ハンマー少女はバズらない! 固有スキル【隠遁】で自由に探索してたら伝説になってました   作:chikuwabu

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氷のメジェド

 白くて丸い、根のようなものが一つ生えている不思議な形の岩の影に隠れて、桃子はぎゅっとハンマーを握りしめる。

 一撃必殺。それがこのハンマーの使い方だ。けれど、そのためには当然ながら、持ち主である桃子が身を晒す必要がある。

 しかしそれは、バジリスクの勝利と同義である。

 

 桃子が討伐のための一撃を叩き込むためには、バジリスクの視界を封じる必要がある。

 砂漠の探索者たちがバジリスクの両目を封じるか、あるいは何かしらの新たな策を用いるか。

 

「せめて、私にもなにか出来ることがあれば……」

 

 迂闊にその身を晒すことは許されない。

 桃子が身を晒していいのは、バジリスクが致命的な隙を晒すその瞬間だけだ。

 出来ればバジリスクの上を取りたいところだけれど、いくら魔力で身体機能が高くなっている桃子でも、素の状態で遥か高く飛び上がることは出来ない。ハンマーで殴るとしたら、横から殴りつけるのが関の山だろう。

 

「そうだ、私が【氷結】でバジリスクをもっと冷やせば……って、結局それも身を乗り出さなきゃ無理か」

 

 桃子は、ハンマーについている紅珠を見つめる。これは、遠野ダンジョンに巣食っていた大妖怪『鵺』の力の結晶たる赤い魔石だ。

 この魔石には、水の妖精ニムの力によって【氷結】という強力な魔法が付与されている。それによりこのハンマーは、ただ砕くだけではない、強烈な冷気で瞬時に相手を凍り付かせられる優れた魔法武器となった。

 しかし、この【氷結】による冷気の活用についても、やはり桃子自身が直接その身を晒さねばならないため、話はもとに戻ってしまう。

 

「何か、何か……」

 

 焦る。

 砂漠の探索者たちは、陣形を組んで戦っている。優勢とは言えないまでも、決して押し負けているわけではない。

 けれど、桃子には分かってしまったのだ。彼らの身体が、時間と共に少しずつ、少しずつ、透けてきていることに。

 

 そう、いくらここが死者の国と言えど、死者がいつまでも生者に力を貸し、戦い続けられるわけもない。あれは、時間制限だ。彼らは己の残った時間を削り、バジリスクを倒すために戦っているのだ。

 あのまま戦っていては、いずれ彼らは消えてしまうのだろう。魂が消えてしまう、それはとても恐ろしいことだ。

 だから、桃子はどうにかして、彼らが開拓する血路を活用し、勝ち筋を見いださねばならない。

 

 どうすれば。どうすれば。

 そんな葛藤をよそに、探索者たちは戦い続けている。

 

 

『大丈夫だ、動きが鈍くなってる!』

 

『しめた、冷気だ! 冷気が充満してきてる!』

 

『よし、左目は封じた! 暫くは見えないはずだ!』

 

 しかし、探索者たちはなんと。周囲に充満している冷気をうまく活用し、とうとうバジリスクの片目を封じることに成功した。

 目を潰したわけではない。目を石化させたわけでもない。ただ、瞳に大きな傷をつけることに成功しただけだ。

 けれど、一時的かもしれないが、バジリスクの片目を奪えたのは大きい。

 あれは、目に頼った魔物だ。ならば、その片目が見えなくなれば、動きが鈍くなるのは必然である。

 

『牙だけじゃないぞ、体当たりにも気をつけろ!』

 

『Bチーム近づきすぎだ、離脱してください!』

 

 バジリスクの死角となった左半身。

 それを的確に攻め続ける。いかな強度を誇るバジリスクの鱗とて、決して刃で貫けないわけではない。既にバジリスクの身体には数多の裂傷が作られ、赤黒い血が飛び散っては、煤となって消えていく。

 探索者たちは、再び猛攻を開始する。自分たちが消えてしまう前に。

 

