七囚人『深淵の蛇』   作:ゲヘナ狂

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仕事中はよく幻覚が降りてくるんですよね。
こないだはアビドス組がモビルスーツに乗って砂上を滑走しながら不良を蹴散らす幻覚が降りてきました。
砂上を滑走することに定評のあるモビルスーツと言えば『ドム・トローペン』とか『ドワッジ』とか『ディザートザク』とかかな?
設定煮詰まったら書くか……ブルアカ×ガンダム。


カイザー理事長と理不尽の化身達

「そこかッ!」

 

「チィッ!面倒な!だが当たらなければいいだけの話ッ!」

 

「いえ~い!久しぶりのお祭り騒ぎだぁ!!」

 

「な……なん…で……」

 

「普通に勤務していたにも関わらず理不尽に蹂躙されるとは何て可哀想な社員さん達でしょう………ひとえにテメーらが阿漕な商売してたせいだが」

 

アビドス砂漠、カイザーPMC駐屯地。

わずか二年の間に建設されたそこでは、アビドス砂漠におけるカイザーPMC理事の『探し物』の捜索などの任務についている人員が多く駐屯している。

 

「クソッタレカイザー共ォ!ここにいるてめぇらの同僚がどうなってもいいのかぁ!?」

 

「ひ……ひきょ─

 

「卑怯とは言うまいな……」

 

ガシャリ!!

 

「っアアアアアアアアアア!!!!」

 

……今現在、その駐屯地はバイザーヘルメット団による襲撃を受けていた。

迎撃用の兵器は悉くが破壊され尽くしており、ゴリアテやら何やらの残骸が辺りに散らばっている。

 

「これ以上好きにさせてたまるか!!」

 

ある勇猛果敢な社員の一人は、虎の子のパワーローダー*1を出してまで迎え撃とうとするが……

 

「カ~ヤノ!」

 

「心得た!」

 

ヘルメット団の頭目である『愛新カクラ』が、不敵な笑みを浮かべ相棒である『石原カヤノ』に向けた。それは付き合いの長い二人だからこそ通じる一種の連絡手段であり、カヤノは己の武器─『狂花酔月(ミニガン)』を一旦背負うと、パワーローダーへと吶喊する。

 

「はっ速い!?」

 

これ幸いと迎え撃とうとした勇敢なる社員はしかし、そこらに転がっている社員や兵器の残骸を盾にしながら、驚異的な速さで接近するカヤノに驚き反応が遅れてしまう。

 

「的がでかくなった分狙いやすいなっ!」

 

懐に潜り込んだカヤノは、その勢いのまま背負った狂花酔月を手に持ちパワーローダーの右脚*2に向け──力任せに()()()()()

 

ドゴォォン!!

 

「おわっ!?」

 

速度も相まって強力な質量爆弾と化したカヤノの一撃は、パワーローダーのバランスを大きく崩すには十分すぎる─どころか殴った脚部にヒビが入っている─ダメージを与え、大きくよろけさせることに成功した。

 

「っシャア!!!ナイスカヤノォ!!!」

 

その結果をキマった笑みで歓迎しながら、カクラは己の武器─『逆鱗(RPG)』を構えパワーローダーに向けて放つ。

 

「グオオオオオオオ!?!?!?」

 

コクピット目掛けて発射されたその弾頭の威力は、パワーローダーの至るところに不具合を起こすにはいささか過剰すぎるものだったようだ。

撃ち込まれたコクピット周辺は一部が欠ける程度であったが、その余波であらゆる関節部分に異常を来たしたらしく、モニターには異常を示すメッセージが矢継ぎ早に表示される。

 

「ぐうぅぅ!?」

 

それで制御が効かなくなったのか、パワーローダーは後ろに倒れる。

パイロットの社員は、これほど簡単に虎の子が無力化されたのが信じられず硬直した。いやしてしまった。

 

「アッハハハハハハ!!!!どうしたのさカイザーさんよぉ!もっと愉しくさせてくれよォ!!」

 

