転生したらモンキー・ゴードでした   作:NEST中毒者

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今回は、「やったこと無かった日常回的な何か」「なんとなく作った値段縛り機体の消化」「せっかく樹大枝細に改造したのでそれっぽいことをやりたい」を1まとめにしたアレな回となっております。
 
特に最後者が苦手な人は注意してください。


傭兵市場調査①

 

 

 成功とは言えない結果に終わってしまった初任務から、しばらく経った。

 

 あの後オールマインドは、撃破した封鎖機構の機体残骸から、ドルマヤンが彼らに送ったメッセージを回収。水面下の交渉を行い、ドルマヤン側はコーラルリリース云々について、オールマインド側はドルマヤンがブラフとはいえ封鎖機構に降るようなメッセージを送った件について、互いに秘匿するという合意が為されたらしい。

 

 そうして、ドルマヤンとの決着はいずれ戦場で行われることが確定した……その数日後である。

 

 オールマインドから新たな任務を与えられた俺はというと、だ。

 

 

 

「……オールマインドの依頼を受け、傭兵市場の調査に協力しているメリル・マークソンと申します……い、以後お見知りおきを……」

 

 黒いビジネススーツを身に纏い、引き攣った笑みを浮かべて柄の悪そうな男に名刺を渡していたのだった。

 

 ……どうしてこうなった?

 

 

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傭兵市場調査

 

作戦領域:べリウス南部-中立地帯

依頼者:オールマインド

作戦目標:調査活動

報酬:-

 

詳細

・独立傭兵のパーツに対するニーズ調査

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MISSION BRIEFING

 

「突然ですが、我々が現在直面している由々しき問題についてお話ししましょう」

「貴方も知っての通り、我々はログハント・プログラムというものを実施しているのですが……」

「最近、ログ報酬として授与したパーツを即座に売却なさる傭兵が後を絶たないのです。まるで何処かの誰かのように……そう何処かの誰かのように!」

「という訳で、貴方には最適なログ報酬を用意するために、傭兵たちのニーズ調査をやってもらいましょう」

「売却しているのは、主に駆け出しや低ランク層の傭兵です……なので、そうした傭兵達が必要としているパーツを調べるのが今回の任務となります」

「場所はベリウス南部にある傭兵の溜まり場……そこでいい感じに聞き込みでもして来てください、期待していますよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 ……そんなわけで適当に放り出された俺は、オールマインドの用意したやたらとキツいスーツを着て、ベリウス地方の中立地帯にやってきたのであった。

 

「さて……次は」

 

 何度かの聞き取り調査を終え、次の待ち合わせ場所に向けて雑然とした街を歩く。

 主にルビコニアンが運営しているここらの地帯は、主に星外人をターゲットにした酒場、賭博場……そしてその他もろもろの娯楽施設が入り混じった歓楽街である。

 

 ルビコニアンといえど一枚岩ではなく、そのすべてが解放戦線として星外勢力の排斥を掲げているわけでもない……なので、こうして娯楽に飢えた星外人を相手に金を稼ぐルビコニアンが居るのも、まあ自然なことだ。

 

「おい……見ろよあいつ……」

 

「うおっ……」

 

 ……何やら、妙に周囲の視線を集めている気がする。

 まあ、こんな荒くれだらけのところに黒スーツを着込んだ奴が居たら、浮くのも仕方ないか?

 

 だがまあいいと、目的地の酒場やら賭博場やらその他のアレやらが合体したような建物に入る。

 

 

 で、今に至るわけだ。

 

「使っているのは主に安価な実弾武器、EN武器は使わない、と……」

 

「ああ、あんなもん、やっすいジェネレータじゃロクな威力が出ねぇのよ」

 

 向かいの席に座る男に、パーツの使用傾向や要望なんかを聞いていく。

 ……まったく退屈な仕事である。

 

「なるほど……近接武器は?」

 

「使わねぇな」

 

「……何故? 買ってしまえば弾薬費も無し、経済的だと思いますが」

 

「何故って、そりゃあ――」

 

