超昂大戦SS 究極の初体験! エクスタシーに溺れる超昂戦士たち 作:環 藍河
「それでは僭越ながら、本日は私、鎖々鎌くさりが講師を相勤めます。」
「はいっ! よろしくお願いします!」
ダイビート基地の談話室で互いに正座し、対峙するくさりとアカリ。
「その前に、アカリ様。貴女は将来、殿方に嫁がれることをご希望ですか?」
「え?」
…かああ…っ…!
「は…はい。絶対じゃないですけど、いつかはお嫁さんになれたらいいなあ、って…。」
結婚願望を直截に尋ねられ、赤面しながらも答える。
こくり。
「では更に。嫁がれた際には…お子様、欲しいですか?」
「…ううっ…!」
くさりの小声ながらも強い意志での問いかけに、刹那アカリは沈思黙考し…。
「はい。育児って大変だろうなあ、とは思いますが…お嫁さんになれたら、ママにもなりたいです!」
にこっ。
「もちろん、このご時世ですから、生涯独身、あるいは殿方と二人のご家庭もまた、尊重すべき選択です。
これから一席差し上げる講義は、そうした女性にも将来の在り方の一つとしてご参考になさっていただくお話。そして、子を成すお考えの女性には、その理想と現実をわずかな時間ながらもご体験いただき、その厳しさも受け止めるお覚悟を備えていただく一助となる…そんな講義です。
それでは…御免。」
すっ。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前…」
「えっ…? ええっ?!」
「はああっ!」
「…きゃああああっ!」
くさりが九字を結ぶと、アカリの丹田からぽおっと光が溢れ…
どくんっ。
(…えっ…? …!!)
体が急に重くなり、動悸とともに荒くなる呼吸。
実際にアカリの身体は…ずんと重く変わり、全身が塩水を飲み過ぎたかのようにむくんでいた。
そして何よりも…お腹がぽっこりと膨れあがり、今にもはち切れそう。
…ぺたんっ。
正座を保っていられず、自然と後ろへへたり込むアカリ。
着ていたファストファッションのシャツとセーター、デニムのショートパンツはもはやサイズ不適合。
どうにかホックを外し、窮屈を辛うじて和らげた後…今おかれた事態を飲み込む。
「く…くさりさんっ…! 私…私っ…!?」
「ええ、懐妊を体験いただいております。」
「えっ…えええーーーーっ!?」
どくんっ。
「あっ…はああっ…はあっ…!」
思わず叫ぶと、母胎が負担に耐えきれず、全身が悲鳴を上げる。
「ど…どうしてっ…こんな…?」
「命を宿し、育む母親の通る道を、実感として抱いていただくためです。
臨月には胎盤や血液に羊水、もちろん子ども達の重さも含めて10kg以上も体重が増えますが、今のアカリ様が宿すのは双子。もう既に15kgほどは増加していることでしょう。」
「えっ…そんなっ…嘘…!」
すっ。
「ご心配には及ばず。アカリ様、この子達は、あなたが心から愛し、想いを通じ合わせた運命の人と祝言を挙げ、そして授かったお子達。あなたとお父上の慈しみを十全に受けて育つ、愛らしい二つの命なのですよ…。」
「あっ…!」
くさりはアカリの手を取り、さするように膨らんだお腹の下部を触らせる。
アカリは先生の言葉に、意中の男性を思い浮かべ…かざした手のひらから、溢れる愛情をまだ見ぬ子ども達に注ぐようにお腹をさする。
(…かわいい…!)
びいーーーっ! びいーーーっ!!
「!!」
うっとりと子どもの神秘を噛みしめるアカリに割って入る、警報サイレンと、戦闘映像に映るコマンダーとフーマンの姿。
「…奇襲…! まさかっ、この基地に?!」
「エスカ・ルビー懐妊は極秘情報でしたが…出動が何ヶ月もない分、遂に感づかれたようですね…!」
「じゃ…じゃあ、狙いは…私っ!?」
こくり。
がばっ!
