Ab06(アビドスぜろろく) 生徒名 レイヴン 作:sepa0
作らない奴とは、敵にも味方にもなれない。
求めるものが無いなら、作り出す。
創作意欲が溢れ出して止まりませんでした。
『この惑星を…焼かせはしない。』
コーラルと呼ばれる物質がある。
辺境の資源惑星、ルビコン3で発見されたそれは新たなエネルギー資源として、また、導体制御の材料として人類に飛躍的な発展をもたらすとして、嘱望された。
しかし、問題もあった。
「アイビスの火」と呼ばれる災害があった。
ルビコン3だけでなく、周辺星系をも巻き込んで起きた大火災だ。
原因は、コーラルだった。
『今ならわかります…レイヴン、貴方こそが…ルビコンの戦火そのものだったと!』
私は、その星に、ハンドラー・ウォルターによって送り込まれた。
旧型の強化人間、廃棄処分寸前の在庫。
最初は疑っていた。ただ、使い捨ての駒が欲しかっただけだと。
私にはもう、ACの操縦をすることしかできない。ただの部品。
だというのに、私のハンドラーは、こんな私を人間扱いしてくれた。
『この星でコーラルを手にすれば、お前のような…脳を焼かれた独立傭兵でも、人生を買い戻せるほどの大金が手に入るはずだ。』
あの時の私は、大して期待なんてしていなかった。
だが、何度も死線をくぐり抜けていくうちに、私は、ウォルターに懐いてしまったのだろう。
『621…火をつけろ。燃え残った全てに』
ウォルターの本当の目的。
それは、いずれルビコンから溢れ、宇宙全体に広がり、汚染や災害を引き起こすであろうコーラルを、一つ残らず根絶することだった。
そして、私には、コーラルの友人が居た。
実体を持たぬルビコニアン「エア」。
私の頭に直接話しかけ、あらゆるサポートをしてくれた大切な友人だ。当然、エアからは、コーラルを根絶することを止めてくれと頼まれた。でも、私は、
『貴方の考えは、わかりました。……残念です……』
私は、ウォルターの意志を継ぐことを、選択した。そして、ルビコンを守るためにやってきた「戦友」と、コーラルを守るために立ち塞がった「友人」を、
殺した。
『それでも…私は…』
私のACのパルスブレードが、友人の機体に深く突き刺さる。
『人と…コーラル…の…』
友人の機体が、こちらへ手を伸ばす。
(…さようなら。)
友人が爆散し、コーラルを吸い上げていたバスキュラープラントに、命の恩人が乗っている巨大な船が突っ込む。
一箇所に集められたコーラルは、それを火種として、大爆発を起こした。
私は、その爆発から必死に逃げた。
しかし、友人との戦闘で傷ついた私のACのブースターは限界を迎え、動かなくなる。
どこまで広がるか見当もつかないコーラルの爆発に、ついに飲まれる。
(…ここまでか。)
静かに、目を閉じる。
私が知っている世界での記憶は、ここで終わる。
アビドス自治区
「…んあー?」
パトロールしていたホシノは、昨日まではなかったクレーターを見つける。
迫撃砲で出来たにしては大きすぎる。
たまたま誰もいないような砂漠のど真ん中で良かったものの、もし校舎や人がいる場所に
こんなクレーターを作れる物を撃ち込まれたらシャレにならない。自分達の自治区の中で、勝手に兵器のテストでもしたのだろうか?見れば、クレーターの真ん中には何やら残骸のようなものも残っている。
「…うちの自治区でこんなことするなんて、ちょっと許せないなー。」
何か手がかりを掴もうと残骸へ近づく。
「なんだこれ?」
近づいてよく見れば、この残骸が異常なことに気づく。砲弾でも飛行機でもヘリでも戦車でもない。その残骸は人の形をしていた。
10m程度の巨人のような機械。こんなもの見たことも聞いたこともない。
どこか技術が進んでいる所の新兵器かもしれない。もっと近づいてみると、突然残骸が動き出す。
「!?」
人で言えば頭に当たるであろうパーツが動き、ホシノをじっと凝視する。
「…なにさ、じろじろ見て。変態さんなのかな?機械のくせに。」
肩に吊るしてあるショットガンに手をかける。見た感じ機銃のようなものは見当たらないが、これだけ大きければその場で暴れるだけで十分脅威となる。
