七囚人『深淵の蛇』 作:ゲヘナ狂
まぁここのキヴォトスでは見える人は見える感じにしようそうしよう俺がルールだ(KKS先生)
………………………………オリ部員ちゃんズのこと覚えてる人いるかな
「お?」
「ぬ?」
「うん?」
アビドス砂漠のどこか、かつてオアシスがあったらしい場所にて。
現在そこでは、ある一つの勢力と謎の狐面の美少女が邂逅していた。
その勢力の大きな特徴を挙げるとするならば……
「おやまぁ、これまた懐かしいヘイローで……え?君たち何してんの?」
「!?」
「!?」
一人残らずバイザー付きのヘルメットを被っていることであろう。
更にその勢力…バイザーヘルメット団は、秩序戦争後行方を眩ましたゲヘナ総監部監査部門の生徒が中核となって構成されていることも追記しておこう。
「そ、その声に歩き方に銃は…」
「部長!?部長なのか!?」
「そうだね」
その返事を聞いたバイザーヘルメット団の面々は、俄かに色めき立ち始めた。
ヤツメ無きゲヘナを拒み、アビドス砂漠の奥深くに消えて行った残党達は、来るかも分からなかった主の帰還に望外の喜びを隠せなかったのだ。
「よかった…部長、無事だったんだね…!」
「逮捕されたと聞いた時は何が起こったのか理解できなかったぞ…!」
「アンタのいねぇ部活なんざやってらんねぇよ!!!」
「戻って来た………オレ達の
「お…おう…………心配してくれたんだな……?」
「「「「勿論」」」」
「うおっクソデカ感情」
その後の彼女らの興奮と熱狂は筆舌に尽くしがたい。
あのヤツメが、思いつきでビナーの光線を浴びに行ったり、風紀委員から重要書類をパクった挙句コピーしたり、クソ雑パイルバンカーで特攻をかけたり見知らぬトリニティ生に開口一番「ピンクが足りない!!!!」などと叫んだあのヤツメが
ヘルメット団………元監査部門の面々から向けられる血走った目に狐面越しに困惑を覚えながら*1も、ヤツメは詳しい事情を聞くことにした……
「なーるほどね………」
事情を聞き、全てを理解したヤツメは思わず顔を両手で覆いたくなった。
彼女の内心では(これ………完全にワイのせいやん………原作崩壊ってレベルじゃねぇぞオイ!*2)などと手遅れモノローグが繰り広げられているが、うまく表面上を取り繕うことに成功したヤツメは何食わぬ顔で言葉を紡いだ。
「よし、戻るぞお前ら」
「「「!!!!!」」」
「今のゲヘナは随分と変わった、それは確実に言えることだ」
「カヤノ、それにカクラ」
「「は、はっ!」」
「今の監査部門…あァ…バイザーヘルメット団がどれだけ戦略を練ろうが、どんだけ強い武器を手に入れようが……今の風紀委員会の前じゃ、捕まるのは時間の問題だ」
「…それは」
「風紀委員を率いるは空崎ヒナ」
「「「!!!!!」」」
「総監部の時だってよ、お前らヒナちゃんとの模擬戦に負け越してるだろ?」
「お前らがどんな経験を積んできたかは知らんが…ヒナちゃんは強敵だと自信を持って言える、そうだろ?」
「…然り」
「…そーだね、結局カヤノも私も全敗のままだ」
そう語るヘルメット団の頭目─石原カヤノと愛新カクラの目は、ヘルメットの下で懐かしむように細められていた。
他の元総監部の部員達も同じだ、そこにあったのはヒナに対する懐古…警戒…憂慮…心配…様々な感情であった。
だが確かだったのは、皆が皆ヒナのことを
きっと彼女は、我々が道を踏み外すような頃になったらどこからか現れて*3ぶちのめしてくれるという、誇張はあれどヒナの強さを認めているに他ならない思いだ。
「それに一番変わったのは万魔殿さ!」
「何せマコトちゃんがトップ張ってるんだからな!」
「!」
「へぇ…!」
それを聞いた彼女らの浮かべた笑み…それは(今のゲヘナ…すっげー面白そう…!)という心境の発露に他ならない。
正しくおもちゃ屋に行くのが楽しみで仕方がない子供のような笑みを浮かべた面々の心は既に、ヤツメの手のひらの上でどうにでもなる状態で─そしてかの楽園において禁断の果実を手にしようと試みた原初なる二人の人間のように好奇心に満ち溢れていた。
「戻ろうぜ、私らの学園に」
「あぁ…!」
「異論ナシ!だね」
「ついでに後から合流してきた不良ちゃん達も今日から華のゲヘナ生さ」
うおおおおおおおおおおおお!!!!!!
