オーガポンで愉悦したかった(できない)転生モモワロウ   作:アザミマーン

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地味にちゃんとした?男主人公書くの初めてだな…
とか思ってたらモモワロウ公式では性別不明でした。ともっこはオスなのに。


モモモー

 

 

 

「この度は我らをお救い下さり誠に有難う御座いました!!!」

 

「「「「「有難う御座います!!!!!」」」」」

 

「モモワーイ…(あーヨカッタネー…)」

 

 キタカミの里に来てから早数ヶ月。俺の目の前には土下座する村人どもという光景が広がっていた。

 これで相手の顔が屈辱に歪んでれば最高なんだが、満面の笑みだからな…。

 

 この数ヶ月、俺とともっこ達はずっと働いていた。崩れた家の立て直し、柵の修復、食料集めの手伝いに外敵の排除…

 もちろん村人も総動員していたが、人の手だけじゃ足りないし、俺たちポケモンがやったほうが速いこともある。重いものにはイイネイヌ、高いところにはキチキギス、頭を使うところにはマシマシラ。ともっこ有能かな? こいつらだけで役割が完成されてるんだよな。

 お前は何もしてねーだろって? い、いや、その…指示出してたのは俺だから! 翻訳はサイコパワーが使えるマシマシラ任せだったけど。そもそも俺は人間の言葉しか分からんから、どっちも分かるっぽいマシマシラに言うしかないし。あ、あとその辺の野生ポケモン適当に支配して手伝わせてたから。ホラ、やっぱ俺の功績じゃん。

 

 って違う! 俺は村人どもを喜ばせたいわけじゃねーんだよ!! 

 だが、実際俺も良いことをしてしまったという自覚はある。くそ、こんな筈じゃなかったのに…何という屈辱。いやでも俺が嫌な目に遭っているという、自分の不幸で愉悦できる。これが地産地消か。

 

 

 そういえば、村がこんなにボロボロになっていたのは森から攻めてきたポケモンたちのせいだったっぽい。俺たちが村に来てからも、連日ポケモンたちが押し寄せてきた。まぁ最終的に全員叩き潰したわけだが。群れてるとはいえ、伝説のポケモン4匹で一般ポケに負けるかよ。

 1匹だけ強いガチグマがいて、そいつはちょっと苦労した。ちょっとな。森の主的な存在? 

 じめんタイプは俺らに抜群だし苦戦は必然…なんて言うとでも思ったか? キチキギスに乗りながら戦ってたので効きませ〜んwwwキチキギスにひこうタイプは無いが、普通に考えて飛んでる相手に地震が当たるわけないだろ。卑怯? 最高の褒め言葉ですわ!! イイネイヌやマシマシラは流石に相性悪すぎて下がらせたが、俺(とキチキギス)にかかりゃ、チョチョイのチョイよ。

 それにガチグマは物理一辺倒のポケモンの上、じめん・ノーマルの複合タイプ。不一致技が当たったところで高防御の俺は大したダメージを負わないし、タイプ一致のノーマル技はゴーストタイプの俺に効かない。

 じゃどくのくさりは半減で受けられてしまうが、毒にかかれば後は耐久して逃げ回るだけ。毒で弱っていく姿を見ながらこっちは悠々と空の旅…なんて愉悦。遅延戦法最高! 現実には切断とか無いんだわ、ごめんな! 

 あ、きび団子で操ることはできなかった。俺の毒は半減や無効のタイプを持つポケモンを操れないのだ。まぁ何でも操れたら最強のポケモンだからね。しょうがないね。

 

 こうして村は守られ、俺はガチグマの溜め込んでいたきのみを大量に持ち帰れて、誰も損しないwin-winでめでたしめでたしってわけ。ガチグマ? 奴は敗北者じゃけぇ…

 

 

「モ…(さて…)」

 

 恐れ山の洞穴、そこに作られた社で、頭を下げる村人を見ながら踏ん反り返っている俺。

 ここに来た当初、住処がなかった俺たち4匹は、恐れ山の洞穴を勝手に広げて住んでいた。居着いていても誰も文句言わなかったし、何なら村人が改装してくれた。

 このまま頭を下げているのを永遠に見てるのも良いんだが、多分俺が飽きるので止めさせる。

 

 よし、切り替えよう。確かに俺は村人を喜ばせるようなことを自発的にしてしまった。しかし、しかしだ。逆に考えるんだ。喜ばせちゃってもいいさと考えるんだ。

 俺はコイツらの恩(ポケモン)になった。俺の精神を犠牲にして信用を得たのだ。ならばこの状況を利用しようじゃないか。

 信用を得て、喜ばせてから、最後に突き落とす。

 これなら最終的な愉悦収支は寧ろプラス、大幅増間違いなしだ。味方だと思っていた奴が実は全ての黒幕…美しい、もはや様式美と言ってもいいだろう。

 

 いいさ、今は雌伏の時。お前らの期待通りに動いてやろう。だが忘れるな。俺は愉悦部。貴様らを地獄に突き落とす者だ…!! 

