転生したらモンキー・ゴードでした   作:NEST中毒者

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本作の周回要素はフワフワしています。

621に周回の記憶は無いけど、周回前提の要素が出て来たり……そんな感じです。


変異波形接触②

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「こうもウォッチポイントが立て続けに襲撃されるとは……一体何が」

 

AAS03: EKDROMOI PM/PCA SP Warrant Officer

 

 

「無駄口を叩くな、准尉。特務無人機体バルテウスを援護し、標的を排除する」

 

AAS03:EKDROMOI EP/PCA SP 2nd Lieutenant

 

 

「…………」

 

AAP07:BALTEUS

 

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 敵は、遠方より飛来した3機の特務機体。

 

 対して味方は、セラと名乗る変なテンションの変異波形1人だ。

 オールマインドは、通信が途絶したのか先程から声が聞こえない。

 

「で、サポートってのは具体的には?」

 

「応援とかしてあげよっか?」

 

「真面目に」

 

「そうだね、システムへの干渉、ハッキング全般とかかな? この機体、どうやらコーラルを使ってるみたいだし、これを使えばだいぶ色々出来ると思うよ!」

 

「ふーん、じゃあ――」

 

 言い終わる前に、「51-201 W/RP」目掛けて大量のミサイルが雨霰と降り注ぐ。

 放ったのは当然、こちらを射程に捉えた特務無人機体、「バルテウス」である。

 

 ……数だけのミサイルだ。その大半を避けるのはそう難しいことでもない。

 

「わっ、と……よく避けるねぇ、キミ」

 

「序の口だろう、これは!」

 

 ミサイルの弾幕を凌ぎ切った直後。その弾幕に紛れて「51-201 W/RP」を挟み込むように移動していた2機の特務機体、「エクドロモイ」。

 片方はエネルギーパイルとマシンガン、もう片方は大型のプラズマライフルを装備したそれらは、それぞれ刺突と蹴りを放つ。

 

だが――それらの攻撃が「51-201 W/RP」に命中する前に俺はアサルトアーマーを展開、コーラルで変色したパルスの奔流が2機を襲った。

 

 それをモロに浴びてACS負荷限界(スタッガー)に陥った敵へ追撃を加えるべく、俺は機体を躍動させる。

 

 狙うのは――プラズマライフルを持った方、すなわち「エクドロモイPG」だ。

 

「くっ、ACSが……何っ!?」

 

 その大型プラズマライフルを保持している右腕を、こちらの空いた右腕で掴んだ。

 そのまま左腕でパルスブレードを起動し――掴んだ右腕の関節部に押し当てる。

 

「こいつ……武器を削ぐ気か……!」

 

「いいや?」

 

 程なくして、発せられた光刃がエクドロモイの腕部関節を焼き切り、プラズマライフル諸共その右腕を本体から分離させる。

 肘から先だけになったその手に代わってプラズマライフルのグリップを握ったのは、「51-201 W/RP」の右手だ。

 

「……さて」

 

 とはいえ、武器を奪ったからと言ってすぐさま自分のものとして使える――なんてことはない。システムとの同期やジェネレータとの接続など必要なことは多い上に、これはACとは全く別規格の武器である。

 

本来なら、一旦持ち帰った上で様々な調整を行わなければ使うことなどできないだろう――本来なら。

 

「こいつを乗っ取って、使えるようにできるか? セラ」

 

「10秒ちょうだい?」

 

「ああ」

 

 右腕を捥がれた「エクドロモイPG」を蹴り飛ばし、次に備える。

 出鼻を挫かれ手痛い反撃を貰った特務部隊の隊員たちは、少なからず面食らったようだった。

 

「少尉殿! こいつ普通じゃありません!」

 

「止むを得ん……バルテウスの戦術ルーチンを更新する!」

 

 そんな通信と共に「バルテウス」の動きが変わり、火炎放射器を展開し始める。

 

 火炎放射器を振り回す「バルテウス」と、エネルギーパイルを突き刺しにかかってくる「エクドロモイEP」。主要武器を失った「エクドロモイPG」は、残された肩部ミサイルを用いて援護の体勢を取った。

 

「えーと、まずはエネルギーの供給……は問題ないね。出力ダダ余りじゃんこの機体」

 

 振るわれた火炎放射器の後隙を潰すようなエネルギーパイルの突きを躱し、蹴りつける。

 

「腕部……も問題なし。元々、かなりデカい武器を使う想定の設計っぽいね、これ」

 

 だが、その隙に上空から撃ち下ろされたグレネードの爆風を浴びてしまう。

 しかし「51-201 W/RP」はそれなりに頑丈だ。まだ問題はない。

 

