Ab06(アビドスぜろろく) 生徒名 レイヴン   作:sepa0

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なんとか間に合った!!
6月21日という特別な日に間に合わせたかったのですが少し現実が慌ただしくてぎりぎりになってしまいました。
いつもより誤字が多いかもしれませんが、しっかりと指摘していただけると幸いです。
そして、今回も楽しんでいただけると……素敵だ。


第16話 アビドス砂漠調査

アビドス高等学校

校門

 

「レイヴンちゃん、朝早くからすみませんね。」

「かまいませんよ。 わたしたちのがっこうですから。」

「まったくもう……ホシノ先輩も手伝ってくれるといいんですけどね。」

 

私はアビドス高校1年生、黒羽レイヴン。

今はノノミ先輩と一緒に砂に塗れてしまった校舎の掃除をしている。

毎日毎日掃除をしているが、砂が無くなることはない。

なので、出入り口や窓など開かなくなっては困るところだけ重点的に回っている。

掃除が終わりかけた頃、アヤネ先輩とセリカ先輩と一緒に新居へ移転した柴関大将に挨拶に行っていた先生が帰ってきた。

 

「あれ、先生?」

「きいていたよりはやいですね。」

"ただいま。 アヤネとセリカは少し用事が出来てね。別行動になっちゃった。"

「そうですか。 大将は、お元気でしたか?」

"うん。 流石にお店が吹き飛んだのはショックだったけど、再建するのには充分な資金も手に入ったそうだからね。"

「また、みんなでしばせきらーめんにいくのがたのしみですね。」

"……そうだね。"

 

先生の表情に少し影が落ちた気がしたが、それについて聞く前にロードバイク特有の シャーッ という音が響きそちらの方を向く。

シロコ先輩だ。

 

「おはよう。 ノノミ、レイヴン、先生。」

「おはようございます。 シロコちゃんも早いですね?」

「うん……ホシノ先輩は?」

「ほしのせんぱいなら、いつものきょうしつでおひるねをしています。 ひさびさにつれこまれそうになったのでまちがいないです。」

「……分かった。 じゃあ、先に入ってるね。」

 

それだけ言うと、小走りで校舎の方へ向かっていった。

元々口数が多い人ではないが、今のシロコ先輩からは何か不安や焦りといったものが感じられる。

それを感じ取ったのは、どうやら私だけではないらしい。

 

「? シロコちゃん、なんだかちょっと……。」

"変、かも?"

「やっぱりそうおもいますか。」

「……気のせいだと、良いのですが……。」

 

とにかく、この時間帯の清掃は終えたので私達も校舎の中でセリカ先輩とアヤネ先輩の帰りを待つことにする。

またしょうもないことを雑談しながら教室へ向かっていると、机を勢いよくひっくり返した様な騒音が聞こえた。

 

「!!? 今の音は……!?」

「まさか、しんにゅうしゃ?」

"喧嘩!? それなら止めなきゃ!"

 

扉越しに微かだが、シロコ先輩とホシノ先輩が口論をしているのが聞き取れた。

 

(うへ〜、何のことを言っているのか、おじさんにはよくわからないな〜?)

(……嘘つかないで。)

 

嘘?一体何のことだ。

何のことで揉めているのかよく分からないが、ここまで一緒にやってきた仲だ。

とにかく喧嘩であるならばやめさせなければ。

先生が扉を開き、一斉に中へ入る。

そこにはおそらくホシノ先輩がベッド代わりにしていたであろう倒された机と、ホシノ先輩に馬乗りになり胸ぐらを掴み上げているシロコ先輩がいた。

 

「ホシノ先輩!シロコちゃん!? どうしたんですか!?」

「けんかは、よくないですよ。 かおのかたちがかわるまでなぐってはだめです。」

「ん……流石に、そこまではしない。」

"……どうしたの? とりあえず、落ち着こう?"

「うへ〜、流石におじさんもお顔はやめて欲しいな〜。」

 

ホシノ先輩に対して暴力を働きかけていたところを見られたのを気まずそうにしながらシロコ先輩は立ち上がり、ホシノ先輩に手を貸して起き上がらせる。

その後こちらの方を見てシロコ先輩が口を開いた。

 

「……ホシノ先輩に、用事があるの。 悪いけど、2人きりにして。」

「うーん、それはダメです☆ 」

「対策委員会に、『2人だけの秘密♡』みたいなものは許されません。 なんといっても運命共同体ですから。」

 

あっさりと拒否されたことにシロコ先輩は困ったような顔をする。

ノノミ先輩は、ゆるそうに見えて実際は頑固だ。

……実際には私とホシノ先輩には、私の過去という2人だけの秘密があるのだが、言い出したら面倒なことになりそうなので黙っておくことにした。

 

「ですので、きちんと状況の説明もしてくれない悪い子には……お仕置き☆しちゃいますよ?」

「う、うーん……。」

「おしおきされてしまうのですか!?」

「えっ? レイヴンちゃんも何か隠し事が?」

 

