UB?なにそれ美味しいの?   作:白井あおい

3 / 24
書き始めにプロローグ書けてないことに気づいて投稿です。何やってんだかね…


プロローグ.歯車は動きだす

火の中、壊れる機械、暴走するこども(捨て駒)。その全ての中から彼は必死に少女を探していた。

 

「ふむ、わざわざ(オレ)を呼び出したかと思ったら…なるほど、確かにここは相応しいではないか」

「ヒーロー、か…?」

「んん?貴様は誰だ?」

 

ぽつりと呟いたその声は、しかりと王の紛い者に届き。

 

「あぁ、ここに来たただのおっさんだよ。まあ…ちょいと手伝ってくれないか?」

 

彼にとっての一筋の光明となるのだった。

 


 

事の発端は彼、義爛が一つのとある依頼を受けたことだった。

 

「子守りだあ?」

「ああ、子守りだ。一日子守りをするだけで100万、3ヶ月間の雇用で計9000万…なんなら契約金として1000万追加で払う。悪い契約じゃあないだろう?」

「怪しすぎんだよそれ」

 

そういってアメスピを一息吸う。鼻につく匂いと煙が彼を雇おうとする黒服にへばり付く。猜疑の視線を受けて尚、黒服は一切気にした様子もなく堂々としていた。

 

「実を言うとな…お前に俺の娘を預けたい。その為に一回慣れてもらいたくてな」

「なんでだよ。情報屋に頼むもんじゃねえ」

「いやいや、お前ぐらいしか頼めねえんだよ」

 

アルコールが入っているのか、やけに軽々しく話す黒服。

 

「表社会だと俺が何時会えるのかがわかんねえから除外。裏社会の何でも屋に近い情報屋からロリコンや食人鬼を除外。…するとあら不思議!ここに辿り着くって訳さ!」

「そんなんどうでもいいんだよ。……まあ、契約の制限によっては受けてやらんこともない」

 

義爛にとって黒服は黒服の所属組織の中で最も常識的なお得意様だった。金になり、お得意様に恩を売れる。契約を結んで構わない、そう判断したのだ。

 

「おう、助かるぜ。義爛は何をどうしたいんだ?」

「大前提としてお前の娘には裏社会の仕事はバレないようにした方がいいのか?それによって子守りのスタンスも変わってくる」

「知ってはいる。が、それはそれとしてバラすのはNG。あくまで数ある仕事の中に一つだけある、って位まで隠蔽すりゃいいさ」

「わかった」

 

受けたなら墓場まで丁寧に、が義爛のモットーである。逐一重要な情報を確認していく。

 

「んで、お前の名前が娘から漏れた場合は守秘義務の範疇に入れるか?」

「入れろや。つーかなんでそんなくだらんこと一々確認するのかねぇ…」

「それがモットーだからな」

「その信条じゃあ組織所属は無理だな」

「俺はフリーだ。これからも、な」

 

軽口を叩き合いながらも話す内容は重要そのものである。一言一句、間違えないように神経を張り巡らせる。

 

「んで、お前の娘の情報は?まさか預けるのに一切情報なしで渡す、なんてことはないだろうな?」

「ないない。明日に組織の依頼でこっちに来るからそこで渡す」

「…できれば今ここで済ませたかったな」

「しゃあない、そういうもんだ」

「それで、何時頃から預かりゃいい?」

 

「明後日だな。…いけるか?」

「馬鹿にしてんのかよ。問題ねぇよ」

「家の娘に手ぇ出すなよ?」

「出さねえよ…ロリコンじゃあるまいし」

「それじゃあもし危険が迫ったらぶちのめしてくれ。無理ならお前が違約金1億な」

「…ああ、了解」

 

その次の日、義爛は彼がこの先に一生付き合う他のない少女を識ることとなる。

 


 

