七囚人『深淵の蛇』   作:ゲヘナ狂

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マコト様実装!マコト様実装!イブキちゃん実装!イロハ復刻!ドレスヒナ!ドレスアコ!ドレスマコト!ドレスイブキ!!新ゲヘナイベント!!!!!ふぉあああああああああああああああああ!!!!!!!(尊死)

8/27追記

アルちゃんのセリフを修正




深淵は二度差す

 

 

 

「…………依頼、来ないわね…」

 

 

しょぼーんという擬音が聞こえてきそうなくらいに響いたその言葉。

言葉の主もこれまたしょぼーんと言いたげな顔をしており、その残念な気持ちが伺える。

彼女こそ一流のアウトローを目指し日夜驀進する会社『便利屋68』を率いる社長『陸八魔アル』だ。

尚、彼女の言う通りここのところ依頼は一つも来ておらず、閑古鳥が鳴いている状態ではあるが。

 

「連邦生徒会長が失踪したっていうのに何で依頼の一つも来ないのよ~!?」

 

「まだみんな混乱してて依頼どころじゃないんだと思う~」

 

「一理あるわね…」

 

アルに答えたのは、彼女の幼馴染であり、便利屋の室長を務める『浅黄ムツキ』である。

彼女は常日頃から色んな悪戯を考えているある意味危険人物である。

その危険人物は現在、腕を枕代わりにして机に突っ伏していた。

 

「ハルカちゃんも寝ちゃってるし、今日ももう閉店かな~?」

 

「いやダメよ!こんな状況だからこそ依頼を持ってくる人だっているかもしれないじゃない!」

 

「アルちゃんがそれを言いだしてからかれこれ三週間ぐらい経つよ~」

 

「ぐぬぬぬぬぬ…」

 

閑古鳥の鳴く現状は連邦生徒会長失踪の前からであったようだ。

ムツキは枕にしていた腕を上げ、顔を上げた。

頬には腕の跡が付いていた。

 

「みてみて~アルちゃん、へんなかお!」

 

「ただ腕の跡付けただけで変顔と言い張るその度胸だけは認めてあげるわ」

 

「ちぇ~お気に召さなかったか~」

 

「ふふん!この陸八魔アルはその程度では動じないわよ!何故なら私が目指しているのはハードボイルドなアウトローなのだからね…!」

 

「はいはいハードボイルドハードボイルド」

 

「テキトーに流さないで頂戴!」

 

「これでダメなら分身して踊り狂うしかないかなぁ~」

 

「待ってムツキ、それは何か嫌な予感がするからやめて欲しいわ」

 

「キャ~ルフォ~ルニャ~♪」

 

「やっぱり来たわね!?」

 

「公正さこそルールなんだよ~アルちゃん」

 

「それはカリフォルニア違い*1よッ!」

 

そうして、アルとムツキはじゃれ合っていた。

それがここ最近の便利屋の風景だ。

ハルカは雑草のお世話をして眠り、カヨコも音楽を聴きながらリラックスしている…

そんな日常風景は、今日に限っては違った。

カヨコが携帯を落としてしまったからだ。

 

「カヨコ!大丈夫!?」

 

「スマホの方は~…………うん、割れたりはしてないね!」

 

「……ご、ごめん。二人とも」

 

「どうしたのよ突然」

 

「……いや…その…びっくりしちゃって」

 

「びっくり?」

 

ムツキが拾った携帯を渡しながら不思議そうに聞き返すと、カヨコは渡された携帯の画面を二人に見えるように向けた。

液晶の中にあったのは、今回の混乱に際して矯正局から脱獄した囚人の中でも特に凶悪と判断された七名の囚人の情報だ。

 

「七囚人?」

 

「そう、その中に…先輩の名前があったから」

 

「先輩っていうと…」

 

「ヤツメ先輩だよ」

 

「え!?総監部の偉い人じゃない!?」

 

「投獄されたとは聞いてたけど…」

 

前回、『深淵の蛇』が意味深に示唆していた通り、カヨコは元総監部である。

総監部が解体された後、元部員の大半は万魔殿か風紀委員に吸収されたのだが、その例から外れた数少ない例がカヨコでもあった。

 

「も、もしかしてカヨコ先輩を取り戻しにくるんじゃないでしょうか…」

 

いつの間にか起きていたハルカも会話に参戦する。

 

「おはようハルカ。多分それはないよ」

 

「ホッ、そっそうよね、過去に囚われるような人じゃないわよね」

 

アルはその言葉を聞いて安堵する。

ヤツメには過去に助けてもらったことがある身だからこそ、当時自分を襲っていたヘルメット団に降り注いだ暴虐の嵐が敵ではなく自分に向けられるのが怖かったからだ。

しかしカヨコが次に続けた言葉に再び不安を隠せなくなった。

 