しまった。 つい口に出してしまった。

シロコ先輩も意外そうな表情をして私を見てくる。

しかし私の過去を知ったところでうんざりするだけで、特に何も得るものはない。

ノノミ先輩に質問されそうになったところでホシノ先輩が助け舟を出してくれた。

 

「えっとねぇ、シロコちゃんには床で寝てるところを見られて怒られて、レイヴンちゃんとは週何回一緒に寝てくれるか交渉したことがあるんだ〜。」

「私の怠け癖は今に始まったことじゃないとは思うけど、確かに最近は寝る場所を選ばなすぎたかも。」

「あ、う、うん。」

「そ、そうです!」

 

ノノミ先輩と先生からはまだ疑いの目を向けられているが、さっきよりは少し空気はマシになった。

……よく咄嗟にこんな嘘をつけるものだ。

ホシノ先輩は会話を打ち切るように一方的に話し始めた。

 

「にしたって、そんなに怒らなくてもいいのに〜。 シロコちゃんは真面目だなぁ。」

「ま、人にはそういう時もあるよね〜。 そろそろ集まる時間だし、行こっかー。」

 

そう言うと私たちの間をゆらりゆらりと歩きながら通り、いつもの対策委員会の教室の方へ向かっていった。

シロコ先輩と私も、先生とノノミ先輩の視線から逃げるようにホシノ先輩へ着いていった。

 

 

 

 

アビドス対策委員会教室

 

先ほどの喧嘩未遂の事もあり、いつもならほんわかとした空気が流れるこの教室に重苦しい雰囲気が満ちている。

誰も一言も喋らず、ただただ座って用事が出来たと言う2人の帰りを待っているというこの状況に、先生はとても居心地が悪そうにしている。

チャティは空気を読んで何も聞いてこない。

本当によく出来たAIだ。

時の流れが限界まで遅く感じできた頃、廊下を慌ただしく走る2人分の足音がして、教室のドアを勢いよく開けられる。

 

「先輩たち、大変!! これ見て!」

「アビドス自治区の関係書類を持ってきました! これを……?」

 

帰ってきた2人を、皆が無言で見る。

特に理由はなく、強いて言うなら今までずっと黙っていたのでまた口が動くようになるのに時間が掛かっていただけだがいつもとは違う雰囲気にアヤネ先輩とセリカ先輩は動揺する。

 

「……な、何、この雰囲気?」

「何があったんですか…‥?」

"とりあえず今は大丈夫。 おかえり、2人とも。"

「うん、ただいま? い、いやそれよりも!とんでもないことが分かったの!」

「はい、衝撃の事実です……! 皆さん、まずはこれを見てください!」

 

そう言うとアヤネ先輩は1枚の大きな紙を取り出してホワイトボードへ貼り付ける。

 

「ん〜、これって……地図?」

「これはアビドス自治区の土地の台帳……『地籍図』と呼ばれるものです。」

「ちせきず?」

「土地の所有者を確認できる書類のことですね。 でも、書類なんて見なくてもアビドスの土地は……」

 

なるほど。その土地が誰の物であるのかはっきりさせるための証拠。

だが、わざわざそういう物を持ってきたということは……

 

「私もさっきまでそう思ってた! でもそうじゃなかったの!」

「……実は、大将から話を聞いたんです。 柴関ラーメンが入っていた建物はもちろんのこと、このアビドス自治区のほとんどが……」

「……私たちの学校が所有していることに、なっていませんでした。」

「えっ……!?」

 

ホシノ先輩が珍しく動揺する。

そんなわけない、と言いながらアヤネ先輩が持ってきた地籍図を手に取り食い入るように見る。

 

「……これって、」

「現在の所有者は……」

「かいざーこんすとらくしょん……また、かいざーですか。」

「アビドスの自治区を、カイザーコーポレーションが所有している……!?」

 

思っていたよりも、事態は深刻だ。

すでに砂漠になってしまった本来のアビドス高校本館、その周辺の数千万坪の荒地。

ここまではいい。

だが、砂漠化が進んでいない市内の建物や土地までもカイザーコンストラクションの所有であり、所有権がまだ渡っていないのはこの校舎と、周辺の一部の地域だけだった。

……ここがルビコン3だったら、この企業がコーラルを手にしていただろう。

もっとも、その前に私達が焼き払っただろうが。

 

「ど、どうしてこんなとこに? 学校の自治区の土地を取引だなんて、普通できるはずが……。」

 

もっともな疑問だ。

私たちがこのアビドスに対してカイザーコーポレーションなる企業が何かを企んでいるというのは最近知ったことだ。

カイザーコンストラクションなどという企業とは取引した事などない。

だが、答えはあっさりと出た。

 

「……アビドスの生徒会、でしょ。」

「えっ?」

「学校の資産の議決権は、生徒会にある。 それが可能なのは普通に考えて、その学校の生徒会だけ。」

 

