ハイスクール・フリート〜時空を越えた航海日誌〜2 BATTLE OF 2026 【打ち切り】   作:小説設営隊隊長

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前回のあらすじ

防衛出動が発令され、四国沖で合流した第5・第6護衛隊群は、今後の作戦行動を考慮して【戦後初となる連合艦隊】を編成。
中国海軍の南海艦隊を南に釣り上げるため行動を開始するが、劉長龍大校の策略により遠征103率いる潜水戦隊が護衛連合艦隊を攻撃すべくその魔の手が迫る!!



第5話[情け無用の魚雷!鹿児島沖海戦!!]

 

 

 

 

 

第5話[情け無用の魚雷!鹿児島沖海戦!!]

 

 

2026年10月19日

 

九州宮崎沖海中 14:48

 

大型潜水直接教育艦 伊−401

 

同 発令所

 

 

千早群像「なに?中国海軍と思われる音紋が?」

織部僧「はい。音紋からして、中国海軍の新鋭艦【遠征型】と思われますが、先程から音を絞って洋上の艦隊を追尾してきています。」

 

千早群像は自身の思考をフルに使い、中国海軍の動きを予測していた。

 

千早群像(中国が新鋭艦を単独で行かせるのは先ずありえない…………もしかしたら、他にも随伴艦がいるんじゃ………)

 

そう予想すると、指示を出す。

 

千早群像「聴音!精密索敵だ!恐らく近くにもう1隻いるぞ!」

そう言うと、聴音手が精密索敵を行う。

すると………

伊401聴音手「いました!もう1隻!洋上の艦隊の左右に展開しています!」

 

群像の予想通り、遠征103潜の他に長城225潜の2隻が護衛連合艦隊を追尾していたのだ。

 

千早群像「洋上の艦隊に音通!急げ!」

 

 

宮崎沖海上

 

護衛連合艦隊総旗艦 武蔵

 

同 戦闘艦橋

 

宗谷真霜「群司令。伊401潜からの音通です。」

宗谷真雪「やっぱり、いるのね?」

宗谷真霜「はい。艦隊の左右に1隻ずつ、計2隻のスクリュー音を探知したとの報告が。」

 

ここまで順調に船足を進ませてきたが、ここで中国海軍の追尾が入って、暗雲が立ち込める。

 

宗谷真雪「全艦に、対潜戦闘の用意を!!なにか嫌な予感がするわ。」

 

宗谷真雪の指示で、全艦対潜戦闘の用意を始める。その嫌な予感は、直ぐに現実のものとなる。

 

 

14:58

 

第4護衛戦隊旗艦 天城

 

同 CIC

 

天城砲雷長「各部対潜戦闘用意よし!」

天城艦長:降谷悠「ソナー!周囲を厳重探索!いつ来るかわからないわよ?」

 

何時でも戦闘ができる状態になったその時!

 

天城ソナー員「……魚雷発射管注水音……っ!!高速推進機音!!雷数6、艦隊右側面から急速に接近中!!」

 

天城副長「何っ?!」

 

 

同時刻 艦隊上空

 

 

この魚雷攻撃は、晴風から発艦したSH-60Kシーホークの投下式ソノブイも探知していた。

 

SH-60K 機内

 

SH-60Kソナー員:八月一日静「晴風14号機から武蔵へ!!長城225潜が魚雷を発射!!雷数6!!艦隊右舷から扇状に広がりずつ高速接近中!!」

 

 

武蔵:戦闘艦橋

 

 

艦内無線《晴風14番機から緊急電!!敵潜が魚雷を発射した模様!数6発!艦隊右舷から広がりずつ接近!!》

知名もえか「群司令!!」

 

宗谷真雪「全艦回避運動!!」

 

 

宗谷真雪の鶴の一声により、艦隊は陣形を解除してランダム回避に移った。

他の艦艇が次々と魚雷を躱すが、大型巡洋直接教育護衛艦【鈴谷】が魚雷を回避しきれず被雷する。

 

 

大型巡洋直接教育護衛艦 鈴谷

 

同 艦橋

 

 

鈴谷艦長:水渓文香「回避運動!!取舵一杯!!艦を立てて!!」

鈴谷見張員5「右舷後方!!敵魚雷1発!!進路を変えて突っ込んできます!!」

鈴谷副長「音響探知式?!」

水渓文香「航海長!!」

鈴谷航海長「だめです!!間に合わない!!」

 

水渓文香『総員!!衝撃に備えぇ!!』

 

鈴谷が敵魚雷を2発回避するも、3発目が音響探知式の魚雷であった為、振り切ることができずに艦後部に直撃をもらう。

 

 

ズガァーーーーーン!!!

