画像が角度的に見づらくてすいません。
飛来した新たな機体――その機体名は「LOADER 4」、搭乗者名は、「レイヴン」だった。
「あ、あれ? 何で『C4-621』がここにいるんですか!? 何で? 何で? ナンデ!?」
嘘から出た。
そんな言葉がピッタリの状況に、オールマインドの頓狂な声が響く。
「おおおおおおお落ち着きましょう! 冷静に冷静に……」
「落ち着け」
「落ち着いてますよ!? 落ち着いてます! えーとまずは変異波形です! セラの存在も、貴方が交信可能であることもあちらに気取られてはまずいです!」
「……セラ、すまんがしばらく静かに」
「ん…………」
「……あ、貴方があちらの変異波形と交信してしまう事については、こちらで阻害できます! 後は極力あちらに怪しまれないよう、任務を継続してください!」
……オールマインドも落ち着いて……きただろうか?
ともかく、初めてセラと交信した時のように、思考が勝手にあちらの変異波形に漏れると一大事だ。
その危険が無くなったなら、どうにか切り抜ける道が見えてきそうだった。
……まだ、リスクは山のようにありそうだが。
「…………?」
「どうした、621」
「……ううん、きのせい」
「レ…………集中……を……」
傍受した無線に混じって耳鳴りがするが、しばらくして頭痛と一緒に消えた。
向こうには怪しまれていない……といいが。
「あれは……『レイヴン』、あれがあなたを騙る傭兵よ」
「…………」
「キング、シャルトルーズ、それの相手は貴方たちに任せます」
「フン、言われるまでもない。お前も分かっているな?」
「キング、あんた偉そうにしないと気が済まないわけ?」
図らずも本来の標的を目にした「ブランチ」は、二手に分かれた。
「ナイトフォール」が「LOADER 4」に、「アンバーオックス」と「アスタークラウン」がこちらに向かってくるようだ。
……まったく、嘗めてくれる。
「さあ、さっさと片付けようじゃないか、シャルトルーズ!」
「だから、いちいち偉そうにすんなっての!」
2機の重量級ACが、挟み込むように襲来する。
対するこちらは、オーバーヒート中の光波ブレードに代わってバーストライフルをハンガーから取り出した。
「仕掛けるぞ、合わせろ!」
「……もういい、あんたは死ぬまで偉そうにしてな!」
上空に陣取った2機は、圧し潰すように高火力の掃射を放つ。
「アスタークラウン」はチャージした3連レーザーキャノンと重リニアライフルを、「アンバーオックス」は全ての武装を満遍なく使用しての火力集中。
正面から受ければ消し飛ぶは必至――だが、機動力ではこちらに分がある。
「チッ……なかなかに動く!」
取るのは、高度と距離だ。
高度を取れば、「アンバーオックス」の爆発武器は脅威を削がれ、距離を取れば、その他の武装も回避猶予が増える。
もちろん、離れたままではこちらも有効な攻撃ができないが――重要なのは、初手の掃射を凌ぐことだった。
初手さえ凌げば、この手の機体はリロードなり熱量なりで火力が落ちるものだからだ。
「しぶといね、あんた……ッ!?」
リロードとオーバーヒートによる火力の切れ目を狙い、「アンバーオックス」へ距離を詰める。
この際重要なのは、「アスタークラウン」の持つバーストハンドガンの射程外を維持することだ。
左肩のパルススクトゥムによって防御性能を確保している「アスタークラウン」だが、それ故に左手の重リニアライフルをおいそれと使うことは出来ない。あとは射程の短いバーストハンドガンの射程外に出てしまえば、実質の武装は右肩の3連レーザーキャノンのみとなるのだ。
そして、機動力で負けている以上、相手はスクトゥムを解除してABを起動しないかぎりはこちらに追いつくことが出来ない。
「くっ……狙われているぞ、シャルトルーズ!」
「言われなくても分かってんの!」
さて、「アンバーオックス」に標的を定めた俺は、それに両手の武器を向けた。
右のマルチエネルギーライフルからは高い連射速度で小型のプラズマ弾が、左のバーストライフルからはシンプルな銃弾が、それぞれ放たれる。
それは的の大きい「アンバーオックス」に命中し、みるみるダメージと衝撃を与えていく。
本来、EN武器は衝撃の蓄積にはあまり向かないものだ。
だが、高連射のプラズマと衝撃力が高い実弾の組み合わせは、存外に高い衝撃効率を発揮している。
加えて、射程の長めなバーストライフルと跳弾の発生しないプラズマの組み合わせは、「アスタークラウン」から逃げ回って距離の安定しない中でも十全に効果を発揮した。
「ふふふ、KRSVを有効に活用しているようですね?」
