転生したらモンキー・ゴードでした   作:NEST中毒者

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集積コーラル到達①

 

「登録番号 Rb37、識別名 モンキー・ゴード」

 

 またログが溜まったようで、通算5回目の通知が入った。

 

「貴方は『ログハント・プログラム』において、ハンタークラス5を達成されました」

 

 裏では散々やってるくせに、ログの提供にはしっかり応えてくれるのは、律儀なのか何なのか。

 

「その貢献を称え、コアパーツ『07-061 MIND ALPHA』を贈呈します」

 

 さて、今までログ報酬を速攻売り飛ばしてきたのは、単純に金が無かったのもあるが、機体のコンセプトに合わないパーツだったというのが大きい。

 

 その点、このパーツは違う。金にも大分余裕が出てきたし、売り飛ばす理由はないだろう。

 

「……オールマインド」

 

「はいはい、どうせ売却……」

 

「ありがとう、大事に使わせてもらうよ」

 

「……えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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集積コーラル到達

 

作戦領域:ウォッチポイント・アルファ-未踏領域~

依頼者:ベイラム・インダストリー

作戦目標:目的地到達

報酬:520,000COAM

 

詳細

 

・コーラル集積地点への到達

・僚機あり

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MISSION BRIEFING

 

「独立傭兵、モンキー・ゴード! この前はご苦労だった!」

「貴様の借用書はなかなか愉快な額だな!!」

「おかげで老後の貯蓄がパーになった! 引退はまだまだ先になりそうだ!」

「さて、作戦内容を説明する、一字一句聞き漏らすな!」

「長い長い遠足も、とうとう大詰めだ」

「レーザー障壁の消えた先、未踏領域を越えて、いよいよ集積コーラルを目指す」

「出るのは、貴様とG13(ガンズサーティーン)()()()()()!」

「さあ準備を始めろ! 愉快な遠足の始まりだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……お前が、直々に出るとはな、ミシガン」

 

 深度3、派手に吹き飛んだ高炉の残骸が鎮座する洞窟内で合流すると、ハンドラー・ウォルターがそう発した。

 

「うちの役立たず共は封鎖機構の玩具を弄り倒すのに忙しいからな! 機種転換訓練が一番進んでいる俺が、仕方なく来たという訳だ!」

 

「……そう、か……」

 

 そう話すミシガンの機体は、しかし封鎖機構の鹵獲兵器ではなく、4脚AC「ライガーテイル」だ。

 まあ、何があるか分からない未踏領域では、汎用性のあるACの方が適しているか。

 

「さて、G13! モンキー・ゴード! 遠足の準備はいいか? いいなら大きな声で返事をしろ!」

 

「了解」

 

「りょーかい」

 

「声が小さいぞ!! もう一回だ!!」

 

「……了解!」

 

「りょーかい!!」

 

「では、作戦開始だ!!」

 

 合図とともに、未踏領域へ続く穴に飛び込む3機。

 

「……レーダー障害か」

 

 ほどなくして、レーダーに障害が発生したらしい。元々そんなもの付いてない俺には関係ないが。

 そのまま、洞窟内を進む。

 

「……これは、ミールワームか?」

 

 しばらく進んでいけば、淡い光を放つ巨大な芋虫のような生き物が、そこらじゅうを這いまわっているのが見えた。

 

「――――――――」

 

「……こいつらも、コーラルの味を覚えたというわけか」

 

「…………」

 

「……621?」

 

 ウォルターの言葉をよそに、「ボイジャー2」はワームの1匹をしげしげと眺めている。

 

「何をやっている、G13?」

 

「ユーリ、危ないからあんまり近づかない方が……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……このこ、かわいい……!」

 

「「「えっ」」」

 

「――――――――???」

 

 珍しく興奮を隠せないような声のユーリ。

 

「ウォルター、わたし、このこもってかえる!」

 

「「…………」」

 

「621……そのワームは、やめておけ……」

 

「やだ! もってかえる!」

 

「――――――――」

 

「だいじょうぶ! わたしが、おせわするから――あっ」

 

 ACの腕に抱きかかえられたミールワームは、赤い光を上げて破裂した。

 

「…………」

 

「……先に進むぞ、G13」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 狭い洞窟を抜けた、開けた空間。ミールワームの養育ポッドが廃棄された場所に、無傷の「ライガーテイル」と「ジュピター」、傷とミールワームの体液にまみれた「ボイジャー2」が降り立った。

