ついでに原作を読んできまーす
一応第七音まではやる予定
その後は評判次第で続きを書くか、附話を書くか。附話は何話くらいになるかなぁ? 五話か十話か。そんなに長くはないです
休憩を許していただけるのであれば「ちっ、仕方ねーな」とでも言ってくれれば作者の気が休まります(笑)
「ほら、ビラ配りするんだろ? 何やってんのさ」
「で、でも私コミュ症だからそもそもできるワケなかったんですよ……」
「……こんなビラ作っておいて今更何言ってんだか」
何か餌で釣るか?
なんか買ってくるか。
「ちとコンビニ行ってくる」
「あ、はい」
適当にコーラでも与えてみるか?
ん~、水とかお茶とか色々買っとくか。
というか夏なのに長袖のジャージって絶対暑いよなぁ、頑張ろうとしてるんだしアイスでもやっていってやるか。俺も食べたいし。
「……知ってる行き倒れ?」
「し、知らない人です……」
……?
なぁんか見覚えがある髪色と背格好。
「み…ず…お水ください……」
「ガチの脱水症状? 大丈夫ですか? ほら、ゆっくり飲んでください」
「それと酔い止め…あとしじみのお味噌汁…おかゆも食べたい。介抱場所は天日干ししたバッカのふかふかのベッドの上で…」
「――酔っぱらいめ」
「痛ぁッ!?」
「あ、すみません。うっかり手ぇ滑らせました」
背中支えてた感覚的に結構体重掛けられてたし、頭打ってないかな?
酒カスのうえに要求ばっかのクズだけど打ち所が悪かったりしたらこっちも嫌だし……って、あれ?
「もしかしてSICKHACKのベースボーカルの人ですか?」
「あれ~? お兄さんどこかで会ったことある? 言われてみたら見たことあるかも~!」
「……ないですよ」
「じゃあなんで~、って言い方からしてウチのバンドのこと知ってるだけか~!」
(適当なんだ……)
ひとり、この人の適当さに引くのはわかるけどもう少し態度を押し殺しなさい。
流石に露骨すぎるよ?
「とりあえずお水ありがとうね」
「……お酒の熱に意味あるのか知らないですけど、これどうぞ」
「わ~、アイスだ。ありがとね~」
「あ、食べた……オデコにって意味だったのに……。ま、いっか。ひとりも、ほら」
「あ、ありがとうございます」
こんなんになるまで酒飲むとか、どういうメンタルしてんだろ?
自制の効かない人? あ、でもストレス溜まると飲んじゃうって聞くし。
……この人もストレス結構溜まってるのかなぁ。まあバンドも色々あるんだろうなぁ。
SICKHACKって人気らしいしそれゆえのストレスも……。ご自愛ください。
「あ! ギターだ!! 弾くの?」
「あっいや買ったはいいんですけど一日で挫折して今から質屋さんに売りに行くとこだったんです! もっと相応しい人にこのギターを使ってもらって大空へ羽ばたいて欲しくて! 私は全然弾けません!! すみません!! 何円で売れるかな!?!? 今日は焼肉だ!?!?!?」
スッゲー饒舌。
「一日で諦めるのはもったいないよ。もう少し続けてみなよ」
お?
やっぱガチの人なだけあってこういうトコだと真面目だ。
真面目なトーンだし、カッコいい。
酒大量に展開してなかったらもっとカッコよかったけど。
「あっいや今の話全部嘘です…」
「すごいすらすらと嘘つくね!?」
「ひとりはそういう奴です。……それはともかくとして、酒飲み過ぎです。度数高いんだからちゃんと水を挟みなさい水を。てかあ~もう、口元がアイスで汚れて……ほら、ジッとしてください」
「お~、すごいナチュラルにやってくるね」
「あ、すみません。以前のくせで」
「癖?」
「ひとりに妹がいて、その子の面倒を見たりしてたことあったんでその時の感覚で」
「つまり子ども扱いか~! あはははは!」
意外と気にしてなさそう。
流石に女の人の顔とかに勝手に触れるのはマズいよなあ。
うっかりやらかしてしまった……。
年下年上とはいえ一応は男と女だもんなあ。
「お~、いいギターだね。大事につかってるんだね~」
「あっ、ありがとうございます…」
っと、考えごとしてる間に話が移ってるな。
「私はベース弾いてるんだ。お酒とベースは私の命より大事なものだから毎日肌身離さずもってるの」
酒カスめ。
「あっ…えっ…ベースはどちらに…」
「………」
そういえば持ってない。
おいおい、その反応……。
「居酒屋に置きっぱなしにしてた~。えへへ~」
命より大事とは一体?
……しゃーない、探しに行きますか。
「ちゃんと歩けます?」
「大丈夫大丈夫~」
「酔っぱらい信用できないわぁ……」
「酷いね」
……ヤベェ、せっかく会話させるチャンスなのにひとりが背景と化している!
