七囚人『深淵の蛇』   作:ゲヘナ狂

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ヒナとマコトに

「相変わらずね、貴女も」

「キキッ、貴様こそな」

なんて茶をしばきながらのんびり会話をしてほしかった願望から生まれました


vol.1『混沌渦巻く対策委員会編』
深淵を覗く時、深淵はそんなに気にしてない


ゲヘナ秩序総監部。

それは自由と混沌が渦巻くゲヘナにしては珍しく、多くの生徒がその名を知っている組織だ。

ゲヘナ生が総監部について語る時、ある者は恐れを、ある者は羨望を、ある者は胃痛を、ある者は怒りを、ある者は自慢を、またある者は大義を語った。

しかし、そんな総監部は既に解体されてしまっていた。

 

それはゲヘナ史上でも最大の争乱を起こしてしまったからである。

今現在『秩序戦争』と呼ばれているそれは、多くの生徒の行く末に影響を及ぼした。

しかし明確に戦端が開かれたのがいつかは分からず、未だに続いていると思っている生徒や、もう終わったと思う生徒、そんなことよりおうどん食べたいとする生徒など、いかにもゲヘナらしい感性によって捉えている者が多いため、生徒レベルで詳しいことは未だに分からない。

ただ確かなことは、現在の万魔殿が公式見解として終戦を宣言していること、そしてそれに風紀委員も納得しているということと─

 

 

───責任者たる総監部部長『八岐(やまた)ヤツメ』が矯正局送りになり、総監部は解体されたことのただ二つである。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「空崎ヒナァァァァァァァァァ!!!!!」

 

 

 

ゲヘナに声が木霊する。

その声の主は、現在進行形で風紀委員会本部の廊下を疾走している軍服のような制服を着た生徒─『羽沼マコト』である。

声に驚く一般風紀委員を押し退けながら、マコトが目指すのは事務所であった。

 

 

「ヒィナァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

 

マコトは一体何故風紀委員会委員長であるヒナの名前を叫んでいるのか?

その理由を確かめる為、我々読者は事務所に向かった…

 

 

ドゴンッ!!!!!!!

 

 

おら来たぞヒナァァァ!!

 

 

うッッッッッッッッさい!!!とっくに聞こえてるわっっ!!!!

 

「キキキッ、ならいい」

 

「うわぁ!急に落ち着かないでくださいよ!?」

 

「何を言う横乳大魔神、私は常に冷静沈着だ」

 

「誰が大魔神ですかっ!」

 

「横乳をつけ忘れてるわよ?」

 

「ヒナ委員長までっ!?」

 

開幕早々に理不尽…と言えるかは怪しいが、とにかくとばっちりを受けたのは行政官である天雨アコ、そして事務所のドア(チタン製)である。

 

「というかそんなことはどうでもいい!ヒナァ!」

 

「どうでもよくないです!」

 

横乳(アコ)は黙っていろ!(は黙ってて)

 

「二人がかりで!?」

 

「…………アコ、本当に構ってる暇はないの」

 

「ふぇぇぇ…」

 

「そうかヒナ、お前も聞いていたか」

 

「風紀委員長だからね……"先輩"の件でしょう?」

 

「あぁそうだ、先の行政権回復を成した新組織『シャーレ』のことも気になるが…」

 

「その行政権回復の折に発生した戦闘で、矯正局から脱獄したと思われる生徒が複数確認できた上に、その内一名は─」

 

「ヒナ委員長、マコト議長、つい今しがた入ったニュースですが、ヴァルキューレは脱獄した生徒の内特に凶悪な囚人を七名発表し、同七名含む脱獄犯の公開指名手配を発表しました」

 

アコはそう告げると共に、事務所内に備え付けられているミレニアム製のテレビを付けた。

煌々とした光を発する液晶の向こうには、ヴァルキューレの代表による会見の様子と、同七名の生徒の顔写真、そして彼ら─七囚人に注意と警戒を促す内容のテロップが流れていた。

示し合わせたようにテレビを見るヒナ、アコ、マコトの視線は、七囚人の内の一人の顔写真に集中していた…

 

「『災厄の狐』狐坂ワカモ、『慈愛の怪盗』清澄アキラ、『五塵の獼猴』申谷カイ…」

 

「……『深淵の蛇』八岐ヤツメ」

 