 いたって普通に、インタビューが続いていく。

 なんだって俺はこんなことしてるんだろう、なんて思いながらも、特に何も起こることはない。

 

 ちなみに、いかにも柄の悪そうな目の前の男がこうも好意的にインタビューに応じてくれる理由としては、協力の報酬としてオールマインドから超豪華景品(KRSV)が授与されるから、らしい。

 授与されたそれがその後どういう運命を辿るかは、まあ言うまでもないと思うが。

 

「大体よぉ、俺ら貧乏傭兵の台所事情が知りてぇのなら、()()でも見てりゃいいじゃねえか」

 

 ふと男が、遠くにある人だかりを指さす。

 

 そこには――――

 

 

「あーっと!! 謎のチャレンジャーがまさかの勝利!! なんという大番狂わせだ!!」

 

 ACのシミュレータらしき操縦席に座る2人と、そのシミュレータの画面を映し出す大きなディスプレイ。

 その周囲には、繰り広げられる仮想戦闘を興奮しながら見つめる観衆が大勢集っていた。

 

「……賭け試合(アリーナ)か」

 

「おうよ、俺ら木っ端傭兵の小遣い稼ぎには最適ってんで、皆こぞってやってんのさ。なんせ、機体が安ければ安いほど勝った時の賞金が増える、なんて妙なレギュレーションがあるからな」

 

「……へぇ」

 

 賭け試合。アリーナといえばオールマインドのプログラム、なんて図式が最近はすっかり板に付いていたが、こういうのだよこういうの。

 珍しく高揚を覚える。自分が割と無感動な性質だとは思うのだが、こういうのは嫌いではないのだ。これは、参加するしかないだろう。

 

「参加要件は?」

 

「……ACのデータを持ってりゃ、飛び入りは自由だが」

 

 ああ、極貧傭兵時代にこれを知っていれば……いや、あくまで場末の賭け試合。俺のかつての借金の足しになるような賞金額ではないのだろうが、それはまあいい。

 とりあえず、やってみようじゃないか。

 

 という訳で手元の端末で適当に安そうなACデータを作る。オールマインドのおかげでパーツ使いたい放題であることが幸いしたな。

 

 ……さて、出来た。

 一応身バレ防止のためかつての機体(ジュピター)と被らないようにしつつ、安めな機体に仕上げた形だ。

 さっそく、受付に向かう。

 

「なあ、こいつで参加したいんだが」

 

「……え、あっはい」

 

 若干戸惑われつつも、参加手続きは恙なく進んでいった。

 そのあたりを詳細に語る意味は無いだろう。

 

 

 

 そして早速――――試合が始まった。

 

「さてさて、先ほど鮮烈な勝利を飾った謎のチャレンジャーですが、トイレに行ったためしばらく別のマッチングで進行いたします……続いての対戦カードはこちら!!」

 

 司会の大げさな声と共に、にわかに観客が盛り上がり始めた。

 

「まずはこちら! 先ほどは謎のチャレンジャーに手痛い敗北を喫しましたが、当アリーナのエースであることに変わりはない! アンソニー・ブーモです!!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「続いてはこちら! 本日2人目となる飛び入り参加です! その身体はまさに樹大枝細の体現者!! メリル・マークソン!!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「皆さん、どちらに賭けるかはお決まりですか? ルールはいつも通り、リペアキット、コア拡張なしの1本勝負となっております……それでは、対戦開始!」

 

 司会の宣言と共に、シミュレータ上のACが操作可能になる。

 当然それは相手も同じで、両者はともに動き出した。

 

「ヒャハハ! さっきはマグレだってこと、見せてやるぜ!!」

 

 敵ACは、両手に持ったマシンガンを乱射しつつ、両肩のミサイルをばら撒いてくる。

 対する俺はミサイルを回避しつつ、マシンガンがリロードに入った隙に肉薄して蹴りつける。

 

「こいつ、なかなか――」

 

