転生したらモンキー・ゴードでした   作:NEST中毒者

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今回のKRSV機体でミッションをすると、封鎖衛星制止やコーラルリリースではSランクが取れるのに、難易度が低めのミッションでは取れないという逆転現象がよくあります。なんでやろなぁ……


ブランチ排除③

 

「……まず、1つ目の質問だ。お前は何者だ?」

 

「独立傭兵、メリル・マークソン。と言っても、このライセンスは()()()だが」

 

「……ほう」

 

()()()()()()()()()? 星を渡るたびに名義を取っかえ引っかえ、なんて」

 

「そうか。……次の質問だ。何故、『ブランチ』を襲撃した? 見たところ、ベイラムに雇われた防衛戦力、という雰囲気ではなかったが」

 

「……どうしてそんなことを知りたがる?」

 

「いいから、話せ」

 

「…………復讐だ。『ブランチ』共が掲げる『自由』とやら……その為に流れた血、戦火に塗れた惑星は数知れない。その報いを受けさせたまでだ」

 

 さて、あれよあれよと始まった圧迫面接タイム。

 俺はハンドラー・ウォルターの追求に対し、口からでまかせを吐き散らしていく。

 

「そうか。なら、偽の情報を流して『ブランチ』を誘き出したのはお前か?」

 

「……そうだ。ずっと『ブランチ』と『レイヴン』を付け狙っていたから、『レイヴン』のライセンスが盗まれたこともこちらは知っていた。だから、『レイヴン』の情報を餌として使って、連中を誘き出したんだ」

 

 その結果として俺は、「『ブランチ』の起こした戦火に故郷を焼かれ、復讐のためにルビコンへ密航してきた独立傭兵」という、ありもしないキャラをでっち上げることになっていた。

 

「……成る程」

 

 ウォルターの冷徹な声。どこまで疑われているのか、なかなか読みづらい。

 

「…………ひま」

 

 一方、ウォルターの合図ひとつでこちらを殺しに来そうな「LOADER 4」だが、今はぼけーっとしているようだ。

 そんな愉快な面接現場で、なおも質問攻めが続く。

 

「ところで、その機体のパーツ……どこで手に入れた?」

 

「……どれのことだ?」

 

「コアと右肩、左腕のパーツだ。一般に流通していない物の筈だが?」

 

 ……はい。

 よりにもよって技研パーツをふんだんに使った機体に乗っているときに、技研に縁深いウォルターに目を付けられてしまったわけである。

 

 さて、これをどう言い訳するか。

 

「ああ、これは封鎖機構の接収品を――」

 

「――ウォルター!」

 

「これは……!」

 

 だが、会話は唐突に打ち切られた。

 高速で接近する、多数の敵性反応によって。

 

「コード5、優先排除対象『レイヴン』を捕捉しました」

 

「他1機、独立傭兵と思しきACも確認。……了解。排除します」

 

 

「封鎖機構……特務部隊か!」

 

 飛来する機影に、ウォルターが叫ぶ。

 その総数は4機。内訳は……少し前にも見た「エクドロモイ」が3機、そして大型の戦車タイプ――「カタフラクト」が1機だ。

 

「優先排除対象だと? 『レイヴン』の情報に釣られて来たということか……? ……ともかく撒ける相手ではない、応戦しろ621!」

 

「わかった……!」

 

 先程まで暇そうにこちらを監視していた「LOADER 4」だが、そんな様子は瞬時に一変、獲物を狩る猟犬めいた雰囲気を身に纏う。

 

「……話は後だ、ここは一時共闘でいいな? ハンドラー・ウォルター」

 

「……止むを得んか」

 

 一方こちらは、これ幸いと共闘を提案。

 ウォルターも、この状況では呑む他ない。

 

「さて……そろそろ来るぞ!」

 

 短い会話の間に、特務部隊はすぐ近くまで迫っていた。

 マルチエネルギーライフルをチャージしつつ、備える。

 

「排除を開始する。各機、散開しつつ――」

 

 高速巡航を解き、少し離れたところに着地した「エクドロモイ」の1機。

 その着地による一瞬の隙を見逃さず、フルチャージが完了したマルチエネルギーライフルを構える。

 

