「目覚めたようだな……モンキー・ゴード」
……何だろう。気が付いたら何処からか謎の声が。何者だ?
「分からないか……? オレは貴様と表裏一体、鏡合わせの存在さ……」
「何だと……?」
「そう、オレも死地からの帰還を果たしたんだよ……貴様と同じようになぁ!」
「お前、まさか……!」
「そうとも、オレの名はトーマス・カーク! またの名を……
「何ィィィィィ!!!」
「さあ死ねモンキー・ゴード!! そして明日からは……『転生したらトーマス・カークでした』の始まりだァ!!!!」
「ギャァァァァァ!!!!!!」
水色のACがレーザーランスを構える。
鳴り響く汽笛と共に俺は轢殺され、空の果てまで吹っ飛んでいくのだった。
「……はっ」
「おや、目覚めたようですね。本日の朝食のフレーバーはタコライス味ですよ。その名の通りタコ焼きと白米が見事に調和した――――」
「どしたの? なんかうなされてたっぽいけど」
「……夢か」
うーん。最近疲れてるのかな、俺。
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実験兵器破壊
作戦領域:ベリウス中部-解放戦線防衛拠点「壁」
依頼者:アーキバス・コーポレーション
作戦目標:拠点襲撃/敵機撃破
報酬:300,000COAM
詳細
・再度解放戦線の制圧下に落ちた重要拠点「壁」の襲撃
および当該拠点で開発中と目される実験兵器の破壊
・途中合流する僚機あり
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MISSION BRIEFING
「近日中に昇進を予定している傭兵起用担当のペイターです。独立傭兵各位に依頼を公示いたします」
「作戦地点はべリウス中部の重要拠点、『壁』です」
「コーラル争奪戦の開始以来、様々な勢力の手に渡ってきた当該拠点ですが、今は本来の持ち主であるルビコン解放戦線の支配下にあります」
「独立傭兵各位には、先遣部隊としてこれを襲撃して頂きたい」
「また、未確認ですが当該拠点では実験的な新兵器の導入が進んでいるという情報もあります。そちらを確認できた場合、破壊してください」
「なお、こちら側も当作戦に試験的無人兵器を投入する予定です」
「少々喧しいですが、聞き流すのがよいでしょう」
「ブリーフィングは以上です。奮ってご参加ください」
……ふう、いろいろあったがやっとアーキバスの依頼だ。これで本来の目的に移れる。
前の依頼は風邪ひいた時の夢みたいな感じだったしな。
置いて帰ったはずの
さて、そうと決まったら心機一転、機体の方も少し変えるか。
アーキバス寄りの傭兵と表明する意味でも、そちら側のパーツを多めに使って組んでいこう。
……出来た。
……やはり疲れているのだろうか?
「……ミッション開始」
新しく組んだ機体に乗って、またもや「壁」の周辺に降り立つ。
封鎖機構に渡ったり、解放戦線に戻ってきたりと忙しい「壁」だが、まあ基本的には変わらぬ様相だ。街区にはMT部隊がひしめき、その奥には再建された砲台が並んでいる。
「続きまして、中央氷原在住の企業所属、Fさんからのお便りです。なになに……『最近、敵対企業のパーツが手に入りにくくて困っています。でも自社のパーツは飽きてしまいました。どうすればいいでしょう』」
「…………」
「なるほど、これは簡単ですね! 我々オールマインドのパーツを使えばいいのですよ! 特におすすめはKRSVです!!」
「……何してんの?」
「何って、AMラジオですよ。この前言いましたよね?」
「マジでやってんのかよあれ……」
「続いてのお便りは、同じく企業所属のSさんです。なになに……『厄介事を大量に生成する上司を平伏させたいのですが、戦闘力だけはあって困っています。どうすればいいでしょう』……これも簡単ですね、KRSVを使えばいいのですよ!」
「…………」
まあ、超広域回線で垂れ流されているラジオについては放っておこう。
そんなことよりミッションだ。
「街区前方に敵影あり! ACだ!」
防衛線が張られている街区を迂回し、崖になっているところから「壁」に接近。
遮蔽が無いそのルートは狙撃砲台の格好の的だが、難なく躱して砲台が並ぶ足場に取り付いた。
後は、後続部隊のための露払いを果たすだけだ。自衛手段のない砲台にバーストマシンガンや拡散レーザーキャノン、プラズマミサイルを撃ち込んで次々と破壊。
場所が同じなだけあって、流れとしては前にもやった「壁越え」とほぼ同じだった。
「アーキバスめ、これ以上進ませるか……!」
続いて出てきたのは4脚MTだ。
9連キャノンを躱し、プラズマミサイルとマシンガンの弾をバラ撒きながら接近。
そして間合いに入ると同時にレーザーランスを起動、チャージした全力の刺突を放った。
レーザーで形成された巨大な穂先と増加ブースタによる大推力が生み出す衝撃に耐え切れず、ACSが限界に達した4脚MT。
吹き飛んでいくそれに対して、拡散レーザーキャノンを向けた。
既にチャージは完了している。変形した砲口から収束したレーザーが放たれ、着弾と共に大爆発を起こした。