また珍しく大真面目なトーンのホシノ先輩に、アヤネ先輩は同意する。

 

「……はい、その通りです。 取引の主体は、アビドスの前生徒会でした。 生徒会がなくなってからは取引も行われていません。」

「何をやってんのよ、その生徒会のやつらは!!」

 

激昂したセリカさんが机を強く叩きながら立ち上がる。

 

「学校の土地を売る? それもカイザーコーポレーションなんかに!?」

 

もっともな意見だが、大体察しはついている。

……私と、同じだ。

 

「学校の主体は生徒でしょ!? どうしてそんな事……!」

「しゃっきんをかえすために、でしょうね。」

 

発言した私に一斉に視線が向く。

 

「おかねのかわりに、さしだしたんですよ。 いまのじぶんたちのてもちで、かちのあるものを。」

 

私の両親は、ギャンブル中毒だったらしい。

強化手術によってそれより前の記憶は一切残っていないが、その情報だけで何故私があんなことになったのかは予想はつく。

たまたま1発当てただけの幸運にずっと縋り付いて、もう2度と訪れない幸運を呼び込むために借金を重ね続け、その果てに私を売りに出した。

……成功すれば、史上最年少の強化人間。

そんな付加価値を期待され、高値で買い取られて受けさせられた強化手術。

成功率は40%

手術は成功とは言えず、私は感情と記憶と身体機能を失った。

彼らの最後の、そして私の人生初めての賭けは、負けに終わった。

 

「借金のために、土地を……。」

「……私も、そう思います。 当時すでに学校の借金は、かなり膨れ上がった状態でした。」

「でも、こんななにもないとちじゃ、たいしたかねにはならなかった。」

「それで、繰り返し土地を売ってしまう負の循環に……ということでしょうか。」

「……何それ、なんかおかしくない? 最初からどうしようもないっていうか……。」

"……そういう手口も、あるよね。"

 

先生がようやく合点がいったという風に、重苦しく口を開く。

純真なセリカ先輩はまだ気づいていないようだが、私も、おそらくホシノ先輩とシロコ先輩も気づいた。

 

「なるほど、そっか。」

「……アビドスにお金を貸したのも、カイザーコーポレーション。」

「そして、てにおえないほどのしゃっきんをさせて、りしだけでもはらってもらうために、とちをうるようそそのかした。」 

「どうせ砂漠と化した使い道のない土地、ですがそこでは借金を減らせるような金額では買い取られず……アビドス自治区そのものが、ゆっくりとカイザーコーポレーションのものになる。」

「だいぶ前から計画してた罠だったのかもね。 それこそ、何十年も前から……。」

 

今までの自分達の困難や努力が全てカイザーコーポレーションの掌の上で踊らされていたという事実に、セリカ先輩は大きく肩を落とす。

 

「悔しい、どうして……ただでさえ苦しんでるアビドスに、どうしてこんな酷い事を……。」

「セリカちゃん……。」

 

掛ける言葉も見つからないが、もしカイザーコーポレーションがもっと力を持った企業であったら、それこそベイラムの様な野蛮なやり方しかしらず、その上でそれを通せる力を持っている企業であったのなら既にこの学校は跡形も無くなっていただろう。

……まだ、どうにかできるはずだ。

私が、今こうして生きることができているのだから、このアビドスだってどうにかなるはずだ。

 

この1件で、ようやく今まで調べてきたことが纏まってきた。

カイザーコーポレーションは元々、全ての土地を購入しアビドスを自分の物にするつもりであったが、生徒会が2年前に無くなってしまってからは購入する方法がなくなってしまった。

そしてまだ手に入れていない今の校舎とその周辺の土地を奪い取る為にヘルメット団や便利屋68を差し向けてきた。

つまり、

 

「カイザーコーポレーションの狙いはお金ではなく土地だった、という結論で良いと思います!」

「ですね。……そうなると次の疑問が出てきますが……どうして土地なんでしょうか?」

 

結論が出たところで、やはり謎は謎のままだ。

そもそも、何故こんな寂れた土地を……

ここまで考えて、私はこの状況に似ている場所を知っている事に気づく。

何もないような、辺境に。

砂(灰)に塗れた、片田舎に。

企業がこぞって、やってくる。

……まさか、このアビドスにもルビコンのような……

 

"レイヴン?"