どうにか会話に入れなければ。
「じゃ~~ん。私のマイベース。スーパーウルトラ酒呑童子EX。かっこいいでしょ」
酒呑童子って酒飲んだ結果殺された鬼だっけ?
酒を飲んで死ぬ鬼。酒が掛かって壊れるベース? ……普通のベースだな。
「あっカッコいいですね…」
「昨日のライブも大活躍だったんだよ! 打ち上げで飲み過ぎてここに来てたんだけど」
ダメ人間……。
「ここはどこ…? 私はだれ…?」
「そっそんなになるまでお酒飲んじゃだめですよ…」
……これ、俺が参加しなかったら普通に会話するんじゃない?
よし、介護に徹するか。
「お酒飲んだら将来の不安とか全部忘れられるからさ~…つい。私はこれを幸せスパイラスって呼んでるんだけど」
(悲しい幸せだ…)
破滅スパイラルの間違いでは?
「二人とも大人になったら絶対お酒ハマるって」
(お酒に溺れる私…)
「ひいいいいいああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「ヴェッ!? ……ビックリしたぁ」
(この子けっこうやばい奴だな…)
唐突な奇声。久々に聞いたからビックリしたわ。
ほ~ら、どうどう。怖くなーい。
「ひっ、ひとりちゃんはここで何してたの?」
「……あっ…私は…」
おう、俺に助けを求めないで自分で言いなさい。
うん、そうそう、偉い偉い。
よくできました。
「ぅぅ…なるほどひとりちゃんは悲劇の少女だったわけか…チケット売るの大変だよね。私も最初の頃はすごい苦しんだな~」
泣くほど!?
バンドマンだからこそわかる苦しみかぁ。俺にはわからないなぁ。
でもまあ、基盤ができるまでの大変さってことならなんとなく共感はできる。
俺も独り暮らし始めたての頃は基盤形成が大変だったよ。
まあ、今もバイトの稼ぎで全部まかなえてるワケじゃなくて保険金を切り崩してるんだけど……。
「よし! 命の恩人のために私がひと肌脱いであげよう」
「えっ、あっ私そういう趣味は…!! それに助けたのはほとんど歩くん――」
あらぁ、そんなお姉さん男の俺がいる前で脱ぐなんて――……うん。
ご飯、食べましょうよ。細すぎるってッ。
肉! 肉付けましょ!!
もっと健康的な身体つきにぃッ。
血色悪いの酒のせいだと思ってたけど普通に健康面に不安がある人じゃん!
あとでさっき買ったの食べさせないと……。
「私と君で今からここで路上ライブをするんだよ」
「!?」
ほう、路上ライブと。
よし、やっちゃえ。
「あっえ…?? えっ??」
「ビラもあるし路上ライブで客呼んでチケット買ってもらうのが一番いいよ。幸い今日はここらへんで花火大会あるっぽくて人も多いし」
「あっ、でもアンプとか路上ライブの機材なにもないし…」
「ウチのメンバーに持ってきてもらうよ」
「いやっでもあの…」
――キュピーン! わかりましたぜ、お姉さん!!
「みなさーん。今からライブしまーす。タダなんで暇ならみてってくださーい」
「こちらの二人が今からライブを行いまーす! 興味があれば是非どうぞー! それとこちらは彼女のロックバンドのライブに関する告知でーす! ご一緒にどうぞー!!」
「えっいや、君もやるんだよ…?」
「今、二人がライブって言ったろぉ?」
ケケケ、退路は既に断たせて貰ったよぉ。
ステージへの一歩を踏み出せないひとりとて強制的にステージに載せてしまえばこっちのモンだ!
ひとりはステージで演奏することと、ステージに立ったにもかかわらず何もせずに立ち去ることによって起こる奇異の目との天秤で、演奏を選ぶしかない!!
クックック。
俺はビラ配りに専念させてもらうぜ。
っと、最後に――
「空の下で聞くひとりの演奏。楽しみだよ。大丈夫、ひとりならできるだろ?」
これでよし。
期待っていうプレッシャー。けど最後の一言。これまでの信頼があれば上手く働くハズ。
「それじゃはじめますね~。曲はこの子のバンドのオリジナル曲で~す」
――やっぱお姉さん演奏上手いな。
酒が入ってるのに音が正確。
前見たしひとりたちの練習聞いて曲の楽譜は頭に入ってるけど――うん、お姉さんの音は狂いが皆無だ。
それに一音一音が丁寧。これは不安の裏返しか?
