まんまるピンクな食いしん坊の日常   作:Mr.K@河童92号

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「新年に昇る朝日を拝み、国家安寧を祈願するZOY。」
「我が国は財政破綻、物価も給料も下がる、めっちゃめちゃでGESょうが。」
「だから祈るZOY。」
「も~、アホと前向き、紙一重でGESな。」
「そう褒めるでないZOY。」

パンッパンッ

「明けましておめでとうございます!本日より活躍します故、宜しくお願いしますZOY。」
「年明けてもう7日でGES!」

ハイ、こんなスタートを切ったMr.Kでございます。のっけからこんな感じダス。
前回投稿したのは去年の....oh、考えたくない...。
楽しみにして頂いていた方には本当にお待たせしてしまいました。
嗚呼、わちきそろそろ極刑に処されるやも知れぬ...。

...等という茶番をスルーして本編読みたい!と仰る方は、ゆっくりしていってね!


第23話 二人きりの海底探索

ここはウルルンスター。

星の殆どが海で出来ていて、数多の海洋生物が元気に暮らしている惑星である。

その浜辺までやって来ていたカービィ一行は、クリスタルの反応を海の中から感じると言うリボンの発言により、海に潜ろうと言う話になったのだが....。

 

「必要最低限の人数だけで行った方が良いとはどういう事ZOY?」

「皆で探しに行った方が良いんじゃないの?目は沢山あった方が見つけやすいし。」

「ポォヨ?」

 

デデデとアドレーヌがそんな疑問を口にしていた。

全員で探すのではなく、少ない人員でクリスタルを探そうと言われて頭に疑問符を浮かべている。

因みにその提案をしたのはカズマだった。

 

「ここに来るまでに道中で一度皆で海に潜ってた時は失念してたんですけど、よくよく考えたら水中で会話とか連絡し合う手段無いですよね?この先、潮の流れが激しい所ではぐれたりしたら合流は困難、最悪そのまま遭難するかも知れねえんすよ。まともにコミュニケーション出来ない状況だと咄嗟の意志疎通も出来ないでしょうから、そこら辺のタイムラグを最小限に抑えて行動する目的で少人数での捜索で行きたいと思ってます。」

「あー....確かに潮に流されるかも知れないもんねぇ。」

「そういうのを目視で見定めるのはちと難しいし、下手すりゃ誰か一人は流されるかも知れない。だから大人数で行くより少人数の方が比較的安全だと思うんだ。」

 

カズマの提案に皆は納得していた。

広い海の中に落ちているクリスタルを正確に見つけられるのは現状リボンしかいない上、会話が出来ないとなると、何かしら危険な状況に遭遇した時に全員にそれを警告するのにどうしてもタイムラグが生まれてしまう。

巻き込まれてからでは手遅れになる場合もあるのだ。

 

「だからクリスタルを探し出せるリボンとあと一人くらい同行者を付けて、二人で行って貰った方が良いと思うんだよ。二人ならメンバー全員が状況判断してから行動に移すまでのタイムラグや被害を最小限に抑えられると思う。」

「二人ですか....ちょっと心細い気もしますけど、確かに効率的にその方が良いですもんね。」

「ワニャワニャ?」

「寧ろあんまり多いと、万が一水中で何かに襲われた時に被害が大きくなりかねない。水中じゃまともに戦えない俺達じゃ足手まといになるだけだし。」

 

若干不安がってるリボンに捕捉説明したカズマは、首を傾げているカービィに目を向ける。

 

「だからカービィ、今回はアンタ一人にリボンの護衛を任せたい。」

「ポヨ?」

「カービィさんが?」

 

リボンのサポーターとしてカービィを指名したカズマに対し、デデデは疑問をぶつけた。

 