 

 

容赦ない衝撃波と揺れが艦全体を襲い、船が右に大きく傾く。

 

水渓文香「応急指揮所!!被害状況知らせ!!」

 

艦内無線3《右舷後部に魚雷1発着弾!!破損箇所から浸水!!スクリュー軸も1基破損して、自航不可能!!》

 

水渓文香「手空き乗員は浸水箇所の応急処置に掛かって!!」

 

 

航洋直接教育護衛艦 天津風

 

同 艦橋

 

天津風見張員《鈴谷に被雷!!速力低下!!》

天津風艦長:高橋千華「音通探知式の魚雷ね!他は来てないかしら!!」

天津風水測員《ソナー!左舷側の敵潜が魚雷6発の発射を確認!!内2発が鈴谷への直撃コースです!!》

 

高橋千華「なんでこっちに撃ってくるのよ!!CIC!!アスロック発射準備!!」

 

高橋千華の号令が下ると、天津風中央部に装備されたアスロック発射機が左舷の方向を向き、ランチャー2基が45度の角度についた。

 

天津風 CIC

 

天津風水雷長「アスロック、発射準備完了!!」

天津風副長:山辺あゆみ「アスロック発射!!」

天津風砲雷長「撃ちぃ方ぁ始めぇ!!」

 

アスロックから4発のロケットが撃ち出されて、放物線を描くように飛翔する。

海面近くまで来るとロケット弾が分離して、中から短魚雷が姿を見せて、パラシュートを開いてゆっくりと海面に着水する。

 

着水した短魚雷はそのまま敵魚雷に向かって突進していき、敵魚雷の手前で起爆!全弾迎撃に成功する。

 

 

 

一方でいぶきが指揮する空母艦隊も、中国海軍

潜水艦【遠征103】からのミサイル攻撃を受けていた!

 

 

護衛連合艦隊空母艦隊旗艦 いぶき

 

同 CIC

 

いぶきレーダー手「対空レーダー高速飛行目標複数探知!ハープーンです!!」

新波歳也「なにぃ?!」

いぶきレーダー手「遠征103から発射された模様です!!」

秋津竜太「群司令、指示を。」

 

涌井継治『全艦、対空戦闘用意!!』

 

秋津竜太「対空戦闘用意!!」

 

艦長の号令が発せられると、けたたましいアラームが鳴る。

 

 

護衛艦みらい

 

同 CIC

 

 

青梅鷹志「対空目標以前接近中!!間もなく、スタンダードの有効射程圏内に入ります!!」

角松洋介「各部対空戦闘用意よし!!」

 

梅津三郎『左、対空戦闘!!CIC指示の目標!!撃ち方始めぇ!!』

 

菊池雅之「トラックナンバー2618から2122!!スタンダード、撃ち方始めぇ!!」

 

みらい砲術長「前部VLS!!スタンダード発射、始め!!サルボー!!」

 

 

砲術長が発射ボタンを押すと、みらいの前部VLSから4発の【SM−2 スタンダードミサイル】が発射された!

同時に、いぶきの前衛を固めていた[あたご]・[ちょうかい]からもスタンダードミサイルが4発ずつが発射され、みらいのを合わせて計12発が遠征103から発射された【YJ-8 対艦ミサイル】へと迫る!!

 

 

いぶき CIC

 

 

いぶきレーダー手「みらい、ちょうかい、あたごから迎撃ミサイルが発射されました!目標到達まで20秒!!」

 

新波歳也「SaeRAM、発射準備!!」

 

いぶきレーダー手「インターセプト5秒前!!……スタンバイ!マークインターセプト!!」

 

モニターに映っていた赤丸が4個消えるが、2発がモニターに残った!

 

いぶきレーダー手「トラックナンバー2616から2120までターゲットキル!!」

いぶき砲術長「トラックナンバー2121及び2122、ターゲットサーファイブ!!」

 

秋津竜太「SaeRAM!撃ち方始めぇ!!」

 

しかし、ここで予想外のことが起こる!!

