ハイスクール・フリート〜時空を越えた航海日誌〜2 BATTLE OF 2026 【打ち切り】   作:小説設営隊隊長

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これまでのあらすじ

時に2015年12月8日。
ソマリアで勃発した内戦の拡大によって、学生艦隊は海上保安法に基づいて治安出動。
武蔵率いる横須賀女子海洋学校の先行艦隊がトカラ列島に差し掛かると、突如として発生した極めて異常な低気圧に遭遇する。
護衛のブルーマーメイド艦との連絡が途絶えて、現在位置を見失った学生艦隊であったが、彼らの前に姿を現した【帝国海軍連合艦隊総旗艦 戦艦大和】との会合により学生艦隊が別の世界の1942年、第二次世界大戦の真っ只中にタイムスリップしてしまったことを知る。
その後、帝国海軍に協力することになり、学生たちも全く違う戦闘を目の当たりにして、新たな決意のもとに、再び大海原へと繰り出そうとしていた。


序章 プロローグ
第1話[学生艦隊、現代日本へ………]


 

 

 

 

1942年9月14日 横須賀鎮守府 執務室

 

この日、先行艦隊の指揮を預かる宗谷真霜は米内光政に呼び出しをうけて、横須賀鎮守府にいた。

 

 

宗谷真霜「観艦式?!このご時世にですか?!」

米内光政「はい。国民の戦意高揚のためにです。」

宗谷真霜「ですが、今帝国海軍の全戦力を集結したら……」

山本五十六「それに関しては問題ないよ。アメリカ政府が変わってな、どうも日本と講話する形で動いているようなんだ。」

宗谷真霜「では、近く講和会議が?」

米内光政「その前に、国民の戦意を損なわないようにするためだ。きっと天皇陛下もお喜びになる。」

 

 

逸見埠頭 航洋直接教育艦 晴風改三

 

教室にて

 

岬明乃「シロちゃん。観艦式って?」

宗谷ましろ「海軍の行事の一つで、艦艇を並べて受閲する軍事パレードのひとつです。」

納沙幸子「実施日時もかなり不規則で、早くて1年で遅くて10年も期間が空きますから………」

岬明乃「へぇ〜………それで実施時期は?」

宗谷雪「各艦隊の集結から訓練も考慮すると、9月20日かと。」

岬明乃「それじゃあ、明日には出港できるように準備だけは済ませておいたほうがいいね。」

 

その夜、学生艦隊はいつでも出港できるように準備が行われた。

特にトイレットペーパー等の日用品や食料などの補充は念入りに行なった。

また、万が一に備えて武蔵に[宗谷霜少将]率いる【陸軍第57装甲歩兵大隊】と【陸軍第23戦車中隊】が同行する為、装備品の積み込みも行われた。

 

そして翌日………

 

1942年9月15日 07:00

 

艦隊旗艦 武蔵:戦闘艦橋

 

知名もえか「全艦、出港準備完了しました!」

宗谷真霜「全艦、出港せよ!!」

 

晴風改三:艦橋

 

岬明乃「出港準備!!」

宗谷ましろ「舫い綱解けぇ!!」

宗谷雪「タラップ上げて!離岸準備!!」

作業員が舫い綱をラボードから取り外して、晴風へと投げ渡す。タラップも艦内へ収容されて、離岸準備に入る。

宗谷雪「機関始動!!」

柳原麻侖《機関始動!!》

けたたましい音とともに、艦内の電気がつき始める。

和住媛萌《艦内全主電源、接続を確認!漏電無し!》

岬明乃「出港用意!!」

宗谷ましろ「揚錨はじめ!!」

重々しい金属音を響かせながら、錨が引き揚げられていき、タグボートに引っ張られて埠頭から離れる。

 

山下秀子「離岸を確認しました!」

宇田慧《半径10キロ圏内に、船舶の反応なし!!》

岬明乃「晴風出港!!両舷前進微速!!」

宗谷雪「両舷前進微速!!」

知床鈴「ヨーソロー!!」

 

 

1942年9月15日、0700。

学生艦隊は横須賀軍港から出撃。

連合艦隊の集結地点である遠州灘へと向かった。

 

 

 