「ドライバ……は互換性が無いか。最低限トリガーを引いたら動くように、即興で何とかしよっか……」

 

 間髪入れずに突っ込んで来た「エクドロモイEP」の突きに合わせるように、冷却が終わったパルスブレードを振るう。相手の勢いを利用した一撃によってその敵はACS負荷限界(スタッガー)に陥った。

 

 そして、追撃手段は――

 

「……出来た! ただしFCSとリンクしてないから、手動で狙って!」

 

「充分!」

 

 右手に持ったプラズマライフルの銃身に、紫色のエネルギーが満ちていく。

 セラの言う通りFCSは機能しておらず、マニュアルエイムで照準を付けるしかないが――動かない標的に、広範囲攻撃のプラズマライフル。

 

 これなら、当てるのは容易いというものだ。

 

「馬鹿な、何故寄せ集めがその武器を使え――」

 

 特務部隊パイロットの狼狽をよそに、紫の閃光が輝く。

 事前に幾分かの手傷を負っていた「エクドロモイEP」は、その光に耐え切れなかったようだ。高熱が内部機構を誘爆させ、ジェネレータが暴走して爆散する。

 

「クソッ、少尉殿……!」

 

 僚機を失い、自身は主要武器を奪われ、頼れるのはもはや「バルテウス」のみ。

 そんな状況で浮足立った「エクドロモイPG」を仕留めるべく、火炎放射器を振るう「バルテウス」の脇を全速力ですり抜けた。

 

「……しまっ――」

 

 その勢いのままに「エクドロモイPG」を蹴り飛ばし、怯んだところにプラズマライフルを放つ。

 FCSとリンクしていないそれは標的を外れ地面に着弾するが、そこを起点に発生したプラズマ爆発は問題なく敵を捉え、ACS負荷限界(スタッガー)に陥らせる。

 

 すかさずパルスブレードを起動してそれを斬り捨てれば、敵は残り1だ。

 

「わーお! その調子でやっちゃえ!」

 

「おう」

 

 爆散する敵を見届け、残る「バルテウス」に銃口を向ける。

 これだけ的がデカければ、雑な照準でも外すことは無いだろう。

 

 早速プラズマライフルにエネルギーが充填され、()()の光が――――

 

「……あっ」

 

「うん?」

 

 突如背筋に伝った嫌な予感に従い、プラズマライフルを「バルテウス」目掛けて全力で投げつける。

 宙を舞ったそれは、放物線を描いてパルス防壁に衝突――する寸前で、轟音と閃光を辺りに撒き散らした。

 

「……これは?」

 

「……やっちゃった☆」

 

 それが起こしたのは――プラズマとコーラルが入り混じったような大爆発だった。

 爆心地にほど近かった「バルテウス」を見れば、パルス防壁は消し飛び、装甲も焼け爛れていた。

 

 もしこちらがプラズマライフルを保持したままだったなら、おそらく消し炭になっていた事だろう。

 

「うーん、供給系を無理矢理繋げたせいで発射機構内にコーラルが流入したのかな? 不幸な事故だね!」

 

「…………」

 

 ……何だろう。この感じ、既視感が……もしや()()か?

 

「ま、まあ結果オーライじゃん?」

 

「……まあそうなんだが」

 

 実際、先ほどの爆発で「バルテウス」はボロボロだ。

 さらにパルスブレードによる追撃を加えれば、もはや虫の息である。

 

 それは苦し紛れのアサルトアーマーと共にパルス防壁を再展開するも、こちらが返す刀で放ったアサルトアーマーによって再び消失寸前に陥る。

 そこまで満身創痍に陥ったその無人機を撃破するのは、パルスブレード1つしかない機体といえどそれほど難しいことではなかった。

 

 

 

「いやー、強いねキミ! ま、ボクのサポートあってのことだと思うけどね!」

 

「ああ、うん……まあ実際、間違いなく助かったんだが」

 

 敵性機体のいなくなったウォッチポイントで、姿の無い相手と言葉を交わす。

 変異波形との「交信」というのは、未だに妙な感覚だった――喋っているようで、喋っていないような。形容しがたい感じだ。

 

「ところで、さっき言ってた同族って何?」

 

 ……ああ、頭の中で思ったことも伝わるのだった。まだ「交信」の感覚をうまく掴めていないからだろうか。

 

「それは……」

 

「……それは?」

 

「えー、ポン――」

 

 

 

「あ! やっと繋がりました! 何してたんですか? 変異波形とは接触できました?」

 

 

 噂をすれば影。

 そんな言葉がピッタリなタイミングで届いたオールマインド(ポンコツ)の声と共に、今回の任務は完了した。

 

 

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