オールマインドとかけまして、夏と解きます
その心は
どちらも
ザイレム制御修正とかけまして、コイントスと解きます
その心は
どちらも五分の勝負でしょう
KRSVとかけまして、恋人と解きます
その心は
どちらも複数持つと大変なことになるでしょう
「……率直に言うと、だ」
現れた赤い機体――識別情報によると、その名は「アラマズド」。
それに対し、初めに口を開いたのはラスティだった。
「貴方がルビコニアンにとっての精神的支柱であると認めてはいたが、一方で侮蔑もしていた。灰に塗れた警句を唱えるばかりで何も変えようとしない臆病者だとね。謝罪しておこう」
「構わん。事実だ」
「……ところで、どうして我々が窮地にあることが分かったんだ?」
「勘だ」
「……フラットウェルの気苦労が知れるよ」
言葉を交わした後、「アラマズド」という名を冠したそのACは、墜落しつつあるヘリを足場に跳躍。空中に機体を投げ出したまま、右手に持った大型グレネードを空中で撃ち放った。
そこから放たれた大型の榴弾は、味方の機体が固まっている辺りで炸裂する。
「くっ……!」
突然現れた新手に対応が追い付かず、奇襲めいたその爆撃をモロに受ける友軍機たち。
そして、ドルマヤンはその隙を見逃さない。
「速い……!」
突出した1機をパルスブレードで斬りつけ、
その横から斬りかかろうとした別の機体を逆に蹴り飛ばし、空いた右腕で殴りつけた後に冷却完了したパルスブレードで斬り捨てる。
続いてウェポンハンガーからバーストライフルを抜き、距離を取ろうとした機体にバースト射撃。そして瞬く間に距離を詰めてチャージなしのパイルバンカーを撃ち込み、
「何だこいつ……!」
「化け物か……!?」
狼狽する封鎖機構の隊員たち。
……無理もない。こちらが介入する間もなく、あっさりと3機……開幕のヘリを含めれば4機が落とされのだから。
「……サム・ドルマヤン。何故、こうも我々の邪魔をするのでしょうか……対処してください」
「ああ」
なおも封鎖機構を蹴散らし続ける「アラマズド」を止めるべく、こちらもブレードを構えて距離を詰めるが――――そこに割って入る影が。
「彼にばかり、良い恰好をさせるわけにもいくまい……!」
ブレードを止めたのは、「スティールヘイズ」のレーザースライサーだった。
そして続けざまに放たれる蹴り。それを躱すために飛び退けば、上から「バレンフラワー」が放ったプラズマが降り注ぐ。
「このHC、雰囲気が違うな……不自然なまでに多い封鎖機構の戦力と併せて考えると、これはもしや……」
「…………」
巧みに連携を取り襲ってくる2機。
前衛かつ耐久力の低い「スティールヘイズ」に攻撃を集中して潰そうとするが、機動力に特化した機体による回避運動はなかなかそれを許さない。
そして、そう攻めあぐねている間に「バレンフラワー」による支援攻撃が着実にこちらを削りにかかる。
ならばとターゲットを切り替え、「バレンフラワー」に攻撃を向けるが――4脚特有の安定性と、ある程度の回避能力を両立したその機体は存外にしぶとい。
――そして、背後をレーザースライサーの刃が掠める。
攻撃対象から外れた「スティールヘイズ」が攻めに転じたようだ。
「……オキーフ。貴方が、私も知らない背景を秘めていることは薄々感づいていたが……その上で協力できると考えていいんだな?」
「……ああ、お前との利害は一致しているさ、ラスティ。そして……貴方もそうだろう?」
オキーフがそう告げた相手は――今もなお封鎖機構の機体を薙ぎ倒し続けているサム・ドルマヤンだ。
「友軍機、もうだいたい半分くらいやられてる……このままだとヤバいかも」
セラの言う通り、「アラマズド」は凄まじい勢いで敵を撃破し続けていた。
このままでは、遠からず3対1に持ち込まれるだろう。
そう思い、いち早くこちらの2機を落とすべく速度を上げる――と同時に、ドルマヤンがオキーフの問いに返答を返す。
「そうだな。コーラルをルビコンの内に留め、人間世界の悲惨を防ぐ――それが私の目的だ」
「……何故」
そしてその言葉に対して、オールマインドが反応を溢した。
「何故、新たな可能性を認めることなく……人によるコーラルの抑圧と搾取を、潜在的な破綻のリスクを容認し続けるのでしょうか」
「…………」
どうやら、それは秘匿回線で俺にだけ言い放たれた言葉だったらしい。
よってオールマインドの言葉に対する相手の返答はなく、ドルマヤンに対するオキーフの言葉だけが響いた。
「ああ。こちらとしても、人間らしさ……味気ないレーションを食い、泥水のようなフィーカを啜る……そういう、人間としての当たり前を守りたいだけだ」
「…………」
……その言葉に、俺は何を思ったのだろう。
「……人間人間と、うるさいな」
実際、無線で敵と話に興じるつもりは無かったのだが。
気付くと、オープン回線でそんなことを口走っていた。
「人間であることが、そんなに上等か?」
……どういう訳か、存外に俺は苛立っているようだった。
まあいい、どのみちこいつらを排除するのが今回のミッションだ。