「こんなピンクボール何ぞに護衛が務まるかZOY?海を泳ぐ魚に目を奪われる事請け合いZOY。」

「さっき飯も食べた所ですし多分大丈夫でしょう。それにさっきも言いましたけど、俺達じゃまともに水中で戦えないですし、不安要素が増えるだけですが、カービィなら水中でも幾分か戦える能力と技量がありますし、泳ぐのも上手いみたいですから、この中で一番の適任者かと。」

 

カービィのコピー能力には未だ謎に包まれている要素が多いが、少なくともこれまでに吸い込んできたものはほぼ全てコピーして、己の戦う力としてその実力を発揮してきた。

メンバーで一番の実力を誇り、あらゆる状況にも対応出来るバリエーション豊かな戦闘スタイルが持ち味のカービィなら、安心して任せられるとカズマは判断したのである。

....食いしん坊なのがたまにキズなんだけど。

海に潜るのはカービィとリボンに決まった所で、アドレーヌはこれからどうするかカズマに尋ねた。

 

「それじゃあ私達はこれからどうすれば良いの?二人が戻るまでここで待つつもり?」

「まぁ、そうなるわなぁ。晩に備えて魚でも釣って食料調達するか、ハンモックでも作っとこうかと思ってるけど。」

「ハンモックならワドルディにでも作らせておけば良いZOY。手先も器用で仕事も早いからな。」

「ワニャ!」

 

魚釣りとハンモック作りを提案したカズマに、デデデがワドルディにハンモックを作らせると言い出して、ワドルディは任せてください!と言わんばかりに大きく胸を張っている。

 

「じゃあバンダナにハンモック任せるか。頼んだぞ、バンダナ。魚釣りは俺達に任せてくれ。」

「ワニャ!」

 

カズマに言われて、ワドルディは嬉しそうに頷いた。

役割分担が出来た所で、アドレーヌは絵筆とスケッチブックを取り出した。

 

「じゃあリボンにダイバースーツと、カー君に水中メガネを描いてあげないとね!カー君、しっかり良いトコ見せときなさいよ!」

「ポヨ?」

「じ、じゃあカービィさん。宜しくお願いしますね?」

「ポヨ!」

 

アドレーヌの言葉の意味がイマイチわかってないカービィは首を傾げていたが、リボンの言葉に笑顔で大きく頷いていた。

心なしか、若干リボンの頬が朱く染まっていた様な気がしたが、カービィは特に気にする事も無くぽよぽよと大きく身体を動かして準備体操をするのだった。

 

 

 

 

装備を整えたカービィとリボンは、早速海の中に潜っていた。

水中から見ても、やはり海は少しの濁りも無く、ハッキリと遠くまで見渡せるくらい綺麗に透き通っていた。

沢山の魚達が縦横無尽に泳ぎ回っており、空から差し込んでくる太陽の光が魚達の鱗に反射して、美しく光り輝いている。

まるで水族館にでも来ている様な、否、それを上回る程に綺麗で幻想的な光景に、カービィとリボンは見とれていた。

 

このまま時間が止まれば良いのに....。

 

リボンはそう考えるも、程無くして意識を切り替える。

今は自分達がクリスタルを探さなければいけないのだ。

カービィとのd....もとい、お出掛けなら平和になった後でいつでも出来る。

自分にそう言い聞かせたリボンは、カービィにジェスチャーを送って、移動を開始する意思表示をすると、カービィはそれに頷き、二人で泳ぎ始めた。

 

辺りには赤い魚のギョッパーや緑色の魚雷の様な身体のギョックン、クリオネによく似た姿をしているオリクネが沢山泳いでいた。

ギョッパーは特に何もしてこないが、ギョックンは敵意を抱いた者に向かって突進し、ぶつかると自爆する特性を持つ。

オリクネは近づいてきた獲物に対し、頭から三本のバッカルコーンと呼ばれる触手を出して、獲物を補食しようとするのだ。

 