 

いぶきソナー員「遠征103潜が急速潜航!!見失いました!!」

 

新波歳也「なんだと?!」

 

涌井継治「ゆうぎり・せとぎりに付近一帯の索敵を命じよ!!」

 

いぶきレーダー手「トラックナンバー2121が学生艦加賀に向かっています!!トラックナンバー2122、以前本艦へ接近!!」

いぶき砲術長「SaeRAM、間に合いません!!」

 

秋津竜太「CIWS!迎撃!!」

 

新波歳也「ミサイル近態勢!!」

 

いぶき砲雷長「CIWS!AAWオート!!撃ち方始めぇ!!」

 

肝心のところで第2次攻撃が行われて、YJ−8の対処に遅れてしまったいぶきは、20mm高性能機関砲【CIWS】による迎撃に切り替える!

 

一方で、大型直接教育護衛艦加賀にもYJ−8が迫っていたが、元が戦艦であることと強大な排水量により多彩な装備を積んでいたことも相まって、迎撃に成功する。

 

だが、いぶきに至っては中々撃墜には至っていなく、もう目と鼻先にまで迫っていた!!

 

 

涌井継治「回避運動!!急げ!!」

新波歳也「最大戦速!面舵いっぱい!!」

 

いぶきレーダー手「駄目です!!間に合いません!!到達まで10秒!!」

 

秋津竜太『総員!!衝撃に備え!!』

 

 

いぶきは咄嗟に回避運動を始めるが後の祭り。

ものの数秒でミサイルが、いぶきの第2航空機エレベーター付近に直撃!!

幸いにも格納庫への被害は防がれたが、着弾の衝撃で第1航空機エレベーターの電動機が故障して、一時的に戦闘能力を喪失するに至った。

 

 

秋津竜太「各部!被害状況知らせ!!」

 

艦内無線2《敵ミサイル、第2航空機エレベーター付近に直撃!!》

艦内無線7《023、024士官寝室、延火災!!》

艦内無線5《第1航空機エレベーター、直撃の衝撃で電動機故障!!現在、修理中!》

艦内無線4《航空機要員、負傷者多数!!現在集計中!!》

 

涌井継治『各部、損傷箇所の火災消火を優先!!負傷者の応急手当を急げ!!』

秋津竜太『応急修理班は航空機エレベーターの復旧作業に全力を尽くせ!!手空き乗員は火災消火を急げ!』

 

 

所変わって、武蔵率いる水上打撃部隊も第3波の魚雷攻撃を受けていた!

 

武蔵 戦闘艦橋

 

艦内無線《高速推進音!!雷数6!艦隊左舷から接近中!!》

宗谷真雪『吹雪に迎撃を指示!!』

 

 

航洋直接教育護衛艦 吹雪

 

同 CIC

 

吹雪艦長:高鷲陽子「了解!対魚雷防御、始め!!」

 

命令を受けた高鷲はアスロックでの魚雷迎撃を試みる。

吹雪から発射されたアスロック4発は、艦隊の左舷へと飛翔して魚雷が着水。

長城225潜が放った魚雷の手前で爆発!迎撃に成功したかと見えたが…………

 

吹雪水側員「………!!敵魚雷2発!健在!!」

 

高鷲陽子『両舷全速、面舵!!武蔵と魚雷の間に入る!』

 

吹雪操舵手《面舵!最大戦速!!》

 

高鷲は自艦を武蔵の左舷に出して、盾になろうと画策する。

 

高鷲陽子『主砲砲撃!魚雷を迎撃せよ!』

 

吹雪砲術長「了解!!撃ち方始めぇ!!」

 

更に高鷲は、主砲での魚雷迎撃を指示!

吹雪の12.7cm連装砲が火を吹き、海面へ次々と着弾。

そのうちの1発が、敵魚雷1発に命中して爆発するが、最後の1発が武蔵へ突進してきた!!

