白い部屋から出たとして   作:九頭竜 胆平

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就活がひと段落しました。エタを心配させたかもしれませんが大丈夫です。まだ書けます。


くーろい悪魔と腹黒て・ん・し

僕は坂柳の呼び出しを食らっていた。最初はドキドキしていた僕も、今ではああ、またか程度にしか心が動かない。あれだけ優れたルックスを持っているのに僕に微塵もその気にさせないなんて、一周回って凄い女である。

今まで何度も呼び出しを食らった僕ではあるが、今回は非常に珍しい、というか初めて坂柳の部屋に呼ばれることとなった。

 

「マロウブルーで良いですか?」

 

「…僕がやるよ」

 

「足のことならお構いなく、キッチンに他人を踏み込ませるのは不快ですし」

 

うぜ~この女。僕だって客人としてきたのに給仕の真似事しようなんて考えないんだよ普段は。だが今日は神室等の取り巻きもいねえし不安なのだ。

護衛もつけず、毛嫌いしている僕をわざわざ部屋に入れるくらいなのだからよっぽど秘密にしたい内容なのだろう。たとえ相手が坂柳だったとしても二往復させるなんてことはさせられないためタイミングを見計らって取りに行く。ていうかなんで客に出すものがマロウブルーなんだよ。青や紫の色に変化するお茶とか人を選ぶだろ。

対面に座った坂柳はマロウブルーを一度口に付けてからしゃべり始めた。

 

「今回の特別試験で、綾小路君のペアである佐藤さんが試験途中で退出したことはご存じですか」

 

「当然耳にしたさ。Cクラスも隠したかっただろうがことがことだ。それが?」

 

「私が挑むまで綾小路君には手は出さない。そう約束したはずでは?」

 

「僕がやったってか?学校が未だ試験妨害かどうか決定を下せないのに僕を犯人に仕立て上げるなんて、妄想の類だろ。らしくないな」

 

「規定時間に耳障りな音を出すだけの機械などだれかに仕掛けられた以外あり得ません。しかも同じポケットに何かの回答が書かれた紙が仕込まれているとなればそれはもう答えでしょう」

 

「犯人がいるってことはな。僕がやったって証拠には程遠い」

 

「入っていたのは制服の前ポケット、普通の人なら着ている時に入れるなんて不可能です。となれば夜間に侵入するしかない。」

 

「普通の人、なんて前提がある時点で破綻してる。ようは俺と綾小路ならできるって話だろ。2択で地獄の水掛け論でもやるか?犯人が生徒だと決まったわけでもないのに」

 

僕が犯人だって証明はまず無理だろう。疑わしきは罰するこの学校だっていつ仕込まれたかわからないもののアリバイなど突き詰めようもない。

僕は席を立ち、部屋を後にする。扉を出る時にふと見えた坂柳の顔が酷く不機嫌だったのでほんの少し胸がすく思いだった。お前も苦しめ。

自室に帰った僕はまだ8時にすらなっていないのに強烈な眠気に襲われたので眠ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に入ってきた侵入者を壁に叩きつけ喉を締め付ける。

侵入者はどうやら扉を開けて普通に入ってきたようだ。まあ睡眠薬もられて即起きするとは思わないか。相手もできるだけ音を出さないように気を付けていたし、気配もできる限り消していた。悪くはない。

 

「が、良くも無い」

 

「う、ぐぅ」

 

手を放す。

 

「げほっ、がっ、えほ」

 

「大丈夫?水のめる?」

 

冷蔵庫からスポドリを持ってきてむせないようにゆっくりと口にそそぐ。

暗闇に目が慣れて確認すると侵入者は山村ちゃんだった。何てことだ。僕が女の子に手を出してしまうなんて。そんな、馬鹿な。

 

「山村ちゃんって実は男だったりしない?」

 

「え…女だと思いますけど」

 

女だと思ってるだけの男性の可能性も…無いよな。無いわ。

坂柳がお茶に睡眠薬を仕込んでるのは気づいてたがまさか山村ちゃんを僕の部屋に向かわせるとは予想外だった。二人が親しいことなんて僕含め誰も知らないのでは。

 

「あれ?じゃあ時々僕を尾行してたのも坂柳の指示だったってこと?」

 

「!?気付いてたんですか…」

 

僕が女の子の匂いを気づかないなんてことあり得ない。さっき?寝起きだからノーカンで。でも、そっか。坂柳の指示かぁ。

 

「なんでばれてたのに撒こうとしなかったんですか?」

 

「え、だって山村ちゃん僕のこと好きだと思ってたし」

 

何時僕に告白しようか探ってたわけじゃなかったのか。…実は今回の件も坂柳にお願いして僕を眠らせた後に僕の寝顔を撮ろうとしたのをごまかしてる説ない?