それを知っているリボンは、なるべくギョックンやオリクネに近づかない様にカービィを誘導しながら迂回して泳いでいく。

すると、海底で洞窟を発見したのである。

リボンはこの洞窟の中からクリスタルの反応を感じるので、洞窟の方に指を差してカービィに教える。

意味を理解したカービィは、リボンと一緒に洞窟に入っていった。

 

洞窟の中は沢山の岩が転がっており、更に目を持った黄緑色のイソギンチャクの様な姿をしたグランクが天井や岩に大漁に張り付いていた。

一部の個体は頭から元気に弾を打ち出している。傍迷惑な話だ。

しかし、それくらいでクリスタルを諦める訳にはいかない。

リボンはクリスタルの反応を頼りに、カービィを連れて天井に向かって泳いでいった。

 

グランク達が放つ弾を落ち着いて避けながら、慎重に泳いでいく二人。

すると、天井近辺の岩場にクリスタルが挟まっているのを確認したリボン、すぐに回収しようと泳ぐスピードを早めようとする。

直後、何かに気付いたカービィは突然リボンの手を引いて横に泳ぎだした。

 

(か、カービィさん!?)

 

突然手を繋がれた事に驚いているリボンの横を何かが通り過ぎていった。

見ると、目玉の付いた黒い球の周りに何本かのトゲが生えた、ウニの様な生き物が泳いでいた。

 

(ゴルドー!?あ、危なかった....。)

 

どうやらリボンに向かってゴルドーが泳いできた様で、それに気付いたカービィがリボンの手を引いて避けさせてくれた様だ。

ゴルドーにはあらゆる攻撃が一切通らない頑丈な身体があり、更にトゲに触れると大きなダメージを受けてしまう。

絶対に倒せないのでなるべく近づかないでやり過ごすのが一番の対処法なのだ。

 

カービィに対して申し訳なさそうに頭を下げるリボン。

リボンを宥める為にカービィは笑顔で返事をしようとしたが、口からブクブクと泡が出るだけで声にならなかった。

うっかり地上にいる時と同じ調子で声を掛けようとしてしまった様だ。

カービィは照れくさそうに笑い、釣られてリボンもクスクスと笑っていた。

そんなこんなで無事クリスタルを一つ回収した二人は、更に奥へと進んでいくのだった。

 

 

 

 

一方その頃、浜辺の近くにあった岩場でカズマとアドレーヌは食料調達の為に釣りをしていた。

ハンモック作りをワドルディに任せてきた二人は、アドレーヌが実体化させた釣竿を海に垂らしているのだが、一向に釣れる気配が無くボケーっと過ごしていた。

因みにデデデは現在浜辺で第二のデデデ城(砂)をせっせと建設している最中である。

ふと、アドレーヌは水面に浮かせている自分の竿の先を眺めながら、カズマに尋ねた。

 

「釣れそう?」

「いんや、全然だね。」

 

気だるそうな目でカズマは竿の先を眺めているが、ピクリとも動かなかった。

アドレーヌの竿にも手応えは無い様で、このまま収穫ゼロで日が暮れるのではないかとも思い始めていた。

 

「私がちょちょいって絵を描けば食べ物なんて幾らでも出せるのに。」

「それでもカービィと陛下はよく食べるからなぁ。アンタの絵の具は有限なんだし、食べ物であまり消費しまくる訳にもいかないし。様は節約ってやつですよ。」

「大丈夫よ、旦那の城から沢山持ってきてるからそう簡単にはなくならないわよ。」

「でも今回の旅、いつまで掛かるかわからないからな。万一に備えておくのも大事だろ。それに、たまにはこーゆう娯楽を楽しむのも旅の醍醐味じゃないか。」

「まぁ、たまには良いかもね。自然の恵みも頂けて一石二鳥!ってやつ?」

「その為には全員満足出来るくらい釣らなきゃならん訳だけど....でかいやつ四、五匹そこらで納得するかなぁカービィ達。」

「足らなかったら遠慮なく言ってよ、描いてあげる。」

「....本末転倒だけど、もしかしたらお願いするかも知れんなぁ。」

 