「ヤツメ先輩…やはりか…」

 

「ヤツメさん…」

 

「……ヤツメちゃん」

 

これまた示し合わせたように呟く三名、その声音はとても深刻で─

 

「あのっすいませ……!?」

 

偶然その場に入室してきた風紀委員の生徒曰く、『みなさんすごく苦い顔をしてました…苦虫を噛み潰したようにっていう表現はまさしくアレのことだったんですね…こわかった…』ということらしい。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秩序総監部 部員表

 

 

八■ヤツ■■

■■■■■■

■■■■グ

■■■■■

■■■■

鬼■■■■■

■■■コ

空■■■

■■マ■■

■■■■

……………………

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(バックレたはいいものの…………)

 

 

少女─八岐ヤツメは悩んでいた。

威勢よく矯正局から脱獄してきたはいいものの、その後どうするかなんて欠片も考えていなかったのだ。

そもそも彼女は脱獄する気など無く、順当に刑期満了を待っていたのだが─

 

「ワカモちゃんに無理矢理放り出されたからなぁ…」

 

八岐ヤツメは一般通過TS転生者である。

二度目の生を受けたのが治安がグラセフ並なブルアカ世界であったことに嘆きつつも、一応は先生をやっていた身であるため好きなキャラの供給で何とか生き延びていた。

ヤツメには細かいストーリーが分からぬ。だがしかし好きなキャラクター(とりわけゲヘナ組)に関しては人一倍敏感であった。

生まれ育った百鬼夜行からゲヘナに転校し、ゲヘナキャラとの幸福なる三年間(?)を過ごしてきた。

 

「その結果が投獄なんですけどね」

 

初見さん、と後に続きそうなセリフであった。

しかしヤツメ自身、完璧にゲヘナに犯されている(エ駄死案件ではない)ため、もはや投獄されたところで『総監部で起こした戦争楽しかったな~』などというウォーモンガーのような思考しか湧いて来ない。手遅れである。

 

「でもワカモちゃんとそんなコミュした記憶無いんだよなぁ…」

 

先ほども述べた通りゲヘナに来るまでは百鬼夜行に在籍しており、ワカモと同校、同学年であった。

しかし本人的にはワカモと関わった記憶は薄い、それはひとえに彼女の中の人がゲヘナ箱推しであったためであり、自分が過去ワカモの脳を焼いてしまっていることなどゲヘナでの日常にかき消されて覚えていないのだ。

 

「ま、なんとかなるっしょ。生便利屋でも見に行くか~」

 

「アルちゃんムツキちゃんにはチラッと会っただけだからなぁ…覚えてるかなぁ…」

 

「ま、カヨコちゃんもいるし説明は問題ないかな♪」

 

どこまでも気楽である彼女は、無論のこと自分が七囚人の一人にカウントされていることなど知らないし、『深淵の蛇』の名を知るのも少し後のことである…

 

 

 

 

 






氏名:八岐ヤツメ

学園:ゲヘナ学園

部活:秩序総監部(解体済み)

学年:三年(休学中)

年齢:18歳

誕生日:11月30日

趣味:ドカ食い

身長:177くらい

体重:ひみつ

ヘイローの形:ゲヘナの校章とほぼ同じ。緋色。

装備:(以下に記載)

パンツァーシュレックみてぇなライフル

パンツァーファウストによく似た使い捨て無反動砲が多数

信管付き鉄パイプ(本人呼称:お手軽パイルバンカー、雷槍、グレイズアインなど様々)

過去の目撃情報によると信管付き鉄パイプにゲヘナ校旗を取り付けたものを『ゲヘナ魂』と呼び投擲している様子が確認されている…

持ち物:(以下に記載)(武装は除く)

制服(ゲヘナ)
制服(秩序総監部)
制服(百鬼夜行)
制服(百花繚乱)
ゲヘナ校旗(予備含め五枚)
総監部旗(予備含め十枚)
財布
学生証(ゲヘナ)
学生証(百鬼夜行)(失効済み)
携帯
狐面



などなど…



百鬼夜行でもワカモを停学にしてるのに百鬼夜行以上の被害を被ったにもかかわらず休学で済ますゲヘナはやっぱり頭ゲヘナ


容姿イメージ(大体)



【挿絵表示】







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