「……はい?」

 

気づくと、皆はどこかへ出かける準備を済ませていた。

どうやら私が考え込んでいる間に事態の進展があったらしい。

 

「もしかして、お話聞いてませんでした?」

「すみません。 すこしかんがえごとを……」

「もう! だから考えるより実際に行ってみればいいじゃん!」

「え、どこにですか?」

「……どこから聞いてなかったんですか?」

"まぁ……とにかく行こうか、アビドス砂漠へ。"

 

 

 

 

 

アビドス砂漠近郊

終着駅

 

"……随分長いこと、乗ったね。"

「こんなところまで乗ったお客さんは久々だよ。 探し物、見つかるといいね。」

『ここまでは列車で来ることができましたが、ここから先は歩くしかありません。』

 

久々のお客さんに嬉しそうな車掌に見送られ、アビドス砂漠に最も近い駅へ着いた。

付近には砂に埋もれている電車や線路などもあり、荒廃具合が伺える。

 

『少し進めばもうアビドス砂漠……普段から壊れたドローンや警備ロボット、オートマタなどが徘徊している危険な場所です。』

「……そうですね、さばくはきけんです。 やけにはやくて、かたくて、けってくるろぼっととか、かいてんしながらちかづいてくる、はさいきがでてくるかもしれません。」

"……流石にそんな変なのは出てこないんじゃないかな。"

 

やけに真剣な眼差しでおかしな事を言うレイヴンを可愛いと思いながら、ヒナが教えてくれた情報に従い進む。

このアビドス砂漠でカイザーコーポレーションが何を企んでいるのか、実際に行って確かめてみよう。

少し進むと早速チンピラやヘルメット団の残党に絡まれたが、少し見覚えのあるヘルメットをした子が

 

「いかん! そいつらには手を出すな!!」

 

と指示を出してくれてすんなりと進むことができた。

 

道中、かつてこのアビドス砂漠にはオアシスがあり、そのオアシスで砂祭りが開催されていたこと。

その砂祭りは別の学校からも見にくる人がいるほど有名であったこと。

……しかし、それはもう何十年も前のこと。という内容をホシノに語ってもらいつつ、オートマタやドローンを蹴散らしながら調査を進めていく。

レイヴンはこの悪い視界の中の探査に経験があるようで、率先して前を進んでは私達が認識する前にドローンを撃ち落としてくれている。

さらに2時間ほど進み、ヒナが教えてくれた座標付近へ到達する。

 

『っ!? 皆さん、前方に何かあります! これは……なにか大きい……施設?一体何の?』

「ん、この張り巡らされてる有刺鉄線、数キロメートルは余裕でありそう……。」

「工場?石油ボーリング施設、ではなさそうな……一体なんなのでしょう、この建物は……?」

「……ちゃてぃ、なんだとおもう?」

『燃料貯蔵タンク、物資集積所、発電施設と思われる建築物を確認。 おそらく、なんらかの組織の基地だろう。』

"……情報から考えるに、これが……うわっ!?"

 

タタタタタタッ!!

と突然銃撃を浴びせられる。

 

『侵入者だ!!』

『捕らえろ、逃すな!』

 

突然、今まで見たオートマタとは雰囲気の違う、迷彩のカラーリングを施された謎の兵力から攻撃を仕掛けられた。

 

「よく分からないけど、歓迎の挨拶なら返してあげた方が良さそうだね?」

「せっかくです。 はでにいきましょう!」

"幸い、遮蔽物は山ほどあるね。 皆、しっかり活用して!!"

 

戦闘が始まり激しい銃撃戦が起こるが、数々の激戦を戦い抜いてきた彼女達の相手にはならず、あっさりと決着は付いた。

……だが、今まで遭遇してきた敵とは何かが違った。

その事はアビドスの皆も気付いていたようだ。

 

「うへ〜、結局なんなのこいつら?」

「そんなに強くないけど邪魔っていうか、めんどくさいっていうか……なんか、ひと際『厄介』って感じ。」

「ん、下手したら風紀委員会より面倒……。」

「そうでしたか? まーけっとがーどと、たいさないとおもいますが。」

「レイヴンちゃんはほら、慣れてますから☆」

"……うーん。"

 

謎の部隊の正体を思案していると、レイヴンは何かを見つけたのか施設の壁面を指差す。

 

「……あのえんぶれむ。……けー、えー、あい……。」

「……カイザーPMC。」

「そう! かいざーぴーえむしー!!さすがです、ほしのせんぱい。」

 

ACのコックピットに表示されている英単語の方が難しいと思うが判読に難航しているレイヴンの代わりにホシノがマークの下に書かれているアルファベットを読み上げた。

 

「カイザー……? こいつらもカイザーコーポレーションってこと!?」

『はい、カイザーコーポレーションの系列会社です……。』

「……あんやくするなら、もうすこしかくしたほうがいいんじゃないですか? だーふぉんかくしんこうぎょうしゅうだんとか。」

「? 聞いたことのない企業名ですね。 それはともかく、PMCという事は…‥。」

 

PMCという単語にノノミが反応する。

なるほど、今まで相手にしてきた者達との違いがようやく理解できた。

 

「え、何かマズい言葉なの?」

「PMCとは、民間軍事会社のことです……。」

『ヘルメット団のようなチンピラとはレベルが違います。 本当に組織化されたプロの……文字通り、軍隊のようなものです!』

「軍隊ぃ!?」

"……どうりで、相手しづらいわけだね。 強さはともかく、戦闘という行為に関しては相手の方が上手だ。"

 

ヴィィィィィィイイイィィイン!!!