「フラックスプロージョン・ビートチェンジ!」
「なっ…アカリ様っ!」
しゃきいい……ん…!
自らの今の状態など顧みず、動かぬ身体を振り絞って起き上がるやいなや、アカリはいつものように変身コードを叫び、紅蓮の閃光に包まれる。
ADDDはいつも通り、聖母にエナジーをたっぷり注ぎ込み…
どくんっ。
「超昂戦士エスカ・ルビー! 悪の現場に、只今参上っ…!」
戦闘服で気丈に奮い立つも…お腹は子どもたちを宿したまま。
ヴァーミリオンレッドのレオタードは、ルビーのお腹の形に合わせてパンプアップするも、中身をたっぷりたたえる水風船のように、いかにも苦しげにたゆんたゆんと弾力に揺らぐ。
チェストガードは赤子を締め付けない程度にサイズアップしてルビーの下腹部を支えるも、垂れ下がるツートーンのプリーツスカートは母子を無防備にさらし、最後のガードはクロッチつきのショーツのみ。
赤子に滋養を送る血と体液でむくむ両手両脚は震え、ルビーからいつもの戦闘力と勇気を削ぎ落とす。
それでも…
(この子たちを…守るんだっ!)
両膝のわななきを抑え、つま先からブーツ越しに大地を踏みしめ、両手のグローブを決意で握り…
「出撃しますっ!」
ずきんっ!! がつっ!!
「あううっ!?」
「ルビー様っ!!」
…がくっ。
「ううっ…、ぐうう~~っ!!」
急に刺す疝痛と、決意をくじく鈍痛が下腹部を襲い、ルビーは膝を屈してうずくまる。
「…あうっ…!」
「ダメですよ、ルビー様…!」
肩を寄せ、強い眼差しでくさりが諭す。
「母の戦いは、拳を振るうにあらず。
この子達をはぐくみ、外に出るまでじっと堪え忍ぶ、これもまた戦いなのです。」
「で…でもっ、あいつらは私を狙って…!」
《はああーーっ!!》『でえええいっ!』〔やああっ!!〕
「!!」
サファイア、トパーズ、アメイズ…割って入った映像は、ルビー狙いの闖入者を撃退する、チームメイトの勇姿。
「お世継ぎを身籠るハルナ様をルビー様がお護りくださるように…今は、貴女を慕う仲間たちが、貴女を継ぐ新たな命のため、貴女に代わって武器を取っているのですよ。
ルビー様、いかにもどかしくとも、彼女たちの思いに応えるべき貴女の行動は一つ。
最後まで堪え忍び、健康なお子様を産まれることではないですか…?」
(…、ううっ…!)
返す言葉もなく、ルビーはうなだれ…闘志を収め、代わってお腹の命を思う。
(はああ…っ、ふうう…っ、……!)
心と体を落ち着けようと、深呼吸をスローペースで試みるルビー。
その必死の思いが通じたのか、痛みと緊張がうっすら和らいだ…次の瞬間。
どくっ。
じゅわっ…くちゅっ、どくん、どくん…。
(…!!)
ルビーのショーツが、まるで陰部だけがぬるい温泉にじわりと浸かったかのような、熱と湿気を帯びる。
尿意は全く無かったのに、まるでおもらしをしてしまったかのように、湿気は流れとなってルビーの両太ももを伝い、あるいはデリケートゾーンから真っ直ぐしたたり落ち、池を作る。
プリーツスカートもニーソックスも、右足首のパルシオンも、左右のブーツも…ルビーの戦闘服が、たちまち透明な熱い液でべしゃべしゃに濡れそぼる。
「あっ…、ああっ…!」
おしっこを我慢するように、ルビーは思わず下腹部に力を入れ、液の流れを止めようと試みるも、自分の意思では全く止まらない。
(ど…どうなっちゃったの、私っ…!)
「心配なさらず。破水です。」
(!!)
