これからもノロノロにはなりますが、書き続けたいと思っておりますのでよろしくお願いします!
──…とここまでが俺の転生前の記憶。
「たあっ!」
「せい!」
今の俺は銀髪美少女と剣を切り結んでいる。
「姉さん、まだやるの?
俺、そろそろ疲れたよぉ……」
「えぇ〜、いいじゃん!
もう少しだけ付き合ってよ〜」
こんな感じに剣の相手をねだってくるのは、俺の姉、ミリア・オルバ(15)だ。
オルバ子爵の一人娘で、代々優秀な魔剣士を排出するオルバ家の正式な跡取りでもある。
なぜ古の魔法使い(仮)と鬼ごっこを繰り広げていた俺がこんなことになっているのかと言うと……話は10年前に遡る。
やつを追い、光の中へ飛び込んだ後、俺は見事にトラックに跳ねられ、意識を──いや命を失った。
……筈だったのだが、次の瞬間、俺が目を覚ますと、なんかやたら大きな屋敷が目の前に広がっており、俺はと言うと……
「おぎゃー、おぎゃー、おぎゃー」
赤ん坊になっていた。
初めはすごく焦ったが、その時降っていた雨のお陰で次第に頭が冷静になり、俺はあることに気づいた。
魔力だ、ここには魔力がある。
そんなことが分かるのかという問いには俺が長年、魔法への研究と魔宝石っぽい石を観察し続けた結果としか言いようがない。
(シャアアアアア!!!!!!
これでなれる、指輪の魔法使いに!)
この後の展開は早かった。
俺が歓喜のままに「おぎゃー!!!!!」と叫んでいると目の前にあった屋敷の中から、当時、5歳だったミリア姉さんが登場。
俺の存在に気がつくと、すぐに俺を俺が入っていた籠ごと持ち、屋敷の中へ入り、父さん──オルバ子爵の所へ連れていった。
どうやら俺は捨て子だったらしく、俺の生みの親は生活が苦しいどの理由で、オルバ子爵の屋敷の前に諸々の事情を記した手紙とともに、置いていったらしい。
そこからミリア姉さんの強い説得があって、最終的にオルバ子爵の養子になるという形で、俺はこの屋敷に住まわせてもらっている。
「それにさ、私明日から学校だからしばらく会えなくなるし、最後ぐらいもちょっと付き合ってよ〜」
「……確かにそうですね。
はぁ〜、分かりました。でも、あと数回だけですよ?」
「やったね! やっぱり"ウィド"は優しくていい弟だね!」
『ウィド・オルバ』。それがこの世界で得た俺の名前だ。
――――――――――――
ミリア姉さんとの稽古を終え、時間は夕方。
俺は屋敷の裏にある物置小屋に来ていた。
誰もいないことを確認し、扉を閉める。
それと同時に右手に指輪をはめ、腰に既に巻いていたウィザードライバー
《フォール プリーズ》
俺の足下に魔法陣が出現した後、穴が空いた。
重力に従い、落下するとそこには多くの指輪や工具、そして魔法陣などが描かれた紙などが散らばっている空間が広がっている。
ここは俺の工房、ウィザード風に言うなら面影堂だ。
元々は屋敷のみんなが寝静まったタイミングを見計らって、自室で制作していたのだが魔宝石がやけに手に入るので、制作はトントン拍子で進み、自室ではすぐに隠しきれなくなり魔法の力でこの隠し部屋を作ったということだ。
なぜ魔宝石が手に入りやすかったと言うと、どうやらこの世界の武器や防具には『魔力伝導率』なる要素が重要視されるらしく、元々独自に魔力を放っている魔宝石は伝導率が極端に悪く、素材にならない。要はただの綺麗な石として扱われる。
採掘に行ったら山のように出てくるし、ドライバーの局所的なパーツに必要とされる程度の小さいものなら、街中に普通に落ちてる。
(さすがにそれを見た時は前世の苦労が頭をよぎって、泣きそうになったな……)
だが入手方法がその程度の難易度のお陰で、ドライバーや指輪の作成、改良。果ては人造ファントム『カーバンクル』の生成、一体化にも成功した。
だが浮かれてばかりもいられない、俺にはまだまだ達成しなければならない課題がある。
一、ドラゴンの素材を手に入れる。
二、『インフィニティーウィザードリング』の獲得。
三、『賢者の石』に匹敵するほどの魔宝石の入手。
四、原作にはなかった新魔法の発見。
この四つだ。
後者に関してはゆっくりでいいと思っている。
しかし、前者は出来るだけ早い段階で入手したい……というか早く変身したい。
これとは別に達成したい最終目標もある。
それはまたの機会に語るとして、今日は『ドラゴンの素材を手に入れる』を達成したい。
「この世界モンスターとかいるからドラゴンや龍ぐらい普通にいると思ったのに、ちゃんと貴重な存在なんだよな〜」
魔法を使い、オルバ領周辺は散策したが、せいぜい見つかって巨大トカゲが関の山。
効果範囲を広げているが、ここ数ヶ月間進展なし。
このまま無闇矢鱈に探し続けても時間を浪費するだけ。
(だから今日は違う切り口で攻めようと思う)