 

と警報が鳴ると、そこらじゅうから兵器が動き出す音が聞こえてきた。

 

「これは……ヘリの音……?」

「ん、この地面の揺れ……おそらく戦車。」

「なるほど……どくりつようへいには、まねできないせんじゅつですね。」

『大規模な兵力が接近中!! こちらを包囲しに来ています!』

『とんでもない物量だな……。 これが、企業の力か。』

"収穫は十分だよ。 包囲される前に撤退しよう!!"

「りょ、了解!!」

「了解です!」

 

私達が来た方角へ一斉に駆け出すが、PMCのロゴの入ったオートマタと、恐らく行き場を失った元生徒達を引き込んだと思われる子達の混成部隊が現れ進路を塞がれる。

 

『各員、合図と同時に突っ込め。 1人も逃すな。』

「「「了解!!」」」

 

「うへ〜、めんどくさいな〜。」

「……やっぱり、まーけっとがーどとたいさありませんね。 じだいおくれの……いえ、なんでもないです。」

「そんなこと言えるのあんた達だけよ!! 普通に鬱陶しいんだけど!!」

 

ホシノとレイヴンの先導で敵陣を進み続けるが、段々と敵の数と質が上がっていく。

レイヴンが次々現れる戦車と装甲車を片端からブレードで撃破してくれているが、彼女が居てくれなければとっくに包囲されていただろう。

だが、それでも限界はある。

 

「はぁ、はぁ……。」

「……ふぅ。」

「キリが無いなぁ、これは……。」

"……これは、マズいね……。"

 

この広大な砂漠では、徒歩で逃げ切るのは

難しい。

皆の健闘も虚しく、完全に包囲されてしまった。

 

『……生、聞こえますか?……さんが、今……』

 

アヤネから無事を確認する通信が聞こえるが妨害電波か、それとも砂嵐の影響か上手く聞こえない。

 

『あと……し、持ち堪……』

 

ブツン!!

という音がして無線機が機能しなくなる。

それと同時にカイザーPMCの部隊に完全に包囲されてしまった。

 

「ん……絶体絶命?」

「包囲されちゃったかー……。」

「くそ……こんなところで……!!」

「悔しいですね……。」

「いえ、そんなことはありません。」

 

皆が諦める中、レイヴンだけは平然としていた。

 

「もう、だっしゅつぽいんとには、とうたつしています。」

「気休めならいらないわよ、レイヴンちゃん。」

 

あまりにも根拠がない発言に、セリカが少し苛立ちながら返答する。

確かに、もう手詰まりだ。

周囲は既に戦車とヘリで包囲され、少しでも抵抗すれば砲弾とミサイルが飛んできて私達はやられてしまうだろう。

だがこんな状況でレイヴンは苛ついているセリカににっこりと微笑むと、相手の注目を集めるように、銃を下ろして敵の目の前に歩み出しサーカスの開演を知らせる団長のような大きく腕を広げたポーズをとる。

訳のわからない行動に私達もPMC達も動揺してしまうが、それが狙いだったかのように話しだす。

 

「はなびたいかいにも、げきじょうにも、『おきゃくさん』がひつようです。」

「こんかいのわたしたちのだっしゅつげき……かんきゃくのかずは、じゅうぶんでしょう。 ねぇ?」

 

ゴォォォォ……

遠くから聞き覚えのあるジェット音が聞こえ、周囲にはさらに動揺が走る。

 

『何の音だ!!』

「ジェット機? 私達、そんなの見たことないけど……。」

『……新たな機影を確認!! なんだ、この反応は!?」

 

私達は飛んできているものが何かはよく分かっているが、不可解な点がある。

あれはレイヴンでなければ動かせないはずだ。

その疑問は、再び繋がった無線から聞こえた声によって解消された。

 

『苦戦しているようだな、シャーレの先生。』

"……チャティ!?"

「チャティが!? あの見た目でどうやって操縦してるの!?」

 

セリカの指摘の通り、いったいどうやって操縦しているのかすごく気になるがとにかく救援が向かってきてくれている事に安堵する。

ローダー4の機動力なら、この包囲も振り切れるかもしれない。

……問題は、私があの動きに耐えられるかどうかだ。

ホシノやネルが動けなくなるほど酔ってしまう機動力だ。いっそのこと気絶した方が楽かもしれない……と考えていると私達の立っているところに大きな影が現れ、大きな物体が風を切りながら落ちてくる音がする。

 

「みなさん、じっとしていてくださいね。」

「いやいやいや!! 危ないって!!落ちてきてるって!!」

「ん……セリカ、レイヴンとチャティを信じよう。」

「うへ〜、なかなかスリルあるじゃ〜ん?」

「大丈夫です!……よね?」

"……すごい迫力だね。"

 