 ――――結論から言えば、それで終わりだった。

 蹴りでよろめいたところに超至近距離で特殊ショットガンを撃ち込まれ、それだけで敵はACS負荷限界(スタッガー)に陥る。

 あとは、両手の武装を素早く持ち替え、拳とスタンバトンで動けない敵を滅多打ちにしていく。最後に、自動でリロードが完了していた特殊ショットガンを再び超至近距離で撃ち込めば、シミュレータ上にこちらの勝ちを示す文字が浮かんだ。

 

「「「「………………」」」」

 

 会場に沈黙が流れる。

 観客も司会も、なんなら対戦相手も、酷い塩試合に絶句していた。

 

 ……そういえばそうだった。この世界の独立傭兵は、かなり水準が低い。

 軽MTを蹴散らせば「当たりを引いた」と言われ、4脚MTを倒せば「普通じゃない」と言われる程度には。

 期待外れ、というよりは期待しすぎだったかと肩を落とす。

 

「け、決着です! またも起きてしまった! ()()2()()()の瞬殺劇! なんということでしょう!!」

 

 だが、そこに司会の声が響いた。その声が、似たような塩試合を展開した奴が他にもいると云う。

 そして、それはおそらく。

 

「ほう……期待外れかと思ったが、なかなか面白そうな奴がいるじゃないか」

 

 会場端のトイレから、1人の男が出てくる。

 その男は変装のつもりか、似合わないサングラスを付けていた。

 

「おっと、先ほど鮮烈な勝利を飾った謎のチャレンジャー……()()()()()F()()()が戻ってきました!! ここは頂上決戦しかありません!! 構いませんね!」

 

「ああ、勿論……俺もそいつとやりたいと思っていたところだ」

 

 男がそう言うとともに、画面上にその男のものと思われる機体が表示された。

 それは、この賭け試合のレギュレーションに合わせてか安価なパーツで固められている。

 

 だが、その濃紺の塗装と単眼のカメラユニットには、なんとなく既視感があった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「さあ……愉しもうじゃないか」




アンソニー・ブーモの機体

UNIT
R-ARM UNIT:MG-014 LUDLOW(マシンガン)
L-ARM UNIT:MG-014 LUDLOW(マシンガン)
R-BACK UNIT:BML-G2/P16SPL-08(8分裂ミサイル)
L-BACK UNIT:BML-G1/P20MLT-04(4連装ミサイル)

FRAME
HEAD:AH-J-124 BASHO
CORE:CC-2000 ORBITER
ARMS:AR-011 MELANDER
LEGS:2C-2000 CRAWLER

INNER
BOOSTER:BST-G1/P10
FCS:FCS-G2-P05
GENERATOR:DF-GN-02 LING-TAI

EXPANSION:NOT EQUIPPED


【挿絵表示】


解説

値段縛りで組んだ機体その1。
かなり安価だが、そこそこ戦える。
だがあくまでそこそこで、決定力には欠ける印象。 

ちょっと前からやたら価格不明パーツのアンケートを取っていたのはこのため。

ちなみにアンソニー・ブーモは「モブA」をもじって付けました。


没機体

UNIT
R-ARM UNIT:HML-G2/P19MLT-04(4連装ハンドミサイル)
L-ARM UNIT:HML-G2/P19MLT-04(4連装ハンドミサイル)
R-BACK UNIT:BML-G3/P04ACT-01(高誘導ミサイル)
L-BACK UNIT:Vvc-70VPM(垂直プラズマミサイル)

FRAME
HEAD:HC-2000 FINDER EYE
CORE:CC-3000 WRECKER
ARMS:AC-3000 WRECKER
LEGS:AL-J-121 BASHO

INNER
BOOSTER:BST-G2/P04
FCS:FCS-G2-P10SLT
GENERATOR:AG-J-098 JOSO

EXPANSION:NOT EQUIPPED


【挿絵表示】


解説

価格縛りで組んだ機体その2。

安めのミサイルで固めたミサイラー。
なんで垂直プラミサってこんなに安いんだろう?

モブBとして出そうかと思ったが、冗長になりそうなのでカットした。
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