『外部での生存確率上昇。オートパイロットを解除。
コックピットブロック、強制排出。』
「しゃべった!?」
驚くと同時に、胴体部分がガバッと開き、棺のような形の何かが排出される。
ホシノはショットガンを構えたまま接近する。ミサイルだとか、爆弾だとかそんな感じはしない。覚悟を決めて手を触れると、蓋が開く。
「…なんじゃこりゃ。」
開けられた箱の中には、小さな女の子が乗っていた。女の子は深く眠っているようだ。ヘイローも出ていない。
「おーい、起きてー。…っ!?」
脅威ではないと判断し起こして事情を聞くため頬をペチペチと叩くが、驚くほど、頬が冷たい。もしかしたら、死にかけているのかもしれない。
「…とんだひろいものだねぇ。」
ホシノは少女と、少女の持ち物と思しきアサルトライフルとカバンを持つと、拠点である校舎へと歩き出した。
意識を手放してどれくらい経ったのだろうか?私はコーラルの火から逃げる事は叶わず、燃やされたはず。だから、瞼が重いなんていうのは、おかしい。
目をゆっくり開けると、そこには見知らぬ天井が見えた。ACのコックピットではない。誰かに、助けられたのだろうか。
私はなんとなく起き上がる。
……起き上がる?
旧世代の強化手術によって、上半身を起こすどころか、寝返りすらできない私が、気付けば、ベッドから、降りている。歩いている。窓の外を見てみる。とても、空が、綺麗だ。
ACのカメラ越しでしか風景を見ることができなかった私が。あまりの美しさに、目が潤む。どうやら、泣く機能も復活しているようだ。体には包帯も残っているが、目新しい。
誰かが治療をしてくれたようだ。もしかすれば、ウォルターが手配していた医者がやってくれたのかもしれない。
廊下側から話し声が聞こえる。私を治してくれた医者かもしれない。部屋のドアが開けられる。
「あんなに焦ってるホシノ先輩、初めて見たわよ。」
「いやぁ、触ってみたらびっくりするくらい冷たくてさ。息はしてたから、大丈夫だと思うけど。」
「ん、もう起きてる。」
視界に入ってきたのは、現実とは思えない光景だった。
犬のような耳が生えた子供。
なぜか銃を持っている。
おまけに、天使の輪っかのようなものまでついている。
ああ、なるほど。私はやっぱり死んだのか。
でもおかしいな。てっきり行くのは地獄かと思ってた。
「おお!よかったよかった。」
天使達が、私へ近寄ってくる。
「綺麗な目してるね。」
「肌も白ーい。」
彼女達は私の容姿を一通り誉めると、固まったままの私に話しかけてきた。
「気が付いてよかった。ところで、君って何者なの?見殺しにするのはなんかやだったから助けたけど、どこからきたのかなぁ?」
ピンク髪とオッドアイが特徴な子が話しかけてきた。
もしかしたら、発声機能も治っているかもしれない。私はもうずっと動かすことの無かった口を動かす。
「どこ、から?ここは、てんごくじゃないの?てんしさま。」
かなり舌足らずで、ゆっくりとしかしゃべれないが、話すことが出来た。
「て、天使?」
「なに言ってるの?貴方にだってヘイローがあるじゃない。」
ヘイロー?知らない単語だ。
「ほら。鏡貸してあげる。」
黒髪の、犬のような耳が生えている子が手鏡を見せてくれた。そこに映っていたのは
「…えぇ?」
そこにいたのは、全身を包帯に巻かれたミイラのような姿でも、ごく一般的な普通の女の子でもなかった。
銀髪のショートヘア、ピンと立った犬のような耳、コーラルのような赤みを帯びた両目。そして何より、
惑星が爆発したようなデザインの、天使の輪っかが付いていた。
「…?????」
「混乱しちゃった。」
「でも、ヘイローがついてるって事は、外から来たわけじゃないんでしょう?もしかしたら、記憶喪失?」
「うへぇ。ご愁傷様。」
「ん、カバンの中身、見てみる?お金になりそうなものはなかった。」
「…もう見てるじゃない!」
私は、どうなってしまったのだろう?本当に死んで、生まれ変わってしまったのか?