ズシン!! と大きな音と砂埃を巻き上げながら、私達のすぐ後ろに着地する。

……あと数メートル前にズレていたら、踏まれている位置に少し冷や汗が出る。

突然現れたローダー4にPMC達は一瞬混乱するが流石は戦闘のプロ。

即座に体勢を整え、戦車とヘリが一斉にローダー4へ攻撃を仕掛ける。

 

"レイヴン、何かプランが……"

「ぜったいに、そのばをうごかないでください。」

「でも、ここにいたら砲弾の破片とか……!?」

 

パリッ……

と周囲に緑の閃光が走り、次の瞬間に凄まじい轟音と激しい光が発生する。

突然の出来事に全員目を瞑るが、次に目を開けると

 

「な、なにこれ……。」

「うへ……ローダー4って、こんな機能があったの?」

「ん……敵が、片付いてる……。」

「こ、これって自爆とかじゃないですよね? ローダー4の背中がすごいチリチリしていますけど……。」

 

先程まで私たちを包囲していた兵士たちが、全員砂に埋もれている。

ヘリは不自然な形に歪み墜落していて、戦車はその重厚な車体にも関わらず吹き飛ばされたらしくひっくり返ってしまっている。

 

「あさるとあーまー……まぁ、ろーだーふぉーのきりふだのようなものです。」

『ビジター、操縦を代わってくれ。 やはり俺に2本足は馴染まない。』

「じょうできだよ、ちゃてぃ。 ありがとう。」

 

ローダー4が膝立ちになり、コックピットハッチを開く。

中がどうなっているか気になるが、覗き込む暇もなくレイヴンがコックピットへ飛び込みハッチを閉め再びローダー4が立ち上がる。

そのまま歩き出し、まだ原形の残っている戦車の残骸を持ち上げて中で気絶している搭乗員を引きずり出して空にするとこちらへ戻ってきた。

 

『ぞうえんがこないともいいきれません。 みなさん、このなかに。』

「うへ〜……まさか、飛ぶ?」

『もちろんです。』

「ん、ついに私達の番。」

「嫌だけど……乗るしかないわよね……。」

「先生、私にしっかり捕まっていてくださいね☆」

"うん……。"

 

レイヴンが用意してくれた戦車の残骸へ乗り込む。

流石に5人も入ると互いの体が密着してしまうが、これから起きることを想定すると変に体が揺れない分良いのかもしれない。

その後、ホシノやネルが経験したアサルトブーストのGを味わって5秒程で意識が途切れた。

 

 

 

 

 

アビドス高校

対策委員会教室

 

「うへ……うへ……。」

「ううううう……。」

「ん……。」

「…………。」

"死屍累々って感じだね。"

「まぁ、きんきゅうじたいでしたから。」

『仕方がない。 アサルトブーストは調整が効かないからな。』

「えっと……とりあえず皆さん、ご無事で何よりです……。」

「「「「無事じゃない(よ〜)(わよ!!)(。)(です!!)」」」」

 

アビドス砂漠で見つけたカイザーコーポレーションの軍事基地。

そこから何とか脱出はできたものの、全員ローダー4のアサルトブーストの加速にやられてダウンしている。

……早々に気絶できてよかった。

とにかく皆の様子が元に戻るまでしばらく休む事にした。

 

2時間ほど経過し、皆の体調が戻り今回の調査をまとめているとチャティが何者かの接近を探知した。

表を確認すると、何台もの装甲車とそれに囲まれた1台の高級車が停まっていた。

警戒を強めていると高級車から1人降り、その人物の護衛と思わしき……カイザーPMCの兵士達がゾロゾロと続き校舎へ近づいてきた。

私たちは戦闘の準備を整え表へ出る。

PMCの兵士達が私達を認識し銃を構え始め、こちらもそれに呼応し構えるが先頭のスーツに身を包んだロボットが合図し兵士達に銃を下ろさせる。

どうやら戦闘をしにきたわけではないようだ。

 

『……巨大なロボットの襲撃を受けてまんまと侵入者に逃げられたと報告された時はクビにしてやろうと思ったが……なるほど。』

 

校舎の外に置かれた整備ドックに入れられているローダー4を一瞥し、そのスーツ姿のロボットは話し始めた。

 

『勝手に人の私有地に入り暴れた事による被害額、君たちの学校の借金に加えても良いのだが、まあ大して額は変わらないな……。』

「ん?……あんたは、あの時の……。」

「しりあいなのですか? ともだちはえらんだほうがいいですよ。」

 

ホシノが見覚えがあるかのような反応をすると、スーツ姿のロボットも何か思い出したかのように呟く。

 

『確か、ゲマトリアが狙っていた生徒会長……いや、副会長だったか?』

「……あなたは、誰ですか?」

 

ノノミの質問に、スーツ姿のロボットは器用に顔のパーツやディスプレイを動かし驚いた事を表現する。

 