XXXX年9月15日 15:00小笠原諸島父島

 

海上自衛隊父島分遣隊基地

 

 

父島分遣隊隊長「なに?硫黄島基地との交信感度が?」

基地通信士「はい。先程から雑音が入り込んで、うまく交信ができない状況が続いています。」

父島分遣隊隊長「アンテナの不備じゃないのだな?」

基地通信士「はい。」

父島分遣隊隊長「………よしわかった。例の艦隊に調査を依頼しよう。」

 

 

 

1942年9月15日 相模湾沖 21:00

 

武蔵:戦闘艦橋

 

宗谷真霜「鎮守府からの応答は?」

武蔵電信員《ありません。》

ここに至って、各方面への通信が来なく、学生艦隊は安全確保のため相模湾沖に停泊していた。

羽山陽介「こいつは参ったな………トカラ列島の時とおんなじ現象だ。」

宗谷真冬「てことは、また時空転移が起こるってのか?!」

古庄薫「その可能性が高いわね。ともあれ、この状況で動くのは危険と判断しますが……」

宗谷真霜「そうね。とにかく状況が改善されるまで、ここで待機とします。」

宗谷真霜の判断で、今晩はここで待機することとなった。

そこからはいつもと変わらぬ生活をおくっていたが、異変が起こったのが時刻が午前0時になるころであった。

 

晴風改三:前部マスト見張り台

 

野間マチコ「…………っ?これは……」

 

晴風改三:艦橋

 

野間マチコ《艦隊全周に霧が発生!》

岬明乃「濃霧?!視界は!」

野間マチコ《駄目です!!視界0!!なにも見えません!!》

宗谷ましろ「各部状況報告!!」

宇田慧《電探の調子が悪くなりました!!》

柳原麻侖《機関室も計器類が暴走し始めた!!》

すると突然、艦内の電源が落ちて非常灯が点く。

納沙幸子「て、停電ですか?!」

宗谷雪「電気制御室!状況知らせて!!」

青木百々《急激に電圧が許容量を超えて、ブレーカーが落ちました!!原因不明!!》

和住媛萌《ブレーカーを戻しても全然治らないっす!!》

岬明乃「みんな!!その場から動かないで!!」

 

武蔵:戦闘艦橋

 

 

武蔵見張員《駄目です!!濃霧で周りが見えません!!》

武蔵電測員《電探の機能が低下!!ノイズがかかり始めてます!!》

羽山陽介「やっぱりか!!時空転移が起こるってのか?!」

知名もえか「えぇ?!なにこの現象!!」

宗谷真霜「どうしt………?!?!」

もえかが外を見て驚愕な声を上げている理由はこれである。

艦隊全周に立ち込めていた濃霧が、急に稲妻を走らせながら竜巻と化していたのだ。

宗谷真冬「な、ななななな………なんだぁ?!」

古庄薫「こんな現象は………今まで見たことは………!!」

 

すると次の瞬間、目の前がまばゆい光を放つ。

 

「キャアアアアアアアア!!!!!」

 

激しい光に悲鳴を上げながら、学生艦隊は1942年9月16日深夜0時、姿を消したのだった………

 

 

 

 

 

2026年9月16日05:50 小笠原諸島 硫黄島

 

陸上自衛隊 硫黄島基地 官舎前

 