「これからお子達を取り上げます。ルビー様、頑張りましょう!!」
「はっ…はいっ!!」
力強く返事をしたものの、さっき懐妊を自覚したばかりのルビーに、いきなり分娩の覚悟ができるはずもなく…気丈に振る舞うも、内心は不安と焦燥に駆られる。
……
…
「うぐうううっ! ぐううう~~っっ!!」
分娩台の上のルビーを襲う陣痛は、さながら炎で身体の中を無防備に灼かれるかのよう。
それは、アルダークや幻魔の拳、滅忍やザインの剣戟を耐えてきた超昂戦士も未経験の、情け容赦ない拷問だった。
「あぎいいい〜〜っ…!
が…はああ〜〜っ! …ああ〜〜〜っ!」
その責め苦に耐えあぐね、心に太く鋭い釘を打ち込まれるようにルビーは精神をこじ開けられ…絶望に囚われる。
ずぐんっ! ぎりぎりっ! びぐうっびぐうっ!
「ああああーーーーっ!! かはあーーーーっ!!」
額に、頬に玉の汗を浮かべ、両目には大粒の涙が輝く。
ルビーは苦悶し、手すりを握りしめながら激痛に耐えるも、あらん限りの呼吸で喘ぎ、泣き叫ぶ。
「痛いいっ! 痛っ! お腹が…割れちゃうよおおおっ!!」
ずぐっ…つくんっ…ぴくんっ…!
「あはあっ…、はあっ…かはっ…、くうう…っ…」
陣痛の波動がわずかに凪ぎ、拷問から刹那許されたルビーが力を緩める。
だが、お腹から響く命のサインは、非情にも再び間隔を狭め、戦闘服の下から超昂戦士をぎりぎりと締め上げる。
「ああっ…私…私っ、もうダメっ…」
どんな敵に蹂躙されようとも、決して屈しなかった。
常に全力ガッツで強敵に立ち向かい、ずたぼろに殴られても踏みこたえ、最後に必ず勝利を掴み取ってきた。
その超昂戦士エスカ・ルビーが…陣痛に弱音を吐き、絶望し、赦しを請う。
ルビーが知識で知る陣痛は…このあとも胎児を産み落とすまで、次第にその間隔を狭め、さらに強く激しく母胎を苛み続ける。
難産となれば、時には一昼夜続く…!
(今の痛みだって耐えられないのに…これから何倍もの痛みに襲われたら、どうなっちゃうの…!)
「ルビー様、お子様たちも同じ苦痛に耐えているのです。
貴女が先に音を上げるなど、あってはなりませんよ。」
「っ…!!」
くさりの説諭に、ルビーははっと目を見開き、弱った心を奮い立たせる。
(い…痛いのはっ、イヤだ…。
でも…この子たちを、護れないのは…!)
ぐぐぐっ…ずぐんずぐんずぐんっ、ぎりぎりぎりぎりっ…!!
「ぐううーーーっ!! うぐあああーーーっ!!」
(もっと…イヤだあああーーーーっ!!)
「あああーーーーーっっ!!!」
(がんばれっ! がんばれっ、私!
おいでっ! 私の…私たちのっ、赤ちゃんっ!!)
…ずるっ。
(…ああっ…!!)
ぱちんっ。
「…うっ…、うっ、おっ、おげっ…!」
わずかに痛みと張り詰めた空気が弛緩し、お腹の遥かに下で、初めて聞く甲高いうわずりが響き…!
「おぎゃあああーーーーっ!!」
それは姉の産声。この世に生まれ落ちた、命の証。
(う…産まれ…たっ…!)
「まだですよっ! ルビー様、もうお一人っ!」
「あっ…あううう~~~っ!!」
油断をあざ笑うように、再び襲う陣痛の衝撃。
しかし、取り戻した勇気に打ち震える今のルビーには、もはやものの敵ではなかった。
…ずるっ…ぱちんっ。
「ほぎゃあああーーーーっ!!」
手際よく臍帯を切り、弟を産湯に浸からせるくさり。
「おめでとうございます。元気な女の子と男の子ですよ。
ルビー様、よく頑張りましたね。」
(あ…っ、あはあ~っ…うっ…。)
疝痛は今なお収まらない。
それでも、大業を成し遂げた誇らしさに全身を貫かれ…エスカ・ルビーは安堵し、しばし満ち足りた温もりに包まれる。
(私…ママに、なったんだ…!)