対象が1人増えたとはいえ、やることは大して変わらない。
「何だと……」
「…………」
俺の言葉にオキーフが反応を示したが、これ以上話すことも無かった。
ブースタの出力を上げて、地面を蹴る。
目指すのは上だ。HCの空戦能力を活かして、高度を上げていく。
ホバーモードで滞空する「バレンフラワー」を追い抜いて、さらに上へ。
「そう来たか……!」
やられた、という反応を示したのはラスティだ。
「スティールヘイズ」に搭載されたブースタは、平面上では最高クラスの機動力を発揮するものの、反面上昇性能では劣る。
故に、滞空する「バレンフラワー」のさらに上、「スティールヘイズ」が届かない高空から削り殺す。
継続的な滞空が可能なHC故の戦法だった。
「……うんざりするな、本当に」
高度を維持しつつ、真上から銃弾、グレネード、パルスを徹底的に降らせる。
対する「バレンフラワー」も撃ち返してくるが、集中して回避できる状況ならば躱すのはそう難しくない精度だった。何らかの感傷かこだわりか、やたらと性能の低いFCSを使っているせいだろう。
1対1の撃ち合いならば、こちらが圧倒的に有利。
ただし、もちろん「スティールヘイズ」もただ黙って見ているわけではない。
AB推力とEN容量に物を言わせ、無理矢理高度を上げてこちらを射程内に収めようとしてくる――――が、継続的に浮かんでいられるわけではない以上、急上昇と地上でのEN回復を交互に行いながら攻めざるを得ない。
その隙に、回避直後の「バレンフラワー」へとグレネードを撃ち込んで
そのままブレードを発振して斬りかかる、が――――その刃はパルス防壁に阻まれて止まった。
「まだ、死ぬつもりはない……!」
ブレードに斬り捨てられる直前でパルスアーマーを展開した「バレンフラワー」。
それはコア拡張の起動と共にホバーを解除したまま、地上に向かっていく。
……単純な道理だ。この状況なら、「バレンフラワー」に滞空を続けるメリットはない。それなら、4脚のアドバンテージを捨ててでも、地上戦に移行した方が得だろう。
そしてこちらも、高高度から相手を一方的に攻撃できるような武装構成ではない。
相手が地上に降りるなら、こちらも地上に近づくしかないわけだ。
高度を落とす。結局2対1だが、仕方が――――
「……後ろ! 避けて!」
「…………!」
背後、紙一重の距離でパイルバンカーが炸裂する音がした。
間髪入れずに振るわれたパルスブレードの刃を、こちらもブレードを使って止める。
「……これも反応してくるか……ならば!」
一連の攻撃を放ったのは、勿論「アラマズド」だ。そしてそのコアは再び展開し、コーラルを含んだパルスの波動が迸りつつあった。
「……チッ!」
今にもアサルトアーマーを放とうとするそれを蹴り飛ばしながら全力で後退。
コーラルで装甲を焼かれながらも、ギリギリで致死圏内から遠ざかる。
そしてその先には、レーザースライサーを振りかぶる「スティールヘイズ」の姿。
即座に、手に持ったライフルを投擲する。
それは即座に斬り払われるが、代わりにスライサーによる攻撃をほんの僅かに遅らせた。
その一瞬の隙に「スティールヘイズ」の右側をすり抜け、どうにか回避に成功する。
「…………はあ」
……キツイな。
武装を1つロストし、ダメージの蓄積もある。
周囲を見渡せば、他の封鎖機構機体は既に全滅していた。
対して、敵は3機とも健在。あちらも疲弊が無いわけではないだろうが、浅い。
「…………してください」
この不利な状況から、どう勝つべきか。
どう殺すべきか――――
「撤退してください、モンキー・ゴード」
「えっ」
「貴方は計画に必要不可欠な存在です。ここは撤退してください」
オールマインドの言葉で、ハッとする。
確かにそんな選択肢もあった。どうやら思ったより冷静ではなかったようだ。
「ボクもそう思う、一旦逃げた方がいいって!」
「確かに、そうだな」
……ただ。
「だがその前に……セラ、ちょっと頼まれてくれるか?」
「……?」
交信で幾ばくかの頼みを告げる。
そうしてから、迫りくる敵に対してブースタを全開にした。
「ほう、なおも向かってくるか……!」
「合わせるぞ、ドルマヤン……!」
それを挟み込むような形で、パルスブレードとレーザースライサーの斬撃が襲い来る。
対する俺はパルスブレードの方へと突っ込みつつ――その刃に両肩のパルスキャノンを向けた。
パルス同士が相殺する性質を利用してパルス刃を
これで前衛は抜けた。その先にいるのは当然、後衛の「バレンフラワー」。
ブレードを構え、突撃する。
「……セラ!」
「……うん!」
合図と共に、レーザー刃の勢いが増した。
機体システムに干渉しての、強制的な出力向上。
それはブレード自体がすぐに自壊してもおかしくない荒業だが、1回保てばいい。
「破れかぶれか……!」
強引な急襲に、対応しきれない様子の「バレンフラワー」。
だが、
そう考えたのか、「バレンフラワー」は斬撃を貰いつつもカウンターを入れるべく、構える。