「……因果応報、だな」

 

「ッヒヒヒヒヒ……あ~おもろ…みんなもさぁ!どんどんやっちゃってよねぇ!?」

 

「「「「了解!」」」

 

その後、ヘルメット団の面々による総監部伝統の銃器による突撃殴打がパワーローダーを襲う。

 

「お前らみたいなののせいでアビドスのみんなが苦しむんだ!こんなもの!こんなもの!」

 

ある団員は乱雑に殴打を繰り出し……

 

「ヘルメットが赤いからと言って走る速度が三倍になるわけではないのだよ」

 

「知っとるわんなもん!」

 

「はっきりとものを言う、気に喰わんな」

 

「だからそのモノマネやめろよ!?お前がやっても赤い彗星になんてなれねぇからな!?!?」

 

ある者達は抜群のコンビネーションで銃弾も交え攻撃し…

 

「ふん!!」

 

「ッ先輩!?銃は!?」

 

「カヨコがよく言っていたことを思い出してね、やっぱり頼れるのは己の拳なのさ」

 

「えぇ……」

 

「こういう時のラッシュに最適な掛け声があるんだ、部長が教えてくれた」

 

「はぁ…そうですか…」

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄…」

 

ある者はもはやただの拳によるラッシュを叩きこんでいた。

 

 

「ば……バカな…パワーローダーがこうも簡単に……」

 

その様子はさながら死体に群がるハイエナと言ったところだろうか。

ヘルメット団によるリンチにより、パワーローダーは既に機能停止寸前だった。

パイロットである社員がコクピットで呻いていると、突如轟音が響いた。

 

 

ドガシャン!!!

 

 

 

「!?!?!?!?!?!?!?」

 

 

それはカクラとカヤノが己の得物でコクピットを殴ったことにより発生した音だった。

その後も、何度も何度もコクピットから轟音は響く。

 

 

ドガシャン!!

 

「…な…何をっ!」

 

 

 

 

 

 

 

ドガシャン!!!

 

「まさか……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガァァァァァン!!!!!

 

 

「バカな!?有り得ない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベッシャァァァァン!!!!

 

「……ぁ…………」

 

「よお」

 

カクラはまるで旧友に会ったかのように気さくにパワーローダーのパイロットに話しかける。

そのちぐはぐな状況が、哀れなるパイロットの恐怖の感情を更に呼び起こす。

兵士としての訓練を受けている筈の彼であったが、ダメージがあったとはいえコクピットハッチを素手で引きちぎるバケモノ集団に抵抗するための訓練など受けてはいなかったらしい。

 

「ぃ…命だけはっ!命だけはとら─

 

「そう言って助けを乞う奴らを食い物にしてきたんだろう?」

 

「ちが……私は…」

 

「是非もなし」

 

「あああああああああああああ!?!?!?!?」

 

 

そして、超至近距離での狂花酔月(ミニガン)を喰らい、PMCは完全に壊滅した…

 

 

 

「…………存外、呆気ないものだな」

 

「っはは、勧善懲悪モノとしては満点の結末でしょ」

 

「問題は私達も秩序側から見れば悪っていう点なんだよ団長」

 

「でも…マコト先輩が部長のことを何とかしてくれるんですよね……」

 

 

 

 

「貴様らぁ……」

 

 

 

「「「!!」」」

 

 

 

ゆらりとした足取りで現れたのは、カイザーPMC理事である。

駐屯地が襲撃されていると聞き、爆速で駆けつけてきたようだ。

肩で息をしながら、理事は呪詛を吐き出そうとするが……

 

 

「貴様らのような社会のクズ共など……我々が本気をだせぶぁ!?」

 

「あ」

 

 

だが、その言葉が最後まで言われることはなかった。

何故か?その答えとは─

 

「えぇい何が──っ!?!?!?グアアアアアアアア!!?!?目がぁ!目がぁぁぁ!!!」

 

