「こちら『エイフィド』、作戦領域付近に到達」
小型の輸送機に吊り下げられる形で、高空を飛ぶ。
「これより全ての無線通信を封鎖、通信は物理回線でのみ行う」
「こちら『ブラックアント』、了解した」
そのまま特に会話もなく、数十分ほどの時が流れる。
……暇だ。
「こちら『エイフィド』、まもなく目標ポイントに到達する。降下の準備をされたし」
そろそろか。
促されるままに、準備を始める。
【メインシステム、戦闘モード起動】
システムを立ち上げ、ジェネレータを稼働させる。
熱源探知されるリスクを可能な限り減らすため、ここまではジェネレータを切っていた。
ジェネレータ、問題なく稼働。
内部システム、オールグリーン。
武器管制、正常。
「こちら『ブラックアント』、すべて問題なし。降下準備完了」
「了解」
「目標ポイント到達、作戦開始まで残り5秒」
「4」
「3」
「2」
「1」
「0。これより作戦を開始、機体を投下する。…『コーラルよ、ルビコンと共にあれ』」
「了解」
「作戦開始」
合図とともに、通信ケーブルおよび機体を固定していたアームが外れ、自由落下を開始する。
スカイダイビングでやるような大の字の体勢になり、ブースターも吹かさずに降下。
まったく、これで通算3回目だ。つくづく高高度からの落下には縁があるらしい。
そんなことを考えながら、雲を突っ切る。
地上が目に入ると同時に、そこで戦う無数の機械たちも捕捉できた。
カメラをズームし、詳細を確認する。
ふむ。情報通り、アーキバスの部隊が惑星封鎖機構の基地を奇襲している。
展開している封鎖機構側の戦力は、歩哨や守衛のMTのみ。
基地に格納されているというLCやHCは、まだ準備が整っていないのか確認できない。
当然だな。彼らが発進し、交戦なり撤退なりできるようになるまで時間を稼ぐのが今回の仕事だ。
そうこう考えている間に、向こうもこちらに気付いたようだ。
「何だ?空から……」
「黒い……AC?」
「あの機体構成、ベイラムか?」
「ベイラムの機体が……何故ここに?」
解放戦線の……
「ベイラム機に勧告する!速やかに所属と目的を明らかにせよ!」
連中もすぐには撃ってこない。当然だ。下手に撃てば、アーキバスとベイラムの共闘関係を破綻させることに繋がりかねない。
だが、こちらはそんな事情、知ったことではない。
ブースタを吹かして減速しながら、両手のリニアライフルをチャージ。
手近な4脚MTに、銃口を向ける。
「馬鹿な、撃ってき――」
こちらを敵と認識していなかったせいか、
1発目で体勢を崩し、2発目で爆散する。
「……っ敵だ!」
「ベイラムめ、裏切ったのか!?」
今更こちらを敵だと認識したMT達を、次々と遠間から撃ち抜いていく。
リニアライフルの射程は、いつも使っているハンドガンより遥かに長い。
ことMTの掃討においては、「ブラックアント」は「ジュピター」より圧倒的に高性能だった。
「ベイラム……め……」
周囲のMTを粗方片付けた辺りで、「ブラックアント」の高性能なセンサーが接近するACの反応を捉える。
「こちらメーテルリンク、ベイラム機を確認。交戦に入ります」
現れたのは、両手にパルスガンを携えた中量2脚、「インフェクション」だ。
「
通信を切ったコクピットの中で、独り言ちる。
この仕事、ヴェスパー部隊の撃破は任意。とはいえ、撃破報酬が無いわけではない。
というか、ACに追われながら目標を達成する方が、普通に撃破するよりよほど困難だ。
「合流される前に、手早く潰そう」
呟き、両手のリニアライフルを構える。
そしていつもとは逆に、相手から距離を取るように動き出した。
「ベイラム機、何が目的だ!」
問いかけを無視しながら、リニアライフルを連射。
パルスガンの射程に入らないよう気を付けながら、遠巻きに相手を削っていく。
ロックオンが終わった左の「45-091 JVLN BETA」、オールマインド製の特殊ミサイルを発射。
後退しながら、相手を爆導索の網に誘い込む。
爆発が近づいてきた辺りでリニアライフルをチャージ。
爆導索が炸裂すると同時に
「うっ……!」
……浅い。
無防備なところにチャージしたリニアライフルを立て続けに喰らったんだ。けして損傷がないわけではない。むしろ大ダメージと言っていいはずだ。
だというのに、普段1回でも崩せば確殺できる機体に乗っている分、ひどくじれったいものに感じられた。
「……はあ」
体勢を立て直した「インフェクション」から再び距離を取る。
また同じことの繰り返しだ。
「このままでは……!」
どうやら向こうは焦ったらしい。こちらをパルスガンの射程に収めるべく、ABで無理に突っ込んで来た。
「…………」
相手が近づいてきた辺りで、こちらもAB。
一直線に突っ込んでくる「インフェクション」を蹴り飛ばす。
「くっ……!」
よろめいたところに、チャージしたリニアライフルを撃ち込む。
右の1発目で崩れ、左の2発目が直撃。2発目を撃ちながらチャージした3発目の右もクリーンヒットする。
「スネ……イル……」
どうやら当たり所が悪かったらしい。3発目を受けた「インフェクション」は青い光を上げて爆散する。
案外早く済んだ。各個撃破できたのは僥倖か。
そう考えた辺りで、またセンサーが新手を捉える。
「遅かったか。すまないね、メーテルリンク君」
「……代わってあげられたら良かったが」
撃破は任意、という話だったが。
このままいけば、撃破報酬もたんまり貰うことになりそうだ。
いくら防御に使っても壊れず、崩した相手を確殺できる。
チェーンソーは楔丸だった…?
ブラックアント
UNIT
R-ARM UNIT:
L-ARM UNIT:
R-BACK UNIT:
L-BACK UNIT:
FRAME
HEAD:HD-012 MELANDER C3
CORE:BD-012 MELANDER C3
ARMS:AR-012 MELANDER C3
LEGS:LG-012 MELANDER C3
INNER
BOOSTER:BST-G2/P04
FCS:FC-008 TALBOT
GENERATOR:DF-GN-06 MING-TANG
EXPANSION:TERMINAL ARMOR
【挿絵表示】
解説
ヘッド…フォンアクターっていい曲ですよね。
久しぶりに聞いたらドハマりしました。
あと、HZDのデスブリンガーって、カッコいいですよね。
あの無骨な兵器感は、ACの魅力に通じるところがあると思います。
まじめな解説
ベイラムに偽装するための貸与機体。
主人公が極貧傭兵という設定上、アセンが固定化し戦闘がワンパターンになる懸念があったので、このミッションは前々から考えていた。
元々はルビコニアン系企業の縛りで組もうかなとか考えていたが、どうせならベイラムに罪を擦り付けたほうがいいじゃんと考えてベイラム系になった。
戦闘スタイルは普段と真逆の引き撃ち型。
爆導索で相手を牽制しつつ、ミサイルとリニアで衝撃を稼ぐ。
ぶっちゃけランセツのほうがいいが、チャージをうまく使えばそれ以上の性能を発揮できる…かも。
イグアスらしさって何だ?
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マシンガン
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リニア
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近接
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ガン盾