でも、それにしては、私の記憶ははっきりしている。あのルビコン3を戦い抜いた記憶が。
かつては焼かれていてまともに回らなかった脳を回転させ一つの答えを導き出す。
私は記憶を失っている。そういうことにしよう。実際、私は鞄なんてものは持っていなかった。財布や手帳がいるような生活を送ることなんてなかったからだ。この世界の私の、素性を知る必要がある。
「わたしにも、みせてください。わたしも、しりたいです。」
鞄の中身は、弾薬、手榴弾と異様なものが出てくるが、彼女達は気にしない。彼女達も銃を常に携行しているし、この世界では普通のことなのかもしれないし、もしかしたら私がいた世界の学生というのもこんな感じなのかもしれない。
「学生証とか、そういうもの、無いね。」
「羽も生えてるし、トリニティの子じゃないの?」
「ん…耳も生えてるなんて、欲張りな子。」
そう言われて初めて、自分に羽が生えていることに気づく。その羽はだらんとしていて、しかも千切られた様にボロボロだ。
私がルビコンにて入手し、受け継いだ名前。
独立傭兵レイヴンのレイヴンとは、たしかワタリガラスが由来かもしれないと、エアが言っていた気がする。見た事はないが、カラスというからには羽が生えているのだろう。でも、きっともっと立派なものだ。
「そういえば、自分の名前は覚えてる?まだ聞いてなかったよね?私は黒見セリカ。」
「私は小鳥遊ホシノだよ〜。」
「ん…砂狼シロコ。」
順番に自己紹介された。次は私の番だ。
「わたしは、しーよん、ろくにーいち。です。」
そう発言した後に、自分が記憶を失っている
体で話を進めていることを思い出したが、それ以上に私の名前のことが気になっているようだ。
「C4-621?学籍番号かなにか?」
「…なんかあやしいねぇ。なんで名前を教えてくれないのかな?」
「ん、変わった名前なのかもしれない。」
当然、疑われる。そうだった。私の本当の名前は…
「あ、携帯見つけたよ。…なんか私たちが使ってるのより一回りくらい大きいけど。」
私のものと思わしき鞄から一つの黒い板が見つかった。私がウォルターの指示を受ける為に使っていたものと、似ている。
「これの中身見れば何かわかるかも。…見るわけにはいかないよね。流石に。」
セリカが私にその端末を渡してくれる。
私はなんとなく使い方がわかっている気がした。これ見よがしなスイッチを押してみる。
ヴンッという音がして、起動する。
『C4-621、生体反応確認。スキャン開始』
「うわ、びっくりした!」
「なんかいい声だねぇ。」
端末から光が出て、私の体を通り過ぎる。
『身体機能の回復を確認。…解除条件をクリア。』
「身体機能の回復?って言ったの?」
「ん…見た感じ、不自由には見えないし、治療の跡も見えないけど。」
色々と心配してくれているようだ。
3人とも、私の後ろから一緒に画面を見ている。
『ハンドラー・ウォルターからのメッセージを再生します。』
ハンドラー・ウォルター!この端末があの聴き慣れたCOMボイスで喋ってくれた時から、私の中にあるルビコンの記憶は夢ではないことが証明されていたが、そんなことよりウォルターからのメッセージだ。
「…うぉるたー。」
「誰?貴方の知り合い?」
「わたしの、かいぬし。」
「飼い主…?まさか、悪ーい大人に騙されてたのかなぁ?」
メッセージが再生される。
『621、仕事は終わったようだな。』
もうずっと聴けていなかった飼い主の声に、興奮する。
「…ほんとに、621って名前なの?」
「うへぇ。もしかして、とんでもない子拾っちゃった?」
「変わった名前。」
『お前は自ら選び、俺たちの背負った遺産を清算した。』
『すまない。…そして、感謝しよう。』
「…なにをしたのって、聞いたら不味そうだね。」
「大丈夫?すごい涙出てるけど…」
拭っても拭っても、涙が出てくる。戦友を、友人を、この手で殺してしまったこと。
彼等には申し訳ないけど、少し報われた気がした。そうだ。私は、ウォルターの意志を継ぎ、全てに火をつけたのだ。それは、到底許されることではないけれども、それでも救われた気がした。
『621』
『お前を縛るものはもう何もない。』
『これからのお前の選択が…』
『お前自身の可能性を広げることを祈る。』
「……りょうかいです、はんどらー・うぉるたー。」
いつもと同じように。そして、主人からの最後の指示を受け入れる。
もう、私を縛るものは何もない。
強化人間にされて失われた人生を、青春を。
世界が別とはいえ…むしろ、この世界だからこそ取り戻せるのかもしれない。
「…ほんとに、大丈夫?この子…」
「すっごくきな臭いけど…でも、悪い子じゃなさそうだしなぁ…というか、子供すぎない?」
「ん、ホシノ先輩より小さい。」
この世界で、青春を、人生を取り戻す。
年齢相応の、普通の人生を…
ダダダダダダ!!!!