坂本美緒3等海佐「濃霧か。前が見えないな…。」

官舎から出てきた坂本美緒は、予報にはなかった濃霧に少し驚きを隠せなかったが、冷静さは保っていた。

竹井醇子1等海尉「相変わらず早起きね?」

坂本美緒「竹井か。欧州の研修で癖がついてしまってな。」

竹井醇子「そう、欧州研修ね………あら?」

他愛のない事を話していると、遠くから走ってくる人の姿が微かに見えた。

坂本美緒「……ん?どうした、竹井?」

竹井醇子「誰かしら、あれ。」

竹井が指を指した方を向くと、陸上自衛隊の運動着を着た14歳くらいの女性が走っていた。

女性が官舎前に近づくと、2人の存在に気づいたのか、2人の前で停まり敬礼をする。

???「おはようございます!坂本3等海佐!」

坂本美緒「うぬ!張り切ってるな!いいことだ!」

???「ありがとうございます!」

竹井醇子「あなた、官位姓名は?」

陸上自衛隊航空隊パイロット候補生:服部静夏訓練兵「は!陸上自衛隊航空隊のパイロット候補生、服部静夏訓練兵であります!」

竹井醇子「私は、海上自衛隊木更津基地所属の第32航空隊分隊長の竹井醇子1等海尉よ。いつかあなたと一緒に戦える日を楽しみにしているわ。」

服部静夏「光栄であります!!では!」

そう言うと、再び敬礼をしてランニングに戻ろうとすると、緊急スクランブルの警報が鳴り響く。

竹井醇子「なに?!」

坂本美緒「敵襲か?!」

基地内放送《緊急事態発生!緊急事態発生!!硫黄島の南南西の沖合にて、異常現象発生!!不測の事態に備えるため、第2種警戒態勢を発令する!!繰り返す………》

放送を聞いた竹井は信じられないでいた。

竹井醇子「異常現象?!聞いたこと無いわ!!」

坂本美緒「とにかく警戒態勢が引かれた以上、即応体制を整えるしか無いな。服部!直ぐにパイロットスーツに着替えて詰め所へ集まるんだ!」

服部静夏「わ、わかりました!!」

 

突然の緊急事態に基地内は大騒ぎになるが、早朝の異常な濃霧との関連性は捨てきれなかった。

 

ブリーフィングルーム

 

硫黄島基地ブリーフィングルームには、基地司令他即応可能な隊員が集合していた。

硫黄島基地司令官「状況を確認する。早朝0550硫黄島南南西の沖合にて、異常現象が発生。不測の事態に備えるため、第2種警戒態勢が発令された。」

坂本美緒「………。」

竹井醇子「………。」

硫黄島基地司令官「現在、大型直教艦赤城を主力とする学生艦隊が現場海域に向かっているが、濃霧による視界不良により、何も見えないのが現状だ。」

服部静夏「………。」

航空自衛隊パイロット研修生:三隅美也「………。」

硫黄島基地司令官「よって、当基地からも偵察隊を出そうと思う。」

偵察隊の派遣。

災害発生時しか偵察隊は出さないが、今回の場合は予想される最悪な事態に対応するためであった。

最初に声を上げたのは、空自のパイロット候補生である三隅であった。

三隅美也「基地司令!ここはわたしが行きます!私のRF-2Cなら偵察も可能です!」

服部静夏「無茶です!三隅さん!RF-2C型はまだ配備数が20に満たない機体です!」

硫黄島基地司令官「服部訓練兵の言う通りだ。新型の偵察機を無闇に使うわけにはいかんし、今回三隅くんは研修生だ。主に陸での任務に従事してもらう。今回は出動待機だ。」

三隅美也「は、はい……。」

坂本美緒「基地司令。ここは観測ヘリコプターを使うのはどうでしょう?」

硫黄島基地司令官「陸自のOH-1〔ニンジャ〕をか………」

坂本美緒「航続距離は540kmと短いですが、滞空しながらでの観測は可能です。」

硫黄島基地司令官「よし。なら人選は坂本3等海佐に一任する。準備ができ次第、すぐに出動してくれ。」

坂本美緒「わかりました。服部訓練兵!」

服部静夏「はい!」

坂本美緒「直ぐにニンジャの発進準備だ!私も行く。操縦は任せるぞ!」

服部静夏「わかりました!」

 

硫黄島基地 ヘリポート

 

ヘリ格納庫から出された観測ヘリコプター〔OH-1〕は、すぐさまヘリポートへと移され、発進準備にかかった。

 

OH-1 コックピット

 

後部座席(偵察担当):坂本美緒「服部訓練兵、準備は出来たか?」

前方座席(操縦担当):服部静夏「燃料点検、異常なし!ローターも異常なし!エンジン始動!行けます!」

服部がエンジン始動のスイッチを押すと、けたたましいローター音を響かせながら回転翼が回り始める。

服部静夏「出します!」

坂本美緒「いいぞ!」

 

服部静夏《硫黄島離陸0615。現着予定時刻 0630、送れ!》

 

