転生したらモンキー・ゴードでした   作:NEST中毒者

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強襲艦拿捕②

 

「コード23、現着した。これより強襲艦の拿捕阻止を優先目標とする」

 

「コード4、了解。」

 

 こちらに向かってくるLC達が、そんな言葉を交わす。

 

 マズいな。

 

 カタフラクトが陸の欠陥兵器なら、強襲艦は空の欠陥兵器だ。

 軽MT並みの耐久力しかない艦橋を破壊されると、ダメージが船体に伝播して自壊するのである。

 一応、艦橋以外は強固な装甲に覆われているものの、特定のポイントを狙って攻撃できるACや、それに類する機動兵器であるLC、HCの類には糞の役にも立たない。

 はっきり言って、輸送手段としては使えるが、兵器としてはゴミだ。

 

(惑星封鎖機構がもし海上兵器を持っているなら、それにも馬鹿みたいな弱点があるに違いないな)

 

 そんな風に毒づきながら、どのようにこの欠陥兵器を守り抜くか、思考を巡らせる。

 

 LCの数は10。すべて狙撃型。艦橋を狙われればひとたまりもない。放置不可。

 特務無人機体バルテウス。同じく、ミサイルで艦橋を狙われれば終わりだ。こちらも放置できない。

 

 考えろ。すべての攻撃を同時に凌ぐ方法。

 

 

「テセウス!!」

 

「お前のコア拡張機能は!?」

 

「何だ、それは!!」

 

 は?

 

 

 

 

 

「……ッ、とにかくお前は艦橋を守れ! その間に俺が敵を片付ける!」

 

「どうやってだ!?」

 

「艦橋の前に立つんだ! それで、ミサイルが来たらガトリングで弾幕を張れ!」

 

「いいか、無駄撃ちするなよ、ミサイルが来た時だけだぞ!」

 

 これでミサイルを凌いで、LCから潰していけば。

 

「待て、無理だ!」

 

 

 

「上昇推力が足りない!」

 

 は??

 

 

 

「足りないって、ABでもか!?」

 

「あっ、AB! その手があったか! 賢いな君!!」

 

 は???

 

「いいからさっさと登れ!!」

 

「わ、分かった!」

 

 金色のタンクACがぎこちなく艦橋前に立つのを尻目に、俺は高台へ降り立とうとするLCへと突撃する。

 

 時間はかけられない。

 

 チェーンソーで引き裂き、オーバーヒートすればハンドガンに持ち替える。

 2丁のハンドガンで撃ち抜き、マガジンが空になればチェーンソーに戻した。

 その繰り返しだ。

 

 幸いにも、奴らは命令に忠実なのか、それとも僚機以上の馬鹿なのか、棒立ちで狙撃を続けている。

 

 流れ作業のように10機のLCを沈めたころ、バルテウスが大量のミサイルを展開するのが見えた。

 

「はははは!! この鉄壁の守りを前に、手も足も……あっ」

 

 ……どうやら忠告は無意味だったらしい。

 盛大にガトリングを無駄撃ちしてをオーバーヒートさせた「オールドアックス」に、ミサイルが殺到する。

 さっき奴らを「僚機以上の馬鹿」と罵ったが、訂正するべきかな。

 

「うああああああ!!」

 

 ……まあ、ガチタンだし、そう簡単には死なんだろう。

 だが、いくつかのミサイルは艦橋に当たったな。後がないか。

 

 この状況、さっさと片付けるに限る。

 

 俺はバルテウスの背後にABで接近する。

 

 反応が無いな。無人機だからか。

 奴は強襲艦を優先して攻撃するようインプットされているのだろう。

 排除対象以外からの攻撃は、全てパルスアーマーで凌ぐ前提で設計されているのか?