「先輩は気分屋だからなぁ、美食家成分抜いたハルナみたいな感じの」

 

「滅茶苦茶危険じゃない!?!?!?!?」

 

「大丈夫だよ、多分」

 

「ふ、不安だわ…」

 

「まぁ、カヨコちゃんが大丈夫って言うなら大丈夫だよ!」

 

「そ、そうでしょうか…」

 

未だ不安のぬぐえない便利屋であったが、信頼する仲間の言うことだからと信じることにしたようだ…

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、撃て!とにかく撃ちまくれ!」

 

「ぜんっぜん効いてなさそうなんだけど!?」

 

「ほ、他にどうしろって─

 

「あっ、ちょっとごめんね~」

 

爆音。

今現在、ゲヘナ近郊に居を構える『シナシナヘルメット団』は『深淵の蛇』の襲撃を受けていた。

『深淵の蛇』が音もなく彼女らの拠点に忍び寄り、お手製の信管付き鉄パイプによって保有していた戦車を弾薬庫ごと爆破したことから始まり、続々と団員達が蹂躙されていく段階に入ったのがつい先ほどの話である。

 

「リーダー!?っくそ!」

 

「リーダーのかたk

 

「動くのが遅い」

 

また二人、ヤツメによって討ち取られる。

ヤツメの所有する銃は、対人火力としては過剰すぎる上に、リロードだって一苦労するような代物だというのに、あまりにも呆気なくヘルメット団は蹴散らされていった。

 

「さぁ、終いにしてしまおう!」

 

そう叫ぶと、そこらに転がっていたヘルメット団の拠点の残骸から、手ごろな鉄の棒を拾い上げ懐から取り出した爆弾を驚くべき手際で巻き付けた。

そして、出鱈目のような速さで拠点跡を走り回り─

 

「グランドフィナーレェェェ!!!」

 

残っていた戦車に()()()()()

 

 

 

 

 

ボッゴォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

その光は近くの自治区からも目撃され、その衝撃に近隣の家々の窓枠がガタガタと震え、爆発が収まった頃には黒煙が夜空に立ち昇っていた。

そうして近くの風紀委員の詰め所が慌ただしくなってきた頃……

 

「…………もう何回目かわからんけど私丈夫すぎんか?」

 

爆炎から現れたのは煤に塗れているものの、大したダメージを負った様子の無いヤツメであった。

ヤツメは総監部時代も同じような自爆特攻紛いのことを繰り返しており、その度に煤だらけになって帰って来た。

もはやこの程度の爆発では痛痒も感じないようだ。

 

「セナちゃんにはよくお世話になったなぁ…」

 

「しっかしまぁ、私の耐久すごいな………ワンチャンビナーくんのビームを耐えたおじさんといい勝負してる説まである………?」

 

「……実際に喰らってみないとわかんないよね!」

 

「……………………アビドスに行くんならどのみちアルちゃん達にも会えるし…」

 

「ふふふ………………いいかも……」

 

そうして蛇は狂暴に笑う。

生ビナーくんに会うのが愉しみでたまらないな、などと考えながらヤツメはその場を立ち去った…

 

 

 

……やがて、風紀委員会が駆け付けた頃には、彼女の襲撃現場からその気配を一切感じ取ることは出来なかった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「報告を」

 

「はい、ヒナ委員長」

 

「現場は派手に吹っ飛んでおり、雨宿りもできないような状態です」

 

「また、戦車らしき残骸は砲塔周辺が跡形もなくなっていて、操縦席はかなり風通しの良い状態です。」

 

「破壊規模から見て、相当な数の爆弾が使用されたと推測されます」

 

「……たぶん、違うわイオリ」

 

「え?」

 

「私が元総監部なのは知っていると思うけど、総監部で"秩序維持活動"をしていた時にも敵の戦車に今回のような痕跡がよくあった」

 

「…………つまり、下手人はかの『深淵の蛇』と対峙して生き延びた相手?」

 

「全然違うわ、むしろ本人でしょう」

 

「!?」

 

「ヤツメちゃんはね、手ごろな棒に爆弾括りつけただけの即席パンツァーファウストを好んで使ってた」

 

「…………最終的にその爆弾は悪乗りしたカスミとかアコとかマコトとかのせいで威力がとんでもないことになった」

 

「…………」

 

「つまり下手人はヤツメちゃん…『深淵の蛇』本人で間違いないわ」

 

「…アコちゃん、何やってんの……」

 

「……若気の至りよ」

 

「…………………………」

 

 

 

*1
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横乳「認めたくないものだな…自分自身の若さ故の過ちとは」
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