そんな風に他愛も無い会話をしていると、アドレーヌの竿が僅かに揺れた。

どうやら何か掛かった様だ。

 

「あっ掛かった!掛かったよカズ君!」

「おっガンバレー。見事釣り上げてみなー。」

「テンション低い!少しは盛り上がってもバチ当たんないでしょ!というか手伝って!ちょっと重い!」

「まだ重い腰を上げる気になれん。」

 

竿に掛かった魚とはしゃいでいるアドレーヌを尻目に、カズマは未だ揺れない自分の竿の先をボケーっと眺めるばかりだった。

アドレーヌは魚相手に奮闘する事数十秒、ある程度リールを巻き終えた竿を一気に引き上げた。

 

「しゃぁぁぁんなろぉぉぉぉぉぉ!!」

 

雄叫びを上げながら引き上げられた竿によって、一匹の魚が宙を舞った。

釣り上げられた魚はそのまま岩場に落っこちて、ビチビチと跳ねていた。

なかなかに大きな赤い魚である。

 

「どーよカズ君!結構大きいわよ!」

「おースゲェな。一発目から幸先良いじゃん。」

「フフン、この調子でまだまだ釣るわよ!」

「エンジョイしてるねぇ、何よりだ。」

 

大きな獲物を釣り上げて上機嫌なアドレーヌを見て、カズマは僅かに笑っていた。

そして大きく伸びをして、竿の先に視線を戻した。

アドレーヌも用意していたバケツに魚を入れて、再び竿の先を海に投げ入れた。

 

「カー君達、上手くやってるかなぁ。」

「あいつらなら大丈夫だろ。カービィは普段すっとぼけた顔してるけど、メンバーで一番の戦力なんだし、何だかんだでいざという時は頼りになるからな。」

「そうねぇ、そこは心配いらないか。....リボンも上手くやってるかなぁ。」

「ん?クリスタルか?その辺も心配は」

「そうじゃなくて!ほら....ね?」

「....うん?」

「え?」

「え?」

「....カズ君、リボンの応援してるんじゃ?」

「あーちょい待ち?いまいち話が見えてないんですけど?」

「....鈍いなぁ本当に。」

「はぇ?」

 

アドレーヌは呆れている様だが、ピンと来ていないカズマは、頭に疑問符を浮かべる事しか出来なかった。

 

 

 

 

海底を泳ぎ回っているカービィとリボンは順調にクリスタルを集めていた。

道中、流れが早い水流に巻き込まれたりもしたが、互いに手を繋ぎ、激流に身を任せどうかする事により、二人ははぐれる事無く先へ進む事が出来た。

そして二人は再びどこかの洞窟に辿り着いていた。

 

(近くにクリスタルを感じる....どんどん近づいて来てるみたいだけど、一体....?)

 

クリスタルの反応が自分達に近づいており、しかもその挙動にリボンは疑問を感じていた。

真っ直ぐ向かってくる訳では無く、上や下、右に左と縦横無尽に動き回りながらやって来ている様だ。

当然だが、クリスタルは別に自らの意思で動き回る訳ではない。

そうなると何者かが所有している可能性が高い。

そう考えたリボンは、カービィにやってくるクリスタルの反応を指差し、ここで待つ様ジェスチャーを送る。

待機して身構えて欲しいと伝えたい様だ。

それを何となく理解したカービィは身構える。

すると程無くして、洞窟の奥から「ソレ」は現れた。

 

「キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

 

甲高い鳴き声を上げながら現れたのは、背面は黒色で腹面は白、両目の上方にアイパッチと呼ばれる白い模様がある、大きなシャチだった。

そのシャチはどういう訳か、苦しそうに悶えている。

 

(シャチ....いや、あの個体はアクロ!でもどうして....?)

