ハイスクール・フリート〜時空を越えた航海日誌〜2 BATTLE OF 2026 【打ち切り】 作:小説設営隊隊長
1942年9月15日。
帝国海軍の観艦式参加のため、横須賀鎮守府を出撃した学生艦隊であったが、相模湾で異常現象に巻き込まれて、2026年9月16日の日本へと跳ばされてしまった。
そこで待ち受けていたのは、彼らには懐かしい風景であった!
超大型直接教育艦 武蔵:戦闘艦橋
古庄薫「現在位置は!!」
宗谷見張員《位置からして、硫黄島南南西の沖合です!!》
宗谷真霜「硫黄島?!私達は相模湾にいたはずじゃ………!!」
宗谷真冬「どういうことだ?!こりゃあ!!」
羽山陽介「タイムスリップ?………いや、それにしては近代化が進んでいるが………まさか、戻ってきたのか?」
そう考えていると、広域通信から無線が入り込んでくる。
武蔵電信員《広域通信に、何か通信が入り込んでいます!!》
古庄薫「通信?!」
羽山陽介「スピーカーに出してみろ。」
武蔵電信員《は、はい!》
そう言うと、無線の内容をスピーカーに流す。
広域無線《前方停泊中の艦艇群に告げる。こちらは日本国自衛隊3等海佐、坂本美緒。貴艦隊の所属と航行目的を明かされよ。》
羽山陽介「こちらブルーマーメイドの羽山陽介保安監察官。我が艦隊は女子海洋学校所属で、現在はブルーマーメイドと共同で海外派遣の任に就いている。」
しかし、帰ってきた返答は……
坂本美緒《なに?ブルーマーメイド……女子海洋学校?何だそれは、聞いたこと無いぞ!》
聞いたことが無い。
つまり、知らないというのだ。
羽山陽介「ブルーマーメイドを知らないだと?!ていうか、自衛隊とはなんだ?今は1942年ではないのか?」
坂本美緒《なに?!1942年だと!!なにを言っている!?今は2026年だぞ!》
羽山陽介「っ!!」
ここで、羽山はある可能性を導き出した。
だがその可能性を確かめるためには、情報を共有する必要があると考えた。
羽山陽介「…………坂本3佐、でしたね。どうやらお互いに情報の共有が必要のようだ。直ぐに本艦へ着艦して面談を行いたい。」
坂本美緒《………わかった。誘導を頼む。》
対する坂本美緒も、羽山と同じ可能性を導き出していたため、羽山の要請に答えた。
羽山陽介「見張員!前方の艦隊へ発光信号!!情報共有のため、本艦へ接舷せよと!」
武蔵見張員《了解!》
宗谷真霜「羽山さん?一体………」
羽山陽介「仮説だけだが、ある可能性が見えてきた。」
古庄薫「何か確証が?」
羽山陽介「確証はない。だが、これまでの不可解な出来事には辻褄が合うかもしれない。」
武蔵見張員《前方の艦隊から発光信号!貴艦の要請を承認すると!》
武蔵:後部甲板
武蔵生徒4「ちょ………このままおりてくるんじゃ!!」
武蔵生徒7「あの角度じゃ深すぎるわ!!空中線と接触する!」
OH-1:コックピット
服部静夏「かなりギリギリですが……!」
坂本美緒「覚悟の上だ、着艦してくれ!」
服部静夏「り、了解!」
武蔵:後部甲板
OH-1が着艦してくるのと同時に大型直接教育艦赤城が武蔵の左舷に接舷してくる。
宗谷真霜「かなり無茶な角度だけど……」
羽山陽介「いい腕をしているな。あの進入角度で機体を安定させるとは………」
空中線を避けて見事着艦に成功して、エンジンが停まると、コックピットから2人の女性隊員が出てくる。
宗谷真霜「ブルーマーメイド日本支部の保安監督官、宗谷真霜です。」
羽山陽介「同じく、羽山陽介です。」
古庄薫「横須賀女子海洋学校教官の古庄薫です。」
坂本美緒「海上自衛隊所属、3等海佐の坂本美緒です。」
服部静夏「陸上自衛隊航空隊のパイロット候補生、服部静夏訓練兵です!」
遂に両者が顔を合わせた時、赤城から出されたタラップから、1人の女性が武蔵へと乗艦してきた。
その姿を見た羽山たちは安堵の顔をする。
横須賀女子海洋学校学校長:宗谷真雪「久しぶりね。無事で何よりだわ。」
羽山陽介「宗谷校長こそ、ご無事で何よりです!」