「ルビー様、早速ですが、次のレッスンです。
お子様たちの、おへその手入れをしましょう。」
「…おへその?」
「ちょうど沐浴が終わりますので、私が弟君の方をいたします。ルビー様は姉君の方を。」
変身を解除する間も無く、産湯から上がりたて、バスタオルと湯気と石鹸の香りに包まれた女の子をそっと抱き上げる。
両腕に余るほど小さく軽く、顔はくしゃくしゃ。おぼろげながら、その中にも垣間見える、母親似の仕草が愛おしい。
うっとりしながら、ルビーは赤ちゃんのおへそに目線を落とす。
くぼむおへその穴から、つるが生えたように伸びるおへそ。先端は既に切られ、見るからにむず痒そう。
「タオルでよく水気を拭いて、穴のくぼみは綿棒で、こんな風に…」
くさりがお手本を施す男の子も、よく知る人の凛々しさを面影に秘め…それでも、くさりになすがままにされ、甘えているように見えた。
そのギャップに頬をほころばせながら、ルビーはおへその手入れを見守り、見よう見真似で腕の中の娘にも施す。
「十分水気が取れたら、消毒液をコットンで、こう…。」
きゅっ、きゅっ…。
「もっと強く塗っていいのですよ。」
「あっ…はい。」
緒を傷めてしまわないか、消毒をおっかなびっくり撫でる程度に留めるルビーをたしなめるくさり。
「…はい、結構です。」
「ふぅ…。」
「緊張なさってますね、ルビー様。」
「えっ…? …あ、はい…やっぱり初めてだと力加減がわからなくて…」
にこっ。
「やはり、ルビー様はお優しいですね。貴女のお母様も、さぞかし愛情を注いで貴女をお育てになったのでしょうね。」
「え? …あっ…。」
すうっ…。(?)
にわかに、くさりがルビーの足元に移動し…そのままベッドににじり上がる。
四つん這いで馬乗りになるようにルビーにまたがると、そのままバックし…
くりっ。こりこりっ。
「ひゃんっ!?」
人差し指でルビーのへそをスーツ越しに弄る。
「く…くさりさんっ、何を…ふあああ〜っ!」
お腹の中身にいちばん近く、いちばん無防備なくぼみを執拗にこねくり回され、こらえきれずルビーが嬌声を上げてしまう。
「ああんっ! くふっ…はひい〜っ!!」
くさりの臍責めに悶えるルビーが、遂に屈し、軽く絶頂に達する。
「は…はふっ、あはあっ…!」
「ルビー様…貴女もお母様とこのおへそで繋がり、望まれてこの世に生を受けたはず。その絆は、立派に成長なされた今も、こうして貴女の大事なお腹に刻まれているのですよ?」
「あっ…!」
そうだ…きっとママは…。
こうしておへそを洗い、おむつを替えた娘の成長を、心配しながら見守ってくれた。
決意してダイビートに参加したいと告げたときも。内緒で超昂戦士となったことを詫びたときも。
その後ろに在る、私の信念を見てくれた。
心配を表に出さず、黙って送り出してくれた。
頭で理解してはいたが、それが今、腹にすとんと落ちた。
ルビーはベッドの上で息を切らし、ぴくんぴくんと痙攣の残るおへそを横たえながら、ママへの感謝を思った。
「よっ…と。」
すっ…すとん。
「それではルビー様、最後のレッスンです。お二人に初乳を差し上げましょう。」
…?
「…しょ…しょにゅう?」
「出産されて初めて出る母乳です。お一人ずつですとかえって大変ですので、二人同時に。」
そう語るや、ベビーベッドから姉をルビーの左に、続けざまに弟を右に添える。
ちょうど乳房に顔が最接近するポジションで、本能的に二人はなけなしの腕力と握力で母にしがみつく。
「はうっ…ひゃふうっ!」
捕まえたルビーの胸当てを手がかりに、おっぱいを吸おうと両わきから擦りつける顔が、さらにこそばゆい。
「ふわああ〜〜っっ!!