突然、銃声が響く。
私があの青い空を覗いていた窓のガラスが割られ、弾丸が自分の顔のすぐ横を通り過ぎる。
「やっちまえー!」
「今日こそ校舎を奪い取ってやるんだ!」
外から襲撃者達の声が聞こえる。
私達のいる部屋に、大豊製のガトリングのようなものを担いだ子と、眼鏡がよく似合う子が入ってくる。
「大変です〜。ヘルメット団が攻めてきました〜!」
「す、すぐに迎撃しましょう!…あ、意識戻ったんですね!もう少し休んでもらってて大丈夫ですからね!」
「はぁ〜。最近ちょっと大人しくなってたから、諦めてくれたんだと思ってたけどなぁ〜。」
「今度こそ、徹底的に叩き潰してやる!」
「ん、了解。」
危ないから、ジッとしててね〜。
とホシノさんが私に言って、みんな表へ出て行く。
キュラキュラキュラと戦車が走ってくるような音も聞こえる。
大丈夫、なのだろうか。
私も、行かなくては。
自分のものと思わしきアサルトライフルを握った瞬間、体に力が湧いてくる。この体はどうやら、しっかりと戦闘が出来るように作られているらしい。根拠はないが、銃弾に撃たれても大丈夫…な気がする。
「撃て撃てー!」
「数で押せー!」
戦況はあまり良くない。戦車を盾にして陣形を組み、少しずつ前進してくる。人数も前回の襲撃より多いように感じる。
「…うへぇ、ちょっと本気出さないとまずいかなぁ?」
いつもより気張って、盾を構えて戦車の前に出ようとした時、後ろから何かが通り過ぎていった。
「…621ちゃん!?」
あんな小さな体からは考えられないような脚力で戦車に近づいて行く。
「おい!なんか出てきやがったぞ!」
「なんだこのチビ!」
「かまわねぇ!ぶっ放せぇ!」
正面から近づく621に戦車は主砲を発射するが、発射と同時に大きく右へステップ。
砲弾は何もない場所へ飛んでいった、
戦車の砲撃をあっさりとかわされたことに相手は動揺する。2発目、3発目も同じようにかわされ、最後の砲撃は大きく砂埃を立て、621を見失ってしまう。
「くそ、すばしっこいチビが…いだあっ!?」
「…それで、すむんだ。」
いつの間にか、正面に居たはずの621が背面に回っている。横に広い陣形を組んでいるのに、正面からいきなり裏へ現れたことに敵が混乱しているうちに621は一人、また一人と敵を無力化する。
「…すごい。」
「うへぇ。若いっていいねぇ〜。何m跳んだの?さっき。」
「戦車を飛び越える…すごい身体能力。」
後方から見ていたアビドスの生徒達は621の動きを観察することができていた。砂埃を巻き上げた最後の砲撃を躱すと同時に、走り幅跳びと同じ要領で大きく地面を踏み込み、飛び上がった。だがその高さは異常だ。どう少なく見ても8mは跳んだだろう。
621の背面からの攻撃、そしてこちらからは正面から。つまり挟み撃ちだ。あっという間に歩兵部隊は片付き、あとは戦車だけだが…
「くっそー!こうなったらあのチビを轢いちまえ!そのまま一時撤退だ!」
砲弾や機銃では621を捉えられない。後方にいるのは621だけの為、強引に突破するつもりのようだ。
「621ちゃん!無理しないで逃げて!」
「何してるの!?」
621は避けるどころか、接近する戦車に走って近づいていった。
「…ぱるすぶれーど、きどう!」
左腕につけた機械から、緑色の光の奔流が走り、すれ違いざまに戦車の装甲を融解させる。戦車は煙を上げるが、そのまま走り去る。しかし50mほど走行したところで爆発した。どうやら燃料タンクに引火したらしい。
