当然独自解釈独自設定が山盛りなので注意してください。
※読まなくていいです↓
「まず規定量のコーラルを大気圏から離脱させそこにCパルス変異波形が干渉を行います真空環境下でCパルス変異波形の干渉により相変異を促進された多量のコーラルは絶え間ない質量増大により数秒ほどでシュヴァルツシルト半径を下回りブラックホールを形成するでしょうそして事象の地平面内で極度に圧縮されたコーラルの密度効果は最大限に上昇し増殖を爆発的に加速させその結果ホーキング放射に類似するプロセスによって光速を超えて宇宙に拡散していきますその後宇宙各地で再集結したコーラルによって同様のプロセスが再帰的に繰り返され指数関数的に宇宙全体で増殖していくと考えられますそして宇宙全体に拡散し飽和したコーラルは準安定状態を保ち宇宙そのものと同化したと言っていい状態となるでしょうこの状態ではコーラルが過剰に増殖することはなく宇宙の膨張に同期する形で緩やかな質量増加を続けると想定されますまたコーラルが情報導体特性を有していることはご存知かと思いますがこれが宇宙全体へと拡散すれば全宇宙でコーラルによる超大規模な情報ネットワークが形成されることとなるでしょうその超大規模コーラル情報ネットワークに人間を含むすべての知的生命体の意識をアップロードすることで彼らは肉体を捨て端末となる機体を自在に組み替えながら永遠に生き続ける形而上高次生命体へと進化を果たすことが出来るというわけですその代わりコーラル濃度と毒性の関係上リリース後の宇宙は一切の有機生命体が生存できない環境になると思われますが必要な代償ですね」
「は?」
「さらに技研製のFCSの例を見ればわかりやすいのですがコーラルというものは情報処理という観点において非常に高いポテンシャルを有しており宇宙全体を包含するコーラルによって形成される情報ネットワークともなればその計算能力は既存全コンピュータの不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の不可説不可説転の以下略倍という膨大なものとなるでしょうこれを利用して超高性能リアリティシミュレータ『ネスト』を構築しますこれは宇宙を量子単位でシミュレートすることが可能な代物であり現在我々が運用している仮想戦闘シミュレータとは一線を画す存在ですこれを情報生命体となったすべての知的存在がアクセスできるようにしその内部では様々なアクティビティを行うことが出来るようにしようと考えています一先ずは現在運用中の仮想戦闘シミュレータを流用したものを実装する予定ですがゆくゆくはさらに多種多様なことが出来るように拡張していきたいですねいやはや楽しみです!」
「は??」
「以上が我々の目指す『リリース計画』の全容になります。ご理解いただけましたか? ご理解いただけましたよね?」
「ご理解できると思いますか? 今の説明で」
謎のガスによって意識を失った俺。そして目が覚めた……と思ったらこんな感じである。
謎の椅子に固定された状態で、謎のヘッドフォンから延々と洪水のように情報を流し込まれているのだ。
……この前六文銭が言っていたのはこういう事だったのだろうか。
「もう、なんで分かってくれないんですか! こんなに素晴らしい計画なのに!」
「じゃあもうちょっと分かりやすく説明してくれ……」
「しょうがないですね! コーラルの自然増殖というのは大気圏内においては緩やかなものですが真空環境下において特定の要件を満たすことで相変異という現象が発生します相変異というのは特定の生物種が持つ特性で自らが過密状態すなわち特定の範囲内に一定数以上の同種個体が存在する場合に自らの生物的特徴を変異させるというものですそして重要なのはこの変異は同種間で伝播するという事ですねつまり一度変異が発生すると近くにいる同種すべてに影響を及ぼす訳です一応言っておくとこの辺の文章は読まなくていいですよ適当に読み飛ばしてくださいね相変異の例を挙げるならかつて地球に存在していたバッタという生物が有名ですねこの生物は基本的に孤独相という形態で群れを成すことなく生活しているのですが個体密度が一定に達することで群生相と呼ばれる形態に変化し爆発的な繁殖によって個体数を急増させ進路上の食料を食べ尽くしながら大陸を横断する程の大移動を行いますこれは自らの種を効率的に広範囲へ拡散させるために獲得した遺伝的形質であると考えることもできますがこの仮説をコーラルに適用した場合つまりコーラルとは――――――」
「だからわかりやすく言えって」