「まあ、オーバーヒートには気を付けなきゃならんが」
「ところで、KRSVの真価はそのモードだけではありませんよ?」
「焦るな、その内使うから……」
そんな会話を交わしている内に、「アンバーオックス」の衝撃値は随分蓄積していた。
そんなところに光波キャノンの光弾が突き刺さり、いよいよ限界が近づく。
「くっ……!」
たまらず、「アンバーオックス」はパルスアーマーを展開。
だが、それは逆効果と言えるだろう。
コア拡張機能を起動するための僅かな静止時間の間に、俺は「アンバーオックス」に急接近。アサルトアーマーを起動する。
「……シャルトルーズ!」
先程の「アンバーオックス」と同様に、コア拡張機能の起動のため静止した「アセンブラージュ」に、遠くから放たれたチャージなしの3連レーザーキャノンが命中する。
だが、遅かった。アサルトアーマーの起動は止まらない。
展開されるパルス爆発。
鈍重極まるタンク機体ではそれから逃げ切ることは出来ず、「アンバーオックス」は一瞬でパルスアーマーが消し飛び
すかさず、左手の武装を変更。取り出した光波ブレードを振るう。
「なんなの、こいつ……!」
2発の光波を受け、よろめく「アンバーオックス」。
だが追撃は終わらない。間髪入れずに、すでに1段階目のチャージを完了しているマルチエネルギーライフルを構える。
先の奇襲で負った、リペアキットで修復しきれなかった損傷。今しがた受けた、射撃戦によるダメージ。
タンクとしてはそう頑強ではない上にかなりの消耗を負っていた「アンバーオックス」を、変形した銃身から放たれた鋭いレーザーが貫き、爆散させる。
「……ねぇ、KRSVの真価はそれでもありませんよ? フルチャージはいつ使うんですか?」
「いや、アサルトアーマーを起動すると武器のチャージがリセットされるから……」
「…………むぅ」
「いやしかし、こんなにも短いチャージ時間でこれだけの直撃威力が出せるなんて、この武器は優秀だなぁ」
「……ふふん」
さて、ちょろいオールマインドは一旦置いておき、状況を俯瞰する。
向こう――「LOADER 4」と「ナイトフォール」の方も、熾烈な戦いが繰り広げられているようだった。
「強化人間、C4-621……ハンドラーの猟犬や企業の走狗のままでは、『レイヴン』の名にそぐわないでしょう」
「…………」
「その鎖を解き放ち、自らの意志で選び戦わなければ……その名には相応しくない」
「……わたし、ウォルターの『りょうけん』のままがいい」
「……愚かな、使われる猟犬のままでいたい、と?」
「あと、『がんずさーてぃーん』も、わりと気に入ってるよ」
「……ならば、貴方は『レイヴン』に相応しくない……返して貰いましょう!」
「やだ」
パルスブレードを振るい、果敢に攻め立てる「LOADER 4」。
だが、素早く反応してカウンターを試みる「ナイトフォール」に、カウンターを貰ってこそいないものの攻めあぐねているようだ。
まあ、総合的に見れば「LOADER 4」が優勢だ。
特にこちらから何かする必要は無いだろう。眼前の「アスタークラウン」に意識を集中させる。
「……シャルトルーズが落とされる、とはな。お前、名は?」
「アスタークラウン」からオープン回線で通信が入るが、無視。
展開されたパルススクトゥムに銃弾とプラズマを降らせる。
ここからやることは、至極単純な引き撃ちだ。
バーストハンドガンの射程外から、ひたすら射撃を加えるのみ。
距離を取っていれば、射程の短いバーストハンドガンはもちろん、予備動作の大きい3連レーザーキャノンも余裕をもって回避できる。
要するに。
パルススクトゥムを展開している限り、「アスタークラウン」はこちらに手も足も出ない。
「……やるな、この機体の弱点を的確に突いてくる……ならば!」
そんな状況に、「アスタークラウン」は思い切ってパルススクトゥムをパージする。
そのままABを起動、両手の射撃武器を連射しつつ突撃して来た。
「来てますよ! どうするんですか!」
「……問題ない」
それに対し、こちらはチャージしたマルチエネルギーライフルを片手に、右肩の光波キャノンを発射。さらに左手のバーストライフルもチャージし、光波キャノンの着弾と重なるように発射する。
「……ッ!?」
結構な威力と衝撃を誇る光波に、同じくかなりの衝撃の3点バースト射撃。
パルススクトゥムを捨てて防御力の落ちた「アスタークラウン」は、これを回避するしかない。
そして――回避した直後のそれに向けて、フルチャージされたマルチエネルギーライフルを構える。