 

 

 コイツを傑作と言ったことも、取り消しておこうか。

 

 無防備な背後に、回復したアサルトアーマーを撃ち込む。

 ガトリングによりそこそこ削れていたパルスアーマーは、その一撃で消し飛んだ。

 

「さて……1回で終わらせたいが」

 

 右拳でACS負荷限界(スタッガー)からの回復を阻害しつつ、チェーンソーをチャージ。

 そのまま、装甲の薄い背部めがけて突き刺した。

 

 ゴリゴリと音を立て、バルテウスのコンテナが削られていく。

 

 ……やはり、1回ではキツイか。

 コンテナを深く抉ったチェーンソーだが、心臓部に到達する前にオーバーヒートしそうだ。

 やむを得ない、アサルトアーマーに備え、一度距離を……

 

 

「まだだッ!!」

 

 強襲艦の船首から飛び出す影。

 

 

 

 訂正は撤回する。やはりLCのパイロットは、僚機以上の馬鹿どもだった。

 

 

 

「うおおおおお!!」

 

 前からは銃弾、後ろからは刃。

 2種類の破壊が特務無人機の耐久力を見る見るうちに削っていく。

 

 チェーンソーがオーバーヒート。同時に、バルテウスのコアが光り始める。

 まだだ。

 ハンドガンに持ち替え、斉射。この距離に、この的のデカさだ。外すはずもない。

 

「あああああああ!!」

 

 リロードに、オーバーヒート。

 同時に射撃武器が使えなくなった両機が、同時に突撃する。

 

 

 

 銃弾と刃で打ちのめされた挙句、前後から同時の衝撃を受けたバルテウスのコアは、パルス爆発を発する前に崩壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて……今度こそずらかるか。……ところで、艦の操縦はできるんだろうな?」

 

「ああ、任せておけ」

 

 

 

 

 

 

 

「自慢じゃないが、私はどんな乗り物でも初見で操縦できる。快適な空の船旅を約束しよう」

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 べリウス地方から、アーレア海を超えた先、中央氷原。

 

 山に激突して派手に座礁した強襲艦から、2機のACが這い出してきた。

 

「さて、ちょっとしたアクシデントはあったが、無事中央氷原に到達できたわけだ。これにてミッション完了だな!!」

 

 撤回した訂正を、もう一度訂正すべきだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時を同じくして。

 

 ベイラムの専属AC部隊、レッドガンの5番手である、G(ガンズ)5 イグアスが消息を絶った。

 彼はグリッド086にてある独立傭兵と交戦、撃破された後、帰還している最中に襲撃されたと見られる。

 

 最後に位置情報が確認できた地点からは、所属不明MTの残骸が発見された。

 同MTを解析する試みは、すべて失敗している。

 

 

 




RANK --/-

ゴールド・テセウス
AC//オールドアックス

UNIT
R-ARM UNIT:DF-GA-08 HU-BEN(ガトリングキャノン)
L-ARM UNIT:DF-GA-08 HU-BEN(ガトリングキャノン)
R-BACK UNIT:DF-GN-09 SHAO-WEI(軽量ガトリングキャノン)
L-BACK UNIT:DF-GN-09 SHAO-WEI(軽量ガトリングキャノン)

FRAME
HEAD:AH-J-124 BASHO
CORE:DF-BD-08 TIAN-QIANG
ARMS:DF-AR-09 TIAN-LAO
LEGS:LG-022T BORNEMISSZA

INNER
BOOSTER:NOT EQIPPED
FCS:FC-008 TALBOT
GENERATOR:DF-GN-08 SAN-TAI

EXPANSION:NOT EQIPPED


【挿絵表示】


解説
ガチタンとガトリングって、ぱっと見の印象ほど相性良くないよねって話。
ガトリングは意外と射程が短いので、機動力の無いガチタンだと「寄ってくる相手には強いが、引き撃ち相手は死ぬしかない」となりがちだと思う。絵面は非常にいいとも思うが。

やたらと大豊製が多いのは、時系列的にVEフレームがまだ開発されてないのではと思ったから。




あと、彼のネーミングに関しては、金持ちだからゴールド、パーツを入れ替えまくるからテセウス、機体名は「テセウスの船」と似たような寓話の「おじいさんの古い斧」から取った、と安直of安直な代物である。

モンキー→621の呼び方(訳あって多分レイヴンとは呼ばない)

  • 621
  • なんかあだ名付けろ
  • その他
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