「…詳細は理解した。それとは別になぜ貴様がここがわかったのかは不明だが…」

「生憎個性って言っても微妙なんだよ。お前らみたいな強力な個性じゃない」

「…それは心外だな。所詮個性、使い道など幾らでもある。貴様がそのように使ったマーキング、それも家族の身を守る為ならば有用だろう」

 

義爛が王の紛い者と邂逅し、数分。瓦礫をえぐり取り喰らう怪物を横に進軍する彼らは軽い話をしている。

 

「ところで、なぜ貴様は(オレ)のようなヒーローを呼ばなかった?何、今の世の中ならば飢えた犬のような凶暴さで助けに来るだろうに」

「…妻の形見の娘が連れ去られたって考えたら居ても立っても居られなくてよ。幻滅したか?」

「いや、実に大義である。努々その在り方を忘れるな」

 

王の紛い者にとっては大変興味のあったようで、何度も頷いて満足そうである。

 

「とはいえ、余り個性の乱用は褒められたものではないがな。家族の為なら仕方あるまいが、それ以外には使わぬ方がよかろう」

 

王の紛い者の視線が、義爛をじろりと見た。何も言わず、義爛は淡々と道筋を示した。

 


 

「ほい、じゃあよろしく頼むぜ」

「えっとその…おねがい、します…」

 

義爛が来た時に対応したのは長髪で目が隠れた少女…クライアントから依頼を受けた少女だった。この日の為に彼はアメスピを吸わなくなっている。

 

「よろしくな、なずなちゃん。…まあ、来客っつったって遠慮はしなくていいからな?」

「は、はい…」

 

ちなみに、義爛は黒服の経営する孤児院から里親として彼の娘を引き取る…という設定である。案内された孤児院は汚かったりすることもなく、清潔で素朴な印象を感じさせる孤児院である。個性が使われたような形跡もなく、子供たちは皆5歳から6歳位である。

 

「やけに綺麗ですね、院長」

「よせよ、掃除を徹底してるだけだ。なんなら大部分は子供達に任せてるだけだ、こいつらの方が凄いんだよ」

「へへっ、そうだよ!」

「あ、あの…恥ずかしい…です…」

 

そういって黒服がのせている手のひらを振り払おうとする二人の子供。懐かれているのがわかるようだ。

 

「ああ、お前さんがここに来たのはここにいる誰かを引き取りたいんだって?」

「はい。孤児院の人が嫌なら大丈夫なのですが…」

「なに、ここにいる奴らは気のいいやつさ。商品、って訳じゃないしね」

「俺らはしょうひんじゃないからな!」

 

義爛は一応の納得をさせるために孤児院内を歩いて回る。

 

「それにしても、やけに綺麗ですね。お金の方は…?」

「ああ、金持ちの道楽って奴でね。俺はなにも関与はしてないが、どうやらここを存続させたい奴がいるようなんだよ」

「べつになんだっていいんじゃねーのか?」

「…まあそうか」

 

詳しく考える方が面倒くさい。そう言わんばかりの態度に毒気を抜かれる。

 

「この孤児院はどのような子供が多いのですか?」

「いろいろあるな。震災の被害にあった子供だったり、口減らしに捨てられたり…一番多いのは無論ヴィランに親を殺された、だが」

「あんまり言わないでくれよそれ…」

「まあ、あんさんに文句を言う程腐っちゃあいない。別に綺麗に養ってくれるだろうしな…」

 

そんな会話をしつつ、義爛は奥の談話室についた。

 

「さて、あんたは誰を引き取ってくれるのかね?」

「…なずなでお願いします」

「ふぇ!?」

「ほう、最年長のなずなか…一応、理由を聞いておくか」

「単純にああいう方が育てやすいんだよ。あんまり話したりとかもしなくて良さそうだしな…」

「だそうだ。もし嫌なら断るが…どうだ?」

 

じいっと黒服はなずなを見つめる。

 

「は…ひゃい!よろしくおねがいしましゅ!」

「よし、じゃあ手続きは俺の方でやっておく。だからそんな気にしないで大丈夫、強いて言うなら部屋の整理をやっておいてくれ」

「…そうか」

「ええっと……おとう、さん?」

 

