《魔王討伐RTA》多分これが最速だと思います。 作:サクラ
目が覚めるとそこは病院のベッドだった。身体を持ち上げると視線は低くなく、高い事にむしろ違和感を覚えてしまうしまうぐらいだった。コレが普通な筈なのにそれほど少年ボディに慣れていたんだと思いながら、身体をグーっと伸ばす。
「んんっ!……さてっと」
今は一体どう言う状況なんだろうか。死ぬ前の状況を思い出そうと脳味噌を動かす。
「確か、トラックに轢かれて……」
そうだ。異世界転生用のトラックに轢かれてRTAをしたんだった。
思い出した所で全ては夢なんじゃないのかとも思ったが、それだったらどれだけ良かっただろう。生憎全てを覚えている、あの女神が言っていた言葉も今思い出してしまった。まあ、それは兎も角。
「本当に戻ってきたんだな、このラブコメの世界に」
やっと、念願の場所に戻って来れた。そう思うと独りぼっちの病院の個室がさっきよりも、シンと静かになった。誰かに会いたいと無性に感じる。病室を飛び出し、廊下を徘徊していると先生に会った。
「あれ……君は確か◾️◾️君。身体の調子はどう?」
存在しない筈の記憶が蘇る。無い真実が当たり前の様に、刷り込まれている。この人を"先生"だと認識しているのは、きっとあの女神のせいだう。人の脳みそを勝手に弄るのは辞めて欲しい。
「ええっと、かなり調子良いです。何ならもうすぐに退院しても良いぐらい」
実際身体の調子はトラックに轢かれたと言われても信じられないぐらい傷も何も残って無く、無傷の状態だった。だから俺はそう答えた。
その答えに先生は笑い、看護師を呼びそれから少し検査をした。結果は言った通りかなり良い状態だった為、このまま帰って良いと言われそのまま色々準備をしてから帰る事になった。
少しした後、病院を後にした。振り返って見る病院の景色には何も抱かなかった。そりゃあそうだ、今の俺は記憶喪失と何も変わらないのだから。
そのまま家に向けて足を進めると、誰かを待っている様にそこに立つ少女の姿が見えた。
「……」
「……」
「心配した」
「それはごめん。だけど何で此処に居たんだ?誰か待ってたんじゃないのか?」
「待ってたよ、君を」
「……?」
「今日上の方からお告げが来てね、願いは叶うだろうって一言」
「それって……」
その後の言葉を口にするのは野暮ったいと思ってしまった。そしてタイミングを失ったまま、沈黙の時間が続く。
「……」
「夏は始まったばかり」
「?」
「一週間潰れちゃったけど私は量より質派。不味い物を沢山より、少なくて美味しい方が良い。だから」
相変わらず、回りくどい。でもだからこそ彼女に惹かれたのかもしれない。
「山か海。どっちが良い?」
「華のJKは進んで山は登らない」
「それは偏見マシマシだろ」
そう返しながら、家が近くなる。すると携帯がブーブーと鳴り始めた。誰だろうと確認すると友達からだった。
「浮気?」
「付き合って無いからセーフだろ」
「昔の言葉に疑わしきは罰せよってある」
「疑われただけで罰せられたら死に足りないだろ」
祭りに海。夏は忙しくなりそうだ。
って事で、走っていきましょう。前回よりも難易度は上がって、人生はクソゲーだなと理解らせられてますが頑張って走って行きましょう。
え?
ラブコメしてたんじゃないのかって?
まあ色々あったんですよ。色々って言うか幼なじみと厨二病が転生しかけてたんで、助けたらこうなったんです。では、次回からは普通に走っていきますかね。
もう
って事でまた次回〜。