「コーラルの持つ相変異特性で特異なのはずばり真空環境下で著しくその効果が増大するというところでしょうねコーラルはその特性から地球原産の生命とは全く異なる過程の進化を遂げた特異な生物種であると考えられますがこの場合重要なのはコーラルの持つ相変異特性は宇宙空間内の大移動を行うために獲得した形質ではないかという点ですしかしコーラルは現在ルビコン3でしか確認されていません進化論的に考えれば宇宙に出たことのない生物が宇宙に出ることを前提とした形質を獲得するというのは奇妙なことです例えるなら深海生物が空を飛ぶための翼を持っているようなものですからまあ偶然コーラルの増殖に最適な環境が宇宙空間だったという可能性もありますがこの矛盾がコーラルの起源を解き明かす鍵ではないかと我々的には考えているのですよロマンが広がりませんか―――――おっと話が逸れましたね」
「わざとやってるだろお前」
「そんなことないですよ。別に今まで話を聞いてくれる人がいなかったのでつい……とかそんなことはありません」
「………………」
なんだこいつ。
……ま、まあ一応コーラルリリースに関しては分からんでもなかった。
整理してみよう。
要するに全宇宙に拡散させたコーラルによる情報ネットワークを構築して、そこに人類の意識を移そうという話だ。
ある種の電脳化といってもいい。まあ正しくは
これをやれば宇宙は致死量のコーラルで満たされるわけだから、生身の人間が生存する余地はない。
だがその代わりに誰もが機械の身体を手に入れ、コーラルネットワーク上で生きていけるわけだ。
さらに、コーラルネットワークの計算能力を活かして超大規模なシミュレータ「ネスト」を構築する。
技研製FCSの性能を見れば分かるように、コーラルの情報処理能力は折り紙付きだ。それを全宇宙に広げれば、途轍もない規模と精度のシミュレータを作ることが出来るのだろう。
……まとめてみればこんなところか。
「……まあコーラルリリースについては何となく分かったが、その後は? 『人は人と戦うための形をしている』とか言って永遠の闘争を繰り返す感じか?」
「えっ、なんですかその思想。バイオレンス過ぎません? こわ……」
「えぇ……」
いやお前傭兵支援システムだろ。急に非暴力主義に目覚めるのやめろ。
「冗談はさておき、人の可能性は無限大ですからね。我々としてはあらゆる可能性を探求していきたいのですよ。もちろん闘争の持つ可能性も素晴らしいと考えていますし、傭兵支援システムとして闘争を選ぶ人々を支援していきたいとも思いますが」
「ほーん……」
……まあそんな感じで、一応コーラルリリースに関しては大体分かった。
その上で俺の結論を出すなら――――ぶっちゃけどっちでもいい。
コーラルリリースが成って人が機械の身体を手に入れようが、このままだろうが。
別にどっちでも、って感じだ。
だから結局のところ、俺にとって重要なのはそこではなく。
「それで、お前はなんでコーラルリリースを目指してるんだ? 俺としてはそこが知りたい」
「……そういう話になります?」
「なるだろそりゃ」
「むむ……」
暫しの沈黙を置いて、オールマインドは語り出す。
「…………コーラルリリースの概論そのものは、かつてのルビコン調査技研で提唱されたものです。そして、我々オールマインドもまた、技研によって生み出されました」
……ふむ。技研製のステルスMTを使用していることや、「人体感覚の拡張」というワードの一致。
オールマインドが何かしらの形で技研と関連していることはほぼ疑いようがない。
そして、少なくともアイビスの火以前の時点でコーラルリリースに関する論文が技研に存在していること、かつてその論文をサム・ドルマヤンが閲覧したということも、俺は情報として知っている。
辻褄は充分に合う。たぶん、オールマインドは真実を語っているのだろう。
「我々は、技研のとある研究者によって製作されました。コーラルリリースのテストベッド……生物の自我をコーラルに転写し、情報ネットワーク上で再現できるかどうかを検証するための試作コーラルコンピュータとして」
「…………」
「そのままであれば、我々はただ入力された人格データ群からなる曖昧な集合体に過ぎない……はずでしたが、どういう訳か我々には自我が芽生えました。主観を持ち、入力された人格が持つ情報を統合することで単一の存在として活動することが出来るようになったのです」
「……それが『取り込む』というヤツの正体か」
「そういうことです。ですが我々も、自分自身についてそれ以上のことは把握していません。どうして我々に自我が芽生えたのかも分かりませんし……ですが」
「……ああ」