「すごい! すごい、すごい、すごい!」

 

 桃子は、感動に打ち震えていた。

 決して、和歌のように強力な魔法を使えるわけでもない。神器の如き強力な武器を持つわけでも、天に愛されたような強力なスキルを持つわけでもない。

 そんな彼らが、邪悪なる蛇の瞳を、奪ったのだ。

 冷気で動きが鈍くなった隙を逃さずに、彼らは重要な仕事を成し遂げたのだ。

 

「あれ、でもなんで……冷気?」

 

 しかし、そこで分からないのは、冷気である。

 戦っている探索者の中には、魔法弾を撃つ探索者もいるにはいるが、それは決して冷気の魔法ではない。

 ならば自分の【氷結】かとも思ったが、しかし先ほどからしばらくは、この真ん丸で饅頭みたいな形に、まるで尻尾のような突起が足もとに伸びる不思議な岩の影に隠れているだけだ。冷気を発するような真似はしていない。

 

 自然に発生した冷気か、とも考えたけれど。流石にそれは無いだろう。

 明らかに、不自然な冷気なのだ。

 気づけば、桃子の息も白くなっているのだから。

 

 白い息を見つめて考え込む桃子に、懐かしい声が掛けられたのは、その時だ。

 

 

 

『桃子。遅くなって、ごめん、ね。私、気温、下げたよ』

 

「……嘘……」

 

 

 声に振り向くと、そこにいたのは一人の少女だった。特徴的な白い民族衣装に身を包んだ一人の少女が、辿々しい言葉遣いで、桃子に笑いかけていた。

 桃子よりも小柄な少女だ。白地に、合わせや袖口に鮮やかな青い染料を使った羽織のような形状の着物が特徴的で、頭に被った青い頭巾は、バンダナのようにも見える。

 

 それは、コロポックル。

 

 摩周ダンジョンで、光となって消えていったコロポックルの少女――パイカラが、そこに、桃子のすぐ横に、存在している。

 

「パイカラ……パイカラちゃん……?!」

 

『蛇。冬、冬眠する、よ。動き、鈍くなる、よ』

 

 桃子は、恐る恐るパイカラに手を伸ばす。そこには、実体があった。

 身体はうっすら透けており、厳密には実体とは言えるものではないかもしれない。ここが死者の国である以上、彼女の身はすでに魂だけなのかもしれない。

 

 それでも、桃子は初めて、パイカラと触れ合い。

 そして、強く抱きしめた。

 

「パイカラちゃん! パイカラちゃん! カムイダンジョン、助かったんだよ! 平和になったんだよ! みんな、あなたのお陰なんだよ……!」

 

『くるしい、よ。桃子。今は、泣いている場合じゃない、よ? 蛇、暴れてる、よ?』

 

「あ、うん……パイカラちゃん、私のこと、助けに来てくれたの?」

 

 パイカラに諭されると、桃子は涙ぐみながらも彼女を抱きしめるのをやめ、視線を巨大な蛇と戦う探索者たちに戻す。

 蛇の動きが鈍くなったのは、この周囲に満ちる冷気のお陰だ。

 これは、北海道の雪原に住まうコロポックルの力だった。パイカラが、バジリスクを弱らせてくれたのだ。

 

 嬉しかった。

 もちろん、石になった探索者たちが助けに来てくれたときも嬉しかったけれど、しかしパイカラは。たった数日の短い期間とはいえ、桃子の相棒だったのだ。一心同体だったのだ。二度と会うことは叶わないと思っていたのだ。

 

『桃子。助けに来たの、私だけじゃ、ない、よ?』

 

 パイカラは少しだけ苦笑交じりに言うと、桃子がずっと隠れていた白い岩を、その手でぽんぽんと叩く。

 桃子が何のことかときょとんとした顔でそれを見ていると、その白い岩が、突然動き出したのだ。

 ゆらゆらと、ご機嫌に。それはまるで、笑っているような動きで。

 

 そして、白い岩がくるりと振り返る。

 

