グリッドの脚部が立ち並ぶ砂漠地帯を突っ切り、グリッド086の下部に到着した。
ここから垂直カタパルトにアクセスし、グリッド内部に侵入する。
カタパルトへのアクセスは、ジャンカー・コヨーテスの頭目、オーネスト・ブルートゥがあらかじめ仕込んでおいたバックドアを用いて行うようだ。
「私がいつでも帰ってこられるように、鍵を開けておいてくれたのですね、カーラ」
「感激だ……私も、誠意を以て応えなければ…」
こんなことを言っているが、先行するのは俺1人だ。ブルートゥは後詰のMT部隊とともに突入するらしい。
つまるところ、使い潰す気満々というわけだ。俺が死ねば、報酬を払う必要もなくなるという寸法である。だが、俺も思い通りになるつもりはない。せいぜい稼がせてもらおう。
線路が敷かれた橋の上に降り立ち、警備のMT部隊を見据える。
「敵襲だ!」
「コヨーテスの雇われか!?」
4脚で這いまわる小型MTが放ったロケットを躱し、
敵が有効射程内に入ったのを確認し、両手に持ったハンドガンを斉射する。
酷いものだ。
元々射撃性能をほとんど考慮に入れていない上に、劣化でさらに性能が低下した腕部。
安さと負荷の低さだけが取り柄で、近中遠すべての距離で劣悪な処理性能しか発揮しないFCS。
銃身の所々がわずかに歪み、弾道がブレるジャンク品の銃。
三重苦が見事に揃ったそれは、たった2発を除いてあらぬ方向に飛んで行く。
だが、十分だ。
2発の銃弾でよろめいた敵MTを、
弾切れしたハンドガンを肩のハンガーにしまい、近くにいた敵MTを拳で打ち据える。
1発目で体勢を崩し、2発目で爆散した。
少し離れた位置にいた3体目に再び
(ゼロ距離でなければ全弾命中は無理、か……)
MTを排除しながら、橋を進む。橋の裏に張り付いて隠れているMTを処理するのも忘れない。
「なんだぁ? 見ねえツラだな」
「テメーがコヨーテスの雇われか?」
橋の終端にたどり着くと、格納庫らしき場所に出る。
そしてその奥から、黄色を基調とした2脚ACが現れた。
「ボス、見ててくださいよお」
「この無敵のラミーが……ガアッ!?」
口上を述べながら高台から飛び降りるACを、着地のタイミングを狙って蹴り飛ばす。
「テメェ!」
迂闊にも有効射程外から放たれたショットガンを躱し、接近してハンドガンを斉射。
振り回されるチェーンソーを後退で回避し、ハンドガンをリロードしながらさらに蹴りつける。リロードが終わったハンドガンを打ち込めば、とうとう敵AC「マッドスタンプ」は
それを確認した俺は、すかさず両手のハンドガンをハンガーにしまい込んだ。
――
1つは処理限界を超えた衝撃を受けると、一時的にシステムがダウンし、行動不能になること。
そして、システムダウン中に近接攻撃などの強烈な衝撃を受けると、システムの再起動が阻害され、復旧にさらなる時間を要することなどだ。
右、左、右、左。
無手となったジャンクACが、動けない大型ACを一方的に殴りつける。
とどめに放たれた手刀が、「マッドスタンプ」の頭部を完全に破壊した。
「お、俺のマッドスタンプがぁーっ!?」
パイロットの男にとっては、ランクでも機体性能でも格下の相手に手も足も出なかった惨めな敗北だが、明日には忘れていることだろう。
(目当ての物は…無事だな)
機能停止に陥った「マッドスタンプ」の取り落とした、大型のチェーンソーを拾い上げる。
これが、「グリッド086襲撃」の依頼を受けることを決めた理由の1つだった。
――
高い剛性と強力なアクチュエータ出力を持つそれは、素手による打撃でも一定の効果を発揮するものの、強力なACや大型兵器との戦闘を見据えるならば、近接武器の入手は急務だった。
そうして白羽の矢が立ったのが、グリッド086の番犬、"
(起動は……さすがに無理か)
拾い上げたチェーンソーを左手に持ち、起動しようとするが、反応しない。おそらくACのシステムと接続されていないためだろう。
(持ち帰れば、何とかなるかな)
一先ずは動かないチェーンソーを左のハンガーに仕舞い、格納庫上部の隔壁を目指すのだった。
NEWモンキー・ゴード君のアセン(名称未定)
UNIT
R-ARM UNIT:HG-003 COQUILLETT
L-ARM UNIT:HG-003 COQUILLETT
R-BACK UNIT:NOT EQUIPPED(ウェポンハンガーあり)
L-BACK UNIT:WB-0010 DOUBLE TROUBLE(起動不可)NEW!
FRAME
HEAD:DF-HD-08 TIAN-QIANG
CORE:AC-J-120/RC JAILBREAK
ARMS:AA-J-120/RC JAILBREAK
LEGS:AL-J-120/RC JAILBREAK
INNER
BOOSTER:BST-G1/P10
FCS:FCS-G1/P01
GENERATOR:AG-J-098 JOSO
EXPANSION:NOT EQUIPPED