「……何だっ!?」

 

 機動性を重視し、姿勢安定性は比較的に低い「エクドロモイ」。

 エネルギーパイルを装備して先陣を切るつもりだったのであろうそれは、しかし哀れにも開幕の一撃でACS負荷限界(スタッガー)に陥った。

 

「今だ、やれ!」

 

「…………!」

 

 すかさず、「LOADER 4」が動いた。

 それは左手でパルスブレードを発振しつつ突撃。近接攻撃に優れるブースタの力でそこそこ離れていた間合いを潰し、2連撃を見舞う。

 

「馬鹿な、このエクドロモイが、こんな……!」

 

 パルスブレードによる斬撃をモロに受けてのけ反る「エクドロモイ」。さらに慈悲なく重ショットガンの散弾が突き刺さり、あえなく爆散する。

 

「くっ、中尉殿……!」

 

「……次だ」

  

 さらに、畳みかける。

 やられた「エクドロモイEP」に一瞬気を取られた別の機体……プラズマライフルを装備した「エクドロモイPG」目掛けて光波ブレードを振るった。

 放たれる光の斬撃。同時に、「LOADER 4」から放たれた10連装のミサイルもまた、同じ機体目掛けて殺到していた。気が合うものだ。

 

「クソッ……! 私が現場指揮を引き継ぐ、各機陣形を立て直せ!」

 

「りょ、了解!」

 

 ここで、やや離れた位置にいた「カタフラクト」が戦闘圏内に入る。

 同時に「エクドロモイ」達の動揺も落ち着き、連携を取り始めた。

 

 飛び交うレーザー、ミサイル、銃弾、プラズマ。

 それらの回避に集中しつつも、「エクドロモイPG」を狙い続け、パーストライフルの弾丸をチマチマと浴びせていく。

 

「鬱陶しいやつ……ガッ!?」

 

 着実に蓄積していく衝撃に、「エクドロモイPG」のパイロットの意識がこちらへ向く。

 

 それが運の尽きだった。

 もう1機の敵――「LOADER 4」から意識を逸らしてしまったそれを、冷却の済んだパルスブレードが襲う。

 

「何故、寄せ集めにこうも押される……!」

 

 既にACS負荷が蓄積していた「エクドロモイPG」は、1撃目でACS負荷限界(スタッガー)。2撃目は直撃した。

 さらに重ショットガンによる追撃も加わるが――撃破するには少し足りない。

 

「まだ……!」

 

「いいや、ミサイルは撃たなくていい」

 

 10連ミサイルによってさらに追撃しようとする621を制し、両手の武器をチャージ。

 右からレーザー、左から3点バーストを立て続けに浴びせれば、「エクドロモイPG」は耐久限界に陥って爆散する。

 

 これで残りは2機。

 「LOADER 4」が残りの「エクドロモイ」へと向かっていったのを確認し、俺は「カタフラクト」の方に向き直る。

 

「コード31、2機撃墜された……了解、続行する……」

 

 明らかに不利な状況にもかかわらず、撤退という選択肢を取らせてもらえない哀れな特務部隊員。

 彼が乗っているコアMTの斜め上あたりを取り、マルチエネルギーライフルのフルチャージショットを撃ち込む。

 

 弾はちょうどこれで打ち止めだった。ライフルを「カタフラクト」の履帯の下あたりに投げつけつつ、動きを止めたそれに接近。空いた拳で殴り、光波ブレードを振るって、蹴る。

 再び動き出せば、それを追いかけてアサルトアーマーで即座に再度ACS負荷限界(スタッガー)に。

 そして、またタコ殴りにする。

 

「コード78……D……」

 

 しばらくすれば、封鎖機構きっての陸戦兵器と謳われたそれはあっけなく爆散した。

 同時に、少し離れたところで最後の「エクドロモイ」がパルスブレードの錆となったのが見える。

 

「……やったか、621。それに……」

 

 ウォルターの少し安堵したような声が響いた。

 ……だが、それも束の間。

 

 

「不法勢力に勧告する。直ちに武装解除し投降せよ。さもなくば……」

 

 続いて現れたのは、空飛ぶ艦隊だ。

 