『うふふー。花子ちゃん、いつ気付くかと思ったら、全然気づかないモチャねー』

 

「う、嘘……モチャゴン……だったの?」

 

 白い岩は、なんと。ただの岩ではなかった。

 根のように突き出た不思議な突起は、尻尾だった。桃子から見えない反対側には、恐竜のような四肢が突き出ていた。

 そして、くるりと振り返ったそれは、饅頭のような身体に恐竜の四肢と尻尾を持つ七不思議。モチャゴンだ。

 

 長崎の小学生。紅子の造った紙粘土像が、その孫である茉莉子の力を得ることで、意志を持つ石像へと進化した魔法生物。子供たちを守る、七不思議。

 桃子と共に不思議な旧校舎を探検したモチャゴンまでもが、このニライカナイに降り立っていたのだ。

 

『モチャゴン、ころぽちゃんと一緒に、応援しに来たモチャよ! 時間は、短い間しかいられないモチャけどね』

 

「モチャゴン? ほ……本当に、モチャゴン、モチャゴン! ごめんね、私、最後、何も気づけなくて……私、私……」

 

 先ほど、パイカラに「泣いている場合じゃない」と諭されたばかりだけれど、それでもやはり、涙があふれてくる。

 ずっと、謝りたかったのだ。

 

 モチャゴンが天命を全うし、消えていったあの日。桃子は何も知らずに、ただ驚くだけだったのだ。

 50年もの年月、約束通りに紅子を見守ってきた友人の最期に、桃子は何も伝えられなかったのだ。

 ヘノは気にするなと言っていたけれど、それでもやはり、桃子の後悔は心に残ったままだった。それが今、モチャゴンに伝えられるのだ。ごめんなさいと。そして、ありがとうと。

 

『ううん。いいモチャよ。モチャゴンは、最後に花子ちゃんとペコちゃんに会えて、とっても嬉しかったモチャ』

 

「うう……モチャゴン、パイカラちゃん……私、私……!」

 

 桃子は、モチャゴンに慰められ。パイカラにもポンポンと背中を撫でられて。

 バジリスクの目の前だというのに、探索者たちが命を削って戦っている最中だというのに、どうしても、溢れ出る感情が止んでくれない。頬を涙で濡らしてしまう。

 

『桃子。泣くの、あとで、よ? 今、戦う、とき』

 

『そうモチャ! あの蛇、モチャゴンは50年前にも戦ったことがあるモチャよ! もう一度組み伏せてやるモチャ!』

 

「そう……だね。でも、どうしよう、茉莉子ちゃんがいないからモチャゴン大きくなれないでしょ? 鏡もないし、私あの眼で視られたら石化しちゃうんだよ……」

 

 しかし、懐かしく、心強い友人たちが駆け付けてくれたけれど、事態が好転したわけではない。

 状況は先ほどまでと変わらず、桃子はバジリスクの前に迂闊に姿を晒すわけにはいかない。

 砂漠の探索者たちは既に身体が半分ほど透き通ってきている。いくら彼らに戦う気持ちがあったとしても、これ以上の継戦を望むわけにはいかないだろう。

 

 だが、そんな窮地の中で。パイカラは桃子の背中を優しく撫で続ける。

 パイカラは知っているのだ。北海道での事件の間、桃子の中でずっと桃子を見ていたコロポックルの少女は、本人以上に桃子の力をよく把握していた。

 

『私、知ってる、よ。桃子は、凄い力、持ってる……よ? 色々な物、生み出す力、だよ?』

 

『そういえば、そうだったモチャねえ。きっと、鏡とかを生み出して、でっかくしちゃうモチャねえ?』

 

 そして、パイカラとモチャゴンの言葉で、桃子は一つの気付きを得る。

 自分の持つ力。

 桃子と共にいたパイカラが言うのだ。桃子ならば、様々なものを生み出せるはずなのだ。もちろん、都合良く何でもゼロから産み出せる程に桃子は器用でもないし、流石にそこまでの力はない。

 でも、ゼロからでないならば。

 