 

「うぅ……みんな、わたしのこと、きらいなのかな……」

 

 道中、ユーリはミールワームを見かけるたびに抱え上げようとし、そのたびに自爆されていた。

 その結果リペアキットは全損、装甲もボロボロだ。

 

「……やむを得ん。621、補給をしておけ……」

 

「うん……」

 

 見かねたウォルターが補給シェルパを出す。

 シェルパの到着を待っている間、ミシガンが口を開いた。

 

「しかし、活きのいいワームどもだったな! 自爆さえしなければ、うちの役立たず共に腹一杯喰わせてやるところだ!!」

 

「えっ、たべるの……?」

 

 信じられない、といった声色。

 

「――――――――」

 

「えっ、せんゆうも、たべてるの……??」

 

 信じられないという声色から、いっそ絶望感すら感じる声色に変わる。

 

「……俺は、食べたことないぞ」

 

「!!」

 

 俺がいつも食べているのは、無味無臭、無着色の半固形状をした謎ペーストだ。

 

「ほんとに?」

 

 でも、ひょっとしたらミールワームも混ざってるかもしれない。

 

「……多分」

 

「…………」

                       

 沈黙。

 心なしか「むー」という声が聞こえる気がする。

 

「……621、補給を済ませて先に進め」

 

「……あ、うん」

 

 ウォルターの声に振り向いてみれば、とっくに補給シェルパは到着していた。

 ユーリが補給を済ませるのを待ち、洞窟をさらに進んでいく。

 しばらく進めば、洞窟の終点に辿り着いた。

 

 

 

 

「これは……」

 

「――――――――!」

 

「フン、観光地にするには、ちと深すぎるな……!」

 

 目の前に広がっているのは、傾いた都市だ。

 

 立ち並ぶビル群に、奥にそびえる巨大建造物。

 そのすべてが歪に傾き、それらが本来の位置に無いという事実をありありと示している。

 

「ルビコン、技研都市……!」

 

 

「……調査を継続する。ついてこい貴様ら」

 

「了解」

 

「……りょーかい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パーツ、パーツ」

 

「目ざといな、G13! その手の拾い物は、基本見つけた奴が取るのがレッドガンの習わしだ」

 

「――――――――」

 

 それからしばらく、俺たちは技研都市をしらみつぶしにうろついていた。

 ウォルターとしては、真っ先にバスキュラープラントの元に向かいたい筈だが、ミシガンの手前迂闊な発言はできないのだろう。

 安全確保のため下水道までくまなく調べ、今は()()()()()橋の下でユーリがパーツを拾ったところだ。

 

 道中、まばらに封鎖兵器がうろついていたが、この3機の敵ではなかった。

 

「さて、この辺りは大方見たな! 次はいよいよ、あのデカブツを調べるとしよう」

 

「了解」

 

「りょーかい」

 

「…………」

 

 号令と共に、前方にそびえる巨大建造物、バスキュラープラントを目指す。

 

 立ち塞がる封鎖兵器をなぎ倒し、巨大な湖に降り立てば、そこに突き刺さった巨大構造物の根元が見えた。

 

 

 

 

 

 ()()()()()()()()()()()()1()2()()()()()

 

 うち9機は、車輪のような円型のシルエット。

 

 2機は、大雑把に正方形のシルエット。

 

 そして、中央でまっすぐこちらを見つめるのは、肩から翼を生やしたような人型。

 

 

 その人型は、こちらを認めるや否や、歓迎するように両腕を広げ、そのまま大袈裟に一礼をして見せた。

 

 それと同時に、その背後に控える機影たちに、緋い光が点る。

 

 

「……っ、また、あたまが……」

 

「――――――――」

 

 

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IB-01:CEL 240/Sera

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「――――!―――――!!!」

 

 

 そのまま、赤雷を纏う子機を展開したその人型は、後ろの取り巻きたちと共にこちらへ向かってきた。

 




前回の戦闘中にセラの台詞?が無かったのは、単純にエアと見分けがつかないからです。

一応「!」を付けまくることで差別化を図っていますが、これだけだとどうもね……

……どうしよ?

エアとセラ、区別がつかない問題

  • 文字色を若干変えるとか
  • フォントを変えるとか
  • そもそも「――」でしゃべるのを廃止しろ
  • そのままでいいよ
  • その他
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