「増援……強襲艦だと……!? 今度は執行部隊か……!」

 

 現れた艦隊。それは地上にレーザーを撒き散らし、大量のドローンを放ちながら進軍してくる。

 数も相まって、かなりの威圧感だ。

 

「クソ、こいつらも撒ける相手じゃない。応戦するしか……」

 

 連戦に次ぐ連戦に、さしものウォルターも動揺が見える。

 そんな彼に、俺は口を開いた。

 

「逃げろ。あいつらはこっちで相手をする」

 

「……何?」

 

「ここに封鎖機構が来たのは、おそらくこちらが『レイヴン』の情報を流したせいだ。その尻ぬぐいくらいはさせてくれ!」

 

 返答を聞かずに、ABを起動。

 そのまま通信を切り、俺は強襲艦隊目掛けて突撃していく。

 

「……撤退しろ、621」

 

「うん」

 

 オープン回線を切った通信機に、一方的に傍受した通信だけが響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……どうにかなりましたか」

 

 作戦領域からかなり離れ、周囲に何の反応も無くなったあたりで、しばらく聞こえていなかったオールマインドの声がした。

 

「ふー、危機一髪だったねぇ」

 

 それから、セラも。

 

「ああ……()()()()()()()()()。オールマインド、セラ」

 

「ええ。『レイヴン』は優先排除対象ですから、それを餌に封鎖機構を誘導するのは容易でした」

 

「隠蔽はボクのほうでやったし、足もついてないと思うよー」

 

 先ほどの封鎖機構の襲撃。

 あの場では、俺が『ブランチ』を誘き出すために撒いた情報に、『レイヴン』を優先排除対象としている封鎖機構もまた釣られた……という事になっていたが、実際のところはオールマインドが新たに情報操作を行って誘導した形だ。

 

「なら良かった。オールマインド、しばらく俺のステータスを安否不明状態にしておいてくれ」

 

「ええ、そうしましょう」

 

 実際、あの場でどれくらいウォルターに疑われたかは分からない。

 が、一先ず有耶無耶にして逃げることは出来た。一旦はそれでよしとしておくべきか。

 

「……しかし、封鎖機構の強制執行システムというのは、我々より遥かに劣っているようですね!」

 

「ん?」

 

「あんな不利な状況でなおも戦闘を継続させようとするなんて、なんと愚かな……まあ、完璧な我々と性能を比較すること自体ナンセンスですが!」

 

「んん?」

 

「そういえば、その執行システムってやつ、さっき色々やってるときに見つけたよ?」

 

「えっ」

 

「……ほう」

 

「なんか、ウォッチポイント・アルファとかいう地下から通信が出てた!」

 

「……なあ、オールマインド」

 

「何でしょう?」

 

「せっかくなら、強制執行システムの代わりをやってみたくはないか?」

 

「……え?」

 

 

「俺達で入ってしまおうじゃないか。そのウォッチポイントに」

 

 

「…………え??」

 

 

 

 

 




LOADER 4

UNIT
R-ARM UNIT:SG-027 ZIMMERMAN(重ショットガン)
L-ARM UNIT:SG-027 ZIMMERMAN(重ショットガン)
R-BACK UNIT:BML-G2/P05MLT-10(10連装ミサイル)
L-BACK UNIT:HI-32 :BU-TT/A(パルスブレード)

FRAME
HEAD:HC-2000 FINDER EYE
CORE:CC-2000 ORBITER
ARMS:AA-J-123 BASHO
LEGS:2C-2000 CRAWLER

INNER
BOOSTER:FLUEGEL/21Z
FCS:FC-008 TALBOT
GENERATOR:DF-GN-06 MING-TANG

EXPANSION:ASSAULT ARMOR


【挿絵表示】



解説
殺意がチラつく主人公機。
本編では一度機体全損イベントがあったのでパーツがガラリと変わっていたが、こちらではそれが無いので比較的初期機体の原型を残している(?)

近接推力で近づいてショットガンをぶっぱなし、パルブレでぶった斬るのが基本。
10連ミサイルのおかげで逃げる敵にも強め。
割とバランスの取れた機体に仕上がった……気がする。

六文銭の一人称

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