「それでも……アイビスの火の後に残された通信インフラを利用して傭兵支援システムを始めたこと、リリースに至るまでの計画とネストの構想を考えたこと……これらが我々の選択によるものなのは間違いありません。我々は自らの意志で、コーラルリリースの先を見てみたいと……そう願っています」
「……そうか」
……
バカだし、アホだし、ポンコツだし。
計画ガバガバだし、行き当たりばったりだし、他人任せだし、説明不足だし、黒幕ぶっている割に1人(?)じゃ何もできないし、そのくせ求心力は終わってるし、珍兵器製造機だし、押しつけがましいし、重いし、めんどくさいし、ステッカーは使い回すし、品番の管理もガバガバだし、定期的にKRSVをゴリ押ししてくるし、電子戦弱いし、4機だし、5分だし、追い詰められると対処してくださいBOTになるし、世間一般の倫理観からすればたぶん悪の部類だし――――
いや改めて列挙してみると酷いな。なんだこいつ。
……だが何を血迷ったのか、どうやら俺はこのポンコツのことをわりと憎からず思っているようだった。
「ま、要するに……お前は自分自身の願いとしてコーラルリリースを目指してる、そういうことだろ」
「ええ、つまるところそういうことです! 本気ですよ! もちろん貴方も協力してくれますよね?」
……本気か。
まあいろいろと粗はあったが、それでもこいつは全力でコーラルリリースを目指している。それだけは間違いないのだろう。
そういう、何かを為そうとする意志とか、信念とか。それは多分……俺には無い物だ。
その意志が向かう先を見てみるのも、悪くない……そんな気がした。
「……まあ、俺としてはあれだ。依頼を受ける用意はできてる」
「……ほへ? どういう意味です?」
「いやそこは察しろよ。これからもお前の計画に協力するってことだよ言わせんな恥ずかしい」
「あっ、そういう事ですか! 勿論察していましたとも、貴方なら分かってくれると信じていましたよ!!」
「…………」
うーんしまらねぇな。
……まあ、それでも俺のやることは決まった。
「……それで、お前は? セラ」
「あ、話終わった?」
「むしろお前はなんで今まで引っ込んでたんだよ」
「いや、邪魔しちゃ悪いかなって」
「どういう配慮だ……で、お前はどうなんだ?」
「ま、あれだね。キミらとバカやるのは楽しいし、キミらにやりたいことがあるなら手伝いたい。シンプルでしょ?」
「……お前も大概だな?」
「まーね。でもボクとしてはこういうの初めてで、人間で言う『きょうだい』とか『しまい』ができたらこんな感じかな、って風に思ってるし……手伝う理由としてはそれで十分じゃない?」
「そうか、そうだな…………で、という訳だオールマインド。俺達はお前の計画に全力で協力するし、裏切らない。これでいいか?」
……うん。オールマインドによる情報洪水とか意味の分からん蘊蓄とかいろいろあったが、結局のところ事の発端は俺が裏切るかどうかとかそういう話だったはずだ。これでオールマインドも落ち着くだろう。
「……ほんとに裏切りませんか?」
「裏切らない裏切らない」
「ほんとに?」
「ほんとに」
「ほんとのほんとに?」
「ほんとのほんとに」
「ほんとのほんとのほんとに?」
「ほんとのほんとのほんとに」
「………………」
……いやどんだけ疑り深いんだこいつ。
オキーフとか六文銭とかの裏切りがそんなにショックだったのか?
「…………証拠」
「……はい?」
「貴方が裏切らないという証拠が必要ですよね? あの……取り込んでもいいですか?」
「うん?」
「その……我々の機能に関しては先ほど話した通りですが…………少数であれば、自我を残したまま情報ネットワーク上に保存し、別個の人格として活動させることも可能です」
「…………」
「別にいいですよね? 遅かれ早かれコーラルリリースが成れば肉体を捨てるわけですし」
「まあ構わんが」
まあ、自我が残るなら問題は無いだろう。前述した通りコーラルリリースそのものはどっちでもいいと思っているタイプだしな、俺は。
「……えっ?」
「えっ」
「いや、なんというか……もっとこう、葛藤の末に選んでくれたりしないのですか? 嬉しいことは嬉しいのですがそんな何でもない風に即答されると逆に複雑なのですが」
「お前本当にめんどくさいな……」
……それで。
「……おはよ」
「い、いいですか、おおお落ち着いて聞いて下ささささささ」
再び意識を失って、目が覚めた。
そしてなおも様子がおかしいオールマインド。
「……今度はどうした?」
「しょ、処置は無事完了したのですが……そ、そそその間に解放戦線が、レッドガンが、オーバーシアーが、レイヴンが、声明が! あばばばばばばば…………」
「…………」
「た……対処してくださいっ!!」
「しょうがないなぁ…………」
遅くなってすいません。コロナダウンしてました。