ここに、学生艦隊は正式に合流を果たした。
武蔵:応接室
両者が応接室へ集合すると、お互いに情報の共有を始めた。
坂本美緒「さて、まずはこちらから情報を共有をしよう。」
坂本美緒たちの2026年の日本の歴史と情報を開示し始めた。
重要な要目としては、1945年8月15日に旧日本帝国はアメリカ率いる連合国軍に無条件降伏をして、アメリカ主導のもとで民主国家【日本国】として新たな時代を迎えたが、憲法第9条により一切の武力の保有を禁じてしまった為、必要最低限の戦力を有した【自衛隊(詳しくは、初めは警察予備隊であり、保安隊へと改変されて自衛隊へ)】を創設。
その後、21世紀初頭にアメリカ軍が開発に成功した次世代戦闘機【戦術機】の配備開始と戦力拡大により、国内世論は紛糾しているのが、2026年現代日本の歴史である。
宗谷雪「日本帝国が………アメリカに負けたなんて………!!」
宗谷雪は自分たちがいた日本の征く末を知って、驚きを隠せなかったが、羽山は何故か納得の表情をしていた。
羽山陽介「もし、俺達があの世界に現れなかったら………そうだとしたら、この日本の歴史が本来進むべき道なのだろう。」
宗谷真雪「こちらの情報の開示はしてあるから心配はいらないわ。それより、あなた達がどのような出来事にあったのかを聞かせてほしいわ。」
羽山陽介「わかりました。」
こうして羽山は全てを話した、トカラ列島で極めて異常な低気圧に遭遇したあとの出来事………1942年、第二次世界大戦の真っ只中へとタイムスリップをしてしまい、そこで本当の戦争を目の当たりにしたことを………。
羽山陽介「…………以上が、我々が体験したことの全てです。」
宗谷真雪「1942年へタイムスリップ………にわかに信じられないわね………。」
坂本美緒「彼らのタイムスリップによる、歴史の改変………まさかそんな事が………!!」
そして、そこで羽山がある仮説を立てる。
羽山陽介「自分が思うに、この世界はもしかしたら、”可能性の一つ”ではないかと思うのです。」
古庄薫「可能性の一つ?」
羽山陽介「はい。アメリカと講和を結び、近代化が進んだ日本。帝国陸海軍の規模の縮小と自衛隊への格上げ。これらすべてが行われたのがこの世界です。そう考えれば、あのオートジャイロの存在も納得できます。」
坂本美緒「だが、あくまで可能性の話なのだろう?現にこれまでの歴史がそれを証明している。」
羽山陽介「その歴史の根幹の一部を、俺達がいじくり回してしまったから、絶対何処かで辻褄が合わなくなるし、歴史の記録が違うことも起きる。そう考えてます。」
宗谷真冬「俗に言う、タイムパラドックスってやつか………とんでもねぇことをしちまったなぁ……。」
羽山陽介「まぁ、そうなったらそうなったで、後々考えりゃいいことだからな。くよくよしたって始まらない。」
宗谷真霜「そうね。今はこれからどうするかを考えましょ。」
坂本美緒「とりあえず、一度硫黄島基地へ向かってもらう。そこなら大艦隊を停泊させても支障は出ない。」
羽山陽介「よし、それでいこう!」
こうして坂本美緒の判断で、一度硫黄島へ向かうことにした学生艦隊であった。
首都東京:首相官邸
一方で首相官邸では、今後の対策協議のため閣僚会議が開かれようとしていた。
テレビ記者4「垂水首相!硫黄島で発生した異常現象について何かコメントは!!」
テレビ記者5「一部の報道機関では、米軍による実験という情報が流れてますが!」
テレビ記者8「民間船舶の航行になにか影響は!!」
第104代内閣総理大臣:垂水慶一郎「異常現象については、事実関係がはっきりしていないのでコメントを差し控えさせていただきます。また、民間船舶の航行につきましては、現時点ではなにも問題はないと判断しております。」
そう回答すると、垂水首相は会議室へと向かっていった。
日本が取るべき選択は、あるのだろうか………
第3話「政府の選択、自衛隊の選択」に続く…
今回はちょっと短くなっちゃったよ……
次回は政治要素を入れていきます。
お楽しみに!