06:15。

硫黄島基地から陸自の観測ヘリコプターOH-1が発進。

現場海域へと向かった。

 

 

硫黄島から南南西20kmの沖合

 

学生艦隊本隊旗艦:大型直接教育艦 赤城

 

戦闘艦橋

 

赤城艦長「校長。たった今、硫黄島から観測ヘリコプターが離陸、こちらへ向かっているところのようです。」

横須賀女子海洋学校学校長:宗谷真雪「わかったわ。水上電探の反応は?」

赤城電測員《艦隊前方に未確認の艦艇群を確認しました!大小合わせて50隻以上!動いていません。》

宗谷真雪「全艦の速度を落とさせてちょうだい。」

赤城艦長「了解。」

 

 

 

 

現在位置不明:晴風改三 艦橋

 

岬明乃「っ………………みんな!!大丈夫?!」

宗谷ましろ「な、なんとか!」

納沙幸子「一体何だったんでしょうか?あの現象は………」

西崎芽依「またタイムスリップでもしたのかな?」

立石志摩「うぃ?(わからないと、言っている。)」

そう話していると、電気制御室から報告が入る。

和住媛萌《こちら電気制御室!艦内無線・回光通信機以外の電力復旧しません!送電線がやられた可能性があります!》

宗谷雪「回光通信機で、武蔵に連絡を!」

 

 

学生艦隊先行艦隊旗艦:武蔵

 

戦闘艦橋

 

武蔵見張員《各艦から次々と発光信号が!!》

宗谷真霜「どうやら、全艦無事のようね。」

宗谷真冬「にしても、あの光は何だったんだ?」

古庄薫「異常現象としか、考えようはないけど………」

羽山陽介「とにかくだ!ここはいつもとなにかが違うのは確かだ!」

羽山は直感でなにかが違うことを見抜いていた。

知名もえか「霧が晴れてきました!!」

武蔵見張員《前方に艦影多数!!接近してきます!!》

羽山陽介「何ぃ?!」

報告を聞いて艦隊前方を見ると、薄っすらではあるが明らかに戦艦クラスの艦艇の姿がこちらに接近していたのだ。

 

 

現場海域近海 上空250フィート

 

 

OH-1:コックピット

 

服部静夏「間もなく現場海域です!」

坂本美緒「よし!一旦右旋回して、ポジションを確保するぞ!」

服部静夏「了解!」

坂本美緒《硫黄島CP(コマンドポスト)!こちら、ニンジャS07!現場海域上空に到達!右旋回した後に観測ポジションを確保する!送れ!》

無線《こちら硫黄島CP、了解!ポジショニング確保後、直ちに観測を開始せよ!》

坂本美緒「こちらニンジャS07、了解!」

現場海域上空で右旋回を終えたOH-1は、距離をおいてポジショニングを確保する。

服部静夏「ポジショニング、確保しました!」

坂本美緒「よし!観測を開始する!アビオニクス起動!赤外線カメラ異常なし!観測開始!」

後部座席のモニターにアビオニクスからの映像が投影されて、観測を開始した。

坂本美緒「霧が晴れてきたな。これで何かあればいいが………」

そうつぶやくと、機体のレーダーが大艦隊の反応を捉える。

服部静夏「レーダーに反応!概算58を超過!!大艦隊です!!霧の中にいます!!」

坂本美緒「こちらでも確認した!!中央に超大型戦艦を数隻確認!!艦形状からして、大和型と思われる!!」

まさかの事態に少し困惑するが、冷静さを保ちつつ引き続き観測を続ける。

次第に霧が晴れてくると、大和型の他に天城型と加賀型、長門型に扶桑型、更には重巡・軽巡・駆逐艦・潜水艦が姿を現した。

 

 

羽山陽介(これは一体………俺達は”未来”へとタイムスリップしたのか?!)

 

 

 

 

2026年9月16日06:40。

彼らの”時空を越えた航海日誌”は、新たなページを迎えることとなった………

 

 

第2話「自衛隊との接触」へと続く……

 

 

 

 

 




ということで、前作の続きを投稿していきますよ!!
何章か分けて投稿しますのでよろしくお願いします!!

感想と評価もお願いします!
次回もお楽しみに!
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