「……鏡……でっかく……そうだ、パイカラちゃん、モチャゴン。こういう作戦って出来るかな」

 

 桃子はごくりと唾を飲み。目の前にいるパイカラとモチャゴンに、いまの思い付きを話す。

 モチャゴンは笑顔で上下に揺れて、パイカラもうっすらと微笑んで、頷いてみせた。

 

 

 

 

 

 

 戦い続ける探索者たちは、バジリスクとの激闘でかなりの魂を消耗しており、既にその存在が稀薄になっていた。これ以上魂をすり減らしては、無事では済まないことは本人たちも承知している。

 だが、彼らは戦いをやめる気持ちは毛頭ない。

 自分たちを、人として終わらせてくれた少女に報いるために。彼女のためなら、どうせ石として風化する運命だったこの魂を捧げても構わない、と。

 しかしそんな彼らに、待ちわびた声が届く。

 

「皆さん、私たちがやります! 無茶を承知でお願いします、即興で合わせてください!」

 

 バジリスクと戦い続ける探索者たちに向けて、桃子の声が響く。

 そこには説明もなにもない。ただ、合わせてくれ、というだけの無茶な言葉だ。

 

『まかせろ!』

 

『頼んだよ!』

 

 それでも彼らは、当然のように受け入れる。

 スフィンクスの鍵に認められた叡智だ。スフィンクスに認められた勇気だ。即興で少女の策に合わせることなど、自分たちならば問題なくやってのける、と。

 彼らの強い意志は、作戦のために動き始めた桃子にも、しっかりと伝わってきた。

 

 

 

 

 

 

 

『花子ちゃん、お願いするモチャ!』

 

 まず、何はともあれあの巨大な蛇を押さえつける役だ。

 それが出来るのは、モチャゴンしかいない。モチャゴンならば、既に一度、あの蛇を押さえつけた経験がある。

 そして、モチャゴンを巨大化させるのは名波茉莉子ではなく、今は桃子の役目である。

 

「うん! 大きなモチャゴンなら私は一度見てる、知ってる! しっかり覚えてる! 私は【創造】できるっ!!」

 

 桃子は、想像する。いや、想像などせずともよい。ただ、記憶を辿る。

 モチャゴンが巨大化し、学校の校舎より大きくなった姿を思い出し、それを【創造】するだけだ。

 今の桃子は、肉体から離れた魂だけの存在だ。だからこそ、今の桃子は【創造】という不思議な力を己ではっきりと感じとれていた。今ならばきちんと、自分の意思で操れる。

 

 その【創造】の魔力が今、モチャゴンを包み込む。

 

『モチャー! ここはでっかいモチャゴンが頑張るモチャよー!』

 

 みるみる内に膨れ上がり、学校の校舎のように巨大になったモチャゴン。

 その彼が。青い花びらをまき上げ、大きな足音を響かせ、バジリスクへと近づいていく。

 

『ケラケラっ! 目くらましなら、任せてね! 任せてね!』

 

『俺たちはこの怪獣のサポートだ! 最後の意地を見せろ!』

 

 巨大なモチャゴンがバジリスクへと接敵し、力ずくでその身を押さえつける。

 今のモチャゴンは魂だけの存在な為、バジリスクの邪眼も効果がない。そうでなくとも、このモチャゴンの身体は石で出来ているのだ。当然、動く石像を更に石化させたところで意味はない。まさに、バジリスクにとっては天敵以外の何物でもないだろう。

 エレクが、そして探索者たちが。モチャゴンの押さえ込みから巨大な蛇が逃げぬよう、散開してサポートに回る。

 

 

『私も。桃子と、一緒なら。出来る、よ』

 

「パイカラちゃん、力を貸してね!」

 

 そして、桃子は一人、風を受けていた。桃子の羽織る、白地に鮮やかな青の染料が特徴的な民族衣装が、風になびく。桃子の頭には、同じく青く染色された頭巾が装着されていた。