はあっ…はひっ…、ああ〜〜っ!」
くすぐり責めのように悶えるルビーだが、両腕は双子を支えて塞がり、乳首をさえぎるボディスーツを外せない。
「あああ…、んっ…くふっ、はふう…!!」
くさりを見上げ、遂に半泣きの表情で頼み込む。
「あ…あのっ、くさりさん…お願い…。
私の胸…おっぱい、出してください…。」
「あ…失礼しました。それでは…。」
きゅっ…するっ、ぷるんっ。
「ひゃんっ!」
ルビーの懇願に応え、くさりが胸の谷間の露出部に指を差し込み、そのまま下に優しくずらして純白のチェストガードを外すと、戦闘服の防御力から解き放たれた乳房が、形良く露出する。
まだ目がよく見えていないはずの子ども達だが、目の前のおっぱいを本能のまま、狙い澄まして乳首にかぶり付く。
じゅぶっ、じゃぶっ、ちうううう~~~っ…!
「えっ…?! あうっ! あっ、あくうっ!
……~~~っ!!」
途中から唇を噛み締めて声を殺すも、右から左から、絶え間なく乳首を絞りあげられる…!
ルビーは乳児のバキューム力を、その身をもって初めて知る。
(ひ…開かれちゃううっ!
私のおっぱい、開通しちゃうよおお~~っ!!)
弱点を責められるように、娘と息子に挟み撃ちにされ…。
ちゅううっ、ちゅっ。じゅるっ。
(…あれっ? …も、もしかして…?!)
じゅぽんっ。…じわっ。
姉の口が離れ、真空から解放された右の乳腺から…よだれとは違う、文字通り乳白色の液体がにじみ出る。
「ぼ…母乳…出たみたい…。」
「おめでとうございます。1週間ほどすれば、もっと安定して出るようになりますよ。
それまでは粉ミルクとほ乳瓶もありますので、ご無理をなさらず。」
…じいい…ん…。
「…ルビー様?」
「あ…すみません。嬉しくて…えへへっ。」
陣痛に耐えて出会えた子どもたちを抱き、母乳をせがむ姉弟に応える自分。
なりたいと願った母親に、いま自分がなっている。
ルビーは、初めてエスカ・ルビーとして出動したデビュー戦に勝るとも劣らない感慨にひたる…。
……
…
「アカリ様、お疲れさまでした。」
「…えっ? はい?」
「本日の性教育講座は、以上になります。」
くさりにHMDを外されて起こされ、アカリが目覚めたのは、VRルームのソファ。
「あっ…あれ? 赤ちゃんは?」
「すみません…シミュレーションですので。いつかお母様になられたら。」
「あ…そ、そうですね。そうですよねっ。」
…はああ~~っ…。
大きく深呼吸…いや、ため息を吐いてアカリが落ち込む。
お母さんになる責任と自覚が芽生えたアカリだが、肝心の赤ちゃんは…当然、まだまだ先の話。
盛大な肩透かしを食らい、うなだれるばかりであった。
「あの…くさりさん? これって、私が学園で受けられなかった性教育講座の、補習、なんですよね。
うちの学校、VRマシンなんか無いですけど、それでもこんなにスゴいこと…やるんですか?」
くすっ。
「無理ですね。せいぜい、助産師さんのビデオを観て、10キロの妊婦体験ジャケットを装着して、あとは人形を使ったおむつ替えの練習をするくらいですよ。」
「えっ…??」
では、今回の超体験は…?
「その点、今回の講義は私が志願して、母親の自覚と覚悟を促す特別カリキュラムを専門家に作っていただいたものを、そのままアカリ様にも追体験いただきましたから。教育効果はお墨付きです。」
「じゃ…じゃあ、くさりさんも、同じコースを?」
「ええ。だって私は、こもりちゃんと薄命ちゃんのママですから…!」
お腹を痛めたわけでもないのに、くさりをママと慕う薄命、負けじと全幅の信頼を寄せるこもり。
そんな二人をもっと大事にしたい。母親の受難を全部背負い、それでも二人を愛せる自分になりたい…!
