャーの方を見る
男トレーナー「何がだ!!」
ストレンジャー「いえ、貴方からは確かに焦りと怒り、それから恐怖が見えます、余裕が無いと言うのも間違いないんでしょう」
男トレーナー「だから、さっきもそう言って」
ストレンジャー「ただ」
ストレンジャーはそう言ってライスシャワーの方を視る
ストレンジャー「彼女からは貴女のような焦りも怒りも見えません、純粋な恐怖と後1つだけです、お二人共余裕が無いのでしたらライスシャワーさんにも貴方と全く同じ感情が見え貴方の様に態度にも現れるのでしょう、なのにそれが態度にも感情にも現れないとなると」
ストレンジャーは青く光る目をまっすぐ男トレーナーに向ける
ストレンジャー「余裕が無いのは、貴方1人なのではないですか?、トレーナーさん」
男トレーナー「なっ!?」
ストレンジャー「図星みたいですね、そうなると先程視た感情にも説明が付きます、早く結果を出さなければと言う焦り、思い通りに結果が出ない事への怒り、トレセン学園のトレーナーと言う立場を追われる事への恐怖、先程までの虐待的なトレーニングの理由の早く彼女に結果を出させて一先ずは結果を出したと安心したかったのでしょう、自分の事に精一杯で彼女の事を気遣う余裕も無い程に追い込まれていた」
男トレーナー「………………それも視たのか」
ストレンジャー「いえ、先程視た感情から予測しただけです、間違ってたらすいません」
男トレーナー「………………当たってるよ」
トレーナーはそう言うとライスシャワーの方を見る
男トレーナー「ライスシャワー、今まですまなかった、俺は自分の事しか考えてないどうしようも無い人間だ、俺は、お前の事を自分の立場を守るための道具としてしか見てなかった」
トレーナーはそう言ってライスシャワーに頭を下げる
ストレンジャー「本当にそうでしょうか?」
しかしそこでストレンジャーが口を挟む
ストレンジャー「さっき僕は彼女の全身から痛みが出ていると言いました、でも、彼女がどう思っていたのかはまだ何も言ってません、何に恐怖していたのか、何を思っていたのか、これは私の口からより彼女本人から聞いた方が良いかもしれません」
ライス「あ、あのねトレーナーさん、ライスね、レースで走れるようになったの」
トレーナー「え?」
ライス「確かに練習は辛くてトレーナーさんは怖かったけど、トレーナーさんの言う通りに練習するとね、最初は怖くて模擬レースにも出れなかったライスがレースで走れるようになったんだよ、だからトレーナーさん、ありがとう」
ストレンジャー「恐怖と少しの感謝、彼女から出ていた感情はそれだけです、やり方と練習後のケア、これさえ間違えなければ、この比率は逆転、或いは感謝で埋め尽くされていたかもしれませんね」
ストレンジャーがそう言うとトレーナーはその場に膝を着き泣き崩れた、その後ストレンジャーがそのトレーナーから視えたのは激しい後悔だけだった、それを背にストレンジャーはその場から去った