確認のために山村ちゃんの顔を覗き込むが嘘を言っている様子はなかった。

 

「ひゃっ」

 

ついでに首筋の汗も舐めてみたが嘘をついている味はしなかった。つまり僕がどんなふうに告白にOK出すか考えてたのも、彼女になった時にどんなところを褒めようと考えたのも、デートの時にいい感じになったらスマートにキスする方法もすべて無駄だったというわけだ。

坂柳に文句の一つでも言ってやろうと携帯を取り出すと山村ちゃんは慌てたように僕を止めた。

 

「待ってください。私のことを伝えるのは、どうか。な、何でもしますから」

「今何でもするって言ったよね?」

 

悪魔「も~ウィーンじゃね?どうでも。きよぽんの退学とか現実的じゃないしもうチャン山を俺ちゃんの彼女にしながら3年間だらだらするだけでいいっしょ!今なら何でもできちゃうよ?無理やりエッチな衣装着せて写真撮るとか、休みの日にノーブラノーパンメイド服で1日中ご奉仕させるちゃったり?合意ありよりのありの強姦とかやっちゃうっしょ!そんな未来マジヤバウィーネー!」

天使消えるべ闇のわだす!!(迫真)

わだすはそんな男じゃないはずだべ!みんなが死んでいって先↑生↓が死んだ日、わだすは誓っだんでねえか!無駄にしねぇと、パパの小路をてっぺんに添えて、その下でホワイトルームという教育機関を盤石の物にするっで!こんなところで燻ってる場合でねえ!せっかく坂柳もぎよだがも出し抜げそうな駒が手に入るんだべ!?女だがらと容赦しねえで、ボロボロに使いつぶしてでもさっさとこの牢獄から出るべきでねえのか!?」

 

僕の頭の上で喧嘩を始めた天使(ホワイト本願寺)悪魔(ブラック本願寺)を見ながら僕は考える。

こいつら本当に僕から生まれた天使と悪魔か?一人称どころか喋り方も違うし、エアプ本願寺?

ただこの二人(?)が言っていることは間違ってはいない。確かにもう正直止めたい。でもホワイトルームを完成させるには清隆がいたほうがいい。

 

菩薩「待ちなさいあたくしよ。二匹の言っていることはもっともですが、山村さんのことを何一つ考えていないではありませんか。そもそもあたくしは人を使うことが大の苦手、あたくしは一人で苦難に立ち向かうべきです。」

 

菩薩(クソデブ本願寺)…おまえ、いいやつだな。わかった、僕はお前の案に…

そこまで言いかけたところで菩薩(クソデブ本願寺)天使(ホワイト本願寺)にピストルで目を射抜かれ、怯んだすきに悪魔(ブラック本願寺)のトライデントで首を貫かれ絶命し(落ち)た。菩薩(クソデブ本願寺)を殺した悪魔(ブラック本願寺)天使(ホワイト本願寺)がピストルを乱射するも、悪魔(ブラック本願寺)は致命傷にならない位置で鉛玉を食らいながら接近する。

 

悪魔「ここまで来たからには槍のリーチっしょ!俺ちゃん強ウィーねぇー!」

 

遂に決着かと思われたその時、天使(ホワイト本願寺)は向かってくる槍の穂先を蹴り上げ、悪魔(ブラック本願寺)の鼻っ面に拳を叩き込んだ後背後に回り込み懐から出したドスで返り血を全身に浴びるのをものともせず翼の付け根をえぐり飛ばした。

あまりの激痛に叫びながら悪魔(ブラック本願寺)は落ちていき、ぐじゅり、と肉の潰れる音が聞こえてくる。下を見れば悪魔(ブラック本願寺)は見るも無残な姿になっていた。それでも目の前に落ちているトライデントに必死に手を伸ばす。

パン。

短い破裂音が鳴り響き頭に小さな穴をあけた悪魔(ブラック本願寺)が絶命する。

 

悪魔(ゴミ)が生きぎたないのは世の常だべな。かぁ~、ぺっぺっ!」

 

両方の死体に痰を吐きかけた天使(レッド本願寺)はふわふわとこちらに近づいてくる。

 

天使「わだすの案に乗るべ?な?」

 

でも、菩薩(クソデブ本願寺)の案が一番いい「ああ?」

眉間に銃口を突き付けた天使(レッド本願寺)が僕に問いかける。

 

天使「わだすの案に乗るべ?」

 

…………乗ります(半泣き)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山村ちゃんにわだす…じゃなくて僕の部屋で何をして来いと言われたのか聞いたところ、証拠になりそうなものがないかどうか探って来い、ついでに私のパンツも取り返して来い。とお達しされたらしいのでとりあえず証拠は何もなかったことと冷凍庫にあるパンツを渡した。

 

「急にわだ…僕の連絡先が増えたら疑われるだろうし、わだ…僕の命令は口頭、もしくは手記で伝える。内容はメモに残さないこと、手記なら細かくちぎったうえでトイレに流すこと。いいね?」

 

コクコクとうなづく山村ちゃんを家から追い出したわ…僕は二度寝にふけることにした。

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