ダンガンロンパ〜オリキャラ約1名を添えて〜   作:ハッピーエンド至上主義の曇らせ人

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ではでは何故か生きてるセレス視点です。
デレさせたい。

あと、一つお詫びが。
霧切視点でオリキャラ君のことを思い出したシーン。
ごめんお祖父様っ!存在忘れてた!

ってことで修正します。



セレス視点

 

 「……まずいですわね。」

 

口に含んだ液体の風味に、私は思わず顔を顰めてしまいました。

どうやら想像以上に彼が淹れるロイヤルミルクティーを飲み慣れてしまったようですわね。

 

仕方なくティーパックで代用しましたが……泥水にも劣りますわ。

 

 

 「ははは。仕方ないですぞセレスティア・ルーデンベルク殿。拙者のコーヒーもこの通り。」

 

 

そういうのは山田君。厨房から出てきた彼は私とテーブルを挟んで座り、同じように自分で持ってきたカップに口をつけた。

 

 

 「よければ。」

 

 「あら。山田君ごときが私に貢物ですか?」

 

 「……相変わらずですなぁ。」

 

 

彼から差し出されたスコーンを一口。

ふむ。腐ったミルクティーよりはマシですが……やはり物足りませんわね。

 

まったく。憎たらしい事この上ない。

たかが便利屋の作るお菓子に恋い焦がれてしまうだなんて。

 

まぁ、彼を奈落に突き落とす手助けをしたのは私なのですが。

 

 

 「セレスティア・ルーデンベルク殿。貴殿はこうなることを予測していたのですかな?」

 

 「えぇ。“賭け”ではありましたけれど。」

 

 「ハッハッハ。なら、貴殿がいる以上負ける通りはありませんな。」

 

 

フフッ。豚の分際でよくわかっていますわね。

 

 

 ……しかし、いつぞや殺してやろうとした相手とこうしてお茶を飲むことになるとは。なんとも妙な気分ですわ。

 

 

 「む?拙者の顔に何かついておりますかな?」

 

 「いえ、特には。ただ……」

 

 「ただ?」

 

 「今日もよく肥えた豚面ですわね♪」

 

 「ヒドイッ!?!?」

 

 

……悪くは、ありませんけど。

どれもこれも垂日君、あなたのせいですわよ。

 

 

 「風呂は皆の後にゆっくり入るのが好きなんだ」

 

 

ーーって、あの状況で誰が信じるというのですか。

 

あの一件のせいで私は犯行に移ることすら許されず、卒業のチャンスも失い、おまけに動機の100億円も文字通り余燼と消えてしまったのですよ。

 

 

……なにも私の眼の前で燃やさなくてもいいでしょうが。

 

 

あ、思い出したら腹が立ってきましたわ。

ポーカーフェイスポーカーフェイス……。

 

 

 「ところで、垂日君の救出は進んでいますの?」

 

 「おう。今霧切のやつが飛び込んでったぞ。」

 

 

 乱暴な足音と共に、石丸君が缶コーラを片手にやってくる。彼は山田君の隣にドカリと座り、派手な音を立ててプルタブを開けた。

 

 

 「……かぁ〜!」

 

 「おっさん臭いですぞ。」

 

 「うるせぇ。不快罪で取り締まっぞコラ。」

 

 「なんたる横暴!!」

 

 

ギャーギャーとやかましくなる食堂。

原因の2人を視界の端に追いやり、私は一つため息を付きました。

 

 

ずいぶん仲良くなってしまって。

見ているだけで暑苦しくなってきますわ。

 

 

垂日君に見つからなければ、私は練っていたプランを間違いなく遂行していたでしょう。

そうなっていれば、お二人共もうこの世にはいないと言うのに。

 

……そして、あの処刑台に登っていたのは私だったのかもしれませんわね。

 

 

 思い出されるのは垂日君がぺしゃんこにされる直前のこと。

 

プレス機に取りつけられたモニターに、死んだと思われていた“彼”の姿が映りました。

 

 

 「さっすがわが天使!拙者、感動のあまり涙が止まりませんぞっ!」

 「兄弟として鼻が高けぇな!オイ!」

 

 

映しだされたのはアルターエゴ。簡潔に纏めるとおしゃべりできる高性能なプログラム、といったところでしょうか。

 

今はなき不二咲君の忘れ形見ですわね。

 

大神さんの一件でモノクマに破壊されたものとばかり思っていましたが……バックアップでも取っていたのでしょう。どうやら生きながらえていたようです。

 

彼のハッキングによってプレス機は機能を停止。

垂日君はその下を通り抜け、さらに先に空いた大穴からゴミ処理場へと落ちて行きました。

 

たかがプログラムごときというアルターエゴへの考えは変わりません。

しかし、未来の専属給仕係の命を救ってくれたのですから……F-ランクからFランクに昇格して差し上げましょうか。

 

モノクマさんのお間抜けな顔を拝ませて頂けたのも高ポイントですわね。

 

 

 ……全く、裁判が始まる前にあんなことを言われたときはどうなることかと思いましたわ。

 

 

 「口裏を合わせてくれ。」

 

 「何故そんなことを?」

 

 「俺のアリバイを崩す。」

 

 

彼は黒幕に感づかれたくないと言い、ソレ以上は何も教えてはくれませんでした。

 

私達のことはすぐにあけっぴろげてくるくせに、自分のことになると途端に何も話してくれませんの。

 

 

 「強いて言うなら直感だ。このままだと取り返しのつかないことになる気がする。」

 

 「ソレで納得しろと?」

 

 

勝負事で負けるつもりなど毛頭ありませんが……私も乗る勝負は選びます。

例えば、イカサマがあるとわかっている勝負に好んで挑むヒトなどいるでしょうか?そういうことです。

 

 

しかしまぁ、彼は人の動かし方というものをよく心得ているもので。

 

 

 「命がけの“ギャンブル”だ。乗ってくれるな?」

 

 

そんなことを言われてしまえば、乗るしかないでしょうに。

 

第一、部が悪い程度で私が逃げるとでも?

そう思われているのだとしたら心外ですわね。その程度、実力と運で覆して差し上げますとも。

 

 

それに、覚悟を決めた殿方を止めるつもりはありませんの。そのくらいは弁えておりますわ。

 

 

 

 さて。不穏さ8割心配2割で始まった学級裁判ですが、蓋を開けてみれば存外拍子抜け。誰も犠牲者を出すこと無く終わりました。

 

唯一犠牲とも言える垂日君の救出も着々と進んでいる。

 

Bestではないでしょうが、限りなくそれに近いBetterな“結果”を私達は掴んだのです。

 

 

……えぇ。“結果”はとても良いものでしたよ。結果は。

 

 

 ……とはいえ、とはいえです。

今言ったのはすべて結果論。アルターエゴの介入がなければ彼は間違いなく死んでいたわけです。

 

便利屋ごとき、一人二人死のうが私は見向きもしないでしょう。

 

しかし、女性との約束事を無下にして死地に赴くのは褒められたことではありませんよ。

 

 

 「代わりと言っちゃなんだが、ここから出るまで茶くらいなら淹れてやるよ。」

 

 

そう言ったのはあなたでしょうに。

 

 

 もう一口、カップに口をつける。

感想は変わらない。

 

 

 「まずいですわね。」

 

 

あぁ本当に憎たらしい。

私をこんなにも虜にさせて。

 

垂日君。早く戻ってきて、私にお茶を淹れてくださいな。

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