――――「ブランチ」のメンバーであるキング、その乗機である「アスタークラウン」。
左肩のパルススクトゥムによって圧倒的な防御力を確保しつつ、バーストハンドガンと3連レーザーキャノンによる射撃戦を展開。さらに、ここぞというところで右手の重リニアライフルのチャージショットやアサルトアーマーによる強力な追撃を行う、というコンセプトだ。
このコンセプト、嵌れば強力であるが――幾つかの弱点も抱えている。
まず、先程露呈したような、パルススクトゥムを展開したままでは遠距離の敵に対する対応力が低いという点。
そして――攻撃への対処全般をパルススクトゥムに依存しているという点だ。
まず、防御。「アスタークラウン」の防御性能は、機体重量の割にはかなり低い。
また、何より問題なのは、回避だ。
パルススクトゥムの運用を前提にしたブースタ選択をしているせいで、QB性能――特にそのリロード時間は非常に劣悪である。
そのリロード時間、実に2秒強。
「アスタークラウン」は、1度回避してしまえば2秒は回避ができないのだ。
「強い……な……!」
フルチャージされたマルチエネルギーライフルの一撃をモロに食らい、重大な損傷を追いつつ
そこにダメ押しで光波ブレードを2閃、さらにロックオンの終わっていない光波キャノンを放つ。
ロックオン未完了により追尾機能のない光波だが、動けない標的にはそれで充分だ。
「だが……『レイヴン』……が……」
先程のレーザーとプラズマの複合光線によりすでに大ダメージを受けていた「アスタークラウン」は、光波に撃ち抜かれ、爆散した。
「さて、これで……」
「……どうですか? KRSVの素晴らしさが身に染みたでしょう? どうですか?」
「…………」
こちらに向かってきた敵の全滅を確認し、残った敵に目を向ける。
「……『レイヴン』!」
見れば、パルスブレードを振るう「LOADER 4」に合わせるように、「ナイトフォール」はパイルバンカーによる迎撃を試みていた。
だが、「LOADER 4」は直前で急停止。パイルバンカーを空ぶった「ナイトフォール」に至近距離で重ショットガンを浴びせる。
さらに、追撃として蹴りを入れようする「LOADER 4」だが、同時に「ナイトフォール」のコアが展開する。
放たれるパルス爆発。しかし、一拍遅れて別のパルス爆発が「LOADER 4」から発せられた。
どうやら、カウンター合戦は「LOADER 4」の勝ちのようだった。
満を持して振るわれたパルスブレードが、「ナイトフォール」を両断する。
「……『ナイトフォール』の撃破を確認。621、ミッション完了だ」
傍受した通信から、壮年の男の声がする。
これで『ブランチ』は片付いた、が――――
相手の無線がオープン回線に切り替わる。
「そこの独立傭兵、お前にいくつか聞きたいことがある。返答次第では――」
続いて、圧迫面接の時間がやってきた。
アセンブラージュ(KRSV)
UNIT
R-ARM UNIT:
L-ARM UNIT:
R-BACK UNIT:
L-BACK UNIT:
FRAME
HEAD:20-081 MIND ALPHA
CORE:IA-C01C:EPHEMERA
ARMS:VP-46S
LEGS:VP-422
INNER
BOOSTER:FLUEGEL/21Z
FCS:FCS-G2/P05
GENERATOR:VE-20B
EXPANSION:ASSAULT ARMOR
【挿絵表示】
解説
KRSVを最大限活かそうと考えたアセンの1つ。
前回のシースパイダーぶっ殺しアセンがその名の通り特定のボス特化型であるのに対し、こっちは割と汎用的に使える機体を目指した。
引き続き150ジェネでKRSVの性能を最大限引き出しつつ、光波系で固めてある。
基本戦術としては光波キャノンを撃ちながらノンチャKRSVとランセツでダブルトリガーをしつつ、状況に合わせて月光とチャージを織り交ぜていく感じ。
作中でも述べたが割と衝撃を溜められる。ただしオーバーヒートに注意。
スタッガーの追撃手段としては、月光2発→チャージKRSVが強力。
相手がスタッガーする前からチャージしていれば月光→フルチャのコンボが決まるが、事前にチャージしていなくても爆速の1段チャージが間に合う。
リニアライフルよりチャージが早くてリニアライフルより直撃威力のある1段チャージは実際有能。
ちなみにブースタがフリューゲルなのはKRSVの弾切れを見越しての事。
腕の近接補正も高いので、右が素手でもそこそこやれる。
六文銭の一人称
-
俺
-
私
-
拙者
-
我
-
某
-
吾輩
-
その他