顔面─特に目の部分─にアイスピックがぶっ刺さっていたからだ。

どこぞの大佐*3のように悶え苦しむ理事を尻目に、ヘルメット団はこの攻撃をした者を誰何していたが、その後聞こえてきた声に誰がやったのかを理解し、皆一様に凄味のある笑み*4を浮かべた。

 

 

「ちゃんちゃかちゃんちゃんちゃちゃんちゃちゃんちゃん……」

 

 

コツリ……コツリ…とコンクリートを踏みしめ、奇妙なリズムを刻みながら”彼女”はやってきた。

 

 

「ちゃんちゃかちゃんちゃんちゃちゃんちゃちゃんちゃん……」

 

 

「ぐぅぅ!!きっ貴様ァァァ!よくもっ…おぶぇ!?」

 

 

絡みに行ったカイザー理事を鉄パイプで殴り飛ばし、彼女……ヤツメは言葉を…ネタを紡ぎだした。

 

 

「アトラ・ハシ~スの船かと思ったら~」

 

「へぶぇ!?きさぐべぇ!?」

 

 

そのまま理事へ追い打ちをかけまくるヤツメの腕の勢いは留まるところを知らない。

理事の悲鳴混じりの抗議にも、一切耳を貸すことはない。

そして、ヤツメは鉄パイプを槍のように構えると……”ネタ”の〆となる言葉を紡ぎ…

 

 

「畜群の遊園地でぇ~した~」

 

「きさ─

 

 

「チックショォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!」

 

 

「ッア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!!!!!!」

 

 

 

ヤツメの黄金のパイルバンカーが、カイザー理事を襲った!!!

 

 

 

 

 

*1
任務で敵として出てくるアレ。見た目が完全にアーマードなコア

*2
パイロットからすれば左脚

*3
えぇへ!?

*4
ニタァ……




ウトナピシュトゥムなんだよなぁ…



愉快なヘルメット団員ちゃんたち

ニュータイプ先輩

こんなもの!とか言ってた子。3年生
ヤツメがきまぐれに溢したガンダムネタに毒された結果、後ろに目をつけることに成功した逸材。
もちろん物理的につけたわけではなく心構え的なものである。

赤い彗星先輩

ガンダムネタにハマった子その2。三年生
ことあるごとに赤い彗星のモノマネをする。
100メートル走はベスト記録16秒で、50メートル走のベスト記録は12秒と走るのはそんな速くない。
ニュータイプちゃんとは幼馴染。

相方ちゃん

彗星先輩の相方。二年生
もとは秩序部門で動いていたが、ヒナと些細な喧嘩をしたことで監査部門に島流しされた。
そのことの仲直りができずにゲヘナを去ったのが心残りだった。
相方のモノマネに関してはうんざりしている。

筋肉先輩

筋肉で全てを解決していくシックでエレガントな三年生。
パワーローダーに見事な無駄無駄ラッシュを叩きこんでいた。
ここ1年碌に筋トレできていないのが悩み。

ドン引きちゃん

筋肉先輩にドン引きしていた子。二年生。
元はゲヘナ生とは思えないほど善良な性格だったが、ヤツメ達のせいで着々と頭がゲヘナに犯されている。
それでも根の優しさは隠せていないため、ヘルメット団のマスコット扱いされている。

お祭り騒ぎ先輩

久々の争乱にココロオドっていたゲヘナ生の鑑。三年生。
マコトの幼馴染で、開発部門が散々やらかしていた原因の一つでもある。
それでも監査部門に残れていたのはゲヘナだったからとしか言いようがない。
リンゴが好き

人質ちゃん

ヘルメット団途中加入組。学歴は中卒。
安易に人質をとるという発想をする典型的なスケバン。
キャスパリーグと張り合っていたのが密かな自慢。

葦名先輩

卑怯とは(ryと言っていた子。3年生。
本人は至って真面目な子なのだが、何かといじられがちでみんなからはムードメーカーとして親しまれている。
ヤツメが無事で本当に安心している。



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