『……まさか私のことを知らないとは。 君たちならよく知っている相手だと思うがね。』

 

そういうと胸の紋章を自慢するように掲げながら自己紹介を始めた。

 

『私は、カイザーコーポレーションの理事を務めている者だ。 正確に紹介するとカイザーコーポレーション、カイザーローン、カイザーコンストラクションの理事であり、今はカイザーPMCの代表取締役も務めている。』

『……少々長くなったが、要は君たちアビドス高等学校が借金をしている相手ということだ。』

 

私も含めたアビドスの全員が目を見開く。

 

「アビドスが、借金をしている相手……。」

「カイザーコーポレーションの……理事。」

「めがねかけてないんですね。」

「ん、要はあなたがアビドス高校を騙して、搾取した張本人ってことで良い?」

「あんたか……!あんたのせいで、私たちは……アビドスは!!」

 

このアビドス高校を追い詰めている犯人の登場に、シロコとセリカは敵意を見せるが、カイザー理事は呆れたようなジェスチャーで答えた。

 

『やれやれ……勝手に私有地へと侵入し、善良なる我がPMC職員達を攻撃し、施設を散々破壊しておいてその態度とは……くくっ、面白い。』

 

彼は毅然とした態度を崩さないまま続ける。

 

『口の利き方には気をつけたほうが良い。 あそこはカイザーPMCが合法的に事業を営んでいる場所。 君たちは企業の私有地に対して不法侵入したのだということを理解するべきだ。』

 

カイザー理事の丁寧な口調で理論だった反論に、シロコとセリカは黙ってしまった。

 

『アビドス自治区の土地だったか、確かに買ったとも。 それがどうした?全ては合法的な取引、記録も全てしっかりと存在している。』

『あそこに行ったのは、私たちがあんなところで何をしているのか気になったからか? どうしてあんな辺境の土地を買ったのか、その理由が知りたかったのか?』

『それならば教えてやろう、私たちはアビドスのどこかに埋められているという、宝物を……』

 

タァン!!

突然銃声が響き、PMCの兵士達が一斉に銃を構える。

発砲したのは、レイヴンだ。

 

『……急にどうした。 不意を打つならばもっと的確なタイミングが』

「つづけろ。 はなしを。」

 

ぞくり、と背筋に冷たいものが通るのを感じた。

今まで聞いたことがない、冷たい声。

すぐにでも殺してやる。

口にしなくてもそう伝わってくる声だ。

カイザー理事もただならぬ殺気を向けられていることを理解したのか、着ているスーツを正し、対話の姿勢に入る。

 

『……落ち着きたまえ。 何が君をそう駆り立てるのかね?』

「なにがうまってる。 このあびどすに。」

『……君は、何が埋まっていると思っているのだ?』

「……こーらるか、それにるいじしたもの。」

『……コーラル? それは何だ?』

「それは」

『ビジター、その名前は軽々しく出して良いものではない。』

 

教室に残したままのチャティが会話に割り込む。

……コーラル? 一体なんだろうか?それは。

 

『ビジター、アビドス砂漠にはそのような反応はなかった。……お前が危惧しているような物は埋まっていない。安心してくれ。』

「……わかった。ちゃてぃ。」

『落ち着いてくれたかね?』

 

突然、一触即発のムードになり緊張が走るが事なきを得た。

 

『今言った通り、あの基地は我々の宝探しの橋頭堡だ。 君たちから自治区を武力で占拠するためではない。』

「……そんな話、信じろと?」

 

カイザー理事の主張にシロコが反発するが、理事は呆れたように首を傾げる。

 

『君たち程度、いつでも、どうとでもできるのだよ……例えばこういう風にな。』

 

そういうと懐から携帯を取り出し、どこかへ電話する。

 

『残念なお知らせだ。 どうやら、君たちの学校の信用が落ちてしまったそうだよ。』

 

数秒後、アヤネの携帯に電話が入り借金の金利化が3000%上昇し来月以降の利子の金額が9130万円になった事を告げられる。

 

「ちょ、ちょっとそんな……まさか、」

「きゅ、9000万円!?」

『これで分かったかな? 君たちの首にかけられた紐が今、誰の手にあるのか。』

「ちょっ、嘘でしょ!? 本気で言ってんの!?」

『ああ、本気だとも。 しかしこれだけでは面白みに欠けるな……そうだ、9億円の借金に対する補償金でも貰っておくとしよう。』

 

そう言うと理事はわざとらしく指を3本立てて煽るような口調で続ける。

 

『1週間以内に、我がカイザーローンに3億円を預託してもらおうか。 この利率でも借金返済ができるということを、証明してもわらねばな。』

「そんな……!」

「……っ。」

 

今までとは違う、僅かな希望も見せない仕打ちに私達は打ちのめされてしまう。

 