屋敷の書室から見つけた伝記。
タイトルは『古都アレクサンドリアと霧の龍』。
聖地リンドブルムの更に東──『深淵の森』を抜けた先にある古き都。
アレクなんたらの方は正直どうでも良くて、そこを守護してただとか滅ぼしただとか言われてる『霧の龍』の方が重要。
「ただの伝説とされてる物語だけど、たまには冒険も悪くないよな?」
俺は地図を広げ、『深淵の森』の位置を把握すると、右手の指輪を付け替えた。
《テレポート プリーズ》
――――――――――――
転移が完了し、目の前に不自然なほど霧に囲まれた森が現れる。
(確か、この霧がここを『深淵の森』なんて大層な名前にしてる原因……森に入ったものは霧のせいで方向感覚を失い、そのまま出られなくなる。さらに霧には有毒な箇所もあるとかいうおまけ付き)
古都を求めた名だたる者達を排除してきた、ある意味、鉄壁の要塞。
難攻不落。その名にふさわしい森を前にした俺がとった選択は……
「ふっ!!!!」
疾走だった。
魔力で強化した肉体で木々を躱し、俺は一直線に森の奥へと進んでいく。
(こっちの魔力探知も霧によって乱される。
方向感覚も強力な魔力結界よって阻害される。
都を見つけるための進行なら、俺も少し手を焼いていたかもしれないが、俺の目的は『霧の龍』。
この霧が龍によって発生させられるものだと仮定する。
それなら、より霧が濃くなっている方に走れば──)
「……わしの眠りを覚ます者は誰か──」
鎧のような白い鱗、魔力迸り青く光っている翼。
長く伸びた髭はこの存在が幾千の時間を過ごしてきたのかを物語っている。
「『霧の龍』」
「そのようにわしを呼ぶ者も、かつては存在していた──だが、すべては、時の流れと、霧の中に滅びた……!」
(さすが伝説の龍、知性が高いな。
会話が成立するということは、戦うしかないと思ってたけど、何とかなるか?)
俺は片膝をつき、王への謁見のような態度で龍に会話を持ちかける。
「私はウィド・オルバと申します。
今回、伝説の龍である貴方様にお願いがあって、禁忌と呼ばれるこの地に立ち入りました」
「……風前の灯たる、自らの命の行く末よりも、わしに願いを届けることを優先するか。
余程、欲の深い人と見える……面白い、申してみろ」
「あなたの血を少しばかり頂きたいのです」
「わしの血か……よかろう、くれてやる」
「本当ですか!?」
脳内でガッツポーズが繰り広げられようとした直前、龍の尾が俺の胴を襲う。
「ただし、わしを地に伏せさせることが出来ればの話だ!!」
振り抜いた尾を、龍は木に叩き付ける。
強力な一撃を食らった、木は根元から折られた。
「……今のを躱すか、少しは楽しめそうだな」
龍の口角が少し上がった。
何が嬉しいのか知らないが、この龍は俺が自分の不意打ちを躱したこと喜んでるらしい。
「はぁ……結局、戦わなきゃならない感じか」
「そうだ。
与えるか、奪うか……究極のところは、その2つだけが、この世界を動かす!
そして……欲望に駆られ、この森に深く踏み入った貴様も与えられることなく──奪われる側となろう!」
龍は口に魔力を集め、俺に向かい、ブレスを放つ。
《ディフェンド プリーズ》
ベルトにかざされた左の指輪。
直後、展開された魔方陣が龍のブレスを容易に防いだ。
「何?!」
驚く龍を前に、俺は今度は右手の指輪をベルトにかざす。
《ドライバーオン プリーズ》
「与える、奪う、か。
そういう哲学的な話は個人的には好みなんだが、夕飯の時間が近づいてるからまた今度で?」
龍との会話を楽しみながらも、俺は右手の指輪を付け替える。
「夕飯だと……?
貴様、わしから、逃れられるつもりでいるのか?」
「逃げる?
冗談きついな、『霧の龍』。
今の状況を、さっきの哲学風に言うなら、あんたは奪われる側だ」
《シャバドゥビタッチヘンシーン シャバドゥビタッチヘンシーン》
「変身」
《チェンジ ナウ》
眼前に魔法陣が展開。
それは俺の体を通過していき、通り終わった頃には、俺の身体を白い魔法使いの姿へと変貌させていた。
「さぁ、ショータイムだ」
オリジナル要素あってもいいですか?
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あって欲しくない!
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新スタイル(形態)だけならOK!
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新魔法だけならOK!
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スタイル、魔法、両方OK!