 

リボンは目の前に現れたシャチがアクロである事に気が付いた。

だが同時に新たな疑問も生まれたのである。

クリスタルの反応が近づいてきたと思ったら、蓋を開ければアクロだったのだ。

どうしてアクロから反応を感じるのかと一瞬考えた後、とある光景が脳裏を過った。

それは、以前ポップスターにやって来た際、ダークマターに憑依されたウィスピーウッズとの戦いだった。

あの時カービィがウィスピーウッズに吸い込まれた後、カービィの能力で生み出された水蒸気によって、ウィスピーウッズからカービィとクリスタル、そしてダークマターが吐き出されたのだ。

 

(まさか....クリスタルはアクロに飲み込まれて....!?)

 

あの時と同じ事が起こってるのではないかとリボンは考える。

その推測が当たっているなら、クリスタルは今、アクロの体内にあるという事になる。

それならどうやってクリスタルを取り出せば良いのかという話になってくる。

だが、焦るリボンをアクロは待ってくれなかった。

苦しそうな表情をしながらも、鋭い目付きでアクロは再び大きくて甲高い鳴き声を上げたのだ。

 

「キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

「「!?」」

 

アクロが上げた鳴き声は洞窟内で反響して、水中が震える様な錯覚を覚えた。

その鳴き声のあまりの大きさにカービィとリボンは思わず耳を塞いだ。

その隙を突こうとアクロは二人に向かって突進していった。

 

「「!」」

 

二人は急いで泳ぎ、その場から離れて突進を避けた。

思っていた以上に速かったので一瞬驚いたが、ある程度距離が離れていたので何とか反応出来たのだ。

 

(どうしていきなり襲って....もしかしてここはアクロの住み処だった....!?)

 

アクロが襲ってきた動機がわからないリボンは、一つの仮説を立てる。

アクロがここにやって来た理由は、この洞窟がアクロの縄張りだったからではないかと考えた。

家に帰ってきたらそこに突然不法侵入者が現れたとあっては、誰もがそんな不審者を疑うだろう。

アクロは自分の住み処を守る為に侵入者であるカービィ達を攻撃してきてる可能性が高い。

だが、一つわからない事がある。

アクロが現れた時から疑問に思っていたが、さっきからアクロはずっと苦しそうな表情を浮かべているのだ。

 

(どうしてあんなに苦しそうに....?)

 

何か事情がありそうだが、今はそれどころではない。

こちらもアクロから感じるクリスタルを回収しなければならないのだ。

暴れているアクロを落ち着かせて、戦意を無くす必要がある。

クリスタルを取り出す方法は後で考えるとして、今はアクロを止める事に専念しよう。

リボンがそう考えた矢先、アクロは突然口から何かを吐き出してきた。

 

(ギョックンを吐き出した!?)

 

リボンは驚いたが、すぐにまた避けようとする。

吐き出されたギョックンは、触れると爆発するので非常に危険なのだ。

しかしカービィは今度は避けようとせず、それどころか突進してきたギョックンを海水ごと吸い込んだのだ。

 

(吸い込んだ!?海の中なのにそんな無茶な!?)

 

カービィの行動に驚いたリボンだったが、カービィは気にせずギョックンを飲み込んだ。

するとカービィは青い帽子を被った姿のボムカービィに変身して、どこからか一つの爆弾を取り出した。

アクロに向かってカービィは爆弾を投げ付けると、アクロはそれに応戦する様に再びギョックンを吐き出した。

爆弾とギョックンがぶつかりあうと、眩い光を放って大きな爆発が起こったのだった。

 

 

 

 

カービィ達がアクロとの戦闘を始めている頃、カズマとアドレーヌは釣った魚が入ったバケツを持って浜辺に戻ってきて、デデデ達と合流する為に歩いていた。

大漁だったのか、カズマの両手のバケツとアドレーヌの片手のバケツ、計三つのバケツに沢山の魚が入っていた。

釣竿はアドレーヌに二人分持ってもらっている様だ。

 

「いやぁ大漁ですなぁ浜ちゃん。これならカー君達も喜んでくれる筈よね!」

「誰が浜ちゃんだ誰が。そういやスーさんは魚食べられたっけ?」

「それ私の事?基本的に何でも食べれるわよ。」

「そう、それなら問題ないな。今夜はフィッシュフィーバーと洒落混もうじゃないですか。」

「期待してますよシェフ。」

「いやアンタも手伝えよ。」

 

カズマはアドレーヌに料理を手伝う様訴えつつ、今夜の献立をどうするか考えていた。

 

ドゴーン!!