不安だからこそ自分の核になっている演奏に関しては抜かりがない。
音が雑にならずに、それぞれが際立って。それでいてちゃんと曲としてのまとまりがある。
「がんばれ~!」
「ちょっとあんた何言ってんのよ」
「なんかギターの人不安そうだったからつい…」
お、聞いてる人の応援。
今この場に『俺』はいらないな。
そこにいるとひとりは不安になったところで俺に助けを求めることになる。
ひとりの自信は俺だけじゃダメだ。ちゃんと他の人にも聞いてもらって、それで。
ひとりは聞いてもらうことで成長する音楽なんだから。
「ッ。音が――」
そうだ、この音だ。
初めて聞かせてもらった時に感じたこの……身体を貫くみたいな音。
道を誤らなかったら絶対に大成する、そう確信したこの音。
――他の人との演奏でも出せるようになったんだな。
「ひとりちゃん、よかったよ!」
両目開けてたらもっと良かったけどな!
「あの~チケット買ってもいいですか?」
「えっあっはい!」
「初めて生でライブ見たけどすごくよかったです!」
「24日のライブも頑張ってください!」
「あっはい頑張ります…」
えが、お……?
ひとりが初対面の人相手に笑顔?
お母さんに連絡して赤飯だな。
「今夜はやけ酒だ…」
「なっなんでですか!?」
貴方は常にやけ酒みたいなものでは?
「そこの人たち~。ここでのライブはやめてくださーい!」
「あっ、ごめんなさーい」
「撤収撤収~」
ま、こうなるか。
「……よかったな、ひとり。お前のファン1号と2号だ」
「はい! ……はい? いっ、1号は歩くんでは?!」
「バッカお前。俺はひとりがバンド活動を始める以前からの話だぞ。いわばファン0号よ」
「なっ、なるほど」
バンド活動始めてからの実感できる成長。
おめでとう、ひとり。
「怒られちゃったしこの辺で終わりにしようか」
(あっどうしよう。あと一枚残ってる…)
「最後の一枚私が買うよ」
「えっ」
「パック酒15本分以上のライブ期待してるから…」
「もっもっとわかりやすく例えてください…」
酒の値段知らないとわからんてその換算!
鬼ころの一番ちっさいパックかな?
「ライブ、楽しみにしてるね」
うんうん。あの演奏を間近で聞いたんだから楽しみじゃないワケがないね。
「私は普段、新宿拠点に活動してるんだ。まだ会おうね、ばいばい、ひとりちゃん」
「あっ。チケット買ったらお金なくなっちゃった…電車賃かして~」
(バンドマンお金なさすぎる…)
クズ、ですなぁ。
「んじゃ、俺も帰るね。演奏、すっごい良かったよ」
「あ、さっきの」
「ども」
ま、新宿拠点なら住んでるのは東京の方だろうし。電車が被るのは当然っちゃ当然か。
「あ、そうだ。お姉さん、これどうぞ」
「肉まん? わ~、温くなってるけどありがと~」
「ひとりが成長できた。そのお祝いとお礼です」
ついでに唐揚げもプレゼントしよう。
是非食べてふくふく成長するんですよ。
「お父さんみたいだね~」
「まさか。……友人だからですよ」
「へぇ?」
意味ありげな雰囲気出すのやめて?
「……今は良いですけど流石に電車の中でお酒飲むのはやめてくださいね? 酒の臭いが充満するんで」
「は~い」
「嗅ぎ慣れないと不快というか、嗅ぎ慣れてても種類によっては不快ですし。そもそも酒飲んで暴れられたら困るんで」
「うっ……」
「僕は見たことないですけど、ライブの時に頻繁に破壊してるんでしょう?」
「わ、わざとじゃ、ないよ?」
「わざと壊してたらお店の人ぶちギレますよ?」
「ぎ、銀ちゃん…」
…………うん?
なんか変な匂い?
「……お姉さん。風呂、入ってます?」
「しっ、失礼だよぉ?」
「昨日ライブして、酔ってここに。夏に、酒飲んで体温上がって、寝汗も掻いて……」
「わ~、言わないで~!」
「ライブがあったってことは流石に一昨日はお風呂に入ってるハズなんで良いですけど……」
この人……風呂入らない臭いを酒で誤魔化してるんじゃないだろうな?
やめろよその中世ヨーロッパみたいな話。
臭いのは香水で~、じゃないんだよ。
「これ、貴方がマトモな食事を摂ってたら皮脂が分泌されて臭いさらに悪化してそうですね……」
「わ、私が悪いんだけどさぁ……デリカシー!」
「……流石にすみません。初対面の相手に対して失礼過ぎました」
「もう……」
TRIGUNさん 黄巻紙さん djtimeさん 三十路スキーさん
評価ありがとうございます
完全無欠のボトル野郎さんは……もしかして☆8から☆9に上げてくれた感じですかね?
評価ページのスクショ撮ってないんでわからないですけど、評価順的にそのはず
ありがとうございます!