621の頭に、もういない男の声が響く。
『ミッション完了だ。よくやった、621』
「…どうやら、まだ、しばらくは、あなたにしばられているようです。はんどらー・うぉるたー。」
アサルトライフルを肩にかけ、一呼吸する。
暴力集団。戦車。銃撃戦。普通の人生とは、程遠いが。それでも。
厳しい日の光が、
乾き切った風が、
砂が口に入ってジャリジャリする感覚すらも、愛おしい。私は、ようやく普通になったのだ。それに…
「おーい!大丈夫ー!?」
「すごいねぇ、おじさん出る幕無しだよ。」
「ん、私より走るの速いかもしれない。」
「凄かったです!」
「ご無事で何よりです。とっても、かっこよかったですよ☆」
後ろから、あの子達がやってくる。
「やくにたてたみたいで、よかった。」
どうやら、私は戦い続ける星の下に生まれてきたらしい。でも、ここでは殺しをしないで済みそうだ。
私の攻撃を受けて気絶していたあのヘルメット集団も、気づけば居なくなっている。意識を取り戻して逃げたらしい。
「…ところでさぁ。お話があるんだけど、よかったらさぁ、うちの学校に入学しない?というか、うちの生徒だったことにならない?」
「…それ、誘拐というか犯罪の匂いするんですけど。」
「にゅうがく?わたしは、がっこういったことないから、ぜひ、はいりたい。」
「よーし、ようこそ、アビドス高等学校へ。歓迎するよ〜。」
「そんなあっさりと…」
「いいじゃん、後輩ができてよかったねぇ。…今更だけど、1年生って扱いで大丈夫だよね?」
「はい、だいじょうぶ、です。べんきょう、がんばります!」
「あ、うん、…そうだね〜。」
「…まぁ、教科書はあるし、頑張って、勉強しましょ!」
「ん、よろしく。ろくにーちゃん。」
「そこまでいったら、いちまでいってほしい、です。」
「いや、番号みたいな名前も呼びにくいですし、この際新しい名前を考えるのはどうですか?」
確かに、新しい名前もいいかもしれない。
C4-621。こう呼ぶのは、ウォルターだけ。
それで良い。天国に行けているかわからないけど、きっと今の私を見たら、喜んでくれるだろう。次会うことになったときは、嫌がるだろうけど621と呼んでくれるようにねだるとしよう。
皆んなに連れられて帰ったあと、私の名前を決めるための会議が開かれた。
私の特徴を示すだとか、この画数は縁起がとか色々案が出ていた。
この人たちは、良い人だ。砂漠に落ちてた正体不明の人間に、ここまで手間をかけてくれるとは。ますます、彼女たちを守りたくなる。
第2の人生。6人目のアビドス高校生。
Ab06 生徒名、黒羽(くろはね)レイヴン。
普通(?)の人生が、始まる。
書いてて思ったのですが、621を筆頭にフロム作品の主人公(個人名があるものを除く)達を主役に使うと、扱いやすいですね。だって、エミュも何も彼らは我々の分身なのですから。変態な621もいれば、そうで無い621もいても良い。
ちなみにこの作品の621は発言は幼児のようにひらがなで喋っているようですが、外見は15歳、中身は成人女性(未就学)のチグハグ621です。
かわいいですね。
この作品が、閲覧者の創作意欲を刺激し、「こんなのなら俺だって書けるぜ!」ってなってAC×ブルアカの可能性を広げることを祈ります。