転生したらモンキー・ゴードでした   作:NEST中毒者

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どうでもいいですけど、カタフラクトのチャージレーザーのエフェクトって、ビームマグナムに似てないですか?


第2工廠警備③

 

「コード44、対象のデータを送ってくれ」

 

「ネガティヴ。データベースに該当なし」

 

「あの機体からして、無名の木っ端といったところか」

 

「だが、油断するな。全員でかかるぞ」

 

「「了解」」

 

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AAS03: EKDROMOI PG/PCA SP Warrant Officer

 

AAS03: EKDROMOI MG/PCA SP Chief Sergeant 2nd Cls

 

AAS02: CATAPHRACT/PCA SP 1st Lieutenant

 

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「天丼だが…まあいい」

 

 現れた3つの機影――エクドロモイ PG(プラズマガン)MG(マシンガン)、そしてカタフラクト(欠陥戦車)を見るなり俺がとった行動は、再びの逃走であった。

 

 ABで壁を越え、工廠内部に退避する。

 

 この行動を取った理由の()()は、分断だ。

 

 AAPS02、カタフラクト。

 

 戦闘車両において最も装甲が必要となる前面にMTを(はりつけ)にし、そのコアにパイロットをぶち込むという行為によって、一体全体どのような「汎用性」が確保されるのかは全くもって不明だが、一応は惑星封鎖機構最強の地上兵器だ。

火力と機動力に関しては悪くないものがある。

 だが、その機動力はあくまで地上兵器としてのものだ。

 機体下部に取り付けられたブースタによって一応浮かぶことはできるが、3次元的な高機動など不可能だ。

 

 ゆえに、入り組んだ工廠内に戻る。これだけでカタフラクトは追ってこれないだろう。

 

 ――だが、もう2機は別だ。

 

 

 

 

 

 特務機体エクドロモイ。敵ACなどの排除対象を狩ること主任務とするこの機体は、対ACを重視した機体設計をしている。

 

 どんな軽量高機動ACであっても振り切れないほどのブースタ出力に、三次元的な機動と強烈な蹴りを可能にする逆間接型の脚部。

 

 敵機に高速で接近し、強烈な蹴りで動きを止めたところを手持ちの武装で仕留める。それが近接武器を持たないPG型とMG型の基本戦略だ。

 

 パイロットもまた、対AC戦闘の訓練を積んでおり、ACの弱点を熟知していた。

 

 

 

「寄せ集め風情が、このエクドロモイから逃げられると思うのか!」

 

 並走する2機のエクドロモイは、逃げるACに難なく追いつき、その片割れが排除対象の無防備な背に強烈な蹴りを放った。

 

 

 

「天丼だが、お前らにとっては初見か」

 

 三度(みたび)、コアが開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1」

 

 アサルトアーマーが直撃し、ACS負荷限界(スタッガー)に陥ったエクドロモイPGを真っ二つにする。

 

 まったく、我ながらワンパターンだ。だがまあこっちは勝ち筋が限られている。仕方ないだろう。

 

 爆散する異形の機体をよそに、さらに逃走。

 今の瞬殺で、若干怯んだな。

 これなら()()()まで追いつかれないだろう。

 

 そのまましばらく逃げ、()()()()のを確認。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――すべてのACは、AB(アサルトブースト)中にENが尽きた時、強制的に逆噴射を吹かして急停止する。

 

 これは、ある種の安全装置、フェイルセーフの類だ。

 

 ABの慣性が乗った状態で、ブースタに回すENが無くなってしまえば、機体を制御することができなくなる。

 

 そのまま、壁や地面に激突し、機体ないしパイロットに少なくないダメージが行く危険性があった。

 

 故に、安全装置だ。制御不能に陥る前に機体を急停止させ、最悪の事態を未然に防ぐ。

 

 ――だがそれは、戦闘中には致命的な隙となる。当たり前だ、高速で動いている敵が、いきなり棒立ちになるのだから。

 

 そして、特務部隊である彼は、その手の隙を晒した敵を数多く屠ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――()()()()()()

 

(カウンター(アサルトアーマー)はもう無い! 今度こそ、仕留める!!)

 

 これまで何度も見てきた致命的な隙、僚機が落とされた焦燥。

 そして敵ACのコア背部に展開した排熱機構が、彼に自ら竜の(あぎと)に飛び込むことを選択させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「2」

 

 

 急停止した直後、振り返り、()()()()()()()WB-0010 DOUBLE TROUBLE(チェーンソー)のチャージを開始。

 そのまま棒立ちで、エクドロモイの蹴りを出迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

「誘ったな……!」

 

 膝から下が吹き飛び、地面を転がるエクドロモイ。

 

 愚かにも、赤熱し高速回転する刃に足から突っ込んだんだ。当たり前だろう。

 

 足を失いながらも、どうにかブースタだけで距離を取ろうとする相手に、チャージが終わったチェーンソーを振り下ろす。

 

 残り1。

 

 

 

 

 

 

 

「……ずっとここで待ってたのか? 何しに来たんだよ、オマエ」

 

「……准尉と2級士長はどうした」

 

「転んで死んだよ」

 

「……排除する」

 

 

 

 そこから先については、特に語ることもない。

 

 破綻した設計の、妥当な末路だ。

 

 

「3」

 

 

 

「第2工廠司令部へ。今度こそ打ち止めだ」

 

 

 コアMT(懲罰席)()り抜かれ、沈黙するカタフラクト(欠陥戦車)の傍ら、俺は再び無線を開く。

 

 

「……そうか。あなたのおかげでこの第2工廠は守られた。感謝する」

 

「ところで、第1波と第2波は別口だった……第1波の首魁はケイト・マークソン。独立傭兵だ」

 

「……()()()()()()()()()()……?」

 

 ……えっ?

 ケイトってアリーナ未登録で無名のハズでは?

 

 ……今考えても答えは出ないか。今は目的を果たすとしよう。

 

「……第2波は、封鎖機構だ。それも特務部隊」

 

 なるべく相手を揺さぶるように、やや大げさな語り口で告げる。

 

「それほどの戦力が、このちんけな工廠に攻めてきた――――彼らは一体、『何』を目的にやってきたんだろうな?」

 

「…………それは」

 

「……『特別手当』について話そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして俺は、大量の戦果と「井戸」に関する情報でBAWSを徹底的に強請(ゆす)り、多額の金と()()報酬を得ることに成功した。

 

 ……だが、鹵獲の方は芳しくなかった。

 ケイト……オールマインドの方は、ACを含めたすべての機体に「09-086 QUAL」とかいう名前の高度なプロテクトが掛けられていたらしく、一切のアクセスやリバースエンジニアリングができなかったそうだ。当然パーツの再利用も不可能。

 

 封鎖機構の方については、エクドロモイは完全におじゃん。コアMTを刳り抜いただけのカタフラクトは活きていたが、目新しい技術は得られなかったらしい。

 

 まあいい。BAWSから得た戦果だけでお釣りがくる。そう考えた俺は、さっそく新しく得た()()を試すべく、依頼を探すのだった。

 

 

 

 

621とは

  • 仲良くして欲しい
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