――――次の瞬間、その脚部とコアが切り離された。
「何が……!?」
4脚AC、「バレンフラワー」。そのフレームはかなり特異なもので、重量のある腕部脚部に対してコアが非常に軽量という樹大枝細の逆のような構成だ。
そして軽量コアと4脚を組み合わせている接合部は、かなり細い。
――――HCのブレードを更に超過駆動させれば、無理矢理切り離すこともできそうなくらいに。
……撤退はする。だが、ただおめおめ帰るのも癪だ。
1人くらいは、貰っていこう。
「……オールマインド! 通信妨害とジャミングを全力でやってくれ!」
「はい!」
そう言いつつ、自壊寸前のブレードを放棄。
空いた両手で「バレンフラワー」の上半身を引っ掴み、そのままACが届かない高度まで上昇を始める。
「……さすがに重いな」
重量を少しでも削るため、肩のパルスキャノンも放棄する。
それでも、ジェネレータや武装、腕部だけで結構な重量がある「バレンフラワー」を抱えたまま継続的に飛び続けることは出来ないだろう。
だが問題はない。一時的に高度を上げることが出来れば十分だ。
何故なら、4脚ACのブースタは脚部に集中している。
2脚や逆関節であれば背部に付けるメインブースタを、4脚は脚部後方に付けるからだ。
……よって、今の「バレンフラワー」には、肩部に搭載された姿勢制御用のそれくらいしか推力を生むものが無い。
だから、一時的に高度さえ稼げば十分というわけだった。
「……お前、オールマインドの手の者だろう」
今は通信妨害が展開されているが、物理的に接触しているためかオキーフの声が聞こえる。
「悪いことは言わん。リリースに夢を見るのは……やめておけ」
「……夢なんか見てないさ」
……十分な高度に達した。
「ただ、そうだな……友人の夢を応援するのも、やぶさかではないと思いかけてるだけだ」
それだけ言って、「バレンフラワー」を
「悪いな、ラスティ。先に――――」
通信が途切れると同時に、それは錐揉み回転をしながら墜ちていった。
――――アーキバスの傘下企業であるシュナイダーが、突如親会社からの離反を表明。
以降、ルビコン解放戦線との協力関係に入るという旨の声明を、解放戦線の重鎮と共同で発表した。
同時に、ベイラム・インダストリーの実働戦力であるレッドガン部隊もまた声明を発する。
彼らは民間軍事会社として本社から独立するとともに、当面は解放戦線の雇用下に入ると宣言した。
この宣言に対しベイラム本社は追及を行うが、帰ってきた答えは「死にたくなければルビコンとコーラルから手を引け」という一言だけだった。
また、レッドガンの独立宣言と同時に、それまで表向き中立を標榜していたファーロン・ダイナミクスにも動きが。
彼らもまた、公式にアーキバスによるルビコン進駐を非難し、現地住民に対する支援を大々的に行うと表明したようだ。
以上の報告を聞かされたのは、久しぶりにオールマインドの拠点に帰ってからそう間もない頃だった。
アラマズド
UNIT
R-ARM UNIT:
L-ARM UNIT:
R-BACK UNIT:
L-BACK UNIT:
FRAME
HEAD:AH-J-124 BASHO
CORE:AC-J-120 BASHO
ARMS:AA-J-123 BASHO
LEGS:KASUAR/42Z
INNER
BOOSTER:AB-J-137 KIKAKU
FCS:FC-008 TALBOT
GENERATOR:IA-C01G:AORTA
EXPANSION:ASSAULT ARMOR
【挿絵表示】
解説
色々やりたいことを詰め込んだ機体。
実は積載超過しているが、これは開幕でグレネードぶっぱして即捨てる前提のため。
解放戦線の財布事情が心配になるが、ドルマヤンは気にしなさそう。フラットウェルは頭抱えそう。
足を逆関節にしたのは、パルスブレードの2段目が脚部の跳躍性能に依存するという仕様のため。
KIKAKUと相まってアホみたいな踏み込みを連発できるので楽しい。
そしてスタッガーを取ったらパンチを介してどこからでもチャージパイルに繋げられる。まあAC相手だとだいぶシビアだが、スタッガーが長い封鎖機構機体が相手だとめっぽう強い。
あと名前の由来はアルメニア神話の最高神アラマズドから。
ドルマヤンというのはアルメニア系の名前で、アストヒクというのもこの神話に属する神の名前らしいので。
どれが見たい?
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オマえもんの続き
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「私はオマ―、新型です」(一発ネタ)
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「465、仕事の時間だ」「ん」
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捏造技研過去編(独自設定祭り)