 これは、パイカラの羽織だ。今、パイカラはその少女の姿を消し、コロポックルの衣装となって桃子の身を包んでいる。

 北海道、摩周ダンジョンで戦った時と同じ、一心同体の姿だ。更には、今の桃子とパイカラは互いに力を発揮し合える、真のももポックルと化していた。

 

 桃子はバジリスクへと向けて手をかざし、パイカラの力で魔力を放出する。

 するとバジリスクの周囲には、氷の結晶が浮かびあがる。

 ピキピキと音をたて、幾つかの薄い氷が、バジリスクの周囲の空中を漂っている。

 

「【加工】! 【創造】! 氷の鏡!!」

 

 そして、桃子が更に己のソウゾウを重ねることで、その氷の板は、美しく光を反射する氷鏡と変化する。これは、パイカラの力と、桃子の力が合わさったものだ。

 モチャゴンに押さえ込まれ、そして周囲には邪眼を跳ね返す氷の鏡が舞っている。バジリスクは鏡を嫌い、先ほどまで以上に身をよじるが、モチャゴンの渾身の押さえ込みにより、動けない。

 モチャゴンの力が続くのも、そしてパイカラがこの鏡を維持できるのも、時間にして数十秒もないだろう。けれど、それで充分だ。

 今このとき、バジリスクの邪眼は働かない。そして、今ならばその動きも封じている。

 

 

『今モチャ!』

 

『ケラケラっ! 行けっ、行けっ!』

 

『桃子。やる、よ』

 

 

 桃子は、先ほど巨大化させたときからずっと、モチャゴンの背に乗っていた。そこから、眼下にバジリスクの頭を見下ろしていた。

 手にしたハンマーに、魔力を送り込む。自分の魔力と、今はパイカラもその力を貸してくれている。

 

「もう、これ以上……!」

 

 そして、叫びと共に。

 モチャゴンの背から、バジリスクの頭を目掛けて飛翔する。

 

 コロポックルの白い羽織を身に纏った桃子が。

 あの日と同じ『打ち倒す者』として。バジリスクへと、その魔力を込めたハンマーを振り下ろす。

 

 

 

「みんなを、苦しめるなああぁぁぁッ!!!」

 

 

 

 死者の国に咲き誇る青き花畑を、白く輝く冷気の爆発が照らしだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ACEROLA撮影チャンネル】

 

 

 今日は龍宮礁の海風を受けながらの撮影よ。ふわっ♪

 見てのとおり、空の妖精よ。

 空の妖精が、空の見えないダンジョン内で撮影するわけにいかないものね。ふわっ♪

 

  ≪パシャ≫

 

 あ、今日の決めポーズは、ふわっ♪ にしてみたのだけれど、これは羽衣がふんわり浮いているイメージよ。

 とは言っても、実際に羽衣が浮くほどの風が吹いていないから、あまりふんわり浮いてくれないのよね。残念だわ。

 今日は、せっかく友達になれた子たちが熱を出して寝込んでしまったりして、ちょっと残念なことが続いてるの。ふわっ♪

 

  ≪パシャ≫

 

 アンニュイな空の妖精よ。ふわっ♪

 

  ≪パシャ≫

 

 でも、何かせめていいことのひとつくらい……って、あら?

 

  ≪バララララ≫

 

 何かしら、ヘリコプター?

 ヘリポートが使われてるの、初めてみたわ。本当にあれ、バーベキュー会場じゃなくてヘリポートだったのね。

 ……まって、ヘリコプターのお陰で風が吹いてるわ! もしかして、羽衣チャンスじゃないかしら!

 ふわっ♪ ふわっ♪ きゃーん、素敵♪

 

  ≪パシャ≫ ≪パシャ≫ ≪パシャ≫ ≪パシャ≫ ≪パシャ≫

 

 素晴らしいわね。ところでこれ、何のヘリコプターかしら。

 あら、世界魔法協会? 随分珍しいヘリコプターじゃない。

 せっかくだから、ヘリコプターをバックにもう一枚、とっておこうかしらね。

 

  ≪パシャ≫

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