「おのれ……!」
爆散する4脚MT。これで街区における露払いは粗方完了したと言っていいだろう。
「こちら昇進予定のV.Ⅷペイター。これより試作無人機の投入を行います」
……そして同時に、後方で戦況をモニタリングしていたアーキバス側も同じ判断をしたらしい。
街区前面に、僚機を示すマーカーが1つ出現した。
「……新手だと!?」
「普通のレーザーの威力じゃないぞ! 新兵器か!?」
どうやら高威力のエネルギー兵器を使っているらしいそれは、街区の防衛戦力を蹴散らしながらこちらにやってくる。
そのまましばらくすれば、それの姿が見えた。
技研製の無人ACである「エフェメラ」をベースに、アーキバス製のパーツを使ってEN武器に特化させたのであろう代物。さしずめ「アーキバス・エフェメラ」といったところか。
「教育教育教育教育…………教育……教育……教育……教育……」
その無人機は、絶えず譫言を発しながら街区を進軍していく。
「教育……教育……教育、教育、教育! 遥かに効果的だ、大量殺人よりも遥かに! ハハハハハハ!!」
「なんなんだこいつは……!」
「アーキバスめ……!」
意味不明な言動に反して、「アーキバス・エフェメラ」はかなり強い。
おそらく、コアの出力特性を活かしてEN特化型のジェネレータを積んでいるのだろう。大型高火力のEN兵器をさらに威力を引き上げて運用できている。
その火力に、街区の防衛戦力はみるみる殲滅されていった。
「この私が手ずから不法者どもを教育し、アーキバスの敷く法の下に千年王国を樹立するのだ! アーキ坊やを絶対の君主としてなぁ! クククククク、教育教育教育教育!!」
「おいたわしやスウィンバーン……このペイター、必ずや貴方の分まで昇進して見せるぞ……!」
「死刑、死刑死刑死刑! ペイターは死刑!!」
「そんな! 一体何が不満だったというんだスウィンバーン! 私はあんなにも貴方を慕っていたというのに!」
ブリーフィングの通りに通信が非常に喧しいが、ブリーフィング通りに聞き流すこととする。
これならAMラジオを聞いていた方がいいかもな、なんて思いつつ、街区の掃討は問題なく完了した。
そして、いよいよ「壁」内部に突入しようとした時。
「くっ……! 正直あまり使いたくは無かったが、あれを出すしかないか……!」
突如、上空から何かが姿を現した。
それは、ある意味「壁」の象徴とも言える兵器。
重装機動砲台、「ジャガーノート」。
――――その原型を、辛うじて残した何かだった。
「ジャガーノート」が持つ一番の特徴は何かといえば、それはやはり前面装甲だろう。
ACの武器を容易く跳ね返し、背後や上空からの攻撃を強要する強固な物理装甲。
それが、そのまま宙に浮いていた。
比喩とかではない。「ジャガーノート」の前面装甲だけが分離して浮かんでいる。
そうとしか形容できない様相で、それは上空に佇んでいた。
「ハハハハハハ! 来たな本社の反空力主義者どもめ! 見るがいい、我らシュナイダーの技術で生まれ変わった、この『ジャガーノート・ツヴァイ』を!!」
「……やはり、あのような連中に頼るべきではなかったのではないか……?」
解放戦線の現場指揮官と思しき誰かの呟きをよそに、「ジャガーノート・ツヴァイ」と名付けられたそれは地雷を撒き散らしながら襲ってくるのだった。
アーキバス・エフェメラ
UNIT
R-ARM UNIT:
L-ARM UNIT:
R-BACK UNIT:
L-BACK UNIT:
FRAME
HEAD:VP-44D
CORE:IA-C01C:EPHEMERA
ARMS:VP-46S
LEGS:VP-422
INNER
BOOSTER:BST-G2/P04
FCS:FCS-G2/P10SLT
GENERATOR:VE-20B
EXPANSION:TERMINAL ARMOR
【挿絵表示】
解説
アーキバスが改修したエフェメラ。
コアの出力補正を最大限に生かして150ジェネを運用し、光波武器+LRBの火力を引き出すことに成功した。
そしてそのパイロットとして白羽の矢が立ったのが、再教育センターに送られたスウィンバーンだった模様。何気にスウィンバーンはEN武器を一切使ってなかったのに。可哀想。
性能面では150LRBが特に強力。スタッガーに上手くチャージを合わせることが出来ればかなりの威力が出て楽しい。
どれが見たい?
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オマえもんの続き
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「私はオマ―、新型です」(一発ネタ)
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「465、仕事の時間だ」「ん」
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捏造技研過去編(独自設定祭り)