 

吹雪水側員「敵魚雷1発撃破!最後の1発が突っ込んできます!!旗艦武蔵への命中コース!!」

 

高鷲陽子『面舵いっぱい!!魚雷へ向え!!』

 

 

武蔵 戦闘艦橋

 

武蔵見張員「航洋艦吹雪!!敵魚雷に向かっています!!距離600!!」

 

知名もえか「えぇ?!」

宗谷真霜「まさか、盾になるつもり?!」

 

宗谷真雪『いけないわ!!吹雪に、至急離脱を命令!!』

 

 

吹雪 CIC

 

吹雪電信員「武蔵から、至急離脱の命令が!」

吹雪水側員「敵魚雷、更に接近!!本艦命中まで後1分!!」

 

高鷲陽子『構うな!!左舷の生徒は全員、右舷へ退避せよ!!CIC、総員退避!!』

 

 

高鷲は自分がどうなろうとも、乗員だけは安全な場所へと退避させる。

 

 

吹雪水側員「命中まで後50秒!!」

高鷲陽子『っ?!』

 

まさかと思い後ろを振り向くと、副長と砲雷長以下、CIC要員が退避せずその場に留まっていたのだ。

 

 

高鷲陽子「……みんな…。」

吹雪副長「どんな時でも、持ち場を離れるなと、中学から教わりました!」

高鷲陽子「っ……………すまないわ……。」

 

吹雪水側員「命中まで後20秒!!」

 

高鷲陽子『衝突警報!!総員、衝撃に備えろ!!』

 

 

けたたましい警報が鳴り響く。

そして………

 

 

ズガァァーーーーーン!!!

 

 

金属が砕ける音と共に、吹雪に魚雷が命中!

瞬く間に水柱に覆われる!!

 

 

艦隊海中

 

 

伊−401潜 発令所

 

 

伊−401水側員「海上で魚雷爆発音!吹雪が被雷!!」

 

伊−401水雷長:橿原杏平「野郎!!ついにやりやがった!!」

千早群像「操舵手!!取舵10、アップトリム5!!両舷全速!!」

織部僧「艦長?!一体何を!」

 

千早群像「本艦を敵潜水艦にぶつけて、相手を戦闘不能にさせる!!」

 

まさかの戦法に驚きつつも、伊−401は長城225潜ヘト接近して、遂に目と鼻の先にまで到達した。

 

伊−401水側員「敵との距離、約50!!」

千早群像「衝突警報!!」

織部僧「総員、衝撃に備え!!」

 

千早群像(これ以上はやらせない!!)

 

そして、伊−401は長城225潜の艦首へ突撃!艦底をぶつけて長城225潜の戦闘能力を奪った。

幸いにも、伊−401はさしたる損害がなかったが、念の為海上へ浮上をかける。

 

 

戦闘開始から約3時間が経過した頃、息を潜めていた遠征103潜が、僚艦の長城225潜の戦闘不能を知ってか知らずか、護衛連合艦隊から離脱していった。

 

だが…………

 

 

 

航洋直接教育護衛艦 時津風

 

同 艦橋

 

時津風艦長:榊原つむぎ「…………っ!」

時津風副長:長澤君江「…………!!」

 

彼らの右舷では、先の戦闘で被雷した航洋艦吹雪が、紅蓮の炎をあげていた。

近くにいた艦艇が、吹雪の乗員を救助を行っていた矢先に、艦内の火災が燃料タンクに引火して爆発。

艦の左舷中央部の装甲を突き破り、激しい炎が吹き出したのだ。

 

 

吹雪の大破・総員退艦から5分足らず。

 

鹿児島沖の海中深くに、その姿を没した。

就役から96年、吹雪はその艦歴に幕を下ろした。

 

吹雪乗員32名の内、重軽傷者25名、意識不明4名、行方不明は艦長の高鷲陽子と副長及び機関長の3名であった。

 

 

群司令である武蔵真冬は、行方不明者の事を生徒から秘匿して、動揺を抑える。

そんな中、米海軍からの最新情報により、南海艦隊が護衛連合艦隊を撃滅すべく南下を開始したとの情報が入る。

 

宗谷真霜は、航行不能になった巡洋護衛艦鈴谷をせとぎり・峯雲の護衛の下、戦線離脱を命令。

残りの艦艇で先島諸島へと向かうこととなった。

 

 

後の歴史で【鹿児島沖海戦】と名付けられるこの戦いは、鈴谷の大破、航洋艦吹雪の撃沈という痛ましい結果となって幕を下ろしたのだった……。

 

 

 

第5話[種子島沖空中戦!!艦隊補給を護りきれ!!]に続く……

 

 

 

 

 




現在の損害状況

航洋艦 吹雪 撃沈

巡洋護衛艦 鈴谷 大破・航行不能につき戦線離脱


次回は、ストパン組が活躍しますよ!
お楽しみに!
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