くさりがそんな不退転の決意で特訓志願した結果。
VR妊娠→出産→授乳体験
…の、超絶ハードレッスンプログラムが爆誕したらしい。
どうしてこうなった。
「ま…まさか、その『専門家』って…!?」
「ええ、もちろんあの方ですよ? 想破上弦衆、色事指南役。」
「えええーーーっっ!!」
オナニーからマタニティまで、里の皆様のシモの暮らしを常に見つめる、やべー女の全面監修。
「あ…ああっ…、そんな…!」
アカリは狼狽し、確信した。
ここまでやる必要なんて、全く無かったんだ…!
『マ…ママ…?』
《くさりちゃんも…ここまでしたの…?》
「〔っ!?!〕」
VRルームのコントロール室からマイク越しに飛び込んだ声の主は、くさりが実の娘も同然に慈しむ2人。
【ん〜…、…あ、あったわ、録画データ。】
「そ…その声っ、エリーちゃんっ!?」
【再生は…これかな?】
ぴぴっ。
〘あはああーーーっ!! 痛いっ、痛いっ!
は…薄命ちゃんっ、おくちっ、おっぱいっ、そんなに強く吸わないでええっ!!
こっ…こもりちゃんっ、こもりちゃんもっ、もみもみっ、強すぎっ、ひぐっ、あああ〜〜っ!?〙
ルーム内外にリプレイされる、あられもない授乳体験中のくさり。
『いっ…イヤあああーーーっ!?』
〘見…見るなあーーーっ!! 0歳児のこもりなんかっ、見るなああ〜〜〜っ!!〙
ここまではあくまで性教育の一環として、ルビーの妊婦体験を(うわ〜…!)(ルビーさんっ、すごいです…!)程度の気持ちで見ることができた。
だがさすがに、メインステージに祭り上げられてはたまったものではない。
薄命とこもりが、不意打ちのメガトン級羞恥に悶え叫ぶ。
〈よ…よもや、にゃんこ様の筋書きとは…!〉
[ア…アカリっ、どんまいっ!]
…?
「…ヒビキちゃん? うららちゃん?」
……。
そもそも、性教育講座をなぜ実施したかと言えば、エスカチームが任務で、閂学園の特別授業日を欠席したことに端を発する。
養護教諭からその補習授業を委託され、結果、特別講師くさりのコウノトリ講座が設けられた。
その経緯から、身バレしていないもののダイビートでバイト中のヒビキ、うらら、エリーが立ち会うのは、至極当然であった。
……………!!!!!!!
「み…みんなああっ、忘れてえええっっ!!
私のっ、妊娠も出産もっ、おっぱいあげるところもおっ!!
見なかったことにしてえええーーーっっ!!」
アカリにとっては羞恥プレイも良いところであった。
【第5話 完】
作者です。第5話「ルビーがくさりから性教育講座を受けるだけのお話」をお届けしました。第4話から十日ほどブランクが空きましたが、お待たせ致しました。
正月イベント「初夢プリズン」で鮮烈なママデビューを果たしたくさりちゃん。薄命ちゃんやこもりちゃん、トキサダのバブみを引き出す超絶破壊力を、弊社SSでも遺憾なく発揮いただこうと登場願った次第です。
あ、初乳は通常、産後直後には出ません。その辺はやべー女のフィクションということで。(この後「猫屋敷いいいっっ!」と叫ぶこもりに両脚を折られるんでしょうねえ。)
こちらの「初体験」シリーズ、不定期連載としてネタが追加され次第、随時新作をお届けする予定です。現在、ぼんやりと浮かぶプロットが2本ほど。気長にお待ちください。
好評…なのか実感が湧きませんが、毎度アクセスくださる読者の皆さまに、毎度ながら感謝申し上げます。どうか今後も変わらぬご愛顧を!