「そんなお金、用意できるはずが……今までの利子だって精一杯なのに……。」

『ならば、学校を諦めて去ったらどうだ? 転校でも何でもすれば良い。 そもそも君たち個人の借金ではなく、学校が責任を取るべき金だ。』

『君たちが進んで背負う必要はない。 そうだろう?』

 

カイザー理事の提案は、残念だが筋が通っている。

借金を作ったのも、土地を売ったのも、全てアビドス対策委員会が出来る前に起こった事だ。

彼の言う通りにしても、誰も文句は言わないだろう。

しかし、それでも彼女達は

 

「そ、そんなこと、できるわけないじゃないですか!」

「そうよ、私たちの学校なんだから!! 見捨てられるわけないでしょ!!」

「アビドスは私たちの学校で、私たちの街。」

『ならばどうする?他に何か、良い手でも……』

 

カイザー理事の言葉を遮りレイヴンが力強く答える。

 

「はらえばいいんでしょう。 さんおくと、きゅうせんまんえんと、きゅうおくえんのしゃっきんを。」

『……ほう? 払えるというのかね?』

「まえいたばしょでは、いちにちで、ななおくはかせいでいましたからね。」

『ふふっ、はははははは!! 見かけによらず大人だと思ったが、やはり子供か!!……では、保証金と来月以降の返済についてよろしく頼むよ。 小さなお客様。』

 

そう告げると、理事は部下達を従えて帰っていった。

借金の返済だけでなく、保証金に関しての問題も生まれてしまった。

……私が、カイザーコーポレーションの調査など提案したからだ。

 

"ごめん皆、私のせいでこんな事に……。"

「……そんなこと言わないで、先生。」

「ん、先生は私たちにまともに取り合ってくれた初めての大人。 先生の判断は私たちの判断、気にしないで。」

 

大人として情けないが、その言葉に救われる。

……なんとかしなければ。

問題解決の話し合いをする為、私達も対策委員会の教室へ戻った。

 

 

 

 

 

アビドス高校2F

レイヴンの部屋。

 

あの後皆で話し合ったが、犯罪行為に走ってでも金を確保しようとするシロコ先輩とセリカ先輩をホシノ先輩が宥め、1回頭を冷やしてまた明日考えることになった。

シロコ先輩とホシノ先輩と先生はなにやら大事な話があるようで少し残っていたようだが、私も大事な用事があるのですぐに離れてしまった。

……アビドス砂漠にて発見したカイザーPMCの基地。

燃料貯蔵タンク、物資集積所、発電施設……管制塔、兵舎、兵器の整備場等のデータを依頼主に送信する。

しばらくすると、依頼の達成に感謝する旨のメールが届き報酬がナイトフォールの口座に振り込まれたことを確認する。

報酬は……狙ったかのように、3億円ぴったりだ。

これで、目下の問題は解決できた事になる。

あとは、残りの借金をどうするかだが……

チャティは少しでも報酬が高い依頼を見繕ってくれるが、どれも今の段階では足りない。

悩んでいるとチャティからも

 

『ビジター、今日はもう休むべきだ。』

 

と言われたので寝る前のシャワーを浴びる。

……シャワーから出た後スマートフォンを確認すると、一件メールが入っていた。

内容は仕事の依頼だった。

依頼は必ず仲介人であるチャティを通す決まりだが、どういうわけか私の連絡先を直接突き止めてきたらしい。

本来なら規約違反という事で即削除するのだが、今回は見逃すことができなかった。

 

『緊急依頼:カイザーPMC基地襲撃

・COMBAT ZONE

 アビドス砂漠

・OBJECTIVE

 基地襲撃及び要人(カイザーコーポレーション理事)の暗殺

・REWARD

 (最大)1,000,000,000円

・DETAIL

基地に与えた損害に応じて報酬を加算』

 

あの時の、カーラの言葉が頭に響く。

 

『準備はいいかい? ビジター。』

『ブルートゥを消すんだ。 そうすれば……』

「……みんなが、とくをする。」

 

カイザー理事は、合法だろうが何だろうが私達アビドスの子供達から金と土地を奪った救いようのないクズだ。

……それに、これは仕事だ。

そう、あのカイザー理事が大好きな『合法的な取引』だ。

 

Ab06、生徒名レイヴン。……普通ではない選択をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

6月21日特別付録

黒羽レイヴン 誕生日台詞

 

「ろくがつにじゅういちにち……これは、わたしがうまれたひでも、ほしのせんぱいにひろわれたひでもありません。」

「……ろく、にー、いち。 わたしは、このもじれつがすきなんです。とても。」

「……だめですよ、せんせいはよんじゃだめです。 よんでいいのは、あのひとだけですから。」




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
この物語を始めた時から書きたかった場面が近づいてきてワクワクしている今日この頃。
頭の中では既にエピローグまで出来上がっているのですが、残業が続いたり、夏バテだったり、エルデンリングのDLCが発売されたりとなかなか書けずもどかしい思いをしております。
しかし6/21に間に合ったのは良かったです。
それでは、また。
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