 

二人が浜辺を歩いていると突然、大きな爆音が鳴ったと同時に海から大きな水柱が発生したのだ。

 

「ッ!?」

「な、何今の!?」

 

カズマとアドレーヌは驚いて水柱の方を見ると、水柱の上に何かが飛び上がっていた。

よく見ると青い帽子を被ったカービィとリボン、そしてアクロが宙を舞っていて、そのまま二人と一匹は浜辺の奥に落っこちたのだった。

 

「....今のカービィ達だよな?」

「と、兎に角行ってみよ!?」

 

カービィ達の安否を確かめる為、現場に急行するカズマとアドレーヌ。

辿り着くとそこには驚いた様子のデデデとワドルディ、そして頭から埋まっているカービィとお尻から埋まっているリボンに浜辺に打ち上げられて伸びているアクロがいた。

 

「か、カー君が犬神家みたいになってる!?」

「言ってる場合か!引っこ抜くぞ!」

「お、お尻がはまって動けないですー!」

「わ、ワシのデデデ城が呆気なく陥落してしまったZOY!?」

「ワニャ....。」

 

どうやら飛んできたカービィ達によって、デデデが作り上げた砂の城(マウントデデデver)が下敷きになってしまった様だが、ぶっちゃけどうでも良かったカズマ達は急いでカービィ達を引っこ抜いたのだった。

引っこ抜かれたカービィは青い帽子を被り直し、リボンは持っているクリスタルの調子を確認したが、クリスタルに傷は無かった。

心配したアドレーヌは二人に声を掛けた。

 

「リボン、カー君、二人共大丈夫?」

「えぇ、大丈夫ですよアドレーヌさん。ご心配御掛けしました。」

「ポヨ!」

「そっか、良かったー。いきなり海から飛び出してきたから心配したわよ。」

「色々聞きたい事があるけど、取り敢えずそこで伸びてるシャチについて話を聞こうか。何やらかしたのさ?」

「ワシの城が....。」

 

 

 

 

カズマ達は事の経緯をリボンから聞いて、浜辺に打ち上げられて気絶しているアクロの体内にある筈のクリスタルをどうやって取り出すか話し合う事になった。

 

「このアクロとやらを極刑に処して、その後カズマの刀で取り出すのはどうZOY?」

「だ、ダメですよ!なるべく穏便にお願いします王様!」

「黙れ!貴様やカービィもそうだがこの海の哺乳類にワシの芸術作品を破壊されたのだZOY!この恨み、晴らさでおくべきか!」

「別に良いじゃないデデの旦那。砂の城ならまた作れば良いんだから。」

「ならどうやってクリスタルを取り出すZOY!」

「いっそ自然に出てくるのを待つという手もありますけど陛下。」

「カズマさん、どういう事ですか?」

「あー、リボンさん御許しを。放送禁止用語ッス。」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

「....流石にそれは無いわよカズ君。」

「いや仕方無いだろ!殺しちゃダメなんだから他に方法思い浮かばないんだって!」

「えーと....?すみませんアドレーヌさん、どういう意味でしょう?」

「リボンはわからなくて良いから!!そのままのあなたでいて!!」

「ポヨポヨ?」

「ワニャ?」

「....アンタ達もわからないならそれで良いから。俺が悪かった。」

 

カズマが放った言葉により何とも微妙な空気になってしまったが、ふとアクロを見たカービィは、何を思ったのかアクロの口を開けてそのまま口の中に入っていった。

 