普段ならばそんな発言切って捨てるような不良やスケバン達ですら、場の雰囲気に呑まれ熱狂の咆哮を挙げる。
宿願を果たした彼女らの咆哮は、しばらくアビドス砂漠に響き渡った…
…
…
…
「と、その前にィ~?」
「?」
「皆にお願いがあるんだな~*4」
狐面の上に浮かぶヘイローが…ゲヘナの校章型のソレが妖しく光った……
「もう大丈夫かな?」
「ん、特に追手は来てない」
所変わって、ブラックマーケット。
一向に減らない借金、そして土地の大半を買収されている現状に業を煮やしたアビドス対策委員会は、最近来た助っ人『先生』の協力を経て大胆にも銀行強盗を敢行。
目的は金の流れを調べることだったのだが、勘違いした銀行員が詰めた一億円*5も思わぬ収穫として持ってきてしまったシロコ。
本編では、ホシノ先輩のありがた~いお言葉が炸裂する場面なのだが…
「うへへ、思わぬ収穫だね。後は適当にロンダリングすれば借金返済に充てられるね~」
ここのホシノは頭ゲヘナ達との濃厚な青春を過ごし、その上ユメが健在で、本編おじさんがかつてを顧み『本当にバカ』と評した状態のホシノ先輩であることに留意していただきたい。
髪は伸ばしたしおじさんキャラに変化してはいる*6がその本質はまごうこと無き暁のホルスなのである。
「…犯罪はいけないよ、ホシノ」
「うえ~怒られちゃったよ~」
「もう!ホシノちゃんってばダメでしょ!めっ!」
「うへっ」
「で……でもユメ先輩、このお金は元々私達の…」
「セリカちゃんもめっ!」
「あうっ」
とことんアウトローな後輩たちに炸裂するのはユメの梔子神拳奥義『
それを見た先生は、自分と同じく叱る方向に持って行くユメに同じ大人として安堵を覚えたのだが…
「やるならカイザーを物理的に潰す時にしなさい!」
「はぁ~い」
「はい…」
「いやそれも何か違うよね????」
その安堵は一瞬で崩れ去った。
その後もしばらく漫才は続き、覆面水着団の手際に感動してファンの如く駆けつけてきた便利屋を相手にしていた…その時であった。
「便利屋…68」
「「「「!!!!」」」」
コツリ…とアスファルトを踏みしめる音が響く…それが聞こえた瞬間に、ソレはアビドスと便利屋の目の前に立っていた。
「!?」
「えぇっ!?」
「アンタは…」
ソレは口角を三日月のように歪ませ、挑発するように言った。
「便利屋…会社を名乗る割には随分と下調べが甘いじゃないか…」
「ブラックマーケットは確かに、生徒達の手が及ばない暗黒領域だ…だが!」
身に着ける軍服のような制服には、いくつもの勲章が付けられておりソレが過去に成した功績を燦然と誇示している。
「一部のゲヘナ生に…元総監部である者達にとって!あそこは庭にも等しい場所だと言うこと!」
「分かっていた筈だぞ…?なぁ…鬼方カヨコ!」
「っ…」
「キキキッ、こんなところで出会ってしまうとはなぁ!良い土産話ができそうだ!」
アリウス編チラ見せ
マコト「当たらなければどうと言うことは無い!」