混乱したなずなの手を取り、義爛はゆっくりと歩き出す。

 

「そんな焦んなくても構わねぇよ。俺のことは義爛さんでも大丈夫だ」

「……ありがとう、ございます」

 

そっと控えめに手を握り返す娘に対し、内心面倒だと思う義爛であった。その娘の内心を知らないのを後悔することになるのを知らないせいか、やけに丁寧に対応していた。

 


 

私、大内なずなは引っ込み思案だった。元々マキちゃんみたいにはっきりして話せたりするようなタイプじゃなかったし、バク兄みたいに美味しいご飯を作れる訳じゃない。最年長だけどまとめるのはマサ君がやっているし、家事はリナちゃんの方が上手。

つまるところ、私には孤児院での役割がないのだ。誰も言わないでいるけど、一番何もしていないのは私。居場所がないけど逃げれない。

 

「…ああ、なずなか。どうしたんだい?」

「えっと、その…」

 

迷って院長さんの所に来てしまった。何も喋りたいこともないのに、結局逃げるためだけにここに逃げてしまう。

 

「いや、君が何を相談しに来たのかはわかっているんだけどね…ああ、そういえば」

 

院長さんは唐突に思いついたように提案を口にした。

 

「明日来客が来るんだ。お迎えをしてもらってもいいかな?」

 

院長さんの言う『来客』は、誰かが引き取られるということだ。この前はバク兄が引き取られて言った。

私の人生が変わる提案を、私は無言で頷いた。

 

 

 

 

 

 

「ほい、じゃあよろしく頼むぜ」

「えっとその…おねがい、します…」

 

その人を見た時、私の体は全身に衝撃を受けたように固まった。彼の持つ綺麗な目、着こなされた服、そしてしわがれてるよく通る声。その全てが私には刺激が強すぎたのだ。

 

「よろしくな、なずなちゃん。…まあ、来客っつったって遠慮はしなくていいからな?」

「は、はい…」

 

そんな馬鹿らしい思考でいると彼から許しの言葉が投げかけられる。この人は天使かな?

 

院長さんと話している最中にも、私は案内役として常に彼の周囲にいた。

そうこうしていると、とうとう彼が引き取る人を決めた。

 

「…なずなでお願いします」

「ふぇ!?」

「ほう、最年長のなずなか…一応、理由を聞いておくか」

「単純にああいう方が育てやすいんだよ。あんまり話したりとかもしなくて良さそうだしな…」

「だそうだ。もし嫌なら断るが…どうだ?」

 

すぐに院長さんが私の方に振ってきました。答えはもちろん、決まっています。

 

「は…ひゃい!よろしくおねがいしましゅ!」

 

緊張のし過ぎで噛んじゃいました。院長さんと彼は微笑ましく見てもらえていますが、やはり酷いですね。

 

「よし、じゃあ手続きは俺の方でやっておく。だからそんな気にしないで大丈夫、強いて言うなら部屋の整理をやっておいてくれ」

「…そうか」

 

そういうとそっと私の手を握ってくれる彼。そうだ、なんて呼べばいいのだろうか…?

 

「ええっと……おとう、さん?」

「そんな焦んなくても構わねぇよ。俺のことは義爛さんでも大丈夫だ」

「……ありがとう、ございます」

 

義爛さん。この孤児院から助けてくれた人。今から私のお義父さん。

そういう喜びを感じて義爛さんの手を握り返しました。




義爛にファザコンの娘できたらどうなるんだろうな、ってな感じやね。というかどいつもこいつも勝手に病むな。まだその時じゃないんよ…

どれヒロインがよき?

  • ウツロイド
  • アーゴヨン
  • ガブリアス
  • ゲンガー
  • イベルタル
  • ドラパルト
  • カイリュー
  • テッカグヤ
  • ルカリオ
  • リザードン
  • キュレム
  • 二つ以上
  • その他
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。