「自ら食われて探すつもりかZOY?」

「だ、大丈夫ですかカービィさん?」

「荒療治だけど、これが一番良い方法かもな。アクロが気絶してる今の内じゃないと出来そうに無いし。」

「ワニャワニャ?」

「カー君出てきたらしっかり洗ってあげないとね。あとクリスタルも。」

「あ、それなら私に任せて下さい!カービィさんピッカピカにしてあげますから!」

「クリスタルもなー。」

 

何やら違う所で張り切っているリボンを尻目に、カズマ達はカービィが出てくるのを待った。

すると、思ったよりも早くカービィがアクロの口から出てきて、ちゃんとクリスタルも回収していた。

 

「あ、クリスタル!カービィさんありがとうございます!」

「案外早く見つかったのね。というかよくそんなに早く胃袋から出られたわね。」

「カービィの身体なら案外スルッと行き来出来たのかもな、柔らかい身体してるし。」

「ポーヨ。」

 

お礼を言ったリボンに続いてアドレーヌとカズマはカービィの仕事の速さに感心していたが、カービィは首を横に振った。

どういう事かと頭に疑問符を浮かべるカズマ達に対し、カービィはアクロの上顎を持ち上げて大きく口を開き、奥歯の部分に指....というより腕を差して見せていた。

 

「奥歯....あっ。」

「....アレか、奥歯と奥歯の間に挟まってたっていうオチなのでせうか?」

「ポヨ!」

 

何かを察したアドレーヌの代わりにカズマがカービィに質問をすると、とても可愛らしい笑顔で頷いたのだった。

それを見てリボンもようやっと一つの謎を解明出来たのだった。

 

「じゃあアクロが苦しがっていたのは....奥歯と奥歯の間に挟まったクリスタルのせいだったという事....ですよね。」

「....十中八九そうだろうな....そりゃ痛ぇわ。」

「何ともくだらんオチZOY。そんな茶番の為にワシの芸術作品が壊されたというのか!」

「いや凄く痛そうよ旦那。奥歯よ奥歯。経験した事無いけど想像するのも恐ろしいわよ。」

「ポヨ~....。」

「カービィ君?アンタ歯が無いだろ何で悶えてんの。」

「ワニャ~....。」

「バンダナ....はそもそもわからん。口どうなってんだよ。」

「前にせんべいをやったらバリボリ噛んで食べてたZOY。」

「「「え"っ」」」

 

段々話がずれていって最終的に人間二人と妖精一人に新たな謎を植え付けたまま、今回の騒動は幕を降ろしたのだった。

その後、目が覚めたアクロを皆で海に放ってあげると、それはそれは嬉しそうに泳いで帰っていったとか。

 

余談だがアクロの口に入ったカービィに獣の臭いが付いた為にリボンが彼の身体を洗ってあげていたのだが、その様はこれ以上無いくらい上機嫌で、鼻歌も歌いながら楽しそうに洗っていたという。

 

 




御閲覧ありがとうございます。
今年ついに、星のカービィが生誕25周年を迎えます!イェーイドンドンパフパフー。
公式サイトが設立されたらしいので早速見に行ってみましたが....色々と凄かったですよ。えぇ。
まさかのコンサートですよ。東京と大阪でフルオーケストラコンサートが開催されるとの事です。い、行きたい...!

他にもロボプラのサウンド・トラックも発売が既に始まっているみたいです。
い、色々と動き出しているみたいですね。
このカービィプロジェクトは間違いなく我々の想像を遥かに超える事を.................既にやってくれてますね。去年のカフェ然り、今年のコンサート然り...。
と、取り敢えずカービィクッションもふもふして落ち着くとします。口笛なんかも吹いちゃったり!ふ、ふひゅー。

今回はここでお開きとさせて頂きます。
もしまた機会があれば、読んで頂けると幸いです。
それでは、これにて失礼します。
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