 

「モモモー!! (頭を上げい!!)」

 

 マシマシラのサイコパワーで頭に言葉を送り込まれ、すぐに顔を上げる村人ども。その目はキラキラと希望に輝いている。

 いずれ来るオーガポン、その前座だ。お前らに教えてやるよ。希望なんて、絶望の手前に過ぎないということを…

 覚悟しておけ。

 

 え? 食料問題? ならモモンのみ量産しといてよ。俺が加工するから。

 え? 野生のポケモンが襲ってきた? じゃあ支配するから逆に護衛にでもしときな。

 え? お面作りの一族で俺のお面作りたい? 勝手にすれば。あ、でも俺がきび団子ぶち込めるように口の部分開けとけ。

 え? 結婚するから見届けてほしい? なんで俺が…

 

 

 …覚悟しておけ!!! 

 

 

 

 

 

 

 数年後。そう、あれから数年経った。

 い、忙しい。村の管理で忙しすぎて碌に悪事も働けん。何処にいても村人の目があるから裏でどうこうするのも難しい…

 だが、少しずつ、少しずつ準備を進めてきた。普通のきび団子に思考誘導毒入りの団子を混ぜたり、遠くの地域から強いポケモンを呼び寄せたり…

 もう少しでそれも完成する。俺の支配する、絶望の町スイリョクタウン…!! 

 

「モモさまー!!」

 

「モゲ? (なに?)」

 

 そんなことを考えていたが、俺を呼ぶ声に中断される。呼んだのはこの村で最初に助けたガキだ。今はもう思春期になりつつあるが。

 あと俺は村人にモモさまとか呼ばれてる。安直すぎんか? どうでも良いけど。

 

「よそもんが来た」

 

「モモン? (余所者?)」

 

 何だよこのクソ忙しい時に。あと数ヶ月もあれば俺の計画は完成するんだぞ? ここで余計な茶々入れられたらまた遅延しちまう、追い返すか。

 そう思いつつ、ガキと一緒に村の門までたどり着くと。

 

「……」

 

 この辺では見ない肌の色をした男が一人、村人たちに囲まれて居心地が悪そうにしている。そして。

 

「…ぽに」

 

 その後ろ、見たことしかない緑色のポケモンが、見たこともないような無表情で、男に庇われるようにして立っていた。

 

 

 ────────────────────────

 

「お、似合ってるじゃない。その甚兵衛!」

 

「ねーちゃんのお下がりだけどな…いてっ」

 

「余計なこと言わない」

 

 ありがとう! ▼

 仲良いね! 

 

「さてバカスグは置いといて、お祭りを楽しむわよ!」

 

「はぁ…あ、アオイ、りんご飴とか桃きび団子とか、食う? それとも、あっちさ売ってるモモワロウ様のお面買う?」

 

 屋台に並んだ商品を買いますか? 

 桃きび団子を買う▼

 モモワロウお面を買う

 何も買わない

 

「あれ! もうオーガポンいるじゃない! あそこ!」

 

「おにさまー! こっちこっち!!」

 

 あれがオーガポン? ▼

 あれがおにさま? 

 

「そう、お面をななめにかけてりんご飴かじってるのがオーガポン。かわいいでしょ? あんなニコニコしてるけど、この町の守り神的なポジションなのよ、一応」

 

「おにさまは優しいし、とってもいいポケモンなんだども…戦いになると、鬼みてぇに強いんだ」

 

「今日は碧のお面なのね。あ、アオイは知らないだろうけど、オーガポンは4つお面を持ってるのよ。その日の気分で付け替えてるみたいだけど」

 

 4つのお面? ▼

 なんで? 

 

「それは…。おにさまは昔、よそからこの村に来たんだけども…村に来る前は、迫害されてたみたいなんだ。昔はポケモンを相棒にする、なんて考え方が無い地域も結構あったみたいだし、おにさまと一緒にいた男ん人は、この辺の人とは肌の色が違って、それも原因になってたんだ」

 

「この村に来たときのオーガポンは、それが原因で心が壊れかけていたという話よ。無表情で、何に対しても反応が薄かったらしくて…今からじゃ考えられないわ」

 

 そんな…▼

 優しいポケモンなのに…

 

「そこで村のお面職人、おれとねーちゃんの先祖があのお面を作ったんだ。上手く表情が作れなくなってしまったおにさまのために、お面で気持ちを表現できるように」

 

「ちなみに、それを提案したのはモモワロウ様よ。モモワロウ様はオーガポンに親身になって話しかけたり、遊びに出かけたり、仕事を教えたりしたそうよ。他にも、森で迷子になったオーガポンをともっこたちと探したり、ポケモンに襲われたオーガポンを助けたりしたらしいわ。あ、その森があっちにあるとこしえの森で、そこには怖いクマのポケモンが主をしていたんだけど、それもモモワロウ様が倒したって話で…」

 

「あ、ごめんなアオイ。ねーちゃん、モモワロウ様の話になると早口になるんだ。話も長えし」

 

 詳しいんだね! ▼

 慣れてるから大丈夫! 

 

「スグのくせに生意気ね! …とにかく、モモワロウ様がオーガポンと仲良くして、そのおかげで今はオーガポンがこの村を守ってくれてるのよ」

 

「ぽにおーん!」

 

「あ、おにさま。アオイ、この村を守ってくださってるオーガポン様だ。おにさま、こっちはアオイ。ここには林間学校で来てるんだけど、別のところから来たんだ」

 

「ぽにっ!」

 

 よろしく! ▼

 楽しんでます! 

 

 桃きび団子/モモワロウお面を渡しますか? 

 はい▼

 いいえ

 

 

 

「ぽに? ぽにおー!」

 

 

 




一発ネタを長く書くとダレるのでそろそろ〆に入ります。

あと二、三話くらいかな?
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